2014年02月26日

第6章 麻帆良祭編 その11



α 麻帆良祭 2日目




〜〜side ネギ〜〜



まほら武道会第5試合目。
小太郎とタカミチの……ある意味一番僕と関係ある試合だ。

試合は僕の予想を裏切り小太郎の優勢。
エヴァンジェリンさん曰く、これは予想出来た事らしい。

タカミチの戦い方は、人やドラゴンといったありとあらゆるモノと闘い、生き残るための物。
一方の小太郎は、対人戦のエキスパート、相手に勝つための物。

結果、小太郎が優勢に試合が運んだ……とかなんとか……

正直に言ってしまうと、戦い方の違いなんて分からない。だが、彼ら二人が僕よりも先を歩いている事だけは分かった。

散々シュミレートしているにも関わらず、未だに小太郎に勝つ目処は立たない。
というよりもだ、だんだんと彼と差がつき始めている気がする……

「エヴァンジェリンさん……
凡才、凡才と盛んに言ってますが、この戦いをする二人が本当に凡才なんですか?」

「あぁ、そうだな……タカミチは間違いなく凡才以下の落ちこぼれだよ。
とはいえ、気の扱いや格闘に関しては人並み程度の才能はあるがな……

結局奴の才能じゃ、どんだけ努力をしたとしても上位者で頭打ちだろうな。トップやトップレベルにはなれんさ。
それが分かっているからこそ、奴は自分よりも強い相手だろうが生き残るための力を鍛え続けたんだろうさ」

生き残る……たしかに居合い拳なんていう、変則的な技や、小太郎の技を何度も食らってもケロリとしているタフネスっていうのは生き残るために必須なのかもしれない。

「小太郎は、そうだな……戦いの才能はタカミチ以下だな。
お前が数時間ほどで修得出来るものが、奴は何日、何ヶ月……ヘタしたら年単位かけて、ようやく修得するぐらいだろうさ。

ただ、その一方であいつには恵まれた身体がある……
才能故に時間はかかるだろうが、あいつは頭打ちはなく、どこまでも成長していくさ。

すぐに強くなるが、頭打ちも早いお前とは真逆のタイプ……なのに、なんであの速度で成長していくんだか……」

いや、それって小太郎のセンスが良いだけじゃ……





そんな時だった

「やるね、小太郎君!!
このままじゃ負けそうだから、少しだけ本気を出そう!!」

タカミチの宣言と共に試合が動いたのは……

「左腕に『魔力』
右腕に『気』」

合成






ドゴンッ

爆発音に似た音が響いた。

ほんの一瞬だった、タカミチが宣言をしてから、3秒も経っていない……
その僅かな時間で、先ほどまで優勢であった小太郎はボロボロになっていた。

彼のトレードマークであった学ランは破れ、頭から血が流れだしている。

そして、最も酷いのは彼の両腕であった。遠目でも分かるほどの赤。ぽたりとぽたりと血の滴が途切れる事なく、指先から地面へと流れていく様が確認出来る。

だが、それでも……

「お見事」

小太郎は倒れなかった。



〜〜side タカミチ〜〜



「お見事」

思わず漏れた感嘆の声だった。
不意打ち気味に仕掛けた『豪殺 居合い拳』をまさか、正面から受け耐え切るとは思いもしなかった。

しかも、あの攻撃を受けながら、僕に気弾を食らわせるとは……

カウンターなどという綺麗な物ではなかった。これはただの相打ち……
それも小太郎君の方がダメージがよっぽど大きい相打ち……

だが、それでも

「本当に見事だ、小太郎君……」

口から漏れた血を拭いながら彼の様子を眺める。

立ってはいるが目には光がない。
朝倉君もカウントを取ろうと、僅かに身動ぎを




「ごふっ」

水月への衝撃。目線を下ろすと髪の毛が目に入った。
瞬動による頭突きか!?

ただの棒立ちでは不味い、少しでも勢いを殺そうと下がろうとするも、足には手が添えられている。

「くっ!!」

そのまま地面へと叩きつけられ……

「グフ、情けないけど男の意地や。
そう簡単には負けへんで……」

我流・狼牙双掌打

上から倒れこむかの様に、放たれた。
衝撃を殺そうにも、背には床……

無我夢中で放ったであろう技……
それにも関わらず、再び人体の急所である水月に放たれたのは、偶然か、それとも彼の野生の嗅覚故か……

だが、これだったらまだギリギリだが、僕は立つ事は……

ストン……

僅かな重みが僕の胸を叩いた。
目を向けると、力の全てを使い果たしたであろう、小太郎君が僕の上に倒れていた。

それは本当に僅かな重み。
先ほどの掌底と比べればそれこそ、本当に軽い重み。

だが、これ程水月にダメージを負い、呼吸もままならない僕には小太郎君はあまりにも重かった……

朝倉君のカウントが一つ、また一つと刻む。

なるほど、簡単には負けないね……

「ダブルノックアウト……
第5試合、一転、二転した試合の結果は、まさかの勝者なし。ダブルノックアウトだ!!」




〜〜side 徹〜〜



裏へ回りお昼をとって一息。
昨日は色々と時間を作ってもらった事もあり、今日は一日『ドキッ☆男だらけのメイドカフェ』で働く事になっているのだ。

そのため、午前にあった小太郎君の試合見に行けなかったのが残念といえば残念だけど……仕方ないよね。
さて、というわけで午後も頑張るかな。

気合を一ついれ、裏から出ると早速お客さんの姿。

「いらっしゃいませ☆ご主人様(はぁと」

泣けてくるほど慣れてきてしまった挨拶をしながら案内をする。
入ってきたのは白髪の少年。

後ろには大掛かりなカメラやらマイクを持った人々の姿……

「えぇ、フェイト君ここに入るのか!?」
「いや、でもここも結構有名店らしいよ?リーゼント薫ちゃんがすんごく可愛いとか」
「薫ちゃんって……武道会ベスト4のあの豪徳寺!?
いや、アイツの女装って……」
「インタビューはいけるけど、撮影は、背景がなぁ……」

とか何とか……
よく分からないけど、入るのに戸惑っている様子だった。

「昨日もここに来たけど、非常にコーヒーが美味しかったからね、また来てしまったよ」

「そうですか。それは有難うございます」

そんな感じで軽く話ながらの案内。
実はこの子が目をつけたコーヒーはかなり良い物らしい。

秘密の焙煎方法だの、ブレンドだの……
なんかよく分からないけど、すごいらしい。

種類も豊富、一つ一つ丁寧に淹れている。
さらに料理の方もコーヒーや紅茶等にあうように調整をしっかりとしている。

もうね、ホント……

なんで普通の喫茶店にしなかったんだろ?



「それでは、ご注文が決まりましたら声をお掛けください」

「あぁ、もう決まっているから注文してもいいかな?

うん、それじゃ、ここから、ここまでコーヒーは3杯ずつ全部お願いするね」

メニューを指さしながらの注文。
子供なのに大人買いとはこれいかに……

「……いや、へ?」

「あぁ、お金の心配だったらいらないよ。臨時収入があったし」

「いや、それもあるけど、食べきれる?
これ結構な量だよ?」

コーヒーおすすめメニューの全部を注文しているんだから、流石に不安だ。

「一応下調べをして食べられる量を注文しているから大丈夫だと思うよ?」

結構しっかりとした子みたいだし……大丈夫……かな?

「か、かしこまりました。それでは少し待っていてくださいね。ご主人様」



ちょっと不安があったが、あの子は一人で注文した料理全て……
さらに追加の注文を幾つか、申し訳程度に頼んだキュンキュンオプションをしっかりと堪能していった。

締めて4万8千500円……
喫茶店の価格じゃないでしょ、これ。




〜その頃の茶々姉〜




白く清潔なシーツのベット。犬上小太郎は小さな身体をその上に乗せて眠っています。
午前の武道会、自分の試合が終わった後小太郎はすぐに気絶から目覚めた後、少し麻帆良祭を周ると眠ってしまったのです。

それは身体の傷故ではありません。
体力の消耗と睡眠不足が原因です。

昨夜は早く床についたようですが、目が覚めるのがかなり早かったようです。
その後、一人で永遠と自主トレーニング。

その後は茶々姉妹無限組手を10回も行い、さらには武道会での対戦……
それでは眠くなるはずです。

末っ子はそっと小太郎の頬を触っています。
彼女の中指が頬の中へ僅かに沈んでおり、ゆっくりと動かしている様子が見て取れます。

彼を起こさないように、それでいながら触りたいという欲求から逃れられない。
その様子はまるで、初めて物に触る好奇心旺盛な子猫のようでした。

1つ下の妹は小太郎の髪を梳かしております。
彼の硬い髪が彼女の指と指の間を流れています。

硬く、あまり形の変わらない彼の髪を梳かす意味はあまりないでしょうが、さらさらと指の間を流れる様子が心地よいのでしょう。
あまり表情の変わらない彼女の顔ですが、ほんの少しだけ微笑んでいるのが分かります。

「ん、んっ……」

小太郎の声が聞こえた瞬間、小太郎の側に居た妹達が私の隣へと移動してきました。
妹達の行動に、ほんの少し笑みを浮かべてしまったことは仕方のない事でしょう。

「あっ……姉ちゃん達……」

「おはようございます。小太郎」

「ん……おはよう」

目を擦り、ピコピコと獣の耳が動を動かしながら、手をいっぱいに広げ欠伸……
寝起き後、いつも行っている動作をすると、しっかりと眼が覚めたようです。

「小太郎、おしぼり持って来ますね」

末っ子が慌てた様子で言い、移動しようとした時でした。

「あぁ、姉ちゃん達……

ありがとうな。
姉ちゃん達のおかげで、タカミチと引き分けまで持っていけたわ」

強烈な居合い拳も、私達のおかげで少しとはいえ見切ることが出来た。
最後の攻撃も、私達のおかげでタカミチさんの隙を見つけられ、思いっきり攻撃出来た……

と、ぽつりぽつりと喋ってくれました。
小太郎はタカミチさんに勝てるとは思ってはいなかったでしょう。
それでも、しっかりと戦いたかった。無様な戦いはしたくはなかったのでしょう……

「せやからな、姉ちゃん達……ありがとうな。

それと、これからよろしくや!!」

その時の笑顔は、とても眩しい物でした。





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posted by まどろみ at 00:43| Comment(8) | 流れて流されてネギまへ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
流されての更新お疲れ様でーす!!

いやぁ、今回はいきなりの小太郎VSタカミチに熱狂してたらまさかのダブルノックダウンwww

そこまでの流れを脳内補完で余裕の再生しながら進めれば……え?ちょ、フェイト君なに普通に徹の喫茶店に行ってるんだよwww

最初にこの喫茶店は行かないみたいな事言ってませんでしたっけ?www

大人買いに加え徹や薫(もち女装ver)にオプションをさせてる所まで脳内補完してしまい思わず飲んでたコーラを吹きそうになってめっちゃ咳き込んでしまったじゃないかwww

……あ、然り気無く漁夫の利で武闘大会優勝おめでとうございますフェイト君w

そして、最後の茶々シリーズに囲まれた小太郎を見ながらニヤニヤが止まりませんでしたwww

次は巣ドラの方でも更新ですかね?次回も楽しみに待ってますよwww






………………え、超?

……あまりに予想外な展開に呆然としてる所を魔法先生に拘束でもされてるか、胃薬でも飲んでるんじゃね?www
Posted by カミヤ at 2014年02月26日 17:43
ついに待ちに待った更新!小太郎が主人公してんなぁ!とかもう茶々姉妹ルートに入ったなぁとかよりも、どうしたフェイト!どうしたフェイト!ほのぼのというかもう満喫してるし・・・(泣)。一番おどろいたのは男だらけのメイド喫茶でキュンキュンオプションを注文した事でした。フェイトエ〜(汗)次回も楽しみにしてます。
  P,S 今回の茶々丸と原作の雪広は物凄く気が合いそうな気がしました。(ショタ的に)
Posted by はるきよ at 2014年02月26日 22:23
カミヤ様、コメントありがとうございます。

遅くなりましたが流々の更新です。
小太郎くんに主人公属性がついたようです。

多分、小太郎くんが流々初の主人公属性持ちのキャラでしょう。

>>ちょ、フェイト君なに普通に徹の喫茶店に行ってるんだよwww

コーヒーが美味しかったんだから仕方ないよね(棒)
そう、仕方なかったんです。

ちなみにオプション内容に関しては皆様な想像にお任せします。


>>そして、最後の茶々シリーズに囲まれた小太郎を見ながらニヤニヤが止まりませんでしたwww

もうね、茶々シリーズが可愛くて、すんごい書きやすかったりしますw


カミヤ様の言う様に次は巣ドラシリーズになるかと思います。

これからも頑張っていきますので、よろしくお願いします。







………………え、超?

うん、まぁ……
彼女に幸あれと願う事しか僕には出来ないですね。
Posted by まどろみ at 2014年03月02日 18:39
はるきよ様、コメントありがとうございます。

お待たせしました。ようやく流々の更新です。

小太郎くんに付いている主人公属性。
今回は、その属性が光に光った回ですw


>>どうしたフェイト!どうしたフェイト!ほのぼのというかもう満喫してるし・・・(泣)。

うん、まぁ……
フェイトくんもたまには、ゆっくりと羽を伸ばさないとダメなんです。
ここんとこ、登場するたびにオチに使われていましたし……
えぇ、たまにはこうやってリラックスさせてあげないと、可哀想で……


これからも頑張っていきますので、よろしくお願いします。



茶々姉妹と原作の雪広……
気が合うかなぁ?

ショタ的には気があいそうですけど、やんちゃ小僧が好きな茶々姉妹と、純粋無垢な少年が好きな雪広だと、水と油のような気も……
Posted by まどろみ at 2014年03月02日 18:46
更新お疲れ様です。

豪殺居合拳を受け止めるだと……w
そりゃ二発食らったらKOでしょうが、堪えるっていうのがすごいわw
タカミチは体力残ってなかったというより、気絶した小太郎を床に転がしてまで勝ちたくなかったって解釈でOK?

フェイトェ……ww
こいつ腹下さねーかな?ww

小太郎、爆発しろ。
Posted by なおぽん at 2014年03月05日 09:07
なおぽん様、コメントありがとうございます。

ウチの小太郎くんは、豪殺居合拳を受け止めます。
主に根性で受け止めます……

もう、徹君以上に主人公やってますw

>>タカミチは体力残ってなかったというより、気絶した小太郎を床に転がしてまで勝ちたくなかったって解釈でOK?

これに関しては、皆様に解釈は任せます。


>>フェイトェ……ww
こいつ腹下さねーかな?ww

もうね、フェイトくんはこれでいいと思うのwww
このまま、自分の道を突っ走って欲しいですw


小太郎くんは……うん、まぁ……
爆発しても仕方ないですねw


これからも頑張っていきますので、よろしくお願いします。
Posted by まどろみ at 2014年03月12日 04:02
続きマダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
Posted by as at 2014年05月19日 12:59
as様、コメントありがとうございます。
それと、返信が遅くなってしまい申し訳ありません。

もうちょっとで、更新しますので、待っていただけると幸いです。
Posted by まどろみ at 2014年08月14日 13:57
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