福音という名の魔薬

 第弐拾話「力を超えし力、それは…」

 野辺山の戦場跡。
 其処では、作業用に改修されたJAによる2機のエヴァ・パペットと零号機、そして機密情報を満載した多くの残骸の回収作業が進められていた。
 ネルフ本部保安部の第5中隊200名が現場周辺を封鎖し、JAが物資輸送用の大型トレーラーに回収した機材を載せる。
 撤去作業の効率も手際も良いのだが、全ての作業が終了するまでには数日……ここを含めた被害が全て復旧されるまでには数ヶ月を要するであろう事は想像に難くない。
 巨大ロボット同士の死闘とは、それほどの被害を撒き散らすものであるのだ。

 その機材に先立ち、エヴァ・パイロット3名、パペット・ドライバー2名、そして…鈴原トウジだった少女が3機のVTOL機に分乗して本部へと急送された。
 全員が医療的処置、もしくは早急な休養を要すると判断されたからである。
 しかし、その中の一人……神経系に重篤なダメージを負っている少年が、VTOLが本部のヘリポートに着くなり総司令との面談を要求してきた。
 早く治療して休んだ方が良いとの勧めに従おうとせず、強硬に。
「父さん! なんであんなことしたのさ!」
 屈強な保安部の猛者達が遠巻きに囲む中、シンジはヘッドセットの通信機で発令所を呼び出していた。
「答えてよ!」
 怒りに震える手が、ポーチに常備しているLCL錠剤のパックを取り出す。
 6錠。
 1錠でも少年の力……ATフィールドを数時間維持できる力の結晶。
 それが、6錠。
「麻酔銃は?」
「プラグスーツを着たままなので頭部以外は通用しません。しかし、頭部を狙うのは危険が大き過ぎます。」
 冬月の質問に答える日向。
「同様にゴムスタン弾も効果が期待できません。また、閃光手榴弾や催眠ガスも効くかどうか不明です。」
 青葉が日向の発言を補足する。
 保安部要員で比較的穏便に鎮圧できる可能性のことを。
 しかし、最も穏便に済みそうな方法については議題に上らない。
 司令席に座す総司令、碇ゲンドウが話をすれば良い……と言うことは。
「このLCL錠剤6個。一度に飲めば僕でも本部を半壊させられる。」
「待て、シンジ君! そんな事をしたら君は!」
 手持ちのLCL錠剤全部を右手に載せて何時でも口中に放り込めるような体勢に移ったシンジを見て日向が蒼ざめる。
「操られるよりマシだ! 死ぬかもしれないけど、そんな事どうでも良い!」
 リミッターでもある擬似コア無しでは、LCL錠剤の過剰過ぎる摂取にシンジの肉体は恐らく耐えられないだろう。最悪の場合はシンジの身体が砕け散り、暴走した“力”の炸裂でN地雷の爆発にすら匹敵する被害が出るだろうと予測されていた。
「しかしシンジ君。ああしなければ君がやられていたぞ!」
 何とかそれは防ごうと日向が説得を試みるのだが……
「だからって、あんなモノ仕掛けて良いと思ってるんですか、本気で!」
 シンジの怒りは全く治まらない。
「だが、その仕掛けが君を救った。それが事実だ。」
 当たり前だが。
「これ以上僕を怒らせないでよ。」
 シンジの肉体は他人に好き放題に操られ、心の尊厳は踏み躙られたのだ。
 そんな怒りが簡単に治まる訳は無い。
 ましてや、そんな相手に医療的処置が必要だと言われても信用などできる訳は無い。
「碇司令の決断が無ければ、みんな死んでいたのかもしれないんだぞ。」
 青葉が日向の援護に乗り出すが、
「あんたらは初号機が…使徒退治の便利な道具が欲しいだけなんだろ!? だから、あんな装置なんか仕掛けてたんだろ! 僕の意志なんかどうでも良いんだ!」
 一面の真理を突いたシンジに、いきなり言葉に詰まらされる。
「答えてよ、父さん!」
 改めて父に返答を求めるシンジへの回答は……。
「鎮圧しろ。子供の駄々に付き合っているヒマは無い(使徒能力者が事態を察知して介入してくる前に終わらせねばならん。)。」
 包囲部隊に対する冷酷な指令だけだった。
『ちくしょう……』
 結局、シンジは催眠ガス・閃光手榴弾・投網・ゴム弾・電撃警棒…非致傷武器の集中攻撃で強制的に沈黙させられてしまった。
 言葉でも理屈でも愛情でもなく、暴力で鎮圧されてしまったのだった。



 ネルフ松本支部。
 バルディエルと呼称される事に決まった第13使徒出現による被害の事後処理に追われている中の一人…赤木リツコ博士が、傍目から見ると唐突に顔をしかめた。
「どしたの、リツコ。」
 同じく事後処理に追われている葛城ミサト二佐が体調を崩したのかと気遣うが、返事はミサトの想像を遥かに超えた剣呑なものだった。
「シンジ君が捕まったわ。」
 通信設備の仮復旧が終わるや否やマギとの交信を始めたリツコは、ほどなくシンジの反抗とその理由について知ったのだ。
「何ですって! ウチの保安部は何をしてたのよ!」
 捕まったと聞いて敵対組織に…と真っ先に思い浮かんだミサトの疑問を、
「その保安部に……よ。」
 リツコは真正面から打ち砕いた。
「ど、どうしたっていうのよ、それ!?」
「ダミープラグを使ったのよ。」
 ミサトに理由を訊かれ、そう吐き捨てるリツコ。
「ダミープラグ?」
「エヴァ能力者を遠隔操作する仕掛けよ。無理矢理にね。」
「何よ、それ!? あんたらそんなモノ作ってたっていうの!?」
 苦々しく説明するリツコの襟首を引っ掴むミサト。
「随分前に未完成状態で放棄した筈なんだけど……司令が極秘で研究を進めさせていたんでしょうね。」
 至近距離で浴びせられる瞋恚満載の視線に、リツコも憤懣山盛りの視線で睨み返す。
 絡み合う視線は、間に木屑を投げ込むと炎上してしまいそうな熱さで燃え上がる。
 神ですら割り込むのを躊躇うのではないかと思ってしまうほど息詰まる対峙は、
「止めましょ。こうしてても仕方ないわ。」
 始まったのと同じく突然に終わりを告げた。
「そうね。」
 ミサトが手を離し、リツコが大きく息を吸う。
「とにかく、一刻も早く本部に戻らないと。……使えるヘリか飛行機はある?」
「全部怪我人の緊急搬送に使ったわ。車しか無いわ。」
 ミサトとリツコとマヤ…3人で手分けしてATフィールドを展開したとはいえ、負傷者と機材の損害を0にする事はできなかった。
 ただ、死人が出るのだけはどうにか防いだのであるが。
「車じゃ時間がかかり過ぎるわ。戦自から借りられないかしら。」
「特務権限が使えないと無理ね。……って、え?」
 無闇と借りを作るのは好ましくないと冷静に判断して答えたリツコだが、気になる情報を小耳に挟み、顔色を変えた。
「どしたの、リツコ。」
 その情報とは……
「特務権限、遠慮無しに使えるようになったわよ。」
「それって……まさか……」
「そう……使徒よ。」
 第14番目の使徒が来襲した、事実であった。



 新たな使徒の侵攻を察知したネルフは、東海地方を中心に非常事態宣言を発令した。
「総員第1種戦闘配置。地対空迎撃用意。」
 民間人の速やかな避難が始められ、発令所を始めとするネルフ本部には緊張が走る。
 ちなみに、現在ここ第1発令所は出張でネルフ本部を離れている機動部隊長の葛城ミサト二佐、作戦部長のカティー・ジーベック少佐、オペレーターの伊吹マヤ一尉、技術部長の赤木リツコだけではなく、MAGIの主任オペレーター3人をも欠いていた。
 あまりに苛烈で酷薄なシンジへの処断に猛抗議した結果、シンジの秘書である白石ミズホと4人まとめて独房に投獄されてしまったのだ。
「目標は?」
「現在進攻中です。駒ヶ岳防衛線突破されました。」
 冬月の問いに、青葉がオペレート業務の手を休めず素早く答える。
 第14使徒の動きは早いが、百戦錬磨の守備陣が全く対応できないほどではない。
 しかし……
 おっとり刀で駆けつけた戦自のロケット砲車の攻撃も、
 兵装ビル群から浴びせられる激烈な対空砲火も、
 空中を我が物顔で進む使徒の侵攻を一瞬たりとも押し止められない。
 逆に、間近に近付いて来た使徒の目らしき場所が煌くと、
「第1から18番装甲まで損壊。」
 第3新東京の一角に十字のカタチをした特大の火柱が上がった。
「18もある特殊装甲を一瞬に!?」
 日向が驚愕と恐怖で上ずった叫びを上げる。
 ちなみにジオフロント天蓋部の特殊装甲板は全部で22層。
 N弾道ミサイルですら一発で貫通できるのは4〜5層という強度がある筈の装甲。
 それが、いきなり貫通寸前まで撃ち抜かれたのだ。
 驚くのも無理は無いと言える。
「セカンドをジオフロント内に配置、地上迎撃は間に合わん。零号機は使えるか?」
 ゲンドウの予測を裏付ける様に次々上がる爆光の火柱。
「まだ野辺山です!」
 しかし、対使徒戦闘の切り札の一枚であるエヴァ零号機の回収は済んでなかった。
 第14使徒の来襲が早過ぎ、しかも第13使徒戦が遠征になった影響である。
「ならば、レイもセカンドと同じ位置に配置。急げ!」
 使徒戦の要であるエヴァンゲリオン・パイロットの撤収が完了していたのが、せめてもの幸いと言えるだろうか。
「冬月、少し頼む。」
 当座必要な指示を出し終えたゲンドウは、
「分かった。」
 後をスタッフに任せて発令所を後にした。



 白く染まる世界。
 僅かな濃淡で辛うじてカタチが見て取れる灰色で彩色された廊下を、2人の女性が急いでいた。
「歪みの中心をどうにかすれば、ここを何とかできるんだな。」
 長身の金髪美女が、遅れて続く小柄な黒髪の女性に確認を取る。
「…………はい。」
 虚数空間に放り出されたばかりで未だ崩壊が始まっていないネルフ第2支部の中を。
「この状態は、あとどれだけ維持できる?」
 笑っている者、怒ってる者、真剣な者、泣いている者…種々様々、人それぞれの表情を浮かべた灰色の人々が、その状態のままで凍り付いている。
「……あと、3分…ぐらい……です。」
 第2支部が消失した地点から痕跡を辿り、ディラックの海に飲み込まれた直後の彼らを第2支部の建物ごと保護したのは、つい先程の事。
 しかし、何らかの邪魔によって通常空間への復帰は妨げられていた。
 第2支部の建物やその職員達が虚数空間に晒されて分解し散逸するのはチカゲの持つレリエルの使徒能力を応用する事で何とか防いでいたものの、元の時間ポテンシャルの差異からか…それともATフィールドを展開できる能力のおかげからか、今現在この空間内で動けるのは彼女ら2人だけであった。
「そうか。では急ぐぞ。」
 オブジェと化した人々の立像の間を超人的な速さで駆け抜ける美女と美少女を阻むモノは、皮肉にも侵入者防止の為にわざと複雑な配置にされた廊下と階段であった。
 設計者の意図通り、しかし本来の目的とは真逆に。



 ネルフ本部の一角。
 ジオフロントの地下に広がるネルフ本部の中でも、殊更に地下にある区画。
 ゲンドウは保安部に所属する黒服の一団を引き連れてここにやって来ていた。
 この、使徒が来襲している緊急事態に。
 闊歩する足音が数多く並んでいるドアの一つの前で止まると、ゲンドウは一言命じる。
「開けろ。」
 と。
 黒服の手で開かれたドアの先にいた者は……
 両手首に3個の手錠がかけられ、固い寝台に腰掛けてジッとしていた息子…碇シンジであった。
 その息子相手に父親が吐いた台詞は、謝罪でも恫喝でも…勿論懇願でもなく……
「出撃。」
 ただの命令であった。
 ……
 そう声をかけられたシンジは無言で、顔を上げてゲンドウを見ようともしない。
「どうした、聞こえないのか?」
 感情を交えぬ淡々とした問いかけ。
「どうして…今更……」
 弱々しい反問。
「使徒だ。」
 短い返事。
 その後、しばしの沈黙の後、
「時間が無い。早くしろ(今のレイとセカンドでは、あの使徒を倒すのは難しい。)。」
 ゲンドウはシンジを従わせようとする。
「もう戦いたくありません。ここにもいたくありません。」
 しかし、先の使徒戦以来の扱われ方は、シンジに拒絶の言葉を言わせるに充分な憤りを溜め込ませていた。
「そうか。また逃げるのか(説明できるなら、どんなに楽か……しかし……)。」
 人類補完計画。
 人類を救済する為のこの計画…現在、シンジを中心に進められている計画では、この段階でゲンドウがシンジと話し合い、分かり合う事は大きく制限されていた。
 心の傷を抉る為に。
 心の傷が癒え切ってしまう事の無いように。
 しかし、それが、シンジの無意識に植え付けられた逃げる事への忌避、それすら効果が無くなってしまうほどの傷を心に負わせてしまっていたのだ。
『冬月に来て貰えば良かったか。今からでも……いや、それでは間に合わん。』
 事態とシンジのことを少しばかり甘く見ていた事を後悔しながらも、毅然とした態度を些かも崩さず命令を下す。
「6番の電磁カタパルトに連れてゆき、プラグスーツに着替えさせろ。」
 連れて来ていた黒服の皆さんへと。


 轟音と共に最後の装甲が溶融し、使徒の巨体が楽々通れる縦穴がジオフロント天蓋部に開かれてしまった。
 穿たれた穴を覆う爆煙を突っ切って悠々と現れた巨体に、アスカとレイは対使徒戦では今まで使った事が無い携帯用のロケットランチャーを向けた。
「食らええええええぃ!」
 気合いというより絶叫と共に放たれた一撃、無言ながらも必殺の意を込めた一撃の双方共々見事に使徒へと直撃するが……
「効いてない! チッ、次!」
 戦車なら10台まとめて吹き飛ばせる程の爆弾…電場で封じ込めていた微量の陽電子の対消滅反応を利用した超強力弾…2個の爆発をモロに食らったにも関らず、使徒は意にも介さず降下してくる。
 2人は手に持ってるランチャーの基部を投げ捨て、あと8本用意されている装填済みのロケットランチャーを拾って構え直し、撃つ。
 レイとアスカが放った第2撃は、今度は僅かな時間差で着弾する。
 しかし、結果は全く同じであった。
「ATフィールドは中和してるはずなのにぃ!!」
 胴長短足猪首…というより、人の身体を極端にディフォルメした体型の使徒は、次々直撃する砲弾を相手にせずジオフロントの地表近くまで降りて来た。
 見た目にはノーダメージのままで。


 新しいプラグスーツに着替えさせられ、電磁カタパルトの荷台の椅子に拘束され、口の中にLCL錠剤を捻じ込まれたシンジの視界の隅で、
「ダミープラグを起動しろ。急げ!」
 ゲンドウが命令を叫ぶ。
「もう父さんの言いなりになんかなるもんか! うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
 ダミープラグの呪縛に逆らって椅子の上で苦悶するシンジを見詰めるゲンドウの視線に一瞬苦衷が混じるが、サングラスの存在が周囲の人間や当のシンジにそれを知られるのを妨げる。
『恨まれても憎まれても仕方ない。だが、今回だけは……今回だけで良いからお前の力を貸してくれ、シンジ!』
 そう…思うままに言ってしまえれば、どんなに良いだろうか。
『しかし、それを言ってしまえば、お前はあの老人達から生命を狙われるようになってしまう。予備の……もう一つの計画の妨げだと言われてな。』
 現在進められている人類補完計画の要たる資質を失い、更に予備の計画の妨げとなるなら、人類補完委員会…いや、ゼーレの12使徒は迷わずシンジ抹殺を決するであろう。
 それに抗いシンジを守り切れる力は、残念ながら今のゲンドウには無い。
 隠し持ち、鍛え上げた“力”の全てを費やしたとしても。
『頼む……』
 伏し拝みたくなる衝動に耐え、傍目には管制室から傲然とシンジを見下ろしている様に見えるゲンドウの目の前にある制御盤から、全ての光が消えた。
「なに!」
 そして、ディスプレイの一つに異変についての情報の断片を知らせる表示が灯る。
「どうした! 何があった!」
「ダミープラグのプログラムがハッキングされて…デリートされていきますわ!」
「何だと!」
 ドンッ!
 次いで、少し目を離した隙にシンジの乗る座席が地上に向けて疾走を始めた。
 電磁カタパルトのレールウェイを辿り、地上へ向けて。
「C級以下の職員は速やかにシェルターに避難しろ!」
 マイクに向けて命令を怒鳴ると、ゲンドウは急いで発令所へと向かった。
『場合によっては、アレを……“アダム”を使わなくてはならんかもしれん。受容処置が未だ途中だから、今使えば私の命は確実に無くなるだろうがな。』
 でき得る限り正確な現状を把握する為に……。


「行くわよ、レイ!」
 高周波振動刃の薙刀…ソニックグレイブを腰だめに構え、使徒目掛けて一気にジャンプするアスカ。
「ええ。」
 同じく高周波振動刃の日本刀…マゴロク・エクスターミネータソードを下段に構えて地を駆けるレイ。
「ATフィールド、全開。」
 使徒がアスカを足止めしようと張ったATフィールドは、レイが逆袈裟懸けに振り上げた日本刀の剣風に乗せて撃ち出したATフィールドに侵食され、中和された。
 その破口のど真ん中を、アスカは大上段に振りかぶった薙刀にATフィールドを集めつつ、最短距離を一直線に突き抜ける。
 狙うは、腹部に露出している紅いコア!
「食らえええええええええ!!」
 刃を振り下ろそうと見据える先で、こじんまりとした使徒の肩先から畳んだ布……あるいは平麺の如き腕らしきモノが展開し、伸びた。
「ぐふぁぁあぁぁあああああああ!!!」
 攻撃に全力を注いでいた2人には、その攻撃を防ぐ術が無かった。
 ソニックグレイブとアスカの腹部に命中した平たい腕は、それぞれを別々の方向へと勢い良く弾き飛ばした。
 そして、動揺で僅かに動きが単調になったレイに向けて使徒の眼が不気味に閃く。
 レイの姿が怪光線が描く十字の爆光の彼方へと消え、アスカの身体がジオフロントの外周部の壁を突き抜けて姿を消す。
 2人のエヴァ・チルドレン……使徒に対抗し得る武力を身に備えたネルフが誇る人類の守護女神達は、こうして敗れ去ってしまったのだった。
 第14の使徒が嫌と言うほど見せつけた圧倒的な“力”の前に……。

『あれ? 止まっちゃった。』
 拷問みたいな頭の中をグリグリ掻き回す感触が消え、訳も分からない内に座らされていた椅子ごと電磁カタパルトで移動させられたみたいだけど、その荷台が止まっていた。
 終着地点……地上のエレベーター・ビルやジオフロントの地表なんかじゃなく、明らかに線路の途中でだ。
『なんだろう、故障かな?』
 ドサッ!
 首を捻る僕の右の方へと、何かが落ちる音がした。
 柔らかくて重い物を床の上に投げ出した…そんな音。
「なんだろう?」
 首をそっちに向けて、頭上の方……急傾斜で地上に向かう線路の先の方から転がり落ちてきたモノを見る。
 それは……
「ア、アスカっ!!」
 同僚であり、恋人の一人である人物……惣流・アスカ・ラングレーの肉体であった。
 手枷足枷シートベルトで拘束されているのも忘れて立ち上がると、通電が止まっているのか電子ロック式の枷はあっさりと外れ、シンジを解放した。
 そんな事に思いも致さず、シンジはアスカの傍に駆け寄る。
 力無く荷台の床に転がり、腹部の無惨な傷口から腹腔内の圧力で押し出された毒々しく白い腸をはみ出させているアスカの全身は、ボロボロにされた愛用のプラグスーツと同じく朱に染まっていた。
 自らから流れ出てしまったおびただしい血で。
「アスカ……。」
 血で汚れるのも厭わずに手を取ると、弱々しいながらも鼓動が伝わってくる。
 目蓋を閉じて、呟く。
「逃げちゃ駄目だ(まだ生きてる、まだ間に合う。)。逃げちゃ駄目だ(戦わないって、もう決めたんだ。)。逃げちゃ駄目だ(でも、そうしたらアスカを見捨てる……見殺しにしちゃう事になる。)。逃げちゃ駄目だ(それは、それだけは嫌だ。)。」
 シンジの今までの人生、逃げて事態が好転した例は無い。
 全て、切り抜けようとした事態よりも悪くなって襲いかかって来た。
 それゆえ擦り込まれた言葉が、シンジの中で暗示の様に大きくなっていく。
「逃げちゃ駄目だ(僕は、アスカを助けたいんだ!)!」
 今にも冷たくなりそうな気絶したアスカの血塗れの身体を両の腕で抱き上げる。
『早く、使徒の所に行かないと。手遅れになっちゃう!』
 膨らんでゆく想いは、シンジの中の枷を、そっと外した。
 眩い光が、2人を包んだ。

 急いで発令所に駆け込んで来たゲンドウの目の前……メインスクリーンに、小さな白い光点が灯った。
「ルート36番内部に強度のATフィールド確認! 波動パターンはオレンジ……シンジ君です!」
「何だと!」
 青葉の報告に、思わずゲンドウが聞き返してしまう。
 しかし、改めて質問するまでも無かった。
「あれが……シンジ君か………」
 ジオフロントの側壁…電磁カタパルトから続くレールウェイ…を突き破った少年の姿がスクリーンに大写しされたのを目の当たりにした日向が思わず呟く。
 背に淡く輝く12本の光を放射状に生やし、見事な金髪すらも真っ赤に染まるほど血塗れの少女を腕に抱いた少年は、思い切り良く宙に身を任せた。
 対流で発生した風の流れに髪をなびかせ、少年は宙を飛翔する。
 地下の空洞に広がる作り物の大空を。
 天の御使いと呼ばれる、巨大な生命体に向かって。
 頼りなく不安定な、今にも消えてしまいそうな背のツバサで。
 改めて少年に向き直った使徒の3個の穴でしかない顔が、何故か笑みを連想させるカタチに歪んだ。
 そして……
 カッ!
 突如、使徒の双眸が閃いた。
 ジオフロントの天蓋を撃ち抜き、レイを吹き飛ばした爆光がシンジに襲いかかる。
 しかし、
 誰かが唾を飲み込む音が妙に大きく聞こえるほど静まりかえった発令所のスクリーンに映し出された少年には、何らの打撃も与えられなかった。
 六角形の光壁に遮られて。
「こ、これが……エヴァ初号機の…いえ、サードチルドレンの力だと言うのですの?」
 ATフィールドが張れないばかりに正式なチルドレンとは認められなかった自分とのあまりにも大きな力の差を見せつけられ、呆然とするマリィ。
 次に使徒は両の腕を伸ばして切り裂こうとするが、少年はそれを軽やかに躱す。
 更に怪光線を一閃。
 だが、これもシンジが展開したATフィールドが弾き返す。
 お返しとばかりにシンジの眼が輝くと、今度は使徒が展開したATフィールドを光が揺らがせる。
「これは……第3使徒、サキエルの攻撃と同じです!」
 青葉が叫んだ分析結果に、発令所内は騒然とする。
 エヴァンゲリオン初号機の力とは、ここまで規格外のものだったのか…と。
 使徒は一杯に伸ばしていた腕を引き戻して少年を後ろから薙ごうとするが、一瞬後には懐深く……光球の眼前にまで距離を詰められていた。
「あれは、第12使徒の瞬間移動!」
 アスカを抱いてるので使えない両腕の代わりに、少年の右足が蹴り上げられる。
 標的は、使徒共通の弱点…目の前にある赤いコア!
 だが、使徒は身の危険を感じたのか素早く光球の暴露部に保護カバーを下ろす。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
 裂帛の気合いを上げた少年が、何をどうやったのかキック1発で使徒の巨体を仰け反らせ、そのまま右足一本で地面に向かって押しまくる。
 もし、少年が今まで出現した使徒の能力を使えるというのなら、恐らく第10使徒サハクィエルが持つ重力制御の力であろう。
 そんな冷静な分析ができたのは後々の事。
 シンジの足に踏まれた保護カバーが真っ赤に溶けて砕け散ったのと、第14使徒の巨体がジオフロントの大地に落下して土埃を盛大に巻き上げたのは、ほぼ同時であった。
 そして、その土埃が晴れ、視界が回復しても……嫌でも目に付く筈の使徒の巨体は何処にも見つける事ができなかった。
 ……そう、何処にも。

「ふう……やっと、納得してくれたみたいだね。良かった……。」
 シンジは、腕に抱いていたアスカの力無く微かに脈打っていた鼓動が途切れる前に使徒がその気になってくれた事で、胸を撫で下ろしたい気分になっていた。
 しかし、勿論……
 これからが、本番なのだ。
 常人ならとうの昔に冷たい骸と化していてもおかしくない程の重傷を負ったアスカと使徒が融合した後が。
 腸どころか他の臓器まではみ出始めていた腹部の傷が見る見る塞がり、蝋の如き病的な白さに染まっていた顔色は瞬く間に血色を取り戻す。
「ん……」
 見開かれたまま輝きを失っていた瞳が、ゆっくりと焦点を合わせてゆく。
「良かった……。」
 心配そうに自分の顔を覗き込む少年へと。
「アタシ………負けたの?」
 口篭もり目を逸らす少年の態度で、少女は真実を悟った。
「なんで助けたのよ、馬鹿シンジ! そんなにアタシとヤりたかったの!?」
 嬉しい気持ち…腹立たしい気持ち…悔しい気持ち…必要とされたい気持ちが渾然一体となり、怒声となってアスカの口から飛び出す。
「こんな役立たずなんか放って置けば良かったじゃない! こんなに何度も何度も何度も負けて! アンタだってホントは呆れてるんでしょ!? 使徒との戦いでもベッドの上でも役立たずなアタシなんか!」
 悲痛な自虐の叫びを次々ぶつけてくるアスカを抱いている手の力をシンジは強める。
 そして、言う。
「いや、アスカを助けたかった。生きてて欲しかった。それだけだよ。」
 シンジ自身の心の中にある言葉を。
 できる限り、正確に。
「それでアンタに何の得があるって言うのよ!」
 身体目当てでも無く……もし、そうなら、情交どころか見られただけでイッてしまって使い物にならなくなるアスカは、シンジにさっさと捨てられていただろう。
 容姿目当てでは無く……もし、そうなら、シンジは第9使徒の溶解液で手足が醜くただれた時、アスカを抱き締めてはくれなかっただろう。
 頭脳目当てでは無く……もし、そうなら、シンジはアスカやリツコ…マヤなんかの頭脳派の恋人達をもっと自分から利用している筈だ。
 ……アスカは、その他にも考え付く限りの自分の利用価値を思い浮かべて見るが、どれもこれも自分を助けるのにここまでする決定的な理由に思えない。
「アスカがいてくれる。それだけでも嬉しいんだ。」
 嘘の無い真剣な瞳。
 今や真正面から交錯する視線。
「あ……」
 そう。
 答えは、それしかない。
 それが一番自然で、納得できる。
 求められているのはアスカそのもの……ただ、それだけ。
 アスカが一番欲しかった、自分がいても良い…いさせてくれる…そして、いたいと心底思う事ができる場所。
 アスカは不自由な体勢に苦労しながらも上半身を起こしてシンジの首筋に手を回し、耳元で囁く。
「……馬鹿。いいわよ。こうなったら、どうにでもしていいわよ。」
 むしろ、どうにでも好きにして欲しい……と願うアスカの耳元に、
「じゃあアスカが僕のモノ以外にはなれないようにしてあげる。身体の隅々にまで僕のモノだって証拠を刻んであげる。もう二度と僕から離れられなくなるように。」
 シンジがそう囁いた言葉だけで、真紅の戦乙女は本日最初の絶頂を極めた。
 それからしばらくして、少しだけ身を離し、
「……優しくして。」
「わかってる。」
 頬を赤くしてそっぽを向いたアスカに、シンジが優しく肯いた。
 再び双方の顔がゆっくりと近付いてゆき、唇と唇が重なる。
 ぴちゃ…くちゃ…
 湿った音を立てて舌が絡み合う毎に、
 相手の口の中に舌を入れ、互いの唾液を味わう毎に、
 アスカの頭の中でエクスタシーの細波が次々とフラッシュする。
 シンジの暖かで優しいATフィールドがアスカの爪先から髪の毛一本までを柔らかく包み込み、身体中の穴という穴に視線を感じたアスカはロクに愛撫もされていないのに胸の頂きの突起をピンと立たせ、男を受け入れるべく芳醇な香りの汁を滴らせ始めた。
 シンジはアスカが自ら抱き付いてる為に自由になった右腕の人差し指と中指の2本でアスカの背中をつつっと撫で下ろし……尻の膨らみの間に隠された慎ましやかな窄まりにツプッと突き刺した。
「やっ! そこ…そこは違っ!」
 しかし、すっかりと緊張を解いていたアスカの菊穴は、いきなりの奇襲にも関らず2本の指を難無く歓迎してしまっていた。
「あうっ!」
 今更のようにキュッと絞めるが、それはシンジの指の動きを封じると同時にアスカ自身への刺激を強める結果となる。
「違わないよ。アスカの全部は僕のものなんだから。」
 ゾクゾクする程の喜悦と一緒に、遠くに追いやられていた拘りが帰ってくる。
「ず…ずるいわよ。アンタは全てを寄越さない癖に……。」
 たくさんの心の痛みと涙と共に。
「ご、ごめん。」
 でも、その心の痛みも、それを癒して余りあるほどの力を持ったモノを同時に思い出した事によって淡雪の如く呆気無く消えていく。
 シンジを通して築かれた……友人であり、家族であり、好敵手であり、仲間である者達との絆。惣流・アスカ・ラングレーという少女が帰属すべき場所、帰属したい場所、帰属するのを許される場所。それがもたらす安心感と連帯感と幸福感。
 例え碇シンジと言う人間の全てを独占できたとしても、恐らく引き合わないだろう巨大な喪失の予感。それを味わわずに済む道は一つしか無かった。
「だから、その代わり……アタシを離したら許さない。絶対、許さない。」
 すなわち、現状維持。
 シンジを誰も独占できない代わりに、誰もがシンジに愛される……そんな、今の幸せが続いてくれるよう、少女は少年に約束を迫る。
 牧師の前で永遠を誓う代わりに。
「うん。」
 指輪を交換して、唇を交す代わりに。
「忘れたら酷いわよ、良い?」
「分かってる。死ぬまで、離さない。」
 アスカにとっての殺し文句のオンパレードに、今までで最も丈夫な使徒を取り込んで得た耐久力でさえも意識を保つのが辛くなってきた。
「じゃ、じゃあその証拠を見せてよ! 早く!」
 だから、おねだりに聞こえるかどうか微妙なおねだりを叫ぶのだ。
 精一杯の強がりで。
 それに答えたのか、シンジはアスカをジオフロントの芝生の上に仰向けに横たえる。
 真紅のプラグスーツは着たままだ。
 着たままでもするのには支障が無いというのもあるが、アスカのエリートとしての証である専用のプラグスーツ、それをも汚して貶めるつもり……いや、そう思わせる事でよりいっそう強烈な官能をアスカに感じさせるつもりなのだ。
 くちゅり…
 それが証拠に、シンジの屹立した肉槍が触れる前に、アスカの下の唇は期待でいやらしい唾液を溢れさせていた。
「いくよ。」
 そして、ついに……
 数々の少女の膣で鍛え上げられた狂猛な剛直が、潤んで開きかかっている秘唇に向けて突き出された。
「かっ、かはっ。」
 激しい痛みに思わずずり上がるアスカ。
 両手で無意識に地面を掴み、苦痛から逃れようと後退る。
 しかし、そんな短い逃走劇も、
「駄目だよ、逃がさない。」
 シンジが両腕でアスカの太股を掴まえてしまった事で終わりを告げた。
「ああ……。」
 諦観と絶望と……期待と情欲の入り混じった溜息は、
「今日は気絶しても許してあげない。」
 一見非情に聞こえる宣言を耳にした途端、明らかにその熱を増した。
 ズブッズブッズブッ…プチッ…ズブッズブッ…
 14年間大事に守られてきたものの割りにはとてもあっさりと破れた膜は、自らを葬り去った肉の凶器に返り血を浴びせて一生一度切りの歓待をする。
 自分の肉槍を奥の奥まで捻じ込んで、シンジは抜き挿しを始めるのではなくアスカの身体の上に倒れ込むように重なった。
「全部、入ったよ。」
 耳たぶを甘噛みし、うなじに舌を這わせるシンジに、アスカが訊く。
「動かないの?」
 もっとも、シンジは全く動いていない訳では無い。
「動いて欲しいの?」
 派手なピストン運動やグラインドこそしてないが、互いの身体を微妙に擦り合せて色々と微妙なトコを刺激し続けているのだ。
 それが、ある程度までは自力で、その先はシンジが“視る”事で今まで丁寧に育ててきた性感帯を喚起し、痛覚を薄れさせるのを期待して。
「そ、そんなんじゃ…あうっ!」
 しかし、その時期も過ぎ去った。
「あ、あうっ! うっ、やっ、やあっ!」
 ジュッ…ジュボッ…ジュポッ…ジュボッ…ジュッ…ジュプッ…
 ゆっくり浅く抉り、肉芽や乳房を自由になった両手で弄くり倒す。
 もうこうなってしまっては、さしもの天才少女といえども百戦錬磨の牡に翻弄される無力な若い牝でしかなかった。
 好き放題料理されている哀れな美しき獲物に最後の止めを刺すべく、シンジの腰が段々とピッチを上げてゆくと、本能に訴えかけるような粘つく水音と悲鳴にも似た嬌声も全く同じ調子でピッチを上げてゆく。
 そして、遂に……美獣の胎内に灼熱の弾丸が撃ち込まれると、注ぎ込まれた悦楽のあまりの激しさに全身を仰け反らせて悶絶寸前まで追い込まれた。
「き…今日のところはこれで勘弁してあげるわ……。」
 気力を振り絞ってか、肺の中の空気を搾り出すようなか細い声で負け惜しみを囁いたアスカの意識は、そこで途切れた。
 とても満足そうな笑みを浮かべた寝顔で。



 ネルフ本部第1発令所。
「パターン青、消失! 使徒、完全に沈黙しました。」
「ファーストチルドレン発見! 回収班向かいます!」
 紆余曲折はあったが、今ここは戦勝に沸いていた。
「避難シェルターへの被害は無し。その他の被害は現在算定中。」
 単純な戦闘力なら恐らく今までで最強の使徒の急襲、辛くもそれを撃退し得たのだ。
「ダミープラグ・システムにハッキングした敵は残念ながら不明ですわ。引き続き調査を行なわせていただきますわ。」
 約1名は不本意丸出しの表情で唇を噛み締めていたが。
 これで後は事後処理だけだと発令所に詰めていた大半の人間が思った時、
 スクリーンの中で立ち上がろうとしたシンジが、ゆっくりと後ろに倒れた。
「シンジっ!」
 それを見て真っ先に血相変えて席から立ち上がって叫んだのは、司令席に座していた人物……碇ゲンドウその人だった。
 他の人間がまごついている間に、急変した事態への対処を大声で怒鳴る。
「救出急げ! 生命維持を最優先! エヴァ能力など無くなっても構わん!」
 人が変わったように人道的なゲンドウの指示にかえって発令所が混乱をきたすが、
「どうした、早くしろ!」
 総司令に重ねて急かされては指示に従わない訳にもいかない。
 しかも、今回は良心が欠片も痛まない指示である。
「は、はいっ! ……バイタル低下! ファーストエイド機能全開!」
 日向がプラグスーツ付属の応急治療機能を遠隔起動し、
「至急、最寄りの回収班と医療班を向かわせます!」
 青葉が最も早く現場に到着できそうなレスキューチームに緊急指令を伝達すると言うように、己の職責と能力の範囲で最善を果たそうときびきび動き始めた。
 サードチルドレン……いや、碇シンジという一人の少年の命を救う為に。
「良いのか?」
「シンジを失うよりは良い。」
 冬月の質問に短く答えると、ゲンドウは自分がやるべき事を模索し始めた。
 今は愛すると公言できない息子を助ける術を見出す為に。



福音という名の魔薬
第弐拾話 終幕



 ゲンドウはシンジの頭が冷えてから冬月かリツコに事情を説明して貰う予定だったのですが、いかんせん次の使徒(ゼルエル)襲来が早過ぎましたな。
 使徒戦については“力”を司る使徒ゼルエルなだけに……自らに勝る何らかの力を見せつけられて納得したというカタチを採ってます。もっとも、シンジ君が覚醒してたからこそバトルが発生したんでしょうが。
 今回の見直しと御意見協力は、峯田太郎さん、きのとはじめさん、【ラグナロック】さん…でした。皆様、大変有難うございました。

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