2013年12月13日

第6章 麻帆良祭編 その10



α 麻帆良祭 1日目




〜〜side エヴァ〜〜



隣で横になる、徹を強く抱きしめる。

うん?どうしたの?
と聞いてくる徹を無視し、いろいろな感情を込めながら抱きしめる。

徹が茶を淹れている一瞬の間に、私はおよそ半日前へと移動した。
そして、徹を中世へと飛ばした犯人、超鈴音と敵対し、襲い、徹にたしなめられた。

流石にその後に、麻帆良祭に参加する気など起きず、独りでただただ、この家で徹達を待ち続けたのだ。
何をするでもなく、ただただぼうっと時間を潰すという、非常に贅沢な方法で……

そして、待てば待つほど、無性に徹に会いたくなった。

一緒に麻帆良祭を周っている私に嫉妬するなどという、なんともワケの分からない状況になりながら、それでもぼうっと待っていたのだ。


思い出すのは『悪い事ばかりじゃなかった!!』と、笑顔を浮かべながら答えたアイツの姿。

悪い事ばかりじゃなかった。
あの時は、その言葉で満足してしまったが、色々と聞きたくなったのだ。

私とお前は、何だかんだ言って、あまり自分の気持ちや自分の事を話さない。
長い年月共に居続けたのだから、そのような事話す必要など、ないと……思い込んでいた。

なんとなく、互いの思うところは分かりあっていた。
たまに、ワケの分からない行動をする時はあったが……
それでもアイツは比較的分かりやすい奴だった。

泣きたい時に泣き、笑いたい時に笑う……
たまにそうじゃない時もあったが、それでも奴は比較的分かり安かった。

だからであろう。自分の気持ちや自分の事をあまり話さなかったのは……
そもそも、そう言った事を話すっていうのはどうも……苦手だ。



だが、思ったんだ。やはり言葉に出さないと分からない事もあると。
分かっていても、お前の事を聞きたいと。

差別、追われた日々はやはり悪い事だったか?辛かったか?
人々に礼を言われた事や、子がお前を慕っていた事は悪くない事だったか?喜ばしかったか?

なぁ、お前は『悪い事ばかりじゃなかった』と言ったな……

私は違うぞ?


私はな『良い事ばかりだった』よ。

お前と出会ってからの人生……いや人じゃないから人生は可笑しいか。
とにかく、お前と出会ってから『良い事ばかりだった』よ。

辛い事もあった。泣きたい事も何度もあった。
だけどな、お前がずっと隣にい続けてくれた。

ちょっとした喧嘩は何度もしたが、それでもお前は隣にいてくれた。

裏切る事も、去る事もしない。
子供扱いは癪に障るが、それでも私を思ってくれる。

そんなお前が隣に居てくれるだけで、私は……




その、あれだ……


幸せだ。




なぁ、徹。

『悪い事ばかりじゃなかった』と言ったな。お前は。
それじゃ、良いことはあったか?

私と出会えたことは、共にいた事は……良いことだったか?
こうやって、くっつきあい、お互いの体温を感じ合っている今は、安らぐか?


「ふふっ」

頭の上で、笑い声。
髪に徹の息が当り、こそばゆい。

「……どうしたんだ?」

問いながら、見上げると、嬉しそうな笑みを浮かべた徹が

「いや、なんかさ、こうやってエヴァちゃんが甘えに来てくれるのが、幸せっていうか、嬉しくてさ」


あぁ、もう。


「ふん、そうか」

グリグリと、奴の胸へと顔を押し付ける。

この緩みに緩みきった顔は、奴には見せられないから。






α 麻帆良祭 2日目



〜〜side 小太郎〜〜



薄皮一枚削りながらも、迫ってくる拳を避ける。
拳の側面を叩き、僅かに軌道をずらす。

蹴りは、勢いがのる前に前進によって、潰す。
バランスを崩した所を追撃といきたいが、複数人との対決。
1人ばかり集中しているワケにもいかへん。

背後からの攻撃をしゃがむ事によって回避。
そのまま立ち上がる事によって、拳を頭部によって逸らす事に成功。


そして……

ピピピピッ───ピピピピッ───

10分経過をしらせるアラームが鳴り響く。

「よっしゃ!!
茶々姉妹無限組手10分耐え切ったで!!」

複数人との戦闘。
ロボットとは言え女。

それ故、全ての攻撃を避ける、逸らす事しか出来へんかったが……
それでも10分耐え切ったんや。

「いやぁー、ほんま……ぶべらっ!?」

思いっきり右ストレートを入れ、ふっ飛ばされる。

そして


ピピピピッ───ピピピピッ───


再び鳴るアラーム……
そちらの方向を見れば、普通に鳴り響いている時計。

問題はその隣りにいる茶々姉妹の末っ子や。
茶々姉妹はロボットだ。

それ故、様々な音を出す事など簡単。
つまり言うと、最初になったアラームは10分を知らせる物やなくて、末っ子が真似ただけ……

あかん、また負けてもうた。



〜〜side 茶々姉〜〜



最後の一撃により、犬上小太郎の気絶を確認。
呼吸、脈拍の様子からみて後遺症等はなし。

そっと近付き、彼の頭を私の太ももの位置へと乗せる。
機械仕掛のこの身体では少々固い事もあり、私と彼の頭の間には柔らかいタオルが挟まっている。

彼の髪を触る。
一般の人よりも比較的固めの髪。それが硬さが数値として指先のセンサーから伝達される。

そっと、そっと彼の頭を撫でる。
固い指先で、彼が起きぬよう、そっと……

となりでは、妹が、正面には末っ子が、私と同じように恐る恐る彼の髪に、頬に、触れていた。

プログラムの学習機能が、この状況を『喜び』と判断したのだろう。
私達の口元はほんの僅か釣り上がっていた。

素晴らしい速度で、彼は強くなっていった。
最初であれば余裕があった、組手も今では余裕がないものに。

自分で勝手に作ったルールさえなければ、簡単に10分などという時間を切り抜けるであろう。
私達全員の行動不能という結果で……

連携も教科書通りではない物も使うようになった。策を使い不意打ち等も試すようになった。
だが、もうそろそろ限界が近いのだろう。

今回のアラームは本当に最後の策。
終わったかと思う油断さえなければ成り立たなくなる策……

次は10分耐えてしまうだろう。
彼が目標に近付いた事を喜ぶべきなのだろう。

だが、プログラムが弾きだした結果は寂しさ……

表情は微笑のまま固定されているが……それでもプログラムは寂しさを出し続ける。
別に彼と別れるワケでもない。

そもそも、同じ場所で暮らしているのだ。
寂しさなど覚える必要がないのだが……


組手をしている際にまっすぐに見つめてくる、真剣な瞳。
寝ている際、こんなにも可愛らしい寝顔を晒している様子。
気絶から目覚めたあと、悔しそうにしている姿。

話している時、何が嬉しいのか、目元を細め浮かべる笑み……

そんな彼との時間がなくなってしまうのは……

「イヤです……」

不意に末っ子から漏れた否定の声。

「負けてしまい、犬上小太郎と過ごす時間が減るのはイヤです……」

「……私も同じような事をプログラムが……
いえ、同じような事を考えていました」

末っ子に続き、妹も声を出す。

ロボットとはいえ、姉妹。
……『考える』事は似ているのかもしれない。

「……でしたら、また考えましょう。
また何か良い策が出てくるかもしれません」

どうやら私達は、製作者達に似て諦めが悪いようだ。





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posted by まどろみ at 03:52| Comment(6) | 流れて流されてネギまへ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どうも、毎度さりげなく更新チェックしてるカミヤですw

さてと今回は………あれ?いつの間に小太郎君は茶々ハーレムを作りおった!?

しかも上から下までとかなんてうらやm………いやいや、ナンデモナイデスヨ?w

これはネギちゃんが知ったらどうなるのか楽しみダナーw(黒笑w

………武闘大会本戦で原作アルビレオ戦以上にフルボッコされる姿を晒すがいいわっ!!(←本音w

てなわけで次回の更新も楽しみに待ってますw






………ラカンの出番はマダー?www
Posted by カミヤ at 2013年12月13日 08:19
欲しい言葉を絶妙のタイミングで放つ……これが相手の詮索を潰す最善の策!w
あと一歩踏み込めば、勘違いが芋づる式に解消されるだろうにww


まさかの茶々ハーレムwww
原作ではネギばりのフラグ体質を持ってましたが、やはり……ww
まぁ徹もいますから二分する形ですかね。
Posted by なおぽん at 2013年12月13日 08:54
久方ぶりの更新・・・。一言で表すなら「甘い。ひたすらに甘い!」でも嫌な甘さではなかったです。エヴァにとっての徹は幸福の象徴みたいに感じました。小太郎は予想外の茶々丸EDか?てか、さりげなく茶々丸は量産されてるし・・・。超が胃を押さえながら作ったんだろうなぁ〜。(合唱)次回は遂に超の次に苦労人で安定してる我らのフェイト君登場ですかな?次回も楽しみです。PS、何故か、今度の小太郎の訓練は茶々姉妹の弾幕による面制圧が思い浮かびました。開幕ブッパは王道です。
Posted by はるきよ at 2013年12月14日 23:31
カミヤ様、コメントありがとうございます。


いつも更新チェックをしてくださっているようで、非常に嬉しく思います。

おっしゃる通り、今回は小太郎君がハーレムを作ったというお話でしたw


>>しかも上から下までとかなんてうらやm………いやいや、ナンデモナイデスヨ?w

ホント、なんてうらやm、ゲフンゲフン。

ちなみに、ネギちゃんがコレを知ったとしても、小太郎君に全く興味がないので、茶々姉妹の応援をするかと思います。

精神攻撃にはバッチシですね☆


はてさて、武闘大会。
果たしてカミヤ様の願望通りになるのか、それとも小太郎君が男を見せるか。


楽しみにして貰えると嬉しいです。

次回の更新も頑張っていきますので、よろしくお願いします。




とりあえず、ラカンの出番はない。
Posted by まどろみ at 2013年12月15日 20:24
なおぽん様、コメントありがとうございます。


>>あと一歩踏み込めば、勘違いが芋づる式に解消されるだろうにww


確かにその通りです。だけど、その一歩を踏み込ませない。
それが出来続けるからこそ、徹君は勘違い系の主人公をやっていられるのでしょうwww


小太郎君は着々とハーレムを築きつつありますw
これからどうなっていくのか……

楽しみにして貰えると嬉しいです。


これからも頑張っていきますので、よろしくお願いします。
Posted by まどろみ at 2013年12月18日 18:50
はるきよ様、コメントありがとうございます。

久しぶりの更新です。
もうちょっと早く更新したいんですが、なかなか上手くいきません(汗)

今回は甘い話でした。
あまり、こう甘い話というのは得意ではないので、そのように言って頂け、ほっと一安心です。

ホント、こう甘々な奴って書けない。

というより、あまり甘々した物を読まず、バトル物やギャグばかり読んでいる僕なので、どうしても書くものがそっち系統になってしまいます。


>>次回は遂に超の次に苦労人で安定してる我らのフェイト君登場ですかな?次回も楽しみです。

詳しくは内緒ですが、楽しんでもらえるよう、次回も頑張っていきますので、よろしくお願いします。


>>PS、何故か、今度の小太郎の訓練は茶々姉妹の弾幕による面制圧が思い浮かびました。開幕ブッパは王道です。

実は、どうしよと頭を悩ませている最中だったりします(汗
Posted by まどろみ at 2013年12月23日 20:01
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