2012年03月29日

第二章 革命編    その9      表

「なるほどな。村の代表を決めたいという事か。」

挨拶もそこそこに、さっそくマー君と相談を始めた。

「うん、今一番重要なのはそこだよね。

それを決めない限り、他の問題についても詳しい話し合いは出来ないし。」

代表といっても、王様みたいに何でも1人でやるっていう事にするつもりはないから
何も出来ないという事はないだろうけど、やっぱり皆をまとめる人間は必要であろう。

「なぁ、徹。

他の問題とはなんだ?」

エールを飲みながら、エヴァちゃんが聞いてきた。

「とりあえず一番身近な問題は食物の問題だろ?
三圃式農業するんだったら、その順番も決めなくちゃならないし、畑を増やすのも重要だな。」

木を切って地道に増やすのもいいけど、焼き畑で一気に増やすのも楽で良いかもしれない。
でもな、焼き畑ってヨーロッパでも出来るかどうかちょっと分からないな…。

「次に環境改善の徹底。

コレは、今はかなり良い感じに進んでいるから、これをじっくりと広げていくっていうのも必要だろ?」

このまま、何もしなければ勝手に広がっていくというワケでもないので、少しづつ広げていかなくちゃいけない。

「他には、男女の比率がおかしいから出生率の低下、魔女狩りの被害にあっている他の人の対処、他の村との繋がりとか
考えようと思えばいくらでも出てくるよ。」

いい感じに会話が区切れたので、オレもエールを飲む。
ビールなんて飲んだ事がなかったので、正直感想などあまりないのだが、アルコールが普段の飲み物というのは、まだ違和感がある。

とはいっても、水を飲んだら腹を下す可能性が高いので、基本はコレなのだ。

「オレも食物に関してはかなり早急に手を打つべきだと思っている。」

「でしょ
そんなワケで早急に村の代表を決めた方がいいと思っているんだ。」

そうなってくると、どうやって代表を決めるかが問題だけど
誰が代表に相応しいか、皆に聞いて終わりだな。

「とりあえず、村の皆に聞いて
皆が代表に相応しいって思っている人を代表にすれば良いんじゃない?」

オレのイメージの中では、代表を中心に村の人達と相談をしながら問題を解決していくのが理想だと思っているが
そういえば、中世ヨーロッパって絶対王政だからこの考えが受け入れられないとかないよな?

だって、村っていう名前だけで皆で協力っていう感じの雰囲気が出てない?
きっと、この時代の人も国単位で見ると絶対王政だけど、村単位だったら民主主義だったと思うわけよ、オレは。

「ところでさ、村って民主主義だよね?」

「民主主義?

なんだそれは?
知っておるか?マギよ」

「いや、オレも知らんな。」

終わった…。

おじいさんのサービスはかなり良く、普通の言葉から、"おっけー"や"サンキュー"などと言った外来語までしっかりと通じるのだが
"じゃがいも"みたいに、相手側が全く分からないモノは通じないみたいなのだ。

つまり、"民主主義"という言葉は、まだ概念すら出来あがっていない状態なのだろう。

ということは、村の代表というのは権力の象徴って事になるだろうから、皆なりたがるよな…。

そういえば、マー君の名前って"マギ"だったんだ。

魔法使いから取ったニックネームだったのに、凄い偶然な事に本名とも繋がっていたわ。

「うん、代表決めるのは無しだ。」

「はぁ?」

いきなり言っている事を真逆にしたため、マー君は唖然とした顔でオレを見つめてくる。
まぁ、気持ちは分からないでもない。
自分自身、かなり無茶苦茶な事を言っていると分かっている。

だが、それでもだ

「オレは、この村を独裁政治にしたくない。」

愚王が頂点となれば国は潰れるが、賢王が頂点となれば国は潤う。
この潤いは民主主義よりも上だと思う。

1人の者に権力を集中させる事によって生じるのは、マイナスだけではない。
もちろん、プラスの側面だってあるのだ。

そのプラスとは、その政策が正しかろうが、間違っていようが、強硬出来るという点だ。

この言い方では、むしろマイナスの様に感じるが、プラスも含まれている。

つまり、余計な足の引っ張り合いがないのだ。

自分の所に少しでも利益が来るように、相手の足を引っ張る。
それを繰り返すうちに、どうでも良い論争がはじまり結局よく分からないまま終わる。

もし、自分の利益を考えず、民の事を考える者しかいない状態だとしても
各々に自分の考えがあるのだから、自然と停滞してしまうのだ。

だが、1人に権力が集まった場合はそんな事がない。

自分がやりたいように、国を変える事が出来る。
良くも悪くもだが…。

だが、それは人々の自由をなくす。
自分で考える事を放棄して、上の者のいう通りに動くだけとなってしまう。

確かに、賢く優しい王が頂点であれば、ある程度の生活は保障されるだろう。
でも、それだけだ。

オレは、たかが高校生だから難しい事は分からないし
この考えも間違っているのかもしれない。

でも、エヴァちゃんが、メアさんが、マー君が、村の皆が、そんな鎖で縛られるのは嫌だった。

皆の知らない、もっと広い世界を見せたかった。

自分で考えて行動する。
まだ、社会人になってもいないオレが言っても説得力なんてないだろうけど、皆にそれをさせてあげたかった。

そういえば、皆が行く仕事に関しても始めは色々とオレが指示をしていた。
多分だろうけど、今も彼等はその指示を守っているんじゃないだろうか?

臨機応変にって言っても、半分ぐらいしか通じなかったような気がする。

自然と起こったモノじゃないし、未来っていうちょっと卑怯で汚い裏技を使うけど
市民革命もどきをやってやろうじゃないか。

たぶん、この市民革命に一番才能があるのはエヴァちゃんじゃないか?

あの我を通す強い心…。
簡単にいうと、我儘だが
それを、いかんなく発揮する彼女がもっとも市民革命に重要なのだろう。

「という事で、二人とも

この村を変えていこうではないか!!」

ワケの分からない様子の二人だが、そんなものはもう気にしない。
多少の指示はするだろうけど、自分で考える事が出来るようにココを変えてやろうではないか。

頑張れば、頑張った分だけ返ってきて、そして失敗した時は皆が手伝ってくれる。
そんな、オレの理想な村を作ってやろうではないか!!



オレなんかには大きすぎる目標だが、頑張ってみようと思う。












ところで、何をすればいいんだ?



posted by まどろみ at 07:00| Comment(0) | 流れて流されてネギまへ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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