2012年03月30日

幕章 村の日常編 エピローグ

中世から、この森には、幻の村があるという。

この森に入っていった子供が、唐突に行方不明になり、二日もしたら、様々な『お土産』と共にふらりと返ってくるというのだ。

近くの村では、かなり有名な事であり、10人居れば5〜6人の子供が経験しているというのだから、その割合は絶大であろう。

この不思議な現象は中世から続いているという。

つまり、行方不明になった子の親達も経験しているのだ。

中世では、病気になった子供たちを森に連れて行くと、忽然と姿をけし、そして元気になって帰ってきたという話もある。

ただ、隣人でも、どうしようもないと判断されたときだけは、親も子と共に村に招待されるという。


そんな幻の村人達の事を、親しみを込め森の隣人と呼んでいた。

その隣人のおかげか、その森でどんなに迷子になっても、いつの間にか知っている道に出たり、野生の動物達も人間を襲った事はないらしい。

そして、幻の村へと迷い込むと、必ず昔話をしてくれるという。



昔々、大きな災害から大勢の人々を救ってくれた英雄がいました。

彼は、その身を使い、どんな災害からも村人達を守ってくれていたのです。

子供好きで、優しく、そして強い彼は、大勢に頼りにされていました。


ですが、災害が過ぎ去ると、村人の中に彼の大きすぎる力が怖くなる人達が出て来てしまいました。

それを知ると、彼は、自分と同じ様に怖がられる少女を連れて何処かに行ってしまったのです。

内緒で出て行ったので、彼等を見送る事が出来たのは、1人の女性のみでした。

それを知った村の人達は嘆きました。

原因となった人達を追い出そうともしました。

ですが、彼はそんな事を望んでいない事も皆知っていたのです。

皆が争いにならない様に、彼は出て行ったのです。

争いをするワケにはいきませんでした。


ですが、どうしても村人は彼に対してお礼と謝罪をしたいと思うのでした。



めでたしめでたし。




そんな、昔話である。

これを聞いた子供は、英雄が可哀想だと思い、そして大人になるにつれて思うのだ。

この話に出てくる村人というのは、隣人達の事ではないか?と。









『森の隣人』より一部抜粋


posted by まどろみ at 00:31| Comment(0) | 流れて流されてネギまへ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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