2012年03月30日

第4章 吸血鬼編 その7

〜side マナ〜







超鈴音。
天才の名を欲しいままにしている彼女が、私の雇い主である。

超の本当の目的というのは、不明。
どうやら、再来年度の麻帆良祭で"何か"を成功させる事を第一目標としているらしい。

全く、雇い主が秘密主義だと困るよ。傭兵として働いているのだったら、守秘義務や、余計な詮索をしないといった事はしょっちゅうなのだから、かまわないんだけどね。


とにかく、超は何かをやろうとしている。そして、その目的を成功させるにあたって、邪魔となりうる存在が、近衛近右衛門、高畑.T.タカミチ、そしてエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルの3人のはずだったらしい。

なるほど、エヴァンジェリンはどうかは分からんが、近衛近右衛門、高畑.T.タカミチ、共に麻帆良学園最強の魔法使いであり事は周知の事実である。

荒事をするには、2人の存在は邪魔であろう。

まず、超は3人の中で一番堕としやすいと考えたエヴァンジェリンとの交渉を行い、その交渉は見事に成功。

私の中では、エヴァンジェリンというのは、学園長と高畑先生に並ぶほどの注意人物ではないかと思っていた。

とはいっても、暴力だけが力の全てではない。
なんらかしら超にとって、不都合が出てくる存在なのだろうと、勝手に思い込んでいたのだ。
それが、彼女の技術だと気付けずに。

彼女もまた、化け物の一人であった。
何せ、600年近くもの時を生き続けた、吸血鬼の真祖だったのだ。

全く、一般人と思っていたクラスメイトの一人が吸血鬼の真祖なんて、笑えない冗談だよ。

一応これでも、有名な傭兵団の戦闘員だ。
力を見破るくらい、出来るつもりでいたのだがね。
どうやら、まだまだのようだ。

吸血鬼の真祖。
それほど強烈な力を持つ存在ならば、それなりの物を感じるはずなんだが……。
それすらも、認識させないというのは、やはり彼女の技術の高さが思い伺える。

普通の認識阻害ではどれほど技術が高かろうと、あそこまで人間っぽく見せる事は出来ないと思うのだが、卓越した技術を持てば可能なのだろうか?

……まぁ良い。

とにかく、その交渉の準備に超はエヴァンジェリンについて調べていたのだ。
そして、浮かび上がってくる、共に暮らしている一般人の姿。

それが、村重 徹という人間であった。

吸血鬼の真祖であるマクダウェルと共に暮らしているという時点で彼が普通でない、いや普通であるはずがないと分かるはずだ。

私の感覚に引っかからない所を見ると、彼もまた、エヴァンジェリンと同等の技術を持つ人間なのだろう。

学園長や、高畑先生、さらにエヴァンジェリンに、村重 徹。
麻帆良学園とはいえ、このような化け物ばかり集まるというのは、超も中々ついていない。

話しを戻すが、エヴァンジェリンを見破った超の情報収集能力を持ってしても、村重 徹の過去を知る事は不可能であった。
具体的に言うのならば、およそ2年。その年月しか彼の過去が探れなかったのだ。

超からしてみれば彼は、目的を遮る力を持つ可能性が高い、不確定要素が満載の存在だ。
少しでも、彼の情報を得、出来る事なら彼を自分の陣地に引き込みたいという考えも、納得できるものであった。

そして、今日起きた異常事態。
関連性のないと思われたクラスメイトが村重 徹に抱きつき、泣いた。さらに、クラスメイトは彼のことを兄と呼ぶのだ。

今まで、どう探っても不明であった村重 徹。
そんな彼の情報が入る可能性があるのだ。

以上のことから、私に村重 徹の監視を依頼してきた事は、理解できる。
あぁ、理解出来るとも。

もし、私が超のような立場であるのなら、このチャンスを逃すまいとするであろう。
恐らく私だけではなく、超の所からも良く分からない機械を使って、彼の様子を探っているであろう事も楽に想像がつく。
それだけ超が力を入れて彼を探ろうとするのも、理解できる。

そう、理解出来るのだが……



何が楽しくて

R-18指定の本、ビデオの物色している様子を監視しなくてはいけないのだ!?

確かに、私は周りからは大人っぽいといわれるし、大学生と間違えられた事だって多々あるが、一応中学生だぞ。
華の中学生。何が悲しくて、R-18指定を物色している様子を見なくてはいけないのだ!?

いや、年齢ではない。
そうだ、年齢ではないのだ。

そもそも、女が、たいして付き合いもない男の趣味趣向を全力で覗いているというだけで、そうとうイヤである。
しかも、映像だけではなく、どうにか設置した盗聴器。
それから、女性の、まぁ〜、あまり健全とは言いがたい声までもが耳にしているイヤホンに流れてくるのだ。

耳につけているイヤホンを、このまま床に叩きつけれたらどれほど気持ち良いだろうか??

「これも仕事、これも仕事……」

イヤホンを潰そう誘惑から、ブツブツと呟く事によって逃れようとする。

ちなみに、装備は双眼鏡、イヤホンに毛布、魔法瓶の味噌汁、カップラーメンにコーヒーである。

ズルズル……。
ラーメンをすすっていると、女性の非健全的な音声が耳元で鳴り響いた。

バキッ


「え〜と、割り箸、割り箸……
あった、あった」

再び、非健全的な声。

バキッ……





            ☆☆☆




「と、まぁ以上が今回の依頼内容だ。
一応、彼の女性の趣味と思われる物の統計を簡単に取っておいたが必要か??」

「い、いいネ」

「はっははは、『良い』だな。

分かった、超のPCにメールで送っておく」

「ち、違うネ!?

結構ヨ」

「はっははは、『結構』だな。
分かった、任せて置け」

「なんか、伝わっていないような気がするネ」

「気のせいだ」

ちなみに、損害は割り箸455、双眼鏡40、イヤホン57であった。
これ、経費として、請求できるだろうか??


posted by まどろみ at 01:24| Comment(0) | 流れて流されてネギまへ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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