2014年09月19日

第6章 麻帆良祭編 エピローグ


ふふふ……
いやはや、分かっていた事ではあったガ、やはり今日は千客万来、珍しいことに二組目のお客様ネ。

徹さん、超ラボにようこそネ。
そして、超鈴音。ここはあえて、私とSFチックに言ってみるべきカ?

うーん……
やっぱり、さっきの挨拶は変えた方がいいかナ?

『徹さんにとっては初めてのことかもしれないが、私にとっては二度目』とか、せっかく時間旅行を経験した二人相手に話すのだから、ちょっとパラドックスとか考えさせられる意味深な事を言っておいたほうが、こう受けが良いのかもネ。

……まぁ良いとするヨ。
とにかく、もう一人の私、お疲れ様ネ。


自分の間抜け顔を見るというのも何とも、微妙な気がするヨ……
さてさて、超鈴音……

この状況、君はよく分かっていないと思うヨ。
まぁ、気持ちは分かるヨ。なにせ家に帰ったと思ったら、何故かソコには既に自分がいる状況。

さて、利口な君の事……自分で言っておきながら、こういうのはアレだけど、ナルシストっぽいネ……この発言。
と、とにかく、君の事ネ。

混乱しながらも、幾つか推測は出来ているだろうネ。

例えば、私が君に良く似せて作られたアンドロイド。君の遺伝子情報を素にして作られたクローンなのかもしれない。
いや、もしかしたら君が偽物なのかもしれない。

例えば、君は偽の未来の記憶を植え付けられ、何故か過去に飛ばされた私の双子、又はクローンなのかもしれない。

それか、タイムパラドックスによる弊害……
過去が変わった事によって、よく分からない現象が起きているのかもしれない。
それこそ、過去を変えようとした人間が二人存在するなんていう、そんなワケの分からない現象。


いや、タイムパラドックスを起こさないために、私が自分のクローンを作り、偽の記憶を埋め込み、君を作り出し、過去へ送り出したのかも知れない……


どれもが、あり得ないようで、どれもがあり得る……
疑い出したらきりがなく、例え……私が適当な答えを教えたとしても、それが正しいのか正しくないのか……それすらも疑わなくてはいけない。

だから……難しく考える必要は全くないヨ。
ただただ、分かって欲しいのは、君は君という事。超鈴音というただ一人の存在だという事。それだけで十分ネ。

うん、それが一番言いたかった事ネ。
ずっとずっと考えていた割に、結局話せるのはあまりにもありふれた言葉。

それこそ、適当に物語でも読めば、すぐに出てきそうなありふれた言葉で、天才な私としては少しばかり悔しいガ……
まっ、いいネ。

沢山、沢山君とは喋りたい事があったヨ。
それこそ、私が尊敬してやまない徹さん以上に、喋りたくて喋りたくて……

まぁ、喋っちゃいけない事は大量にあるし、混乱のせいか、貴方は何も喋ってくれないけど……
とても、とても楽しかったヨ。








さてさて、ココで会話は一段落ヨ。超鈴音、私は君にここで残酷な事を言わなくてはならない。

残念ながら、『ココに君の居場所はない』。
というよりもだ、ココは君の知っている未来とは全く違う未来なんだ。

ホント、全然違う未来。

この私の発言をただの狂言ととるか、この場所を別世界と考えるか、未来の変更ととるか、それこそ君の記憶が私達に植え付けられた偽の物ととるか……その辺は君の判断に任せよう。

つまり少し前の会話の意図はこういった意味があってだネ……
あぁ……いや、思った以上に緊張していたみたいネ。未来の様子が違うことを話すべきだったヨ……



とにかく、君の居場所はココにはないヨ。
だから、君は君を子供のまま受け入れてくれる世界に行くべきネ。

それこそ、まだ14,5にしかならないにも関わらず、ずっと子供として生きてこれなかった……
色々な物を背負い、這いずり回ってきた君は、そういった世界に行かなくてはダメネ。

そっちだったら、大丈夫ネ。未来の火星人が保証するネ。


……こちらの世界の事が気になっているみたいネ。
まぁ、気持ちは良く分かるヨ。



んー、そうネ。やはりありふれた悲劇が無くなる事は無いネ。

ただ……

ほんのちょっぴりだけ、本当にちょっぴりだけだけど、優しい世界になったネ。




さて、そろそろお別れの時間ヨ……



〜〜side 超〜〜



ゆっくりと目を開けると、むき出しの赤い土が広がっていたヨ。
先ほどの、自分との会話。

あまりにも、現実味のない感覚の中で行われた一方的な会話は、今では夢だったのではないかと疑ってしまう物だったヨ。
ただ、なんとなく覚えている彼女……いや、私との会話。

何がなんだか分からず、結局彼女は何を伝えたかったのか、私は何をしてきたのか……
その全てが分からなくなる、そんな会話だったヨ。

ある種、自分を構成していたモノ。
その全てを否定しつくされ、そして、何もないのが私と肯定されてしまったような、そんな会話……

あぁ、やっぱりまだ私は現実に戻って居ないようで、まだ夢の中にいるようで……



ふと感じたのは、先ほどの会話の最後。
眩い光によって、何も見えなかった私がどうしてか握ってしまったナニカ。
偶然か、意図的に渡されたのかすらも分からない、ナニカが手の中にあったネ。


くしゃくしゃになってしまった、紙を広げると、ソコには……
笑顔で映る家族3人の姿。

記憶より白髪の増えた男性、少し目尻にシワが出始めた女性、そして……今の私にそっくりな、違う私……


「バーバ、マーマ……」

あぁ、不味いネ。
これは本当に不味いネ。

私の持つ記憶は、ただの偽の記憶なのかもしれない。
この写真はもしかしたら、違う世界の結果なのかもしれない。

だけど、だけど、笑みを浮かべながら皆が写真に写っているヨ。



あぁ、私がやった事は無駄だったのかもしれないネ。
私が行った事の成果ではなかったのかもしれないネ。

もしかしたら、私の持つ二人が居なくなってしまう記憶は偽の物で、そのまま私じゃない私と共に楽しく暮らしていただけかもしれない。
もしかしたら、全然違う世界で、私によく似たタダの他人とその家族に自分を重ねてしまっているだけなのかもしれない。

あぁ、だけど、だけど……
三人皆で、家族皆で笑っているヨ……



それだけで、それだけで……

一筋、一筋の雫が頬を濡らした。


posted by まどろみ at 04:17| Comment(3) | 流れて流されてネギまへ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメント、&新作読んで嬉しくなりました。今回は秋の超づくし?てか超パートっすね。俺の予想では並行世界での未来の超かな?と考えました。でも超が後半でホントの意味でフっきれてるようでちょっと安心しました。てかビールが予想以上に効いてるみたいでグダグダですが、今回も楽しめました。次回も楽しみです。
Posted by はるきよ at 2014年09月19日 22:09
まさか徹に一言も台詞がないとは思いませんでしたw
時間跳躍にズレが生じたのは徹のせいなのかなぁ。
というかケルベラス渓谷に超と一緒に飛ばされた話は一体なんだったんだw
Posted by なおぽん at 2014年09月22日 13:18
はるきよ様、コメントありがとうございます。

実は麻帆良祭は超のパートだったんです!!
というよりですね、実はこの麻帆良祭編で幾つも立ててあった伏線。
この伏線の微妙な回収が麻帆良祭編の目的だったりするんで、超ちゃんには頑張ってもらいました。

超の正体……
まぁ、これは謎のままにしておきますw

これからも頑張っていきますので、よろしくお願いします。
Posted by まどろみ at 2014年09月23日 00:29
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