2012年03月29日

第一章 魔女狩り編 その13     裏

〜side 神父〜







この聖職者という職は非常においしい。
昔と比べたら甘い汁が吸えなくなったというが、魔女狩りという新しい利益を生み出す方法が出来たので十分うまい汁が吸っていけた。

最近では魔女を見つけるという仕事もつくり、景気はウナギ登り。
ただ拷問して魔女だと言わせるだけで、そいつの財産全てが手に入るんだから、コレほどおいしい仕事はない。

しかも、今は大物
吸血鬼の真祖も手札にいる。

コイツを殺せば、ワシは"吸血鬼の真祖を殺した"という事で格があがり、教会での地位も盤石なものへとなっていくのだから
未来は非常に明るく、笑いが止まらない。

おっと、金づるが来たようだ。

「おやおや、この様な大人数でどうしました??」

一番先頭を歩く、不可思議な男にとりあえず挨拶をしておいた。
全身黒ずくめ、そして黒髪、黒眼とまずここら辺では見る事のない怪しい人だった。
だが、よくよく見てみると、一見地味に見える彼の服だが非常に細かく編まれており、かなりの金がかけられている事が分かった。

異国の貴族だろうか??
そのあたりは分からないが、ココまでの上物を着るぐらいなのだから、さぞかし羽振りも良いのだろう。

街に寄ったついでに、教会へのお布施をする。
まぁ〜、貴族として当たり前の行動であろう。

もし、教会に来なければ異教徒として魔女狩りの標的になる。
もし、お布施の金額がふさわしくなければ、ココの教えを軽んじているとして
まぁ〜、色々と厄介な事が多々起きる。

ココに訪れる貴族もあまり多くなかったので、この臨時収入は非常においしい。
さてさて、どのくらいくれるのだろうか?
期待を込め、彼を見ていると、ようやくその口を動かした。

「魔女達全員を引き取りに来た」





想像していたのとは全然違う申し出に一瞬思考が停止してしまっていた。

彼の言葉はそのままとるのならば、魔女達全員を引き取りたいという事。
ただの魔女であるのならば既に財産は奪っており、火炙りにするためだけの存在だ。
まぁ〜、火刑は教会の権力を示すとして必要ではあるのだが重要度がかなり高いというワケではない。

それをワザワザ欲しいというのだから、何か裏があると思って間違いがないだろう。

普段ではこの様な事はけしてない。
では、何かしら普通ではない事態があったのだろう。

すぐに思い浮かんだのは、吸血鬼の真祖だった。
確かに、コレほど地位をあげ、名誉を得る事のできる道具は中々存在しないだろう。
コレを殺せば、一気に英雄なのだからな。

だからこそ、ワシも渡すワケにはいかん。

「………………………どういう事ですか??」

分からぬふりをして、なんとか出し抜こう。
奴が話す言葉の一つ一つを全て聞き、そして矛盾をつきつける。
全ての神経を奴の口元へと集中させる。


だがここで、くだらぬ横やりが入ってきた。
奴の後ろに付きまとっていた、人間が私の耳元で喋ってきたのだ。

しかも、内容がふざけていた。

「あの方は神の使いで間違いありません。」

との事。
つまり市民からの支持を得て、そして教会に吸血鬼を出さざるおえない状況にさせようというのだろう。

あまりに、ふざけている。
ただでさえ、吸血鬼の真祖を寄こせという非常に迷惑な我儘を言っているに関わらず
私という神の使いが居るにも関わらず、その目の前で神の使いを演じる。

あまりに愚か、あまりに無謀、そしてあまりにも馬鹿にしすぎている。

というより、騙される奴も騙される奴だ。
このように全身が黒い男を神の使いだと!?
どうやったら、騙されるというのだ!!!

「あなたは、神の使いをなんだと思っているんですか!?」

つまり、やる事は一つ。
市民に自分の方が神の使いとして格が上だと証明するだけだ。
聖書の暗証、神にもとずく神話の数々。
それらを言いあっていけば、それで終わりだろう。

とてもじゃないが、この様な小僧にその知識で負けるとは思えない。

そう確信して、問う。

だが、聞いた瞬間、彼の存在が爆発的に大きくなった。
先ほどまで、私よりも小さかった小僧が、一気にでかくなったような錯覚に陥る。

「少なくとも、豚のように太り、魔女狩りと称して、財産を奪っていく主の様な小悪党は神の使いとは言えんな

くっくくくくくく

どちらかと言うと、貴様の方が悪魔寄りではないのか??」

「な、何を言っているんだ!?
貴様は!!」

慌てて言い返した時に、全て気付く。
この者は、吸血鬼の真祖を得るためだけに、教会を潰しにきているのだ。

外にいる民衆の心をつかみ、神の使いとしての格をワシよりも上だと思わせる。
それによって、この者の言う事は正しいと思わせる。
確かに聖書を読んだ事のある人間など、この街には1割もいない。
というよりも、文字を読める人間が1割もいないのだ。

そんな中、聖書やら伝承やらを言い合い
どちらが優れているかなど、民衆には分からない。

だから民衆にも分かりやすいように、ワシを悪だと言った。

コイツは神の使いですらない、ただの悪だと。

確かに、こっちの方がよっぽど民衆には分かりやすい。
たった一言によって、ワシは悪だと判断されてしまったのだ。

もし、ここで言い訳をしたとしても、彼の策略にはまっていく一方に違いない。


そもそも、慌てて返事をしてしまった所で間違いだったのだ。
他の言葉で有ればまだ取り繕えたのに、これでは自分で認めたのと同じではないか…。

「くっくくくく
おやおや、先ほどの穏やかな口調はどこへ消えたのかね

し・ん・ぷ・さん

くっけけけけけけ」

さらに、畳みかけてくる小僧。
なんたる屈辱。

「えぇ〜い、黙れ!!!
コイツが悪魔だ!!!!」

懐から、ナイフを取り出し、小僧へと振り落とす。

いきなり殺すという手段をとると、確かにワシの権力が下がるだろう。
だが、この者は全てを奪う。
今、ココで殺しておけば、全ては悪魔の仕業に出来る。

ワシの支持は下がるだろうし、権力も堕ちるかもしれぬが、全てよりもましだ。
いや、もしかしたら吸血鬼の真祖を殺したっという逆転の一手から
上からは、神の使いを語る悪魔をも殺したと思われるかも知れぬ。

つまり、ココで殺せれば後はどうにかなるに違いない!!

そう、ワシの地位は上がり、うまい汁をさら






〜〜〜〜あとがき〜〜〜〜
すごく、変な所で終わっていますが、途中ではないのでご安心(?)ください。


posted by まどろみ at 06:20| Comment(2) | 流れて流されてネギまへ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最後の文の
「うまい汁をさら
の続きはありますか? もしくは元々ここで切れているのですか?
教えてください
Posted by at 2012年04月08日 22:31
はい、もともとソコで切れるようになっています。

確かに分からないですね。これでは。
という事で、あとがきを追加しておきました。

報告ありがとうございます。
Posted by まどろみ at 2012年04月09日 20:22
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