2013年07月23日

第6章 麻帆良祭編 その2



麻帆良祭 11日前




〜〜side 茶々丸〜〜



「くっはははは、もうなりふり構っていられないネ!!
私は悪魔に魂を売った火星人ネ」

私のすぐ前の木の上。
そこには、仁王立ちをしながら、叫び、語っている超がいました。

そんな高い所で仁王立ち、それも丈の短いチャイナ服で行なっているのですから、下着がチラチラと目に入ってしまうことも仕方ない事です。

下着の色は黒。ちょっぴり背伸びをした大人の色。
それに、可愛らしいリボンが結んであり、子供心も滲ませた一品です。

「茶々丸。
我が子にこのような仕打ち、非常に申し訳なく思うネ。
だけど、私は先ほども言った様に悪魔に魂を売った火星人!!

良心の呵責がないわけではないが、手伝ってもらうヨ!!」

目の下にはクマができ、目の様子も少々可笑しく、テンションが異常に高い。
以上の様子から疲労によるランナーズハイだと推測。

「手伝える事だったら、手伝いますが……
超、下着が見えてますよ?」

「ふっはははは、見たければ見るがいいネ。
大サービス。こう、スカートをまくっちゃったり」

自分のチャイナドレスの裾を握っている生みの親に向けてロケットパンチ。
流石に、コレ以上彼女に恥を晒させるわけにはいきません。

朝早い事もあり、周りにはあまり人がいない様子だったのが救いといえば救いですね。
木の上から落ちる彼女の落下点を推測。

計算通り、超を受け止める。
何が面白いのか分かりませんが、腕の中で超は声を上げて笑うばかりです。

「えー、超。一体私に何を手伝わせようとしているのですか?」

「はっははは、とりあえず放課後になったら詳しく説明するから、私の所に来るネ。
見るネ、理不尽な現実。
天才たる私の素晴らしい頭脳で、解決を果たしたネ。

これで胃薬からも、おさらばネ。あぁ、尊敬する胃薬マスターズよ。
弟子たる超は」

装備の中にある、睡眠スプレーを超に吹きかけます。
……ダメな親を持つと苦労しますね。

相当疲れていたようで、超はものの数秒で眠りに付きました。
口を開け、ヨダレを垂らして寝入っています。

そんな間抜けな寝顔を見て、ため息が漏れたのは仕方ない事ですよね?




〜side 超〜



「いやはや、申し訳なかったネ」

放課後となり、言いつけ通りに私の下へとやってきた茶々丸にまず謝る。
仮眠と栄養ドリンクにより、ようやく正常な判断が出来るようになったのだ。

いやはや、一睡もしていないとはいえ、あんな酷いテンションになるとは思わなかったネ。
茶々丸がもし居なかったらと思うと、ゾッとするヨ。

「いえ、私は気にしてません。
ただ、超。頑張るのもいいですが、しっかりと休息をとって下さい。

その……心配します」

恥ずかしげに、伏し目がちに言う。
もし人であったのなら、僅かに頬を染めてるはずネ。

成長している。
感慨深い物を感じると共に、罪悪感がチクリと胸を刺すヨ。

「はっははは、気を付けるヨ。


それで、用っていうのは……
そのだネ、村重 徹のデータが欲しいヨ。

茶々丸、記憶ドライブからお前の見てきた、評価した村重 徹という人物。
そのままのデータが必要ネ」

一部とはいえ、自分の記憶を人に見られるというのは苦痛だと言う事は分かっているヨ。
だが、徹という存在を評価するには、人からの評価が入らない、なるべく自然の様子が必要ネ。
ソレも膨大な量が……

「嫌だったら断っても良いヨ。
ただ、私の目的には……

私の目的にはどうしても彼の情報が必要ネ。
だから、もし良かったら、データを、お前の記憶を私に見せてくれないか?」

悪魔に魂を売った。
強い決意を持ち、ココへとやってきた。

だが、やはり、悪魔に魂を売ろうとも、どんな強い決意を持とうとも、子の前では親は弱くなってしまう。
本当に必要であれば、無理矢理にでも記憶をコピーしてしまえばいいだけネ。

ソレが出来る力が私にはある。
だけど、やはり……

「顔を上げて下さい、超。
超は難しく考え過ぎなのですよ」

顔を上げると、茶々丸の口元には、僅かな笑みが浮かんでいたネ。
微笑みなのか、苦笑なのか、判断がつかない、微妙な笑みが。

「超、そもそも私は『盗撮、盗聴用ロボット』ですよ?」

……胃が僅かにシクシクとし始めたネ。
うん、そういえばそうだった。

エヴァンジェリンが、何故か盗撮、盗聴用ロボットを求め、胃痛と戦いながら作り上げた作品、それが茶々丸だったネ。
……あまり思い出したくはないけど。

「ですから、人見てもらう事がある程度前提となっています。

私にも知られたくはない事や秘密にした事はあります。
ですが、データや映像ぐらいでしたらどれだけ見ても構いません」

あっさりと、それは本当にあっさりと許可を得てしまった。

「ありがとうネ、助かるヨ……」

それではデータを渡しますね。
あっ、もちろん同居人の方々の下着や裸の映像にはプロテクトを、さらに18歳以下にはあまり見せられない様な内容の映像は暗号化させて貰いますが……」

「そ、それは構わないネ。
むしろ助かるヨ……」

流石に花の女子中学生。
好きでもない男性の下半身を見る事は避けたいヨ。

というよりも裸と18歳指定の奴を別々に言ったという事は……
いや、確かにエヴァンジェリンは600年もの月日を生きているネ。

つまり、大人、アダルト……
そして、一緒に住むのは男子高生……

コレ以上考えるのはヤメとくネ。
女子中学生だから、こういう話には興味津々なはずなんだけど……

どうしてネ?
知ろうとすれば、胃に大きいいダメージを与えられる様子しか予想出来ないネ。





麻帆良祭 10日前



〜〜side 明日菜〜〜



麻帆良祭まで、残り10日。
そう、残り10日しかないのだ。

徹さんと麻帆良祭を周る。出来れば二人っきりで周るには、そろそろお誘いをする必要があるのだ。

とはいえ、今日は平日。
女子中学生と、男子高生がたまたま出会うという確率はかなり低いのだ。
こんな事だったら、この前の休みに会いに行けば良かったのだが、こう、心の準備が……

だけど、今日はもう覚悟を決めた。
寮の方には外出届けを出し、逃げられない状況に自分を追い込むことも出来た。

大丈夫、大丈夫だ。私だったら出来る。

「はぁ、ただいまぁ」

「あっ、お帰り。明日菜ちゃん」

確かに覚悟を決めたけどさ……
いきなりこれはないんじゃないの?

扉を開けてすぐ、徹さんが居たのだ。

「あっ、あっあぁ……」

安心と羞恥と緊張。
相反する感情すらもごちゃごちゃに混じる。

「ん?」

「あ、あのですね。
て、徹さん」

「ただいまぁー
とっとと、明日菜さん玄関で固まってどうしたんですか?」

……ネギぃぃぃぃいいいいいいい。

「ネギちゃんもお帰り。
それで、明日菜ちゃん、何か用だった?」

だ、大丈夫よ。まだ希望はある。

「そのですね、が、学園さ」

「ただい、うお、ネギに知らん姉ちゃん?
こんな玄関に固まって、どうしたんや?」

やってきたのは、犬耳の少年……
そういえば、徹さんなんかネギちゃん以外にも子供を一人預っているって聞いたっけ。

その時、エヴァちゃんと徹さんの2人っきりの時間がさらに減るってちょっぴり喜んでいたけど、それって、私にも当てはまる事だったのね……

「今帰ったぞ。
なに、こんな玄関で集まって……

まぁいい、明日菜、今日はゆっくりしていけ」

「ただいま戻りました」

なんか続々と帰ってきちゃったしぃぃいぃいいいいいいい。
後ろが詰まって、皆家に入れない状況。

もういいです。もう、中に入ります……

「そういえば徹、1日目時間を開けておけ。
たしか、午後暇だったろ?」

「ご一緒します。マスター」

「それじゃー、僕も一緒に行こうかな?」

「そ、それじゃ、俺もや!!」

……やっぱり今年もかぁ。

「それじゃ、私も!!」

どうやら、結局今年も学園祭は皆で周ることになりそう。
でも、緊張して話せなかったりするよりは良いかな?って……

『はぁ、全く。
それじゃ負けちゃうわよ?』

いいのよ、今はこれで。
今年は、ネギと犬耳少年みたいに初めて加わる子もいるしね。




「徹、初日は皆で行ってもいいが、最終日どうだ?
久しぶりに2人でな」

「って、エヴァちゃん!!
それズルい!!」

『明日菜も頑張りなさいよ?』




〜その頃の超鈴音〜




早速、秘密基地に戻り、茶々丸から貰ったデータをまとめる。
映像を眺めるが、出てくるのは普通の男の、普通の生活が主だっているヨ。

流石に全て見るワケにはイカないため飛ばし飛ばしで見ているが、やはり特異な点は見当たらないネ。
普段から擬態していると考えるか、それとも……


ふむ、映像データだけではなく、別のデータもあるようだネ。

開いてみて、出てくるのは文字の羅列



『徹様に向ける好感度ランキング
 
1 Evangeline.A.K.McDowell
2 神楽坂明日菜
3 和泉亜子
4 ネギ・スプリングフィールド
5 近衛木乃香
6 桜咲刹那
7 超鈴音』

……?
え〜と、これはつまり徹さんに好感度を持っている人のランキング(茶々丸の推測ver)って事ネ?
いや、一体なぜこれが必要なデータのウチに入っているヨ?

そもそも、どうして私の名前も入っているヨ!?

『徹様の性癖に合う人ランキング(データに少々疑問有り)
1 神楽坂明日菜
2 超鈴音
3 和泉亜子
4 桜咲刹那
5 近衛木乃香
6 Evangeline.A.K.McDowell
7 ネギ・スプリングフィールド』

あれぇぇええええ、意外と順位高い!?
いや、そもそもどういった、データネ?これ!?

『徹様の性癖を調べるために使用したデータ統計

金ぱ』

よし、ヤメとくね。うん、このデータは見るのをヤメておくね。
なんか、シクシクしてきたよ。
胃が、シクシクと、涙流してきたよ……


『以上、徹様恋愛用データ。
なお、徹様が向けている好意に関しては不明。

超、ライバルは多いですが、がんばって下さい。
私も、皆様に負けないよう、頑張るつもりであります』


……何か盛大な勘違いをしていらっしゃるネ!?

いや、私しっかりと目的のために必要って……



ん?



そういえば、確かに目的のためとは言った気がするが、何をするか言って無かった様な気が……
つまり茶々丸にとって、私は徹さんの事をただ知りたい女の子という事になって……

はっははは、なるほどネ。
茶々丸が秘密にしたいっていうのは自分の順位の事だったカ。




はっはははは……はぁ……
もう、未来に帰っちゃいたいネ……





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posted by まどろみ at 10:18| Comment(2) | 流れて流されてネギまへ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なんだろ、もの凄く超に同情してしまいました(特に胃痛に)。茶々丸のプロファイリング結果に何気に上位に食い込むあたり流石は天才超!!今回の明日菜は割と大人の対応でほのぼのしてましたね。果たして茶々丸の勘違いは次回で払拭できるのか?気になります。でも徹が絡めば更に勘違いは深まりそうですね・・・、超ガンバ!!次回も楽しみです。関係ないのですが「歌う恋姫無双物語」て知ってますか?勘違い系ですが自分的には面白かったですよ。ちょっと徹とは方向性は違いますが自分的にはお勧めです。
Posted by はるきよ at 2013年07月23日 21:16
はるきよ様、コメントありがとうございました。

毎回同情されてしまう超。
彼女には強く生きて欲しいです。

プロファイリングは殆どスタイル順です。
いや、調べてて驚いたんですけど、何気に超ってスタイルが良いんですねw

麻帆良祭編はゆるゆると進んでいきます。
楽しみにしていてもらえると幸いです。

>でも徹が絡めば更に勘違いは深まりそうですね

マジで超さん、がんばって下さい。

それと、「歌う恋姫無双物語」知ってます。何と言いますか、僕には書けない勘違いなので、非常に関心しながらも、面白く読んでますw

これからも頑張っていきますので、よろしくお願いします。
Posted by まどろみ at 2013年07月27日 06:11
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