2012年03月30日

原作入り プロローグ

〜side メルディアナ魔法学校校長〜







卒業式を半年前に控え、ワシは頭を悩ませておった。
その資料には、生徒の成績と教師一人一人のコメントが書かれているものである。

もうすでに、同じ資料を何度も読んでいるため、資料の内容は既に記憶してしまっている。
そもそもだ。その資料に載っている子供は自分の孫なのだ。
この様な資料がなくとも、この子のことは十分に分かっておる。
だが、それ故に頭を悩ませていおるのだ。

ネギ・スプリングフィールド

これがワシを大いに悩ませる原因となった子の名前である。

この子を客観的に評価するのなら、神童であろう。
2年の飛び級をし、メルディアナ魔法学校ではここ十年で最高の成績をたたき出した自慢の孫だ。
さらに、自らの才におぼれる事なく、努力をし続ける様子は爺馬鹿を抜いても好感を持てるであろう。

とはいえども、いくら神童とはいえども欠点はあるもの。
勉学の才能はあるが、どうも考え方が大人びてしまい、こじんまりとまとまり過ぎているというのが、周りからの印象であった。
他にも、集中すると回りが見えなくなる性質もあり、そのためか同い年の友達の数も少ない。

これは、子供の時間を勉学に捧げてしまったが故に起きてしまった弊害なのだろう。
過去や両親の血といった複雑事情がある事もあり、ネギは幼いながらも自分が生きていく上で必要な物を何とかして得ようとした結果なのだろう。
全く、自分の孫の事だというのに、たいした事が出来ん自分が嫌になってくるの。

もちろん、ネギのそういった歪みには気付いておったし、何とかしようともした。
だが、ネギが行っている努力は褒められる事はあるが、咎められるような事ではなく、それ故に周りは注意しようにも注意出来ないでいた。
唯一、禁呪書庫に無断で入っていた時は、ネギを叱ろうとしたのだが、相手は神童。
見張りをする教師の一人一人の詳細なデータ、警備体制、道順等の綿密な下準備を行い、幼馴染の手も借りたこともあり、決定的な証拠がまったく出てこず、結局公に叱る事は出来なかったしの。
この辺りは、あの馬鹿娘に通じるものがあり、少しばかしほっとしてしまったわい。

とはいえども、流石に孫が人を巻き込んでやった事。
証拠はなかったが、ワシはネギに正座をさせ、しっかりと叱った。
証拠を残さないように上手くやったネギとしては不満だったようだが、こういう理不尽さは血が繋がった人間のある種の特権であるのだ。
まぁ、これも一つの人生経験であろう。


とまぁ、自分の孫ながら中々厄介のモンだのう。
うむ……。

とりあえず、成績を鑑みるに、このままいけばネギが主席となるのは間違いなかろう。
成績の問題はネギに関しては一切ない。

問題は、卒業後に訪れさせる修行の地である。
他の子達の分は、もう大分前に決まっておった。

皆良い子じゃし、それぞれに必要と思われる物をそれぞれに割り振るのは何十年も同じようにやってきた事もあり比較的しっかりと決まった。
だが、ネギ。

歪みに歪み、さらに英雄と災厄の血を引いている子。
さすがに、こういった子は今までの例がないのだ。

恐らく、ネギが一番相応しい場所は、研究施設等であろう。
一つに熱中しすぎて周りが見えなくなる、論理的な思考、コミュニケーション能力の低さ、歪み。
そういった部分を鑑みるに、やはり研究職や開発といった仕事に向いているだろうと思う。

事実、大勢の教諭が『ネギは研究職が向いている』と言っている。
とはいっても、向いているだけであり皆修行の地として、研究職を押しているワケではなかった。

ワシも含め皆、今のネギに必要とされる物が知識や研究ではないと思っているのだ。

ココを卒業する子達に必要とされる最低限の知識は与えた。もちろん、これからも知識は必要なのだろうが最低限社会にでて恥をかくような事が無い程度の知識は身につけさせた。
故に、修行の地で学んで欲しいと思うのは、自主性、責任能力、忍耐力、等々である。

とりあえず、机に向かっていても分からない事を求めているのだ。

ネギの場合は、そういった大人になるために必要な物以外に、"子供でいる事"も学ばせなくてはならない。
こんなもの、学ぶものではないのだが、あの子の場合無理やりそういった環境下にでも入れないと、そういった事に目さえ向けんからのぉ。

さらに、過去の事件もある事から、かなりの自衛能力又は誰も知らぬ所という条件もついてくる事となるのだ。
そんな都合の良い所が早々あるわけないだろうが。

「う〜む……」

少し唸りながら、再びネギの資料を眺めながら、修行の地に候補リストを上から下へ流し見ていく。



どうでも良い事だが、ワシの孫のネギは神童というが、本当の天才ではない。

いや、もちろん理解の早さや、習得の早さは天才と言っていいのかもしれないが、独創性がないのだ。
天才というのは、ネギのようにこじんまりとまとまった存在ではなく、もっと異常性が際立つ存在であり、学業の成績も良いとは限らない。

さらに、神童とはいえども、それは今だからであり、将来どこにでもいる普通の大人となっている可能性も多いにある。
まぁ、そんなモンであろう。


とまぁ、孫の才能についての考察を行っても修行の地が見つかるはずもない。
いかんのぉ。あまりにも検討がつかんから、どうも思考が変な所へ行ってしまう。

『校長。
高畑.T.タカミチが学校に到着し、挨拶をとの事です。

通してしまっても大丈夫でしょうか?』

ある意味ちょうど良い所で事務からの念波が来た。
どうも行き詰ってしまっておるしの。

そういえば、今日はタカミチ君が来ると言っておったのぉ。



タカミチ君……?

麻帆良学園


麻帆良学園であったら、自衛能力には不満はない。
さらに、学園長である近衛近右衛門は良く知っとる仲じゃ。

"子供でいる事"を学ばせる。
ただ普通に勉学をさせて、これを学ばせる事が出来るのならメルディアナ魔法学校でも学べたはずである。
だから、普通ではない形(これは追々考えるとしよう)で生徒として生活させれば良いかもしれぬぞ。

さらに、他の能力は警備員でもやらせるべきか?
だが、危険も……。


いや、逆に考えれば、あれほど整った環境で実践の経験が出来るというのはネギという普通には生きていけない子にとっては最高の条件下なのかもしれん。
考えれば考えるほど、ネギに適した修行の地のように思える。


『校長?』

『おっと、すまんすまん。
とりあえず、タカミチ君は通しても良いぞぉ』

候補は見つかった。後は向こうが孫娘の受け入れを許可してくれるかどうかだのぉ。




posted by まどろみ at 01:20| Comment(0) | 流れて流されてネギまへ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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