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『ルイズは悪友(とも)を呼ぶ! After』その7

久々な感のある「るいとも」です。今回は(今回も?)ネタのみで内容はナシ!


『るいとも *Aの7』

 「釣り具の武道会?」
 一体、それはどういうものなのか、とサイトは首を傾げる。
 「釣り具の武道会、正式には"釣漁具による上覧武術大会"と呼ばれる御前試合。その歴史は古く、紀元前11世紀の中国は周の時代にまで遡れる。
 太公望の異名で知られる軍師にして仙人でもあった呂尚が、長江の怪魚を釣り竿を用いた不思議な武術をもって退治したという故事に端を発すると言われている。
 参加者は、柳の枝を加工した「竿(カン)」と呼ばれる武器を携え、3間、つまりおよそ5.4メイル離れて向き合った位置から試合を開始することとなる。
 「竿」の基本的な使用方法は鞭(ベン)に似ているが、弦の部分を敵にからめて捕縛したり、近接戦では竹製の「毘駆(ビク)」と呼ばれる一種の盾を攻防に用いたりして、多彩な戦い方ができるのが特徴。
 この大会での優勝者は、開祖になぞらえて「第○代・対江坊」の称号を名乗ることが認められる……」
 真顔でスラスラと、民●書房ちっくな偽トリビアを吐くタバサ。
 「いや、さすがにそれは嘘だろう……」
 このハルケギニアで古代中国とか言われてもニャ~、と呆れるサイト。
 それにしても、基本的に真面目なはずのタバサまでが、こんな風に悪ノリするようになるとは……。
 (「男塾」と「ゴッドサイダー」を貸したのは失敗だったかもしれん)
 朱に交われば赤くなる、ということわざの実例を垣間見た気がするサイトであった。

 「釣り具じゃなくてフリッグ! それに、ぶ"ど"うかいじゃなくて、ぶ"と"うかい。踊るほうよ!!」
 ルイズの説明で、サイトもようやく事態が飲み込めた。
 現代日本の平均的な視点から見れば、十分上流層に位置づけられる平賀家出身のサイトだが、さすがに西欧式の舞踏会にまで出席した経験はない。
 ちなみにカクテルパーティーなら、じつは中学のころに2度ほど経験はあったりする。ケッ、ブルジョアめ!
 「前回のフーケ逮捕に一役買ったから、学院長が報奨代わりに今回の舞踏会に出る際のドレスの代金を負担してくれるんですって」
 キュルケのツェルプストー家はガリアでも屈指の金持ちなはずなのだが、それでも、やはり学生の小遣いにとってドレス代の比重は小さくないらしい。
 「サイトも参加していいそうだから、何か仕立てたら?」
 ルイズの言葉に、ふむ……と考え込むサイト。
 「せっかくだから、ちょっとハッチャケてみるか。ルイズ、ひと口乗らないか?」

 それから数日後のフリッグの舞踏会の夜。
 「ヴァリエール公爵家が令嬢、ミス・ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、およびその使い魔、ミスタ・サイト・ヒラガーのおなりぃ~!」
 さて、サイトのエスコートを受けつつパーティー会場に姿を見せたルイズだが、ふたりの格好を見て、会場で談笑していた男女は大きくどよめいた。
 サイトの方は、一言で言えば「白い軍服」。日本史に詳しい人間が見れば、それが戦前の海軍将校の夏用制服であることがわかっただろう。
 普段は親しみやすいがやや頼りない印象を与えるサイトも、こういう服を着ると気持ちが引き締まるのか、なかなか凛々しく見える。サーベル代わりのデルフリンガーにも違和感がない。
 こちらについては、学院の生徒たちもそれほど驚きはしなかった。
 それに比して、彼に手をとられて静々と歩みを進めるルイズの格好は、男女問わず衝撃を与えた。
 まずは髪型。普段は無造作に流している髪を、頭頂部近くでリボンで結わえ、ポニーテイルにしている。うなじを露出しているのがかなり色っぽい。
 髪の色に合わせたかのような鮮やかなチェリーピンクの振袖をまとい、ウェストには深紫の幅広帯を締め、下半身には真紅の女袴を履いている。
 言うまでもなく、某帝国歌劇団の看板女優、真宮寺さくらの格好(コスプレ)だ。
 足元は黒のパンプスではなく革製のショートブーツだが、むしろ活発な印象を引き立てている。また、刀の代わりに腰にメイジの杖を差しているのも、この場所にはふさわしかろう。
 さらに、続いて現れたキュルケとタバサの格好も、会場にどよめきを生じさせる。
 キュルケの方は、ルイズ同様の和服──ライトパープルを基調とした振袖を着ているのだが、豊満な胸元を大胆に開け、裾も大きく前をはだけている。
 もちろん神崎すみれの服装だ。オリジナルとの違いは、ヘアバンドではなく銀のカチューシャで髪をまとめていることと、首周りにチョーカーではなくアメジストをあしらったネックレスをはめていることだろうか。
 タバサの場合、簡潔に言えば「男装」と呼ぶのが近いだろう。
 スタンドカラーの白いブラウスに、腰回りをピッタリと包む同じく白のタイツ。その上から燕尾服に似たシルエットの鮮やかな青の上着を羽織り、足には同じく青いハーフブーツを履いている。
 もう、おわかりであろう。レニ・ミルヒシュトラーゼの帝撃戦闘衣装を模しているのだ。
 つまり、この4人で「サクラ大戦」しばりのコスプレをしているワケだ。
 もっとも、「コスプレ」とは言っても、製作したのは貴族御用達の高級仕立て屋であり、布地も極めて上質なものだ。
 中でもルイズの振袖にいたっては本場・京都から取り寄せた高級反物を使用しており、日本で普通に茶会などにで着て行っても違和感のない代物に仕立てあがっている。
 案の定、この舞踏会で4人は注目の的となった。
 とくに、ルイズとキュルケの和装は「ロバ・アル・カイリエの最新礼装」と言うことで、むしろ女性からの質問が多数殺到。件の仕立て屋に型紙を渡してあることだし、遠からずトリステインで「東方風ドレス」が流行るかもしれない。
 また、タバサの醸し出す中性的な魅力も、男女問わず多くの観衆の目を釘付けにした。

 「……トリステインに新たな萌えの芽を撒いちまったかもな~」
 ひとしきり踊ったあと、大人気の3人娘をテラスから眺めながら、「やっちまったゼ!」と楽しげに呟くサイトだった。
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以上。タバサには、アイリスのフリフリワンピを着せるという案もあったのですが、現地でのインパクトを考えて、こんな形になりました。
基本的に本作のサイトはフォロー役の常識人なのですが、たまにはこういう悪ふざけもします。
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