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『ルイズは悪友(とも)を呼ぶ!』13

最近は「アダルトTSF支援所」の方にオリジナル作品を連続投下してました。
そちらもH要素をマイルドにして、おいおいこちらにも掲載する予定です。

では、「るいとも」最終回をどうぞ。


『るいとも *その13 I SAY YES!』

 ルイズとタバサが互いの秘密を打ち明けあってから、数ヶ月後──。
 ふたりは今日、大切な友である才人とキュルケをも交えて、いよいよ新たな"作戦行動"を開始していた。
 すなわち……。

 パシャ! パシャ!
 「ん~、いい、いいよ、その表情! でも、もうちょっとだけリラックスしてみようかー?」
 貸しスタジオでの美少女3人+αを被写体としたコスプレ撮影会である!!

 「ちょっ…おま……前回までのシリアスな前フリは!?」と驚かれる諸氏もおられるかもしれないが、思い出していただきたい。
 本作は基本「ラブ成分控え目な、ゆる~いラブコメSS」である(キッパリ)。ブッちゃけ、バトル展開とか権謀術数だとかのシーンは、大幅にカットされる定めにあるのだ! ←開き直り
 ……まぁ、それは冗談にせよ。実のところ、タバサの母親の件に関しては、ルイズたちの作戦どおりにコトが運んだため、特段記すべきことがないと言う事情もある。
 年末年始の休暇の際、実家に戻る前にタバサがキュルケとルイズをガリアの自宅に招待することに始まり、ふたりはオルレアン公宅で一泊してからそれぞれの家に帰省した。
 さらにその3日後、ルイズが実家から平賀家に飛び、翌日、1分間だけゲートを開いてタバサの母親を日本へ連れて行く……という一連のミッションは、どこから横槍が入ることもなく、見事に完遂された。
 無論、ガリア王はいなくなった義妹のことをいぶかしみ、それが娘であるタバサの仕業ではないかと疑ってはいるだろう。だが、不思議なことにガリア王宮からこの件についてタバサに連絡が来ることはなかった。
(プチトロワからは何通か手紙が来てたみたいだが、もはや意地悪な従姉に従う必要性を見出せない彼女は華麗にスルーしている)
 また、平賀総合病院に入院したオルレアン公夫人は、蝸牛の歩みの如き緩やかな進捗状況ではあるが、少しずつ快方へと向かっている。
 その件については、才人が以下のような推測をたてていた。
 人の精神を破壊して心身喪失状態にするような薬物は、現代日本にも存在する。そして、それらは大きく2通りに分けられるのだ──すなわち、心を完全に破壊してしまうものと、一時的にそういった状態にするものと。
 前者であれば、その人の自発的な意志活動は、ほぼ完全に不可能となる。しかし、後者であれば程度の差はあれ、時間が経つにつれ徐々に回復に向かうこともありうる。
 そして、ガリア王が夫人に使用したのは後者だったのではないだろうか?
 理由はいくつか考えられる。肉親の情で完全な人型の肉塊とするのがしのびなかったのか、あるいは逆に、わずかばかりの正気を残し、残された周囲の者に微かな希望にすがらせるという悪趣味な試みだったのか。
 しかし、そのままではいずれ夫人が正気を取り戻す日が来るかもしれない。
 そうならないように「心を現在の状態で呪縛」していたのが、エルフの秘薬の効果だったのではないだろうか。
 「まぁ、こっからは仮説と言うより当てずっぽうに近いんだけどな。エルフの使う先住魔法って、要は精霊を使役する精霊魔法なんだよな?」
 才人の問いに頷くタバサ。
 「そう言われている」
 「ゲームやラノベによって種類や原理は様々だけど、いわゆる精霊魔法ってヤツは大概、"その地の精霊と契約して、力を借りうける"ものらしいし」
 「なるほど。そのエルフの秘薬にこもっている"力"は、ハルケギニアの精霊との契約で維持されたものだから、まったくの異世界である地球じゃあ、契約が切れて無効ってことね」
 才人の言いたいことは、ヲタク娘なルイズも察したようだ。
 「もしくは、こちらの世界じゃ精霊の力そのものが弱くて、十全に効果を発揮しない、とかな」
 「ああ、ありがちな"マナが薄い"ってヤツね~」
 ともあれ、タバサの母が僅かながら正気を取り戻しつつあるのは紛れもない事実だ。
 いまだタバサを実の娘とは認識できていないが、それでも、一日の内の何時間かはキチンと筋道だった会話ができるようになってきているし、その時間自体徐々に伸びている。
 才人の父である平賀院長などは、現代日本式の治療がどこまで効いているのかはわからないと謙遜しているが、「こちらに来てよくなっている」ことは確かなので、タバサは心底感謝していた。

 閑話休題。
 いちばんヤバいヤマ(タバサの母拉致)が終わったということで、キュルケにも、ルイズの"どこでもドア"の魔法について説明することとなった。
 しばらくはプリプリ怒っていたものの、それでも自分を信頼して打ち明けてくれたのだと機嫌を直し、以前同様また3人でつるむようになるまで、さほど時間はかからなかった。
 ついでに、彼女たちもルイズについて、時々日本へ来るようになる。
 で。
 夏休み最終日にふたりと交わした「約束」=「モデルになること」の履行を求め、今にいたるわけだ。
 タバサは、白い半袖ブラウスと胸元にエンジの紐タイ、その上に膝丈の青いジャンパースカートという市立第壱中学校の女子制服。
 いつものメガネを外して赤のコンタクトを入れているため、雰囲気といい、表情といい、某ファーストチルドレンにそっくりだ。
 キュルケは、白地に襟部や袖口が赤いセーラー服という陵桜学園の女子制服姿。
 グラマラスな体型や髪型に加え、タバサと逆に伊達眼鏡をかけているため、「歩く萌え要素」と呼ばれた天然少女のコスを意図していることは間違いなかろう……地の性格は真逆だが。
 そして、ルイズ自身は、紫紺をベースにしたセーラー系の私立輝明学園高等部冬服。
 特徴的な桃色の髪を銀髪のウィッグで隠し、ポンチョをまとっているその格好からすると、どうやら某ポンコツ魔王のコスプレらしい。
 「はい、オッケー! ふたりとも御苦労様、これでウチのブログ"春気娘(ハルケ・ガール)"のヒット数が一気に倍増するわ!」
 ついに自分のブログまで持つようになったルイズは、客寄せのコスプレ写真でヒット数を稼ごうと言う魂胆らしい。
 「春先の大きなイベントのCレヴォが終わっちゃったのが痛いけど、夏コミでは私たちのコスプレ写真集ROMでも並べてみようかしら?」
 ……そればかりでなく、商売までもくろんでいる様子。
 「ちょ、ちょっとルイズ、あたしはもうやらないわよ?」
 「えー、なんで? 人気出ると思うわよ。結構キュルりんもノリノリだったし」
 確かに、自分の容姿や肢体に自信のあるキュルケは、ポーズをつけて撮られることに密かに快感を覚えてたりもしたのだが、それを正直に認めるのはさすがに恥ずかしい。
 「──儲けが6:4なら協力する」
 一方、万年金欠気味となったタバサは、小遣い稼ぎのチャンスに食いついた。
 「ちょ、ちょっとタバサ!」
 「ん~……いーわ。ただし、今回の撮影のモデル代は"約束のお礼"なんだからナシね」
 「ルイズ、あなたも勝手に話を進め……」
 「あ~、無理無理。ああなったルイズはそう簡単に止まらねぇから、キュルケさんも覚悟を決めたほうがいいと思うぞ」
 ルイズと交代でカメラマンを務めていた才人が苦笑しながら忠告する。
 ちなみに才人は、ルイズに言われて学校の制服のブレザーの袖をまくり、ラフに着崩しているだけなのだが、指なしグローブをはめ、渡された模造剣を構えれば、不幸属性持ちの魔剣使いに見えないこともない。
 実際、さきほど"ポンコツ魔王"ルイズとのツーショットも何点か撮られていた。
 (撮影は、近頃こちらの機械に慣れつつあるタバサが担当)
 「かんべんしてよ~~!!!」
 貸しスタジオに、ゲルマニア少女の情けない悲嘆の声が響くのだった。

 ──ちなみにその後、同人サークル「源内庵」HP内にたてられたブログ「春気娘」のアクセスは、予想の3倍近い伸びを見せ、3人娘の写真集CD-ROMの通販&同人ショップ販売が急きょ決まったことを付け加えておく。
 「むぅ、巨乳好きはキュルケ、貧乳分は私、ロリ要素はタバサで賄うとして、あと標準体型の娘が欲しいわね。シエスタも姫様も結構胸大きいし……そーだ! 才人、高凪さんに協力頼めない? 脇巫女のコスとかで」
 ファンのニーズに応えるべく、モデルのさらなる増員をもくろむルイズさん。
 「一応、話はしてみてもいいけど、過剰な期待はすんなよ?」
 「……あたしは、すでにヤること決定なのね。まぁ、タバサと同じく6:4なら飲んでもいいけど」
 どうやら、キュルケも"こっちの世界"に引きずりこまれつつある模様。
 ……と言うか、このおポンチ娘、下手したらメイドや王女までコチラに引っ張り込む気だったのだろーか?


 ~エピローグ~

 さて、そんなこんなで、基本まったり&たまにドタバタな日々を送っていたルイズたちも、いよいよ今日から2年生。
 読者諸氏にはおなじみの春の使い魔召喚の儀式とあいなったわけだ。
 ここのルイズは、すでに虚無に目覚め(あい変わらず自覚なし)、コモンは十分使いこなしているので、サモンサーヴァンも一発で成功する。
 で。
 当然と言えば当然だが、そこには彼女の幼馴染にして悪友かつ恋人でもある平賀才人の姿があった。
 しかも、知人から格安で譲られたばかりのカワサキKSR110にまたがって、今にも発進せんとする状態で。
 「ちょ、ちょっと待った! サイト、ストーーーップ!!」
 ひと目見て、事態を正確に把握したルイズは、慌てて彼に声をかける。
 「ん? あれ? どこだ、ココ? 何でルイズがそこにいるんだ?」
 アクセルをふかす直前で、彼女の声に気づき、動きを止めるサイト。
 「ごめん、ちょーっとややこしい事態になってる。あとで説明するわ。
 ──コルベール先生! やり直しを要求します!!」
 「ダメです。いいですか、ミス・ヴァリエール……」
 まぁ、このへんのコッパゲとのやりとりは、"本来"の流れとさほど変わりはない。
 「でも、彼は私の親友なんです! 姉の夫の弟でもありますから姻戚であり、家ぐるみでおつきあいしている仲ですし……」
 「そ、それは……困りましたね」
 係累上"義理の兄弟"とも言いうる相手を使い魔にしろとまでは、さすがに言い難い。
 幸い、ルイズが今回の儀式の最後だったので、とりあえずコントラクトに関しては一時棚上げし、学院長の裁定を仰ぐこととなった。
 監督のコルベールの指示のもと、他の生徒達が飛んで帰るなか、ルイズとサイト、そして事情を把握しているタバサとキュルケがその場に残された。
 「ふふふ、災難だったわねー、サイト」
 「まったくだぜ、キュルケさん。せっかく天気がいいからツーリングに出かけようかと思ってたところだったのに。
 あ~、察するに、こないだ言ってた"使い魔召喚の儀式"とやらで、俺は呼ばれたんだな、ルイズ?」
 「ごめん、その通りよ。まさか、サイトが召喚されるとは思わなかったわ」
 「ある意味、必然かも。使い魔とは、もっともその主にふさわしい、心を通い合わせるパートナーでもある。貴女が心から信頼し、背中を預けうる相手と言う意味では、サイト以上の適任はいない」
 それに、ルイズの魔法は世界の壁さえ超えるし……と小声で付け加えるタバサ。
 そこまで言われると、普段は色気に乏しいこのカップルと言えど、さすがにちょっと照れてしまう。
 「ま、契約するかどうか、学院長室に行く前にふたりで話し合ってみたら? もちろん、しないと言う選択もアリだろうけど」
 「ごゆっくり」
 タバサの使い魔となった風竜に乗って、ふたりも行ってしまった。
 なんとなく顔を見合わせるルイズとサイト。
 「……後ろ乗れよ、ルイズ」
 「……うん」
 サイトからヘルメットを受け取り、被ってからKSRにまたがるルイズ。
 学院までの道のりも、バイクに乗ればアッと言う間だった。
 「ごめんね、サイト」
 バイクから降りて、ヘルメットを脱ぎながら、しょんぼりしたルイズは、彼をここに呼んでから3度目の謝罪を無意識に口にしていた。
 「えーと……確か、使い魔とやらの役目は、主との視聴覚の共有、素材の採集、あと主の護衛、だっけか?」
 「え? う、うん」
 「いいぜ。俺も学校があるから放課後限定のパートタイムだけど、ルイズの使い魔になってやる」
 「ええっ!? で、でも……」
 「だって、コレって確か、魔法学院の進級試験みたいなモンなんだろ?」
 幼馴染にして恋人がこんなアクシデントで落第するのはさすがに忍びないしな、と苦笑する。
 「クスッ、カッコつけちゃって……でも、ありがと、サイト」
 ここ数年見たことのない笑い泣きの表情になったルイズが、杖を取り出し、コントラクトサーヴァントの呪文を唱えた。
 「……この者に祝福を与え我の相棒(つかいま)となせ」
 そこまで唱えたところで、ルイズはちょっとモジモジし、顔を赤らめる。
 「ん? どーした? 確かこのあとキスするんじゃなかったっけ?」
 「うん、でも……ちょっと照れくさいわね」
 「?? いや、キスどころか、俺達普段もっとスゴい事してると思うんだが」
 「もぅ、そーいう事じゃなくて! デリカシーないんだから」
 そう言いながら、ゆっくり唇を重ねるルイズ。
 某作戦部長殿が言うところの「大人のキス」を堪能したのち、ふたりの唇が唾液の糸を引いて離れる。
 「あらためて、よろしくね、サイト」
 「こちらこそ、よろしくな、ルイズ」

 <ルイズは悪友(とも)を呼ぶ!・第一部完>
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てなワケで、本作の第一部は幕を下ろします。1クール分のおつきあい、ありがとうございました。
(もっとも、2部と3部もすでに一度書き終えていたりするわけですが)
タバサママンに関する魔法薬の考察は、本作独自のもので、原作とは少し趣向を変えております。
それ以外にも「ご都合主義!」「ネタ&メタ、多っ!」と言う批判もあるかと思いますが、「そーゆー仕様」ということで寛大な目で生暖かく眺めていただけると助かります。

なお、2・3部については、再度読み直してから手を加えたい部分もありますので、先にほかの作品をアップしようと思います。

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テーマ : 二次創作
ジャンル : 小説・文学

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Author:KCA(嵐山之鬼子)
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