2012年04月03日

第5章 京都編 その2

〜side 村重 徹〜






テンションが振りきれると、下らない物が異常に楽しくなる事が多々ある。
たとえば、二人でババ抜きや、二人で七並べ、豆をお椀からお椀へと箸で移す勝負等々が、異常なほど面白くなるのだ。

もちろん、周りに迷惑がかかる行為はしてはいけない。
だが、それでもある程度の騒がしさというのは、修学旅行生はある程度大目に見られるのだ。

結局の所、何が言いたいかというと。

「いやぁ〜、もうオレってば、楽しみで仕方ないんだよね」

「おっ、てっちゃん。
テンションが高いなぁ」

そう言いながら、ガムを差し出してくる薫ちゃん。

「おぉ、ありがと。
いやぁ〜、久しぶりの京都だから楽しみでね」

相変わらずのリーゼント&学ランスタイルだ。

「ん?てっちゃん京都出身だっけ?」

「昔ちょっと暮らしてたんだよ。
いやぁ〜、大変だったよ。

なんか、藍色の羽織りを着た集団に追いかけられたりしたもんだからさ」

「はっははは、一体どういう状況だよ」

「薫ちん、どうしたよ?」

「いや、何時ものてっちゃん節が出ただけだぜ」

まぁ、なんか追いかけられたり切られたりしたりと苦労も沢山したけど、懐かしい所なんだよ。
しっかし、何でまたかっちゃんとトシに追い掛け回されたんだっけか?

カスティーラを勝手に喰っちゃったからか?
……今度、久しぶりに手を合わせに行くか。

「お〜い、てっちゃん?」

ついでに、坂本のとこと、木戸んとこにも行かないとイカンね。

「お〜い、もしも〜し。聞こえてるか?」

その内長期休暇使って、日本中を回らんと行けないなぁ。

「あっ、お嬢(ぜう)さん。
サンドウィ……サンドイッチとお茶頂戴」

丁度小腹が空いた所に売り子さんが来たもんだから、ある意味運がいいのかもしれない。

「あっ、はい。
480円になります」

「はい、じゃ〜コレで。
ところで売り子さんは京都の人?」

「そうですけど、どうして分かったんですか?
あっ、コレお釣りです」

「いや、何となくイントネーションが京都みたいだったから。
はい、どうも。それじゃ頑張ってね。お嬢さん」

「は、はぁ……
どうも?」

ん?ナプキン?だいぶ多いなぁ……
いくら何でも、こんなに使わないって。

おぉ、京都行き仕様っぽく、表に変な模様が書かれてる。

「薫ちゃん、見てよ。なにげに京都っぽ……どうしたの?」

視線の先には、なぜか落ち込む薫君ちゃんと、それを慰めるたっちゃんがいた。
リーゼント学ランの大男が落ち込む様子というのは、中々シュールだった。

「ほら、薫ちん。
別にてっちんが無視していたワケじゃないんだから」

「べ、別に落ち込んでなんかいないぜ……」


キャァァ−−−ー!!
カ……カエルーーー!?



うおっ、びっくらこいた。
前の車両っていうと、エヴァちゃん達のクラスだよね。

元気がいいなぁ。





            ☆☆☆




京都に着き、そこそこに観光しながら散策する。
観光する所は、昔からある物ばかりで、特に目新しい物はないが、それはそれで楽しい。

どうやら、エヴァちゃんのクラスも同じように散策しているようで、清水寺でチラチラとウチの学校の制服を着ている女子が見える。
かなり元気が良く、楽しそうに騒いでいる様子は微笑ましくあり、若さを見せつけられる。

まぁ、一応オレも17歳ボディーなんだけどね。
それでも、あれほどの勢いと活気は、云百年も生きているオレにはちょっと無理。

「お〜い、てっちゃん。
音羽の滝行こうぜ」

「あいよ」

後を付いて行き、辿り着いたのは音羽の滝。
滝というには、ちょっとばかり迫力が足りない水が三本ほど、チョロチョロと上から流れている。

確か、右から縁結び、学業、健康……だっけ?
健康第一、やっぱり左だな。

「……美味い」

あれ?なんだこの味。
ちょっと前飲んだ様な気がするんだけど。

とりあえず、もう一杯。
かなり良い物なんだろうな。これ。
ほれ、冷たくてグイグイといけちゃうし、後味もスッキリしていてもうちょっと飲みたくなるんだよ。

……もう一杯。

「おや〜、てっちん。
そんな大真面目に、縁結びを飲むなんて、誰か好きな人でも出来たか?
おぉ〜い、薫ちん。てっちんにいよいよ春が来たぞ」

……もうちょっと飲も。

「なぁに!?
おいおい、てっちゃん。相手は誰よ?」

飲んでいる途中に、ガバッと肩を組まれふらつく。
おっとと、勿体ないから神秘の水はしっかりと零さない様にとっ。

グイッと一杯煽る。

「ヒック。んぁ?これって健康じゃなかったけ?」

枝豆が欲しい。塩を振って、プチプチと口の中に押しこみたい。あぁ、あと軟骨とかナス漬けとかいいなぁ。
ナスにはカラシをちょっとつけて、パクっと……

まぁ、いいや。もう一杯。

「おいおい、てっちん。健康は一番右だぜぃ。
というより、なんか酒っぽい匂いがするんだが……」

「あはははは、気のせ〜、気のせ〜。
お酒なんて何処にあるよぉ。

おっと、もう一杯。んふふふ〜」

「ん?
薫ちん、それだ。それ!!」

「それって、なに言……って……」

クンクンと鼻を鳴らしながら、オレに寄る薫ちゃん。

「んっ……プハァ。

ん〜、どうかしたかぁ〜」

「……これだぁぁぁぁあぁあああああ!!」

唐突に叫びだす薫ちゃん。

「やっぱりかぁぁあぁぁあああああ!!」

ソレに続くたっちゃん。

「とりあえず、も〜一杯」

「抑えろ、薫ちん!!」

「ガッテン!!」

ん?なんか身体が重いような気がするけど……まぁ、いいかぁ。
とにかく、も〜一杯

「ぐぐぐ……
手伝えたっちゃん!!

てっちゃんの相手は俺一人じゃ、キツイ!!」

「くぅ〜、こんなちっこいのに、何処にそんな力があるんだよ!!」

ありゃ、また重くなった……かな?
まぁ〜、いいや。

もういっぱ……ん?
アレは……

「おぉ〜い、千春ちゃ〜ん。
久しぶり〜」

「ぬぅ!!
抜けられた!?」

「なぁ!?薫ちんと俺の拘束を外した!?」

千春ちゃんと会うのって、何年ぶりだっけ?
え〜と、確か……20年ぶり?

「ウチですかぇ?
えぇ〜と……母の事ですか?」

「……母?
千春ちゃんの子!?」

そりゃ、20年も経っていれば、子供も出来るかぁ。

「……母を知っているんですか?」

「う〜ん、そうなんだよ〜、ヒック。
しっかし、千春ちゃんの子かぁ〜、もぉ、こんなにそっくりになっちゃってぇ〜

もう、撫でちゃろうか?」

もう、千春ちゃんが子供の時にそっくり。

「だぁ〜!!
てっちゃん、それは流石にマズいって!!」

「うわっ、ど〜したよ?」

「薫ちん、ナイス。
慶ちん達にヘルプ頼んだから、後少し頑張れ」

「お前も手伝え。
今のてっちゃんが先生に見つかったら停学、下手したら退学だぞ!!」

……退学?
またまた〜

「ん……?
何かお酒臭くないですか?」

おぉ〜、瀬流ちゃんと新田さんだ〜

「瀬流ちゃんと新田さん。
おぉ〜い、こっちこっち〜」

「ちょっ、てっちんのバカ野郎!!!」

「鬼の新田とか、どれだけ馬鹿なんだよ!!!」

バカバカ失敬な。

「いやぁ〜、新田さんと瀬流ちゃんも飲みます?
音羽の水。

え〜と、健康だか縁結びだか忘れちゃいましたけど」

「徹さん、一応先生なんですから、公の場で瀬流ちゃんは止め……って……ん?」

小声で言いながら近付いて来たと思ったら、冷や汗をダラダラと流し始める瀬流ちゃん。

「どうかしたかね?瀬流彦く……ん??」

「ダメだぁぁぁあああ、終わった。マジで終わったぁぁぁぁああああ」

薫ちゃん、耳元で叫び過ぎ。

「……徹くん、これは何かな?」

オレが持っている神秘の水を指さしながら問う新田さん。
チャームポイントの四角メガネがキランと光を反射していた。

「音羽の滝〜
いやぁ〜、何でもない水かと思ったら、なんか変な味付けがしてあって、意外と美味いのよ」

グイッともう一杯飲もうとしたら、新田さんに捕られた。

新田さんは、舐めるように神秘の水を飲む。

「……徹くん、君が飲んだのはどの滝かね?」

「縁結びっす。
コイツ縁結びの水を飲んでからこんな風になっちまって、なんとか抑えつけようとしたんっすが……」

オレに聞いたはずなのに、なぜかたっちゃんが応えた。
まぁ、いいんだけど。

「縁結びというと、確か一番左だね。
瀬流彦くん、一番左を確認して。

徹くん、これは没収。申し訳ないけど後でバスまで一緒に行ってもらうよ」

なんか、オレはバスに行かなくちゃ行けないらしい。

「新田先生。
てっちゃ……徹くんは、自分から飲もうとして飲んだワケじゃなくて、偶発的な事故で……」

「私だって、それぐらいは分かっていますよ。
ただ、このままではコチラの方の様に迷惑をかけてしまうかもしれませんから、今日一日だけ大人しくして貰うだけですよ」

新田さんは、千春ちゃんの子供に向き直る。

「ウチの生徒が迷惑をかけてしまい、すみませんでした。
後ほど、この子がしっかりと謝罪させに」

「い、いえ、別に迷惑をかけてなど……」

「そうだぞ〜、千春ちゃんにオレが迷惑かけるわけないじゃん」

「いえ、千春は母の名で……」

「あっ、そうか。
千春ちゃんの子供に迷惑かけるわけないじゃん」

千春ちゃんは、オレにとって可愛い子供なんだよ?
その子供なんだから、可愛がるんだったらまだしも、迷惑かけるなんてしない。

「そうは言いましても……」

「大丈夫だって、新田さん。
なんか良く分からないけど、後で会いに行けばいいんでしょ?

どうせ、詠春のトコに行くんだし、その時にでも会いに行くって」

「あっ、私としましても母の知り合いにお話を聞きたいと……
え〜と、謝罪とかなしで、個人的に会いに来てくださると嬉しいです」

「は、はぁ〜……」

納得できないような、そんな感じの相槌。
ちなみに、その後ろでは

「なぁ、てっちんって結局何者なの?」

「……ある意味何時もの事だろ?
こう、無駄に顔が広いというか」

みたいな感じで、薫ちゃんとたっちゃんが話していた。

「というわけで、後で行くね。
え〜と……」

「千草です。
天ヶ崎千草」





あとがき
いやぁ〜、山もなくオチもない感じでした。
とはいえ、京都編にて伏線を張りまくった回なので、ある程度は仕方ないです。

爆発させれるのは、おそらくスクナ辺りじゃないでしょうか?
書きたくて書いているんですが……

う〜ん……
やはり納得が行かないというか、gdgdというか……

まぁ、頑張っていこうとしか言えないですね。

これからも、頑張っていきますので、よろしくお願いします。


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posted by まどろみ at 22:33| Comment(2) | 流れて流されてネギまへ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ども、にじファンから追っかけてきましたものです
此方での更新楽しみにしています
頑張ってください
Posted by サンクス at 2012年04月07日 16:17
コメント&追っかけ感謝です。

追っかけてきてくれる方々が多くいらっしゃるようで……

ココまで多くの方々についてきて貰えるとは思っておらず、非常に嬉しく思っております。

サンクス様の期待に応えられるよう、これからも頑張っていきますので、よろしくお願いします。
Posted by まどろみ at 2012年04月08日 15:53
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