2012年03月30日

幕章 村の日常編 その2

〜side 徹〜







この村に来てからというもの、毎日充実した生活を送っている。

前では考えられないような時間に起き、飯を食って、まず畑仕事をする。
これが非常にきつい。

初めは毎日のように筋肉痛に苦しめられていたんだけど、最近ではどうやら馴れたみたいだ。
そんで、次に木を切る作業となる。

マー君監修のもと、認識阻害魔法をかけながら、村の面積を増やしてくのだ。

これは、オレ達が来たせいで、村の面積が足りなくなったというのも理由の一つだが、コレからも人口が増えていく事を見越してである。

まだまだ、魔女狩りの被害にあっている人間が多く居る。
そんな人達を助けるつもりなんだから、この村をもっと大きくしないといけないのだ。

ちなみに、この切った木は家の材料となる。

オレが作った、適当ハウスをちょいちょいとリホームしているのだ。
というか、あれだね。

適当ハウスは段々と家に近付いているので、この調子で頑張っていきたい。

そして、その後は戦闘訓練が始まる。


ちょっとカッコよく言ってみたけど、簡単に言うと、エヴァちゃんやメアさんの魔法の的になるだけである。


というか、魔法ってすんごくカッコいい。

アレだぜ、アレ。

手から、ビームみたいな物をだすし、手から火をだしたり、氷を出したりと、まさに魔法!!って感じ。
出来る事なら、目から光線を出して欲しいんだけど、ビジュアル的にヤダと言われてしまいました。

絶対格好良いと思うんだけど、どうやら皆には理解されないようだ。

なお、マギに聞いたところ、やろうと思えば出来るらしい。

そんで、風呂に入って、夕飯を食って、就寝である。

うん、非常に充実している。

ただ最近、朝になると、左右に1人づつ、女の人が同じ布団に入っているのをどうにかして欲しい。
どうやら、ローテンションを組んでいるらしく、一か月で二周する入ってきているという事が最近になってようやく分かった。


〜side マギ〜



徹とは、どういう人間なのか。

もし、聞かれたらオレは一体どう答えるのだろうか?

非常に魅力的な人間である事は確かである。

ありとあらゆる事に対して才を持ち、それに奢る事のなく、他人に対して誠実にあろうとするその姿は、人々を魅惑されてやまない。

疑い深いオレすらも奴に惹きつけられているのだから、その魅惑の力は相当な物であろう。

ただ、それが全てではない。

どういえば良いのだろうか?

奴が、人々を惹きつけるのは、奴が誠実だからだけではないし、ましてや才が原因という訳でもない。

いや、確かにそれも一端であるだろうが、それは本当に僅かでしかない。

器とでも言えば良いのだろうか?
酷く曖昧で、言葉に出来ないにもかかわらず、大きいと、敵わないと分かってしまう底知れぬナニカに酷く引き寄せられているのだ。

そんな徹だからこそ、皆を説得出来たのだろう。

初め、徹が「魔女狩りで捕まった人達を助けたい。」と言った時、正直言って無理だと思った。

いや、徹であればなんとかすると思うが、リスクが大きすぎるのだ。

下手をすれば、この村を巻き込む可能性があるのだ。
確かに、村の皆も同じ立場に居たのだから、助けたいという気持ちはあるだろう。

だが、それ以上に、ようやく手に入れた平凡な生活を守りたいという気持ちの方が強いと思っていた。

村の皆が納得しなくては、流石に徹のその行動を容認する事は出来ないのだ。
だから、無理だと思った。

だが、奴は皆を説得してしまったのだ。

魔法でさえ、完璧に人の心を動かす事など出来ないのに、奴はそれを成し遂げてしまった。

オレは戦慄したよ。
そう、オレは畏れた。
奴を畏れたはずなのだが、そのくせして惹かれ続ける。

ほんと、奴は一体なんなんだ?


〜side エヴァンジェリン〜



女達の間で、『独占禁止法』が結ばれた。

なんの独占が禁止されたかなど、言わずとも分かるだろ?

まぁ、アレだ。
欲求不満というか、いろいろと限界を迎えた様で、「もう良い!!襲う!!」となった。

まぁ、私の気持ちも同じであるのだから、特に文句もない。

いささか、私だけでは無いというのが不満であるが、それは私だけでは無いので我慢である。

とりあえず、私達が魔法で、徹の眠りを深くする。

そして、徹が寝ている間に、子種を仕込むのだ。

ちなみに、初めは私とメアが美味しくいただいた。

意外と評判は良く、征服感が満たされる?のような事を言っていた。

生理が遅れている人間がチラホラと出てきているので、既に赤ん坊がお腹の中にいる人もいるだろう。

私は吸血鬼なのだから、子など出来るはずもなく、というより処女すら再生してしまうので、毎回毎回大変なのだ。

メアは生理が来た様なので、子は出来ていないようだ。

その確認が済むと、いつのもの様に私は問うのだ。

「なぁ、メア。

本当に吸血鬼になるつもりはないのか?」

と。
筋違いだという事は分かっている。
何せ、徹が不老だと知った時、私は初めて自分の身体に感謝したのだ。
卑怯にも、これで私が勝ったと、何も努力する事なく、ただ吸血鬼だという理由のみで、徹を手に入れられた事を心から喜んだのだ。

だが、それでも、後になって気付かされるのだ。

私は徹と共に居られる。

だが、メアは?

2人目の友達は、私のライバルは、何の落ち度がないというのに、ただ徹が不老不死だからという理由で徹と共に歩めないのだ。
メアからしてみれば、コレほど悔しい事はないであろう。

「はぁ、まったく。

何度言ったら分かるんですか??

何度言われても、私は吸血鬼になるつもりはありません。」

この断る理由(ワケ)が、『吸血鬼の様な化け物になりたくない』であったら、私はこう何度も問う事なく、直ぐに諦めていたであろう。

だが、違うのだ。

「エヴァちゃん。

私は貴方に任せたんです。

確かに、エヴァちゃんが言う様に不老不死になって、永遠に近い時を3人で共に過ごすのも良いかもしれません。
それは非常に、楽しいと思います。

でも、それじゃダメなんです。」

何度もされた説明だ。

「良いですか?

エヴァちゃんの、その相手も吸血鬼に出来るというのは魔法の一手なんです。

1人で居続ける事がない様にするための魔法の一手。

貴方は、もう徹様と共に居られるんでしょ?

だったら、その一手をわざわざ使う必要なんてないですよ。


その一手は禁じ手なんです。
あまり使いすぎると、世界中の人間が吸血鬼になってしまう可能性もあるんですから。」

分かっている。分かっていは居るのだ。

もし、私が大切だからという理由で、誰かを吸血鬼にしたとしよう。
だが、その誰かにも大切な人が居るワケで、その誰かも大切な人を吸血鬼にする。
その大切な人にも、別の大切な人がいて…。

結局、永遠と広がってしまうのだ。

それは、随分と初めの方から気付いていた。
だからこそ、私は命じたのだ。

『私のモノになれ』と。

全てを捨て、私と共に永遠を生きろと、命じたのだ。

「だったら、私のモノになれ、メア。」

「イヤです。

そもそも、私は徹様のモノですし。」

「だ、だったら、徹が頼めば。」

「徹様はそんな事を頼むようなお方じゃないですよ。」

これは私の我儘なのだと。
分かっていは居るのだ。

ただ、どうしても納得が出来ないのだ。

「私はお前ととも生きていきたいんだよ。」

もし、子がメアに宿れば、もう話し合いの余地はないだろう。

子が出来れば、彼女は人間としてその子を育てようと思うはずだ。

そもそも、その子が不老不死でない可能性もあるにはあるのだが、それは限りなく0であろう。

というより、もし子が不老不死ならば、妊娠なんて出来ないであろう。
お腹の中で、子が大きくなる。
これも老いの中の1つなのだから。

不老不死という物は、数を増やす事が困難だったり、特別な方法でなければ増えないため、世界中が不老不死で溢れないのだ。

もし、不老不死が簡単に不老不死の子を作る事が出来るのだったら、今頃は世界中不老不死だらけである。

だが、徹は普通の生物と同じ方法で子を成す事が出来る様なのだ。
これは、徹は不老不死だが、その特性は遺伝しないと考えるべきであろう。

もしかしたら、彼の不老不死は私とは違うモノかも知れない。
何ていうのだろう?

そもそも不老不死は人間には不可能なのだ。

だから、不老不死になるには私の様に吸血鬼のような、違う存在になる必要がある。

それにも関わらず、徹は人間のまま不老不死になっている様な、そんな異質を感じる。

「私だって、エヴァちゃんと一緒にいたいという気持ちは確かにあります。

でも、これはケジメなんです。

私は私が思うように徹様を支えます。

エヴァちゃんや徹様から見れば一瞬かも知れません。
ですが、その一瞬を私は生涯を使って、支えていきたいのです。

あと、アレですよ。

例え不老不死で、化け物と呼ばれようとも、人間の私が友達で居続ける事が出来るっていう証明もしたいですしね。」

照れたような笑みを浮かべながら言った、そのメアの言葉に、私は不覚にも嬉しくなってしまったのだった。




posted by まどろみ at 00:29| Comment(0) | 流れて流されてネギまへ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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