第参話
綾波とレイ


「ちょっとアンタどう言うつもり!」
ケイジでエントリープラグから出たばかりのシンジにミサトは掴みかかった。

「貴女、どなたです?」
「わ、私は作戦課長の葛城ミサトよ!」

「そうですか、で、その作戦課長さんが何故僕に突っ掛るんですか?」
「貴方はサードチルドレンなの!私の命令に従う義務があるのよ!」
自分で使徒を倒す。

それだけをレゾンデートルに生きてきたミサトに取って、エヴァに乗れないなら自らの指揮でエヴァを使うために作戦課長まで上り詰めたのだ。
その初戦に於いて、全く指揮など執る暇もなく使徒は倒された。

行き場のない怒りは、いけ好かない餓鬼で命令を聴こうともしなかったシンジに向かう。

「そんな事、聞いた事ありませんよ、大体、貴方が作戦課長で指揮を執るなら、何故、僕に状況説明とか作戦の説明とか一切せずに使徒の目の前に射出したんですか?」
「それは・・・」
アンタがいけ好かなかったからよ!とは言えず、言葉に詰まる。

更には、人類初の使徒戦である。
作戦など考えていなかった。
いや、使徒には常識は通用しないと言うリツコの言葉を都合良く解釈し、「作戦なんか起てても無駄ね」と放棄していたのだ。

状況説明については、いきなり無理矢理乗せたチルドレンに無意味だと思っていた。
にも関わらず命令だけは聴かせようと言う傲慢な意志だけはあったのだ。

自分が作戦課長で戦闘の指揮を執る。
チルドレンは発令所の状況解析による指示に従い使徒を殲滅。
そんな大雑把な事さえ説明していないのに、命令だけ聴かせようとし、命令を出せなかった事も棚に上げ勝手に使徒を殲滅したと八つ当たりしているのだ。

「ミサト!貴女何をしているの?!」
「リ、リツコ・・・この餓鬼に戦場の恐ろしさを教えてるのよ!」

「何の説明もせずエヴァに乗せて、使徒の目の前に射出しておいてこれ以上何の恐ろしさを教えるつもりかしら?」
「えっ?そりは、指揮官の命令に逆らったら懲罰だとか・・・」

「貴女は彼の指揮官であることを説明したのかしら?」
「え?リツコがしてくれたんじゃ・・・」

「何で私が、あの状況下でそんな事ができるのかしら?貴女、自己紹介ぐらいしたのかしら?」
「そ、そりは・・・」

「貴女はまだ後処理が一杯残ってるでしょ!さっさと職務を全うしなさい!」
「は、はいぃ〜」
ミサトはリツコが恐くてスタコラサッサとケイジを後にする。

「助かりました、リツコさん」
「いいのよ、それより検査を受けて貰えるかしら?」

「軽くしてくださいね」
「努力するわ、シャワーを浴びたら私の部屋に来て頂戴」

「その前に綾波に逢いたいんですが」
「解ったわ、私の部屋はその後で良いわ」

「ありがとうございます」
ニッコリと笑うシンジ。

リツコも微笑み返していた。



司令室ではゲンドウの隣で冬月が呟くように話している。
どちらも入り口の方を向いており、顔を向かい合わせても居ない。

ゲンドウも机に肘をつき顔の前で手を組んだいつものポーズのままだ。

「碇、これはどう言う事だ?」
「・・・使徒は殲滅した」
ゲンドウも使徒があっけなく倒された事に驚きを隠せなかったが、シナリオ通りシンジはエヴァに乗ったのだから計画を進められると思っているのだ。

「シンジ君は異常だぞ」
「・・・あれは初号機の強さだ」

「暴走はしておらんぞ」
「・・・使徒はまだ来る」

「使徒が倒されたらLCLに返るのか?」
「・・・使徒を殲滅したのは初めてだ」

「あれは、アンチATフィールドではないのか?」
「・・・初号機はリリスのコピー。想定範囲内だ」

「サンプルは期待できんと言う事か」
「・・・アダムを早急に取り寄せる」

「老人達が手放すか?」
「・・・使徒が現れた、老人達も自分の命は惜しいさ」

会話とは呼べないと思われるがこの二人にはこれで会話が成り立っているらしい。

「ナオコ君の忠告を無視した結果がこれか」
「・・・修正範囲内だ」

「レイもお前を見ているのか?」
「・・・問題ない」

レイに楔を打ち付けるための指示をナオコにしたところ頑なに拒否された。
そしてゲンドウが施した策がナオコのドイツ視察である。
これはゲンドウの思惑通り、ドイツのMAGIと弐号機の状態を見たナオコはそのままドイツに滞在となってしまった。

リツコに対して命令してもナオコに確認するとか言われ聞くとは思われないため、実験開始直前に自ら操作したのだ。
それ故の杜撰な処置となってしまい、予想以上の負荷をレイは強いられる事になってしまった。
結果、レイは重体となり、実際ゲンドウも焦っていた。

気を付けるように事前にシンジに言われていたレイは、それでもゲンドウがそんな事をする事はないだろうと思っていた。
しかし、これでゲンドウに対する感情は変ってしまったのだった。

既に縋っては居なかったが、未だゲンドウに対し信用できる人と言う認識を持っていたレイに、ゲンドウは自ら引導を渡してしまっていたのだ。

唯一の存在となってしまったレイに対し、ゲンドウは必要以上に刷り込みを行っていた。
それは目的はどうであれレイにとっては、甘美な物だったのである。
その事にちょくちょく逢いに来るシンジも否定はしなかった。
シンジ自身、それでゲンドウがレイを大事にするならそれで良いと考えていたのである。

シンジはレイの話しを聞く方に重点を置いていたのだ。
特にレイの思い違いを指摘したりはしない。
その事によりレイは自分の出生や容姿に対するコンプレックスも持たずに育った。

同年代の話し相手が居なかったレイは、人に相談すると言う行為を知らなかった。
故にゲンドウに縋り、ゲンドウの言葉が唯一だったのである。
今のレイはシンジと言う話し相手が居る事により、人に相談すると言う事を知っている。
だから、零号機の実験についても、もしかしたらそういう事もあるかも知れないから気をつけるようにとシンジは言う程度だったのである。
レイもその時は、可能性の範疇と受け止めていた。



シンジはレイの病室に入った。
レイは未だ眠っている様子だ。

そっとレイの唇に自らの唇を重ねるシンジ。

(・・・ただいま)
(おかえり)
レイの身体を治したシンジの中のレイはシンジの中に戻る。

このレイに身体は存在しない。
この時代のレイは一人目のレイとして存在するのだ。
レイの素体の一つを使う事も出来た。
しかし、シンジと一つになっている方をこのレイは望んだのだ。

そのままレイが眠っている事を確認すると病室を後にする。

(どう?)
(・・・殆ど治したわ)

(じゃぁ後はリツコさんにお願いしておこう)
(・・・碇君?)

(何?)
(・・・悲しかったの?)
レイの唐突な質問。

(僕は、綾波が居ないとすぐ心が壊れてしまう)
(・・・葛城三佐ね)

(まだ一尉だよ)
(・・・そうね)
レイの魂がシンジの魂を優しく包み込む。

ギスギスしていたシンジの心が癒されていく。
(ありがとう)
(・・・ぃぃ)

(・・・碇君)
(何?)

(・・・あの娘の願いが変っていたわ)
(へ?そ、それって僕のせいかな?)

(・・・多分)
(あっちゃぁ〜どうしよう)

そう、レイのもう一つのお願い。
それは「一人目のレイに少しでも幸せを」だったのである。

二人目のレイは一人目の記憶を引き継いでは居なかった。
それはサードインパクトの時、初めて知ったと言っても過言ではない。

三人目のレイは、二人目の感情を引き継いでいた。
故にゲンドウよりシンジを選んだのである。
そして二人目と三人目がシンジを選ぶ中、一人目はゲンドウの結末に悲しい思いをしていたのであった。

今、シンジの中に居るレイは何人目と言う事はない。
しかし、二人目の経験がその形勢の主となっているのは間違いなかった。

シンジはそんなレイの優しさに、その願いをなんとかしようとしていたのだ。
その為には二人目に移行させない事がまず第一条件である。

そして、成長した一人目の願いを叶える事。
それが一人目の幸せに繋がると考えていたのだ。

しかし、その成長の過程に介入してしまったため、一人目の意識がかなり変っているらしい。
有る意味、本末転倒。
しかし、介入していなければナオコに殺されていたのである。

(・・・でも私と違って自分の意志を持っているわ)
(そう、まぁ綾波の願いは叶えるように頑張るよ)

(・・・無理はしないで)
(うん)

既にNERVはシンジの知っているNERVとは違っている。
使徒殲滅を自らのレゾンテートルとしているミサトの反応以外は、全く未知であったのだ。

シンジがゲンドウの召喚通りに来た理由。
それは、今のレイが未だゲンドウの役に立ちたいと思っていたからに他ならない。

全てはレイの願いのままに。
誰にも予測の付かない未来が始まったのである。

レイと心の中で会話しながらシンジは、その事を再認識し決意を新たにしたところで、リツコの執務室へ到着した。



コンコン

「開いてるわ」
「遅くなりました」
シンジは部屋に入るとペコリと頭を下げる。

「いいのよ、それより少し質問に答えてくれるかしら?」
「ええ、構いませんよ」

「じゃぁ、エヴァに乗ってどうだった?」
「母さんは眠っているようでしたね」

「そう、じゃぁあれは貴方の力と言うことね?」
「エヴァの力ですよ」

「使徒がLCLに溶けたのもエヴァの力?」
「あれは、アンチATフィールドですね。初号機はリリスのコピーですから」

嘘に真実を織り交ぜてシンジは話す。
前人未踏の領域のためリツコも信用せざるを得ない。

「ふぅ、貴方の発言にはいつも驚かされるわ、レイはどうだった?」
「眠っていました。明日には起きられると思いますので後は宜しくお願いします」

「解ったわ、私もレイを実験動物になんてさせたくないもの」
そう言ってリツコは席を立ち、コーヒーメーカーを動かす。

暫く沈黙が続くが嫌な雰囲気ではない。

「どうぞ」
「有り難う御座います」
リツコはシンジにコーヒーを差し出した。

「マヤ、私の部屋まで来て頂戴」
リツコはインターフォンでマヤを呼び出す。

「貴方の住む所だけど、マヤと一緒で構わないかしら?」
「へ?ま、まぁ葛城さんと一緒じゃなければ、構いませんが・・・」

「ミサトも随分と嫌われた物ね」
「嫌いと言うより、あの人は感情で言動するみたいだから苦手なんです」

「言いたい事は解るわ」
ふぅっとリツコが溜息をついた所で、マヤが到着した。

「じゃぁ、今日からシンジ君をお願いするわマヤ」
「はい、任せてください!」
潔癖性の割には男の子を預かるのは平気なのだろうか。

「先輩から色々聞いています。よろしくねシンジ君」
「こちらこそよろしく」
マヤとシンジは微笑み合う。

それとも14歳のシンジをまだ男とは見ていないのか。
シンジは中性的な顔立ちに髪も後ろで束ねているが背中まである。
女性的なため、マヤは嫌悪を抱かないだけかも知れない。

「マンションは私の隣、レイは私と一緒に住んでるわ」
「ナオコさんは?」

「母さんは、今、ドイツよ。多分弐号機と共に戻ってくると思うわ」
「弐号機の調整ですか」

「えぇ。ドイツ支部ったら、何を考えているのか全然情報を渡さなくって、母さんが行ったら調整がMAGIも弐号機もボロボロだったそうよ。母さんはそのままドイツに残ったわ」
「そうですか」

「じゃぁ、マヤ、今日はもういいわ、シンジ君を案内してあげて。退院の手続きをしておくからレイも一緒に連れて帰って」
「レイちゃん、もう退院できるんですか?!」

「えぇ思ったより身体に負担は掛からなかったようね、悪いけど私は、まだ帰れそうにないから、二人の事をよろしくねマヤ」
「はい!解りました。行きましょうシンジ君」

明日になれば医局の検査がレイに及ぶ。
そこで、全快であることが知れ渡る事を避けたリツコの妙案であった。

主治医であるリツコが退院の許可を出せば、誰も文句は言えない。
レイはあっさりとシンジ達と病院を後にしたのである。



「・・・あれは何?」
マヤの車の後部座席でレイがシンジに尋ねる。

「身体を治した力の事?」
コクンと頷くレイ。

「僕の中に居る綾波レイだよ」
その言葉にレイはビクンと身体を硬直させる。

長い間意識しなかった存在。
シンジと初めて逢った時までは存在した、自分と同じ形をした者達。
それがレイの記憶に蘇ってきたのだ。

「・・・あの娘達なの?」
「いや、あの娘達はレイに帰っただろ?」
コクンと頷くレイ。

そう、確かにあの時、自分の中に戻ってくる魂を感じていた。

「嫌な感じだった?」
フルフルと首を横に振るレイ。

「・・・暖かかったわ」
「これからの事を決めるためにも、家について落ち着いたら、全てを話すよ」

「・・・そう」
レイは追求を止める。

別段、糾弾しているつもりもレイには無かった。
そしてシンジが話すと言うなら今、問いつめる必要もない。
シンジが自分に嘘をついた事は無いのだから。

「・・・ファーストキス」
「へ?」
突然のレイの発言にシンジは1オクターブ高い声を発してしまう。

「・・・ファーストキスだったわ」
「・・・ごめん」
レイは首をフルフルと横に振る。

「・・・嬉しかった」
ポッと顔を紅く染めるレイ。

リツコやマヤに囲まれレイは年相応の恋愛感情に対する知識を得ていたのだ。
たら〜っと冷や汗を流すシンジ。

車のバックミラーで二人を見ていたマヤは、会話の内容こそ聞こえなかったが二人のそんな雰囲気に微笑んでいた。



マヤに案内されたマンションはコンフォート17より、セキュリティのしっかりしたマンションだった。
入り口を入るのにもIDカードが必要で、部外者はその敷地内にすら入れない。

「じゃぁレイちゃんも着替えたらうちに来て頂戴」
「・・・了解」
マヤの言葉に短く返事をするとレイはリツコの家の扉を開け中に入っていく。

「シンジ君はこっちよ」
マヤに案内されマヤの家に通されるシンジ。

ミサトの様に「ただいま」の儀式はない。
当然だが、マヤはそんなに傲慢ではないのだ。

「お邪魔します」
「ようこそ、シンジ君」
マヤは笑顔でシンジを迎え入れた。

ミサトの部屋とは違い、綺麗に整頓されている。
入った瞬間、女性の部屋らしい匂いがした。

「ここがシンジ君の部屋ね。私の事は気兼ねしなくて良いから自分の家だと思って寛いで頂戴」
「ありがとうございます」
シンジの他人行儀な挨拶にもマヤはニッコリと微笑むだけだ。

「私、先にシャワー浴びさせて貰うわね。レイちゃんが来たら入れてあげててね」
「はい、解りました」

これは、マヤの思いやりであった。
年頃の男の子だが、自分は警戒してないと言う意思表示である。

それをシンジが知る故もないが、心地良いと感じている自分に気が付いていた。

「シンジく〜ん、お風呂入る〜?」
「あっはい、入らせて貰います」
そう言うとシンジは着替えを持って部屋を出た。

シャ〜ッと言う音がして脱衣場のカーテンドアが開く。
そこから出てきたマヤはバスローブ姿であった。
ホッと胸を撫で下ろすシンジ。

「ゆっくり浸かってね。洗濯物は洗濯機にそのまま放り込んでくれて構わないから」
「はい、ありがとうございます」

脱衣場に入ったシンジは、そこが綺麗に整頓されている事に驚く。
下着など干されては居ない。
洗濯機の中も空っぽだ。
湯船に浸かりながら、これはこれでマヤが気を遣ってるのではないかと少し不安になるシンジだった。

シンジが風呂から上がると既にレイも部屋に来ていた。
レイはジーンズにTシャツ姿だ。

リツコと一緒に住んでいるためレイも私服を持っている。
そしてリツコの影響でシンプル且つ機能的な物を好むのだ。

レイはスタイルが良い。
シンプルな服装こそ、それを際だたせていた。

マヤはレイの可愛さに眼をつけ、実は色々な服を着せようと画策中である。

マヤも既に着替えていた。
マヤもTシャツに大人しめのデニムのミニスカートだ。
こういう格好をすると、まだ高校生と言っても通用するのではないかと思われる。

食卓に並ぶ料理の数々。
シンジは、有る意味感激していた。
普通の料理など何年ぶりか解らないのだ。

「さっ今日は疲れたでしょ?どうぞ召し上がれ」
「いただきます」
「・・・いただきます」
マヤの言葉に間髪いれず、食べ出したシンジに唖然としたものの、気を取り直してレイも箸を持った。

「美味しいです、マヤさん」
「そう?ありがとう」
マヤも褒められて満更でもない。

バクバクと食べるシンジにマヤもレイも少し呆気に取られていた。
そこにリツコが帰ってくる。
リツコもシンジの食べっぷりに驚愕するのであった。



食事も済み、4人は落ち着いてお茶を飲んでいる。
リツコも既に着替えてきており、レイと同じような服装だ。

「さて、レイと約束しましたし、皆さんに聞いて貰いたい事があるんです」
唐突にシンジが切り出した。

レイは車の中で言われており、リツコとマヤもシンジが普通では無いことは解っていたので余り驚いていない。

「何かしら?」
「僕はサードインパクトを経験しています」

「「「えっ?!」」」
前振りも何もない、衝撃の告白である。

「そして僕の中には二人目の綾波が主となる三人目の綾波が居ます」
「それって・・・あの話しは事実だったの・・・」
「先輩?」

シンジは震えているレイを優しく抱き寄せ頭を撫でる。

「僕の辿った世界では、一人目のレイはナオコさんに殺され、ナオコさん自身も自殺してしまいました。その後、父さんと愛人関係となったリツコさんが綾波の素体を使ったダミープラグを開発していたのです」
シンジの腕の中で更にレイが震える。

「碇司令の愛人と言うのは、少し考えたくないわね」
ふぅ〜っと煙草に火を付けるリツコ。

これまでの経験でシンジがこんな冗談や世迷い言を言う事は有り得ないと思っている。
しかし、その突拍子のなさに、少し自分を落ち着かせるために煙草に手を掛けたのだ。

「当然です!」
リツコに灰皿を差し出しながらマヤは違うところで憤慨している。

「僕は綾波の望みを叶えるためにここに居ます。それは、ここに居るレイの望みを叶える事」
「レイの?」
キョトンとするレイ。

「レイは誰よりも幸せになる権利があるんだ。僕はそれを実現するためにここに居る」
ボッと顔から火が吹き出たかと思う程、紅くなるレイ。

「シンジ君・・・」
マヤは何故か涙ぐんでいる。

「・・・サードインパクトはどうやって起こされたの?」
レイは聞かずには居られなかった。

ゲンドウから言われていた事、「約束の時に無に帰る。そのためにお前は居るのだ」その言葉の意味を知る

「綾波がリリスと融合して僕の願いを叶えたんだよ」
「「「!!」」」

「じゃぁリリスの居ない今、レイによるサードインパクトは起きないわね」
「でも、父さんはまだ諦めてません」

「碇司令がサードインパクトを起こそうとしているんですか?」
「正確には人類補完計画です。父さんはリリスがレイに融合していると思ってると思います」

「違うの?」
「リリスも僕の中の綾波と共に居ます」

「「!!」」

「シンジ君、貴方は一体・・・」
「・・・負けない」

「「「へっ?」」」
場違いなレイの言葉に一同、呆気に取られた。

「・・・シンジの中の私には負けない」
「あ、あのぅレイ?」
物語は誰も予期しない方向へ進んで行く。

(・・・フフフ)
シンジの中のレイだけが嬉しそうに微笑んでいた。



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新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。
拙著は当該作品を元に作成した代物です。
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