第九話
瞬間、身体重ねて


パッチィ〜ン!

司令室に響き渡る強烈な平手の音。

「ナ、ナオコ君・・・」

おろおろする冬月。
ゲンドウは叩かれた頬に手を当て呆然としている。
叩かれた拍子にサングラスもずれて、酷く滑稽だ。

「ゲンドウさん!一体何をしてらしたんです?!ユイは・・・ユイは私が必ずサルベージするって言っていたのに」
ナオコの眼には泪が溜まっていた。

「碇もその事については一番、落ち込んでいるんだよ」
「どうしてシンジ君の提言を聞き入れなかったのです?!」

「・・・子供の戯れ言に付合ってる暇はない」
「何を甘えた事を言ってるんですか!」

「ナオコ君、それはどう言う意味かね?」
「シンジ君はユイとゲンドウさんの息子なんですよ?良くも悪くも天才の資質充分なんです。成功率の低い作戦もなんとしてくれるだろうと、シンジ君に甘えた結果がこれです!」

「そ、そうだったのか?碇」

「・・・問題ない」
「問題大ありでしょっ!」

世界広しと言えど、ゲンドウのこの言葉に異論を唱えられる者はそう居ない。

「第三、第四、第五使徒、全部シンジ君の機転で勝ってただけじゃないですかっ!冬月先生もゲンドウさんも一体何をしてたんですっ!」
「面目ない・・・」
冬月は早々に非を認める作戦に出た。

「はぁ・・・せめてキョウコだけでも同じ眼に会わせない様にしてくださいね!」
「・・・問題ない」
ゲンドウはいつものように前で手を組むのではなく、頬を抑えていた。



「「「シンジおにいちゃ〜ん」」」
「「「レイおねえちゃぁ〜ん」」」
シンジ達は施設の子供達に人気者となっていた。

威張りもせず、子供達と遊ぶシンジ。
以外に子供が好きなのか、なぜかレイにも子供達が懐いてしまったのだ。

「レイって保母さんとか似合うかもね」
「・・・何を言うのよ」
紅くなるレイ。
しかし満更でもなさそうである。

トウジとケンスケは施設に余り帰ってこない。
NERVでミサトに捕まって、訓練浸けなのである。

「鈴原、今日も訓練大変だったの?」
「あぁ、もうミサトはんったら手加減無しやからなぁ」
ヒカリはトウジが帰ってくると、遅くなった晩ご飯を用意してくれる。

それをがっついて食べながらヒカリと話しをするのが、最近の日課であった。

最初、ヒカリはケンスケの分も用意していた。
しかし、ケンスケは「俺はエヴァのパイロットだぞ!こんな飯食えるか!」と言って以来、ヒカリはケンスケの分は用意していないのである。

周囲は既にヒカリとトウジは恋人同士と認めている。
否定するのはヒカリだけ、気付いてないのはトウジだけであった。



「あ〜あ、猫も杓子も、アスカ、アスカ・・・か・・・」

「皆、平和なもんや・・・」
「写真に、あの性格は写らないからな・・・」
第一中学校の屋上でケンスケは隠し撮りした写真を売っている。

漸く、中学校も復帰したのである。

「しかし、俺もエヴァのパイロットなのになぁ・・・」
何故かちゃっかり端っこに自分の写真も並べているが、それを買いに来る者は居ない。

トウジの写真は若干一名のみ。
流石にケンスケもお金は取れなかった。

何故か、シンジの写真は結構売れているらしい。
レイの写真も好調な売り上げを示している。

トウジはケンスケの呟きが、自分の写真が売れない事をぼやいているのだと思っていた。
しかし、実際はパイロットになればレイに近付けると思っていたのに、レイは機体が無くなったため殆どNERVに居ないのだ。
そして、自分達が訓練を行っている時に施設に来ている。
学校以外では、全く擦れ違いで会わなくなってしまったのである。

学校では相変わらずレイはシンジと行動を共にしている。
加えてアスカはケンスケなど歯牙にも掛けないし、馴れ馴れしいケンスケを毛嫌いしている節がある。
プラグスーツのアスカを写真に撮ろうとしたとき等、鉄拳制裁を喰らった。

ミサトにも、NERV内は機密だらけだからと言われ、撮影を禁止されたのだ。
思っていた妄想と違う現実に対するぼやきだったのであった。



「Guten Morgen、ヒカリ!」
「なんや、惣流か」
ヒカリとトウジは一緒に登校している。

「この私が声掛けてあげてるのよ!もう少し嬉しそうにしなさい!で、いるんでしょ?ここに」
「誰がや?」

「アンタ馬鹿ぁ?ファーストとサードに決まってるじゃない。どこにいんのよっ!」
「綾波さんと碇君だったら、ほら」
ヒカリの指した方向にはレイとシンジが仲良くベンチに腰掛けて居る。

レイは本を読んでおり、シンジはボーッと空を見ているようだ。

アスカは、レイ達の元へ駆け寄ると何故か段となっている所に上って仁王立ちで、腰に手を当てて言う。

「貴女がファーストチルドレンね、あたしセカンドチルドレンの惣流=アスカ=ラングレー!仲良くしましょ!」
とても高圧的で仲良くしようとしているとは思えない。

「・・・どうして?」
レイはシンジとのヒトトキを邪魔されたからか不機嫌そうに言う。
尤も不機嫌だと解るのは、この場にはシンジしかいないのだが。

「その方が都合が良いからよ!」

レイはアスカを一瞥すると、投げ捨てる様に言い放った。
「・・・命令があればそうするわ」

そしてシンジとレイは立ち上がると歩いて行く。

「変わった娘ねぇ」
アスカはシンジに自己紹介するのも忘れ唖然としていた。



リツコは職員受け入れと施設運営のため職務に追われていた。

「なんか私、技術部じゃないみたい」
そんな独り言を呟きながら目まぐるしく端末を操作していると、ふいに後ろから抱締められる。

「少し痩せた?」
「そう?」

そしてリツコは振り返り、その相手を抱締める。

「お帰りなさい、母さん」
「ただいまリっちゃん」
ナオコもリツコを抱き返した。

「もう、幾つになっても子供なんだから」
「母さん・・・」
リツコは泣いていたのだ。

「弐号機と共に技術者も呼び寄せたわ、リっちゃんは暫く施設の方に専念していいわよ」
「ありがとう、母さん」

「おやおや、親子水入らずの所、お邪魔だったかな?」
「加持君、お久しぶり」
リツコは泪を拭いながら、突然の来訪者を招き入れる。

「アンタ弐号機の引渡しが済んだんならさっさと帰りなさいよ!」
ノックもせずに入って来たミサトが嫌悪丸出しで言う。

ミサトは、ナオコが居る時にリツコとの仲を取り持って貰おうとやって来たのだ。
しかし、そこに邪魔が入り込んでいた。

「今朝、出向の辞令が届いてね。此処に居続けだよ。また三人でツルめるな、昔みたいに」
「誰がアンタなんかと!」
ミサトが叫んだ瞬間、非常警報が鳴り響いた。

「敵襲?」



『警戒中の巡洋艦【はるな】より入電。我、紀伊半島沖にて巨大な潜航物体を発見、データ送る』

アナウンスが発令所に流れる。
オペレーター達はすでに配置について、その執務を忠実に果たしている最中だ。

「受信データを照合。波長、パターン青。使徒と確認」

今日は傍らにパートナーを欠いている冬月は、命令を下した。

「総員、第一種戦闘配置」



『先の戦闘によって第三新東京市の迎撃システムは大きなダメージを受け、現在までの復旧率は36%。実戦における稼働率はゼロと思っていいわ』
ウィングキャリアーで運ばれているアスカにミサトが説明をする。

『今回は上陸直後の目標をこの水際で一気に叩く!弐号機は目標に対し接近戦でいくわよ』

「はい!」
アスカは元気よく返事をした。

ウィングキャリアーからエヴァがテイクオフし、地響きをたてて着陸する。
即座にネルフの補給部隊により専用電源にケーブルが接続された。

「よぉ〜っし!日本でのデビュー戦、華麗に飾ってあげるわ!」
アスカがそう言うと、弐号機は使徒に向かって駆け出す。

弐号機はそのまま一気に跳躍して、ビルを踏み台に使徒の所まで一息で移動した。

「んぬあぁぁぁっ!」

弐号機はそのままソニックブレイブで使徒を両断。

『ナイス、アスカ!』
ミサトが初めて自分の指揮通りエヴァが動き、使徒を倒したと思い歓喜の声を上げた。

「どう?戦いは常に無駄なく美しくよ!」
アスカは、既に使徒を倒したと思い、使徒に背を向けミサトに向かって自慢していた。

二つに分断された使徒が、ムクムクと再生を始め、二体となる。

「何よ、コレ〜っ!?」

『なぁ〜んて、インチキ!!』
アスカが叫びミサトも指揮も忘れ叫んだ。



『本日午前十時五十九分三十七秒、二体に分離した目標甲・乙の攻撃を受けた弐号機は、駿河湾沖合二キロの海上に水没、活動を停止。この状況に対する、E計画責任者のコメント』
『無様ね』

ブリーフィングルームで肩にタオルをかけながら、目の前で上映された戦闘経過を見せつけられ、言葉もないアスカ。

『十一時五分をもってネルフは作戦遂行を断念、国連第二方面軍に指揮権を譲渡。同零七分四十三秒、国連空軍のN2爆雷投下による使徒の構成物質の21%の焼却に成功』

マヤの淡々としたナレーションが響く。

「また地図を書き直さなきゃならんな」
冬月の声は不機嫌そのものだった。

「やったの?」
「足止めにすぎんよ。再度進攻は時間の問題だな」
「ま、建て直しの時間が稼げただけでも、儲けものっすよ」
加持がアスカをフォローする。

「弐号機パイロット」
冬月が重々しくアスカを呼んだ。
「は、はいっ」
アスカがびくつきながら返事をする。

「君の仕事は何かわかるか?」
「・・・EVAの操縦?」

「違う使徒に勝つ事だ!このような醜態を晒す為にネルフは存在しているのではない!」
そう言うと冬月はその場を立ち去る。

「どうしてみんなすぐ怒るの!」
「大人は恥をかかされるのが嫌いなのさ」
膨れているアスカを取りなす加持だった。



そして、文字通り山のような書類の束を相手に夢遊病者のような顔をしているミサト。
口にはペンまでくわえている。

後ろにはリツコが、腕組みをしてそれを見下ろしている。

「これが関係各省からの抗議文と被害報告書。で、これが国連からの請求書、広報部からの苦情もあるわよ。全部目、通しておいてね」

ぎぃぃ、と椅子をきしませながらのびをして、ミサトは大きく息を吐いた。

「読まなくてもわかってるわよ。喧嘩をするならここでやれってんでしょ」
「ご明察」

「いわれなくったって、上が片づけばここでやるわよ」
「副司令はカンカンよ。今度恥かかせたら、左遷ね、間違いなく」

「碇司令が留守だったのは不幸中の幸いだったけどさ」
「いたら即刻クビよ、これ見るヒマもなくね」
リツコの言葉は冷たい。

「・・・エヴァぁの修復どの位かかりそう?」
「5日ってとこね」

「使徒は?」
「現在自己修復中、第2波は5日後とMAGIは予測しているわ」

「・・・どっちも5日間は身動きできないってわけか」
「更に、四号機が届くのが3日後、そちらの調整に2日は掛かるわね」

「それで、私の首が繋がるアイデア、持ってきてくれたんでしょ?」
「まぁね」
そう言ってリツコは1枚のディスクを取り出す。

「流石は赤木リツコ博士!」
「残念、私のアイデアじゃないのよ。私はこれを届ける様に頼まれただけ」
リツコから受け取ったディスクに書かれた文字《マイハニーへ》

ミサトはそれを見て、少し顔を緩ませていた。
リツコはそんなミサトを後にミサトの執務室を出て行く。

加持に頼まれたから、ディスクは届けた。
しかし、未だミサトに対し、昔の様に気軽には付き合えないのだ。

(アスカを同じ眼に会わせたら今度こそ・・・)
リツコは唇を噛み締めていた。



ミサトの家にとんでもない量のダンボールが積まれている。
荷物は廊下や部屋にも積まれ家が狭くなっていた。

「何よこれぇ〜!」
その中でアスカの叫び声が聞こえる。

シンジが居ないため、ミサトの家はゴミだらけであったのだ。

「にしても日本の家って狭いわよねぇ、それにこんなカギのついていない部屋でよく暮らせるわ」
アスカは襖を開けたり閉めたりしながらブツブツ言っている。

「日本人の文化の根本が他人への思いやりだからよ」
ペンペンを抱いてミサトが登場した。
その後ろにはケンスケが居た。

「早速だけど、これから共同生活をしてもらいます。時間が無いから命令拒否は認めません」
「誰と?」
アスカがキョトンとして尋ねる。

「彼とよ」
ミサトはケンスケを親指で指しながら言った。
「えぇぇぇええええええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!」
アスカの叫びがマンション中に響き渡る。

耳を塞ぐミサトとケンスケ。

「ぜぇったい嫌よ!こいつあたしの写真隠し撮りして売ってるのよ!こんな奴と一緒になんてぜぇぇぇぇったい嫌よ!」
「私も一緒に見張ってるわ、これは作戦のために必要なの」

「嫌ったら嫌っ!ミサトだってお風呂覗かれるわよ!」
「お、俺がそんな事するはずないじゃないか!」
カメラを抱えているケンスケには説得力も何もなかった。

ジト目で睨付けるアスカ。
ミサトも冷や汗を流していた。



アスカとケンスケが同居してユニゾンの特訓をする事になった。
方法は曲に合わせて二人でダンスを踊ると言う事である。

「もぅ〜やってらんないわ!こんな変態に合わせるなんて出来るはずないでしょっ!」

バンッ!と言う音とともにアスカがミサトの家を飛び出した。
残されたケンスケの頬には鮮やかな紅葉模様が浮かんでいる。
ミサトもほとほと疲れたのかテーブルに突っ伏していた。

事の顛末はこうである。
まず、当然ながらケンスケはアスカの着替えを覗いた。

流石にミサトもそこまではやらないだろうと油断していたのだが、ちゃっかりとアスカが風呂から上がるタイミングを見計らいしっかりと覗きに行ったのである。

次ぎに、寝姿をカメラに収めようと夜中にアスカの寝室に忍び込んだ。
ケンスケは居間で寝ていたのだが、翌日から倉庫で寝る事になった。
しかも、外から鍵を掛けられてである。

そして、ユニゾン訓練であるが、当然ケンスケがアスカに付いていける訳はなく、散々たる結果だったのだが、ミサトが強行に推し進めたためケンスケが疲れてしまい踊りの最中で倒れ込んだのだ。
その際、アスカの方に倒れ、アスカの胸に手が乗ってしまった。

そこは、ケンスケでありシンジとは違い、しっかりその手をニギニギしたのである。

結果、ケンスケの頬にくっきりと紅葉模様が浮かび上がっているのだ。

「参ったわねぇ〜取り敢ずケンスケ君、準備して頂戴。NERVに行くわよ」
「は、はいっ」

既に訓練を開始して3日経っているが、ユニゾン訓練は殆ど進展していなかった。
ミサトはアスカが頭を冷やすまで帰ってこないだろうと、まず四号機とのシンクロ実験を行いにNERVに向かう事にしたのだ。

「アスカは取り敢ずこれで良いでしょ」
テーブルの上に書き置きを置いて呟くミサト。

今回は、トウジがユニゾン訓練の事を知っていたため、ヒカリ達が尋ねて来る事はない。
また、ミサトはユニゾン訓練だけに頭が行ってしまい、トウジは現在、放置されている。
参号機の移籍が難航しているのだ。
ミサトの考えとはしては、使える物で全力を尽くすと言うところだが、この辺りが相変わらず片手落ちなのであった。



シンジとレイが歩いていると公園のベンチに腰掛けて自棄食いしているレオタード姿のアスカが見えた。
関わり合いにならないように通り過ぎようとしたところ、柄の悪い男達がアスカに何やら言い寄っている。

シンジは辺りを見回して手頃な棒を拾い上げると、アスカの方へ向かった。

「彼女ぉ、なかなか色っぽい恰好してるじゃん、俺達と遊ばない?」

「嫌よ!何であんた達みたいな馬鹿面下げた人間と付合わなきゃいけないの!」

「なんだとぉ?このあまぁちょっと可愛いからっていい気になってんじゃねぇのか?」

持ち前の威勢の良さと口の悪さで瞬く間に敵を作るアスカ。

その時になって初めてアスカは「やばっ」と感じた。

相手は高校生ぐらいの身体の大きい男達3人であったのだ。
身体の華奢なアスカでは、力で押さえ込まれるとどうしようもない。

「困ってる?」
そこにシンジが登場する。

一瞬、安堵の顔をするも、すぐに元の表情に戻るアスカ。

「別に困ってなんかないわよ!こんな奴らアタシ独りで充分よ!」

「なんだぁゴラァ、正義の味方気取りかぁ?ぐはっ」
シンジを見て凄んでいるところにアスカの蹴りが炸裂した。

そして乱闘。

「ちょっとあんた!見てないで助けなさいよ!」
「はいはい」
最初は見ていたシンジだが、アスカが助けろと言ったので、手にした棒で相手をする。

アスカが一人を相手出来る様に、二人を相手していた。

そしてアスカが、一人を伸した頃を見計らい、華麗な棒捌きで二人の男を翻弄する。
アスカもその妙技に見取れていた。

二人を同時に横に薙払うシンジ。

そのうち二人が左右から同時にシンジに襲い掛かった。
そして同時に二人の鳩尾に突き刺さるシンジの持っていた棒。

「これぐらい惣流さんなら朝飯前でしょ?」
「へ?も、勿論よ!」
アスカは胸を張って言う。

シンジは蠢いている一人を蹴り上げ、もう一人に重ねる。
そして上から棒で突き刺した。

「あっ!」
本当に突き刺したと思ったアスカは声を上げる。
実は、二人の脇のところに棒は突き刺さっており、身体を突き刺しては居なかった。

「あの人は一つ作戦を浮かべると他の方法なんて考えつかないみたいだからね。惣流さんなら一人でも大丈夫さ」
そう言ってシンジは持っていた棒をアスカに渡す。

「おまたせ」
シンジの言葉にニコリと微笑むレイ。
シンジはレイと二人で去っていった。

「あいつ、使徒の倒し方を実演していった?」
残されたアスカは、シンジに渡された棒を見て唖然としていた。



「シンクロ率16.7%です」
「起動数値ギリギリね」
マヤの報告にリツコが溜息混じりにコメントする。

ミサトに急に無理矢理シンクロテストをせがまれ、それでも使徒侵攻が迫っている中、しかたなしにリツコも実験を実施した。

「ユニゾン訓練も散々だし、これはちょっち厳しいわぁ」
ミサトも困った困ったと言う顔をしている。

「まっ有る物でなんとかしなくちゃね、ケンスケ君、もう良いわ帰るわよ」
「はいっ!」
憧れのエヴァに乗れシンクロした事でケンスケはかなりハイになっていた。



そして、何の進展も見ないまま使徒が再侵攻を始める。

「目標、強羅絶対防衛線通過!」
「目標0地点に侵入!」

「マギの予想よりも3時間も早いわね・・・エヴァぁは?」
ミサトは視線を主モニターからマヤに移した。

「発進準備完了、射出口へ移動中」
「アスカ、ケンスケ君、準備は良い?」
『準備は良いわよ、でも本当にユニゾンで行くわけ?』

「私達には選んでる余裕はないのよ」

「大丈夫でしょうか?」
「やるしかないのよ」
マコトの声にミサトはいつも通り強引に進める。

「進路オールグリーン」
「エヴァンゲリオン四号機、弐号機発進!」

そして、アスカが華麗に走り出し使徒を真っ二つにする。
しかし、四号機は未だアスカの半分も進んでいなかった。

「ケンスケ君!もっと急いで!」

『い、急いでますっ!』

ユニゾン所ではなかった。
それどころかまともに動かせて居ないのだ。

『ミサト!どうするの?!』

「アスカちゃん、頼まれていた物が出来たわ。今出すからね」
「母さん?」

『ダンケ!』

そこに出てきたのはソニックブレイブを二つ合わせただけの槍。
アスカはそれを取ると公園でのシンジの様に華麗な捌きで使徒を翻弄する。

そして使徒の身体が重なった時、一気にコアを貫いた。
一瞬の後に爆発。

「パ、パターン青消滅、使徒消滅しました」
シゲルの驚愕の報告が静まりかえった発令所に響く。

ナオコとアスカが親指を立て合っている。
四号機はATフィールドも張れず使徒の爆発で吹き飛ばされていた。



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新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。
拙著は当該作品を元に作成した代物です。
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