2013年07月18日

第6章 麻帆良祭編 その1



麻帆良祭 15日前




〜〜side 徹〜〜



「というわけで、学園祭の内容を何にするかなんだけど……
みな、分かってるな!?

目指すは麻帆良の成金、学際長者だ!!」

メガネをかけた、いかにも委員長!!といった、青年が、細身の身体に似合わない大声を上げた。
ちなみに、彼の名前は井伊 長太(いい ちょうた)
もう、委員長になるために生まれたと言っても過言じゃない。

なにせ年に一度の祭り。それも儲け方によっては学際長者って言われる程のお金が手に入るんだから、皆のボルテージは上がりっぱなし。
男子高特有の野太い気合いの声があがる。

そして上がる案

「『ドキッ☆男だらけのふんどし大会カフェ』が良いだろ!?
もちろん、ポロリもあるよ!!」

「いやいやいや!!ココは『熱血、汗、筋肉!!男だらけのレスリング大会喫茶』を!!」

「負けてらんね!!
こうなったらもう『うさみみラゾクバー』で!!」

いやいやいやいや、暴走するたって、彼方の方向へノンブレーキ、アクセル全開でぶっぱなさいで!!

「いや、こうなったらもう『ノーパンチラリズム、チャイナドレス酒屋』で!!」

……予想するのは、全然客がこず、閑古鳥が鳴くクラス。
ちなみにクラスの中には、ふんどしや、汗を吹き出すマッチョ、うさみみを付け所在なさげにウロウロしていたり、チャイナドレスで口紅をしているクラスメイト達……



まさにそれは地獄絵図


というより、なんだろ?嫌いな人が客で来るとしか考えられないんだけど。

そうでもなきゃ、そんな相手の精神を壊しつくす、景色を生み出そうなんて考えないだろし……


「て、てっちゃん……
アレ、何とかならないか?」

少数派の、冷静なクラスメイトその1である薫ちゃんが、困惑顔で訪ねてくる……

「……無理」

「やっぱりか……」

「こうなったら、俺たち男高格闘四天王が力尽くで……」

力尽くとか、物騒な事を言っているけど、数多の人を保健室へと強制連行させる様な兵器を作らせちゃいけないわけで

「出来るの?」

「出来……たらいいなぁ……」








麻帆良祭 13日前



〜〜side ネギ〜〜



身体のあらゆる場所から、射手を撃つ。
時には貯め、時には罠にはめ、時には閃光にし。

大した事のない複数のバリエーションの射手を、ただただ組み合わせたシンプルな攻撃方法。

だが、それ故に応用が効く。
相手の死角から幾つか撃ち、時に地面を爆ぜさせる。

「いい攻撃や、ネギ。
確かに効いたしキツい。

せやけどなぁ……耐えれる!!」

幾つもの予防線を貼り、頭を悩ませ、罠を作り、攻撃しようとも、強い者には効果がない。

僕と同じ歳だというのに、命を賭けた戦闘をし続け、生き続けてきた戦士。
それが、彼。犬上小太郎なのだ。

小太郎は一気に接近してくる。
近付かれてしまうと、僕に出来る事の幅は一気に狭くなる。
距離をとるのは無理。だからといって、素直に負けを認める気は起きない。

だったら、筋肉を、骨を、関節を意識する。僕の目には最適な拳の軌道が青白い光によって印されている。
それは、最も速く、最も威力を持った軌道と動き。

その青白い光にそって、拳を打ち出すが……

「アホ、動きが見え見えや」

簡単に避けられ、鋭く伸びた爪が僕の喉元へと突きつけられた。

これで2勝25敗3引き分け……
ちなみに、犬神は使わないっていうハンデ付きでこれだ。

「最後の攻撃な、アレじゃ、見え見えや。
ちょっとでも、こう目でフェイントぐらいいれへんと、カウンターの餌食やで?

後は、まぁ射手の強弱をはっきりさせーや。
アレぐらいの強さの射手やと、結構当たると効くんや。

それやと、相手は短期で決着をつけようとするからな……
基本は弱めで、相手が油断する射手。そんで、ここ一番にキョーレツなんを当てんとな」

まぁ、ネギの本質は初見殺しの所やからな、ワイみたいに何度も模擬戦しとったら、勝率は低くなるもんやから……

云々。
アドバイスを貰い、さらに不器用な慰めもされてしまった。
なんていうか、子供っぽいかもしれないけど、本気で悔しい。

何度も当たっているのに、効かないとかズルい気さえする。
いや、もちろん彼のタフさは、命を賭けて戦い続けた結果だというのは理解しているのだが、それでも悔しいのは悔しいし、ズルい気だってしてしまっている。

今の研究が形になれば、きっと今みたいに軽くあしらわれる事もなくなるはずだ……
そうとなれば、エヴァさんから本を借りて、研究研究。

「小太郎、次は絶対負けないからね!!」

「あいよ。
それでな……話は変わるんやけど、その、一緒に学園祭にな……」「って言うわけで、エヴァさん、場所貸しありがとうございました」

「ふふふ……
別に構わんよ。時間加速は使ってやれないが、いつでも言ってくれれば場所の提供ぐらいしてやるさ」

本気で魔法が使える場所っていうのは案外ないのだ。
そのため、使わせて貰っているのが、空間拡張魔法によって作られた魔法具『エヴァンジェリンと徹のラブラブ愛の巣』

ちなみに、真骨頂である時間加速は徹さんの言いつけによって、使わせて貰えなかったりする。

「そういえば小太郎?何か言いかけてなかった?」

「……いや、なんでもあらへん」

ちょっとため息を吐きながらの返事。
何なのか分からなく、少し首を傾げるも、やっぱり分からない。

まァいいや、とりあえず研究研究。
次こそ絶対勝つからね!!




〜side エヴァンジェリン〜





調子外れの鼻歌を歌いながら、ネギは『エヴァンジェリンと徹のラブラブ愛の巣』から出て行く。
ふむ、最後は確かに決められてしまったが、それほど疲労は感じていないようだな。

もう片方は、ネギが居なくなると、膝が震え座り込んでしまう。

「アカン、キツいわ」

座った途端、息も上がり辛そうに顔を歪めてる小太郎。
これではどちらが勝ったか分からないな。

「戦いを覚えて一ヶ月の実力がアレとか、ありえへんやろ……
ほんま、天才って奴は嫌になるわ」

口調とは裏腹に、小太郎に浮かんで居たのは苦笑い。
卑屈にはなっていないようだな。

というよりもだ。もし卑屈になっていたら、天才と呼ぶ相手に、さらに強くなるアドバイスを送るはずもないか……


なんていうか、うん、やっぱりコイツは馬鹿なんだろうな。

「僻(ひが)むな僻(ひが)むな。未だにネギに喰いつくどころか、勝っているだけでも十分私の予想を上回っているんだ。
胸を張ってもいいぞ」

「くぅ、絶対ギャフンと言わせてやるから、覚えてろ!!」

あれ程疲れていたというのに、小太郎は叫びながら、茶々姉妹無限組手をやりに行った。

全く、その疲労の回復力。
何でも受け入れる柔軟な身体、生まれ持った頑丈さを持つお前が平凡なワケないだろうに。

「そもそも、早熟なネギと大器晩成型のお前が、同じように成長出来るはずがないだろうに……
なんで、その速度で成長するんだか……」

これが若さって奴か……








麻帆良祭 12日前



〜side 超鈴音〜





「あぁぁあああああああ!!
結局何も対策出来てないネ!?」

頭を抱えながら、ゴロゴロと部屋をのたうち回る。
天才でクールていう私のイメージからは程遠いコミカルな行動をしている事は分かるが許して欲しいネ。

なにせ、『ドキ☆火星未来人の未来を変えちゃおう作戦♪』が全然進んでないヨ!!

確かにエヴァンジェリンから手出し無用の契約は、口約束だけど結んだネ。
ただ、彼女の側にいる村重 徹が結局どういった人なのか全く分からなかったヨ!!

いや、一応は知ろうと努力はした。
だけど、龍宮サンからは詳細な徹サンの女性性癖を送られるだけ。
和泉サンや明日菜サンから情報を得ようとしたら、恋敵認定。

そもそも、問題なのが、私のご先祖様が何故か、女性になっているっていう異常事態が発生ヨ!!
しばらくの間、頭真っ白。

なんとか持ち直し、直接徹サンを見極めようとしたら、旅行先で『伝説の傭兵剣士』ラカンと抱き合っているとか、あぁぁあああああああああ、もう……

いくら天才と言われる私からしても、どうしてこうなった!!って言うしかないネ!!

どんなに頭を回転させても、想像がつかないヨ。
何をどうすれば、魔法界の英雄が旧世界に来て先輩と熱い抱擁をする事態になるね!?


オーケィ、落ち着くネ。
落ち着いて、胃薬を飲むヨ。胃薬は荒れた胃を癒してくれる至宝。

暖かいお茶を準備して、ビデオの予約の準備は完了。
ふぅ……


テレビをつけると、重厚な音楽、そしてデカデカと表示されるタイトル。


『大河  徹』





もう、半分を過ぎ折り返し。
未来に帰るのなら最後まで見れないっていうのちょっと寂しいネ……









はぁ……
いやぁ、相変わらず素晴らしいネ。

デカデカとタイトルに徹と書かれているが、毎回主人公が違う形で書かれている。
この徹という人によって、変えられた人達が主人公となり書かれているヨ。

中には有名な偉人も、大悪党も、下っ端の兵も、名前すら知られていない農民も、それぞれが主役となっていたネ。


徹という人は知名度が高いのに謎に包まれてるネ。

彼の影響を受け、変わった人や、時代を動かした人、後悔した人、強くなった人。
そう言った人の日記は良く出てくるネ。
常に金髪の少女が側にいて、目立っているため、名前が分からなくとも、すぐに徹だと分かったね。

だけど、徹やヘバが残した物が一切出て来なかったみたいヨ。
それを忠実に再現した結果が、このような形のドラマとなったらしいネ……



最後に、今回の話の元となった日記と手紙の紹介を見て、冷たくなったお茶を啜る。
さてと、お風呂にも入ったし、そろそろ寝るヨ。

電気を消し、布団の中に入り込み……



掛け布団を蹴飛ばす。


「あぁぁあああああああ!!
対策忘れていたヨ!?」

叫びながら、私は頭を抱えながら、ゴロゴロと部屋をのたうち回ったのだった。





〜あとがき〜

なんて言いますか……
超鈴音がメチャクチャ書きやすかったです。

いや、だって……
僕の愚痴をそのまま書けばいいだけですし(笑)






掲示板はコチラ


posted by まどろみ at 00:08| Comment(6) | 流れて流されてネギまへ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今回は、小太郎が凄いイイ人でした。『エヴァンジェリンと徹のラブラブ愛の巣』って危うくビール噴き出すトコでした。まどろみマジックは健在ですねぇ・・・。徹が絡むと超も空回りするんですね、流石は徹様!!でも未来に帰るのはせめて大河ドラマを見終えてからにさせてあげたいですよね!!

Posted by はるきよ at 2013年07月19日 22:17
おもしろす!
てか超さん、早く気づきなよ!って感じですね笑。これが徹マジック!?
次回も期待です!
Posted by しゅん at 2013年07月20日 02:28
どうもお久しぶりですカミヤですw

最近コメントしてませんが相変わらず地味に毎日チェックしてますよ?w

さて、久々のコメントですが一言…………ヘルマン編エピローグさえなく気が付けばフェードアウトされたフェイト君マジどんまいwww

ポルナレフの某有名な台詞が出る事さえない程安定の脇役感で(笑いでw)泣けてきましたwww

あ〜深夜見直してから思い出し笑いで腹が痛いですwww

ついでに終盤の超の態度をみて、結局何も対策出来なくて(寧ろ自棄になった超の行動も安定の徹クオリティで速終了してw)何事もなく(ネギちゃん辺りでイチャラブイベントが起こる程度?徹もまた各重要イベントを気が付かない内に付き添いのラカンやエヴァ達とこなしそうだw)「普通」に真帆良祭編終了して(武闘大会とかネギちゃん参加せずに空気なアル涙目なったりw)何もかも終わり最終日の夜に超包餃子で出逢ったフェイト君(変装?仮装?してないとバレるか?)と愚痴りあって飲んでる内に寝てしまい未来に帰るのを忘れてしまう所まで妄想できてしまったwww

いや、妄想だから違うんだろうけど…………違うよね?w

と、まぁ今までコメントしなかった分長文になりましたがこれからも更新を楽しみに待ってますw

夏バテや熱中症に気を付けて頑張って下さい!
Posted by カミヤ at 2013年07月20日 03:11
はるきよ様、コメントありがとうございました。

ネギまで好きなキャラ、ベスト3に入る小太郎君ですからね。結構イイ感じに書きました。

この小太郎君だったら、魔法界編でも噛ませ犬っぽくはならないはずです……


まどろみマジック。
相手はモニターに水を吹きかける!!(ドヤァ

はい、すみません。
というより、あまり考えずにさらっと書いた『エヴァンジェリンと徹のラブラブ愛の巣』に結構ウケたようで、ちょっぴし困惑。
やっぱり、書くっていうのは面白いですね(笑)


超はとても空回りしています。
うん、まぁ……徹相手だから仕方ないよね!!

はたして、超はしっかりと大河ドラマが見れるのだろうか!?
ついでに未来を変えられるのか!?

流々、ドキドキの麻帆良祭編。乞うご期待(笑)


これからも頑張っていきますので、応援の程よろしくお願いします。
Posted by まどろみ at 2013年07月20日 23:02
しゅん様、コメントありがとうございます。

楽しんで貰えたようで、非常に嬉しく思います。

超さんに関しては、もう空回りがデフォですから……
彼女には強く生きて貰いたいです(遠い目

少々立てこんでまして、更新は遅くなるかもしれませんが、少しでも面白い物を更新出来るよう頑張っていきます。

これからも応援のほど、よろしくお願いします。
Posted by まどろみ at 2013年07月20日 23:10
お久しぶりです。カミヤ様、コメントありがとうございます。

いやはや、毎日チェックをしていただいているとか、非常にありがたいです。

ヘルマン編に関してですが、しょせん幕章。
エピローグなんて、贅沢な物なんて必要ないんです(震え)

フェイト君とヘルマンさんに関しては、ホントどんまいと言うしかないですねwww

でもきっと、フェイト君だったら、フェイト君だったら、魔法世界編で活躍してくれるはずだから……
なんていうか、このままだと、本当にフェイト君が脇役で固定されそうで、危機感を覚え始めましたwww

いやはや、楽しんで貰えているようで、非常に嬉しく思いますw

詳細な妄想ありがとうございます。
なんていうか、あまりにも詳細かつ、ありえそうな妄想ですねwww
その妄想もいいなぁ。
特にアル涙目と、フェイトと超が愚痴りあっている所とか、
こう、涙が出そうになる所が、非常に好きですwww

もちろん、妄想だから……プロットとは全然違うし(震え)



お互い、体調に気をつけていきましょう。
これからも頑張っていきますので、よろしくお願いします。
Posted by まどろみ at 2013年07月20日 23:42
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。