2012年03月29日

第二章 革命編    その12     裏

〜side エヴァンジェリン〜







奴の人たらしの才がそうさせるのだろうか?
不思議な事に奴が私を紹介するだけで、大抵の者は畏怖すべき吸血鬼を受け入れてしまうのだ。

今まで、私が追われていた事がバカバカしくなるほど簡単に。

しかも、少数ながらもいた反吸血鬼派も数日も経てば普通に受け入れてしまうという異常さであった。
もう、何が何だか分からない。
奴に会ってからというもの、"異常"や"分からない"を何度思った事だろうか?

本当に、私の存在が村の人々全員に認められたのだろうか?
何かを企んでいる可能性があった。
大きな裏切りの可能性もあった。

だが、その様な目で見てくる者達が纏う空気は常に私は見て来た。

それ故に、人を見る目は確かのつもりであった。
しかも、もし私を陥れるのであったら、村の全員が演技をしなくてはならないのだ。

1人、2人ぐらいであったら私の人の見る目を騙す輩がおるだろう。
だが、流石に村人全員は無理だ。

そうやって考えると
私は受け入れられたのだ。

そう、私は受け入れられたんだ。

異常で分からない、摩訶不思議の超常現象。
どんな奇跡がおき、どんな偶然が絡んだのか分からないが不思議と受け入れてしまった。

なんせ、奴がいるのだから。
人たらしで不思議な奴がいるのだから。
私は不思議と現状を受け入れられたのだ。

まったく、奴はどれ程まで私を惹きつければ気が済むんだ?
コレほどまで私を惹きつけたんだ。その代償は重いぞ。




〜side メア〜




とりあえずは、一通り終わった。

反吸血鬼派、とは言っても5、6人程だったが
その人達の説得は終わった。

嬉しい事に、徹様に救われた我々の中には反吸血鬼派など存在せず
殆どの者達が妄信的に徹様の事を信じているため、反発すらなかった。

何故か男性の方々に怯えた視線を向けられた様な気がしたが、恐らく気のせいだと思う。

しかし、かなり不思議な事といえよう。
徹様に着いてきた私達が、吸血鬼を受け入れるのは別に分からない事ではない。
徹様の恩があるのだし、皆があの方が信頼に足るお方だと思っているのだから彼女を拒絶したりはしない。

だが、前からこの村に住んでいた人達にとってはどうだろうか?
吸血鬼とは畏怖すべき存在。
いくら魔女狩りにあったからとはいえ、それは世間からはみ出しただけであり
世界から拒絶されたワケではない。
普通は納得しないだろう。

吸血鬼を拒絶するだろう。

だが、そうではなかった。

60人近くいる中で、吸血鬼を拒絶したのは5、6人程度だったのだ。

流石、徹様です。
一体何をなさったのかは全く分かりませんが、本当に不思議なお方だ。

恐らく、一昨日言った言葉。

『メアさん。エヴァちゃんの事よろしくね。』

これには、今回の説得を頼むという意味が込められていたんでしょう。

しかも、重要なのは私1人に頼まれた事だ。

私が信頼されたという事なのかもしれない。
それはそれで、嬉しいのだがコレはただの推測であるのでそれほど重要ではない。

重要なのは
私1人で、解決できるレベルの問題であったという事だ。

つまり、あのお方は村に住む全員の説得は無理だけど
ほとんど、反対意見はださないと暗に示していたのだ。

何でもないかのように今も笑いながらエヴァちゃんと遊んでいる徹様。
一体、その笑みの裏に貴方は何を考えているんですか?

そう思った瞬間だった。
徹様が得体の知れない何かに思えて、背筋が凍った。
巨大な優しさを持っていると分かっていながらも一瞬、そう一瞬だがあの方の力に怯えてしまったのだ。

きっと、そんな私の怯えが分かったのだろう。

徹様は私の方を見て、笑みを浮かべたのだった。

そして、エヴァちゃんと何かを話すと彼女は私の方へと近づいてくるのだが、徹様だけは背中を向け何処かへ行ってしまった。

「エヴァちゃん、どうしたんですか?」

何でもない様子を装い、エヴァちゃんに聞くと

「畑を見に行ってくるから、メアさんの所で大人しくしてなさい。だってよ。」

そんな返事が返ってきた。

やはり、徹様は私の怯えに気付いてしまったのだ。
今のままでは、私がより怯えてしまうと思って自分から進んで背中を向けたのだ。
私が怯えないようにと、少しでも離れようとしたのだ。

じゃなければ、こんな都合の良いタイミングであの方が背中を向けるワケがないのだ。

そもそも、家作りの休憩中に畑を見に行く理由すらないではないか。
私はとんでもないほどの愚か者です。



〜side 村人A〜




変な少年だった。

いきなり家に来たかと思うと。
40人ぐらいの規模でこの村に住み着くと知らせにきて
さらに、連れの長い金髪で10歳ぐらいの少女は吸血鬼だけど苛めないであげて

とだけ言うと帰って行ってしまったのだ。
近所の人達も、同じ様な少年が同じ様に言って帰ったらしい。

なんだ?
アイツは??

スグに噂は村中に広がった。
そもそも、60人しかいない小さな村なので噂などはスグに広がる。

どうやら、村長もこの大勢の人が来る事は認めているようなので、文句は全くない。

もう既に家作りが始まっているようだが、オレ達にはオレ達の仕事があるのでそっちを優先させてもらった。

そういえば、吸血鬼云々って言っていたな…。

ほんと、なんなんだろう。
アイツって…。



〜side 男〜




女の人怖い、女の人怖い。

アレは説得じゃないよ。
脅迫だよ…。


女の人怖い、女の人怖い…。


posted by まどろみ at 07:02| Comment(0) | 流れて流されてネギまへ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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