2012年03月30日

第4章 吸血鬼編 その2

〜side ネギ〜







僕は焦り、困惑していた。片方だけでもやっかいだというのに、両方のダブルコンボだ。
このままじゃダメだと思えば思うほどドツボに嵌まっていっている。

僕が与えられた修行の地というのは『A STUDENT IN JAPAN』日本語で翻訳するなら『日本で学生をやる』という物だった。
この修行の地が、そんなに難しいかというと、けしてそんな事はない。
幼馴染のアーニャの『ロンドンで占い師』の方が社会的な責任能力、コミュニケーション能力等が必須であり、よっぽど大変そうだ。
では、何故そんなに悩んでいるかというと、あまりにも『修行の地』らしくないのだ。

自分で言うのもどうかと思うけど、僕は比較的優秀な方だと思う。
自分が凄く優秀だから、難しい修行の地を与えるのが当たり前。なんて言うつもりはないんだけど、やっぱり修行の地に納得できない部分があるのだ。
一応、学生を卒業し、仮免期間とは言えども、僕たちは社会に出るつもりだったのだ。
なのに、僕だけ、再び学生をやっているっていうのは、色々と考えてしまう。

授業内容が特別難しいのかと思いきや、別にそうでもない。
むしろ、随分と前にやったような内容ばかり。

色んな人が考えて、僕の修行の地がココになったんだという事は分かる。
だから、けして無駄じゃなくて学ぶべき物が多々あるんだとは思うんだけど、それが全く分からないのだ。

確かに、クラスメイトになった人達は皆、魅力的な良い人だった。
僕が泊めて貰う事になった家主さんのエヴァンジェリンさんは、なんか怖かったけど、それでも素晴らしい人ばかりだった。

そんな人達がクラスメイトというのは嬉しい限りだけど、あまりにも居心地が良すぎて、自分が修行しに来た事を忘れてしまいそうになるのだ。
もしかして、それが修行の内容なのかな?
居心地の良い空間に居ながら、怠惰に過ごさない強靭な精神力を鍛える。みたいな?
なんか、らしいって言えばらしいけど、多分違う。

そうなってくると……。
あぁ、もう、分からないよ!?

「はぁ、おじいちゃんは僕に何をさせたいのかな?」

後で、タカミチに相談しよう。

「ん?
あれって、たしか……のどかさん」

たくさん本を持ってヨロヨロと、しながら階段を下りようとしていた。
なんというか、その姿は非常に危なっかしくて、

「あっ」

「って、やっぱり!!」

のどかさんが大きくよろけたかと思うと、階段から落ちたのだ。
背負っていた杖を、身体を捻りながら振りぬく。

「ふっ」

吐く息と共に、放つのは風の属性。
一瞬、のどかさんを浮かび上がらせる。
如何せん構成が甘いせいで、多分浮かばせれる時間はそんなに長い物ではない。
飛びつき、彼女の身体の下に両手を入れるのと同時にのどかさんが落ちて来た。

「あでぼっ」

うぅ、デコぶった。でも、のどかさんはしっかりと助けれたんだ。デコぐらい、大した事が……

「えぇ〜と、明日菜さん??
見ちゃったりしました??」

コクン

「じ、実はアレ。
最近流行りの化学現象らしいんですよ。
なんか電子とかプラズマとかが、上手い具合に、グラウンドとつりあって、何故かプラスとマイナスが合体」

ダメだよ。僕自身何を言っているのか、全然分からない事を言っちゃってるよ!?
こんな下手な言い訳じゃ、絶対……

「そ、そうなんだ」

誤魔化せた!!

「え、えぇ。そうなんですよ」

明日菜さんが純粋な人で助かった。

「……ネギさん??」

「あっ、のどかさん。
大丈夫ですか?」

「あっ、はい。
大丈夫です」

とりあえずは、これで一安心かな?
魔法を見られた明日菜さんは誤魔化せたし、のどかさんにも怪我はない。
とりあえずは最良の結果だよね。




〜side 徹〜




「ようこそ。ネギちゃん」

ネギちゃんが入ってきた瞬間、幾つものクラッカーが鳴り響た。
2−A転入生の歓迎会だそうだ。

それは非常に良い事だと思うよ。
元気で明るいクラスだし、エヴァちゃんがこんなクラスにいるっていうのも凄く良い事だと思うんだよ。
たださ、何でオレがいるのさ。

いや、別に嫌だというワケじゃないよ。
たださ、全く関係ないよね!?オレ!!

「それで、先輩
先輩とエヴァちゃんの関係は??」

「関係って……
昔からの知り合い??」

「ふむ。まぁ、そうだな」

まぁ、このクラスの人達が良くも悪くも遠慮しない人達だから、居心地が悪いって事はないんだけどねぇ。

「それじゃ、先輩はエヴァちゃんの事をどう思っているんですか?」

どうって、また難しい事聞くねぇ。
ちなみに、今のオレの状況はというと、朝倉ちゃんっていう娘にマイクっぽい物を向けられている最中である。
しかも、周りに野次馬がいて、オレが答えるたびにキャーキャーと言われている。

なんていうか、こういう雰囲気は男子高じゃ味わえないものだよね。
むこうじゃ、もっと暑苦しいというか、ねぇ?

「凄く大切な娘だよ」

「うわっ、大胆な発言!?
というか、先輩ってもしかしてロリコン??」

失敬な。

「茶々丸!?」

「完璧です、マスター」

「やっぱり、エヴァちゃんが一歩リードやなぁ」

まぁ、そんな感じでキャーキャー言われたり、タカミチとぐだぐだしたりしていたワケだ。





「いや〜、ごめんなぁ。遅れてもうたわぁ
せやけ……


徹兄ぃ?」

それは、随分と懐かしい呼び方だった。

「おぉ〜、アコちゃんじゃん。
久しぶりだねぇ。

しっかし、大きくなったなぁ」




〜side アスナ〜




『好きな相手の好みに貴方は非常に近いようですよ』

それが、ネギと言う少女の占いの結果だった。
つまり、私が、テツの好みの女性と比較的近い存在となっているという事がいえる。

過去に、私が出したデータは以下の通りである。


1、テツはおっぱいがC辺りが好み。
2、テツは普通より少し背が高い方が好き。
3、男色の気はなく、ノーマルである。
4、現在の所、下着や裸を見せたとしても、反応がない所から、子供に欲情するという事はない。
5、子供好きであるため、抱きしめ、膝に座る、一緒にお風呂、同衾は普通にやってくれる。
6、積極的に動けば、子供のソフトキスまでは許容の範囲内らしく、それ以上へは進めなかった。残念。
7、フレンチキスをした所、注意されたため、二度目は不可能である事が判明。おいしかった。
8、意外とウブであり、女性の裸の写真を見せた所、顔を赤く染めた。別の女の裸を見せるのは不愉快であったが、調査のため我慢。とりあえず一緒にお風呂に入り、消毒。
9、下半身についているソレは意外と立派。


そして、テツは17才から時が止まっていると聞く。
現在の私の身体は13、14程度のものである。
テツの身体の年齢と比較的近い、今の状態は確かに彼が性的興奮を覚えるラインにまで辿り着けたであろう。
さらに、胸もCと、非常に丁度良い物となった。もう少し経てば、彼と同じ年齢になるが、あえてこの辺りで攻めるというのも良いのかもしれない。

最近では、一緒にお風呂に入ろうと言って来る事もなくなった。つまり、私に女性を見い出したという事になる。
これで、私の裸を見て血液を下半身に集中させてくれるようになってくれればいいのだが、如何せん試してしまうと痴女の称号を手に入れてしまうので、下手を打つ事は出来ない。

こんな事なら、ネギの魔力暴走がテツではなく私を狙ってくれれば、テツの前で自然に肌を晒せたのに……。

まぁ、実際にそんな事になったら明日菜は泣いちゃうか……。
それに、眼福だったから、文句は言うまい。

この時代の女性っていうのは、どうやら見る目がない人間ばかりのようで、テツはそれほどモテてていない。
全く、彼ほどの男というのは、中々居ないというのにな。

ライバルが少なくて嬉しいような、自分が惚れた人間が評価されないことが悔しいような。
このように、感じ始めるというのも、明日菜の影響なのだろうな?

とにかく、少ないライバルの中で、私は間違いなくテツの好みで上位に入る存在であろう。
つまり、今の私はかなり勝てる可能性が高いのだ。



「いや〜、ごめんなぁ。遅れてもうたわぁ
せやけ……


徹兄ぃ?」

「おぉ〜、アコちゃんじゃん。
久しぶりだねぇ。

しっかし、大きくなったなぁ」

アコちゃん。
昔、テツが何度も口に出していた女性の名前だ。
何百年も前の存在であるはずだから、彼女もまた人外?
いや、とてもじゃないが、彼女からそういった匂いは感じられない。

だが、彼女が脅威になるという事は女の勘が訴えている。




「ここで、第3勢力か……」




〜side 明日菜〜




「ん?明日菜
なんか、ゆ〜た?」

「へ??
私なんか言ってた??」

特に何かを口にだしたような覚えはないんだけど。

「ゆ〜とったよ。
第3がどうとか」

大サン??
誰よ、それ!?




posted by まどろみ at 01:21| Comment(0) | 流れて流されてネギまへ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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