2013年09月16日

第6章 麻帆良祭編 その5



γ 麻帆良祭 1日目




〜〜side 徹〜〜



目を開けば、花火や、曲芸飛行、パレード等が写る。
そして、大々的にされるアナウンス。


『只今より、麻帆良祭を開催します!!』


……麻帆良祭1日目って、うわぁ、そうか。
見つかるわけにはいかない事もあり、フードをさらに深く被ると、見つけてしまった。

大きいとは言えない自分よりも、さらに小さい少女。
云百年も共に生き続けた、キラキラと鮮やかに日の光を反射させる少女を。

ダメだと言う事は分かっている。だけど……
抑える事ができなかった。

「うわっ、貴様一体何だ!?」

オレの腕の中で叫ぶエヴァちゃんの頭を優しく撫でる。
相変わらず、彼女の髪は柔らかい。

「……エヴァちゃん。
しっかりとオレ帰るから、だから泣かないで?」

「……お、お前は、いや、え?
でもどうしてだ?」

困惑は仕方ないと思う。
出来る事なら、彼女の困惑を解消してあげたいし、あの時の涙も止めてあげたい。
彼女を襲う全ての不幸から守ってあげたい、助けてあげたいとは思う。

だけど、そういうワケにはいかないんだ。

「……徹、そろそろ」

振り向けばオレと同じように、フードを被った少女の姿。
うん、分かってるよ。

「それじゃ、行こうか」

「うん、でも人のいない所で。

あとエヴァ……負けないから。
そうだよ、私も負ける気はさらさらないんだからね!!エヴァちゃん!!」

オレ達はゆっくりと人の波に飲まれ離れていった。

「さてと、あすなちゃん。
人がいない所を探そうか」

エヴァちゃんに会ったら、絶対根堀葉掘り聞かれそうだしね。





α 麻帆良祭 1日目



〜〜side 徹〜〜



「いらっしゃいませ☆お嬢さま(はぁと」

何か大切な物を何処かに置いて来てしまったようで、色々と吹っ切れたながらも、お客さんへと挨拶する。
きっとお客さんからは、無駄にテンションの高い似合わない女装をしているオレが見えている事だろう。

ちなみにそのお客さんとは

「ハッハハハハ、まさか徹サンにお嬢サマと呼ばれるとは思っていなかったネ
おっと、今は徹美サンと呼ぶべカ?」

最近、ちょっとした事で仲良くなった超ちゃんだった。

ちなみに、徹美というのは女装している時のオレの名前、らしい。
なんか、男の名前だと萎えるだとか。

丈の短いスカートをひるがえしながら、超ちゃんを案内する。


まぁ、ぶっちゃけクラスの出し物の話し合いをしている時から嫌な予感はしていたんだ。

予感は見事にその嫌な予感は大当たり。
オレ達のクラスの出し物は『ドキッ☆男だらけのメイドカフェ』に……

不本意といえば不本意だけど、まぁせっかくの祭り。楽しまにゃ損ってね。
というワケで何だかんだ言いながらも楽しみながら、接待しているわけよ。

ちなみに女装が楽しいワケではない。ないったらない。
だから超ちゃん、勘違いしないでよ?

「分かった分かったネ」

そんなふうに雑談をしながらも超ちゃんを案内。
……ホントに分かってくれたよね?

「そういえば徹美サン。
あの時のお礼がそういえばまだだったネ」

あの時って……

「あぁ、超ちゃんがなんか急に飛び出してきて、足元の石につまづいてオーバヘッド一回転して後頭部を道路に打ち付けた時の話?」

「ぐっ……そ、そうね……
徹夜明けのハイテンション故か、ホント色んな迷惑をかけたネ」

まぁ、確かにあの時は凄かった。
頭から血が出てるっていうのに、また走りだそうとするし、オレに向かって来たし。
バターが付いているはずの食パンも苺ジャムたっぷりの物とになり、それを食べようとしてたし……

うわ言のように、『角、ぶつかる、お約束、確率96%』とか呟いている様子は、ちょっとしたホラーだった。

「うん、確かにいろんな意味で凄かったよね」

「そ、そこでそのお礼を持ってきたヨ」

別にお礼なんて良いのになぁ。
散々あの時、謝って貰ったりお礼を言われたりしてるんだし。

「ほ、ほんの気持ちという奴ネ」

と言いながら取り出したのは、なんか大きな懐中時計。

「いや、そんな高価そうな物もらうワケには……」

「いやいや、そんな高価な物ではないヨ」

そんなこんなで、いつの間にかオレの手には懐中時計が……
押し切られてしまった。

懐中時計を眺めると、複雑な幾何学模様が時計の中を走っている。
細かすぎる模様にずっしりと重い重量感。うん、これ絶対高い奴だよ。

「それじゃ超ちゃん。
今日のお店の注文はオレの奢りって言うことで。

流石に、コレをただただ貰うワケにはいかないし」

それだけじゃ足りないだろうけど、流石にコレ以上は失礼にあたる……気がするし。

「クスッ、それじゃ徹美サンにたくさんサービスしてもらう事にするネ」

あれ?そっちで奢り分使うの?
美味しい食べ物とか、飲み物とか……

「男には二言はないはずネ。
いや、今は女性だから、別に二言があっても」

「任せない。
もうなんでもやってあげるからね!!」

ちょっぴり奢り発言に後悔したのは内緒である。





            ☆☆☆




何だかんだ言いながらも、超ちゃんは大した注文をせず、店から出て行った。
もっと散々いじられると思ったんだけどなぁ。

超ちゃんが帰った後も、仕事はまだまだ続いており

「てっちゃん、向こうでお嬢さまがお呼びだぜ」

今もまた、薫ちゃんから仕事を振られている。
ちなみに彼もメイド服だ。

自己主張の激しいリーゼントに、太く逞しい腕。
丈の短いスカートからは、筋肉隆々の太い太ももが伸びている。(どうでもいいが、がに股である)

なんというか……凄い姿だった。
そして彼、何だかんだ言って結構指名されてたりする。

オムライスに向かって、萌え萌えとかキュンキュン、ラブリー等々言いながら、なんか注入している姿が可愛らしいとか笑えるとか……

さらに、尻を揉まれたり太ももを触られたり等のセクハラも良くされてる。

『きゃー、もう、御主人さまったら、やめて下さい(はぁと』

とか言ってる薫ちゃんの様子をみると、彼もどうやら楽しんでいるらしい。

まぁさ、『熱血、汗、筋肉!!男だらけのレスリング大会喫茶』とか、『ノーパンチラリズム、チャイナドレス酒屋』とかと比べたら随分とマシだよ、うん。

そんな風に、自分を慰めながら御主人さまの下へと向かうと、そこにはニヤニヤと笑うエヴァちゃんの姿。

エヴァちゃん以外にも、いつも以上に無表情な茶々丸、驚いた顔をする明日菜ちゃん、笑うのを我慢して口元が引きつってる小太郎君に無邪気に『わぁ、徹さん可愛いです』と言うネギちゃん、と全員集合していた。

ちなみに、ネギちゃんのキラッキラした目で見られているのが一番ダメージを受けた。

「お呼びですか?お嬢さま?」

「あぁ、この『ラブラブ☆愛注入オムライス』にタップリと愛情を入れて貰おうかと思ってな」

オプションの注文らしい。
エヴァちゃんの僅かだった口の端の上がり方が大きくなってる。

楽しそうで何よりです。

とりあえず、愛と勇気と根性をブレンドした物をトマトケチャップへと注入。
特性のトマトケチャップを使ってオムライスに絵を描き上げた。




どうやらエヴァちゃんはオレの愛注入に満足した模様。スプーンを使いオムライスをモシャモシャしている。

「て、徹さん。ホントに徹さんですか!?」

「お嬢さま、私は徹さんではありません。
ラブリー徹美ちゃんです☆」

ノリノリで名乗りをあげる。笑顔とピースサインもバッチリだ。
顔がすんごく暑くなっていたりしているような気がするのは気のせいに違いない。

というか身内相手に、ラブリー徹美ちゃん☆って、やっぱりハードルが高すぎる。

「ブフッ、ラブリ、ラブリー徹美ちゃんって。
ブッハハハハ、兄ちゃん似合わね−

ヒィ、ゼフッ、わ、笑い過ぎて腹が」

ついに耐え切れなくなったのだろう、盛大に笑い始め、小太郎君は呼吸困難に陥り初めていた。

「そういえば、お前の女装姿を見るのも久しぶりだな」

オムライス片手に会話に参加してくるエヴァちゃん。

「その言い方だと、なんかオレ女装が趣味っぽいじゃん!!」

ちなみに、そんな事実はない。
確かに昔女装させられた記憶はあるが、それも20年以上も昔のこと。
それもエヴァちゃんから強制された事だしノーカンだよ、ノーカン。

「そんなのはどうでも良い」

いや、あんまり良くないんですけど……

「とりあえず、私達はココで適当に待っているから、そっちが終わったら呼びに来い」

「了解。あと20分ぐらいで終わるから待っててね」

さて、あと20分張り切りますか。


「ジーーー。録画中、録画中」

茶々丸の言葉を気にならないぐらい頑張らないとね……はぁ……





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posted by まどろみ at 03:48| Comment(4) | 流れて流されてネギまへ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
何か今回は出だしがシリアスな感じでしたねぇ。前回の魔法世界への転移はもしや過去にまた飛ばされたのか?とか考えたりしました。自分的には基本、原作にしろ二次創作にしろエヴァ押し!なので、もしエヴァが悲しむ方向に進むのならラストは笑っていられる展開になって欲しいなと・・・。でも徹なら大ドンデン返しでみんなハッピー的な事になりますね。てか外伝で「魔法少女ラブリー徹美!?」やってくれません?
ライバルにリーゼント魔法少女込みで・・・。おっと立ちくらみが。
次回も楽しみにしてます。
Posted by はるきよ at 2013年09月16日 22:14
更新お疲れさまです。

今回の話を見ていて最初に思った感想を一言で…………え?久々の徹の女装姿で何故ラカンの出番がないのだwww

もう一度最初から読み直してラカンが何処かに隠れてないか探してしまいましたよ、えぇwww

次回はいつの間にかフルオプションで当たり前の様に徹に注文するラカンと何故か同席するフェイト君なんて場面を妄想しつつ更新待ってますwww
Posted by カミヤ at 2013年09月17日 02:34
はるきよ様、コメントありがとうございます。

珍しくシリアス臭のする流々でした。
いや、ホントに珍しいですねw

色んな時間軸のお話がごっちゃとなっています。
全てが解決するまではもう少し時間がかかると思いますので、楽しんで貰えたらなと思います。

エヴァに関しては、僕も好きなキャラクターなので幸せにしたいですね。
ただ、願望と書くものが違うのはありうる事……
その辺に関しては本編に関わってくるので、ふっわふっわした解答になってしまいますねw

これからどうなっていくのか、楽しんでもらえるよう頑張っていきますので、楽しみにして貰えると嬉しいです。




『魔法少女ラブリー徹美!?』なにそれ?面白そうwww
Posted by まどろみ at 2013年09月19日 01:39
カミヤ様、コメントありがとうございます。

確かに……
何故かラカンさんがいないですね。いや、ホントなんでだろwww

僕自身、非常に不思議に思いますが、残念ながらラカンは登場してません。
というかですね……
彼が登場するとプロットとかそういうのが全部潰されるんです。えぇ……

だから、残念だけど、本当に残念だけどラカンは登場しないんです。

次回に期待してもダメなんだからねっ!!


ラカンは(多分)出てこないですが、次回も頑張っていきますので、よろしくお願いします。
Posted by まどろみ at 2013年09月19日 01:48
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