2012年03月30日

第三章 世界放浪編 その1     表

なんだかんだで、旅に出る事になった。

30年も前の話だけど、お爺さんが言っていた事
『限界を無くす』っていう意味がなんとなく分かったんだ。

今さらだけどさ、オレって30年間毎日畑仕事やら、木を切りまくって森林伐採とかをしていたワケよ。

でも、フンッ!!ってやったら、上着が破れるとか、腕がムキムキにもならず、むしろココに来た時と比べても全然変化は無かったんだ。見た目だけは。

村にいる間は、全てが日常で毎日やってきた事だから全く気付かなかったんだけどさ、身体能力はかなりって言っていい程伸びていたんだ。

考えてみれば、畑仕事とか、木を切って運ぶ仕事って結構な重労働でしょ?
そんな事をやっていれば、体力も力も凄い事になるわけだよ。

今さら気付いたよ。

人間にはどうしても越えられない壁って奴があるでしょ?
オレも、肘を鍛えすぎて、ちょっと悪くしていたんだよ。

なんか、骨が筋肉に負けた?
とりあえず、そんな感じで肘を悪くしてたんだ。

さらに、現実的ではないかもしれないけど、筋肉を付け過ぎた事によって代謝が高くなりすぎる事もありうると思うんだ。
つまり、ずっと全力疾走しているのと変わらないような燃費になる可能性もあるって事。

でも、今のオレはそんな所は一切ない。

普通畑仕事や、木を切るといった仕事は腰に大きな負担をかけていると思うんだけど、いかんせんココに来る前よりよっぽど楽なのである。

コレはあくまで予測だけど、どうやら限界を無くすっていうのには筋肉の限界を無くすだけではなく、骨や、栄養吸収効率、燃費、その他諸々の全ての限界を無くしているように思える。
つまり、オレは強靭な肉体を手に入れる事が出来るという事だ!!


そして…。




なんなんだろ?


うん、凄い事なんだと思うよ。

人間の身体の不自由さっていうの?
そういった限界っていうのは、格闘技をやっていると何度か直面するんだよ。

オレも接骨院に通院していた事をあるし、その苦労って奴も、まぁ人並みに分かっているとは思う。

けどさ、別にこれって必要無くない?

プロの運動選手なんかはさ、確かに必要だと思うよ。

でもさ、そういうので活躍している人間って5%以下じゃない?
普通に生活するぶんには必要ないっしょ?

昔はさ、めちゃくちゃ筋肉を付けたいって思っていた。
友達は、筋肉が付きやすい体質でさ、オレと同じ量の筋トレしかしてないのにオレよりも力があって羨ましかったんだ。

でもさ、そんなのが無くても普通に生きて生けるんだよね。

確かに、畑仕事で腰痛にならなかったり、森の伐採は多分普通の人と比べたら結構楽だったのかもしれない。
そこを考えればとてつもないプラスなのかもしれないけど、なんか違うよね。

なんていうんだろ。
今さらだけどさ、肉体労働以外に使い道なくない?

しかも、この時代の肉体労働にスポーツ選手みたいな道ってなさそうだし、一番この力が使えるのって兵とかでしょ。

ちょっと、また人を殺めるのはやめておきたいというか、やりたくないし…。

確かに、普通の生活であれば便利な力かもしれないけど、ちょっとデカすぎじゃない?この力って。

しかも、あれば便利っていうだけで、普通に生活している上ではあまり使い道がある様には思えないし…。


というか、もう銃みたいな奴もあるんだから、ソレくらって一発で死んじゃうっしょ。
もしかしたら、『皮膚の固さの限界なし』とかのおかげで銃弾を防げたりするかもしれないけど、そこまで不思議人間になりたいとは思えんし、そもそも皮膚の固さってどうやってきたえるよ?

あれか、1人で自分を叩いたりするのか?



傍目から見たら、危険人物すぎるだろ。

新しい世界に目覚めちゃったりして…。

『強靭な肉体』って聞くと、なんか凄い超人で、悪をやっつけるヒーローみたいなイメージあるけどさ、いくら力があったとしてもさ無理でしょ、1人じゃ何もできないよね。

やっつける悪を探すのにも一苦労しそうだし。

多分、不老なオレ達は一か所に留まる事は出来ないから、多分ブラブラと旅をし続ける事になるんだろう。

それには、確かにこの能力は便利なのかもしれんけど、別に無くても構わないんじゃない?

というかさ、限界を無くすだけだと、無くしちゃいけない限界も無くしちゃうよね?

足の臭いの限界が無くなったりしたら悲惨すぎる…。



靴を脱げば、敵は居なくなる。

半径2キロに人はおらず、500メートル以内に居る人間は全て気絶している。

山賊とかにあった時の決め台詞は

『オレに靴を脱がせる気か?』で決定だ。

まさに無敵。
彼が戦場で駆け回れば一騎当千いや、一騎当万の働きを起こす。(ただし裸足に限る)

彼にやられた者達は口をそろえて言うのだ。

『奴に靴を脱がせたらならん。地獄をみるぞ。』と。



「流石に、ふざけ過ぎだな。」


うん、ふざけ過ぎている。

ていうか、非常にイヤである。
ちょっと、勘弁願いたい。


う〜ん、こうやって考えてみると、この能力ってやっかいじゃない?

あまりにも抽象的でよく分からんし、さらに普通に生きて行く上で必要かどうかも不明な能力なのだ。

確かに、兵や運動選手みたいな人間にとってはコレほど欲しい能力はないだろう。

でも、ぶっちゃけオレには必要無い。

確かに便利かもしれんが、まぁその程度だ。

そう言えば、今ん所のオレの力ってどの位なんだろ?

とりあえず、持っている石を目の前にある木に投げつけてみる。



石は木にめり込んだ…。

これは危ない。

というか影になって気付かなかったんだけど、人が近くにいたらしく、大慌てで逃げてしまった。

非常に悪い事をしたと思っている。

というか、運が悪かったら死んでいた可能性もあるのだ…。


そう考えると、血が引いて行く。
謝ろうにも、彼等は何処かに行ってしまったし…。

これからは気を付けないといけないな…。

うじうじと悩んでも仕方ないという事は分かっているけど…。

仕方ない事なのかもしれないけど。

それでも、人をまた殺しそうになったという事実はオレに重くのしかかった。


posted by まどろみ at 00:37| Comment(0) | 流れて流されてネギまへ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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