雨、逃げ出したい教室


次がアスカ達のお待ちかねの体育の授業と言う2時限目の最中にレイの携帯が震えた。

「…早退します。碇君、行きましょう」
「え?う、うん解った」

「…マナとマユミも来て」
「え?」
「は、はい」

マナとマユミは教師の方を向くが、教師は頷いている。
鞄に教科書などを仕舞うと、教師に頭を下げ教室を出て行った。
廊下では、既に出ていたシンジとレイが待っている。
レイは、二人が出てきたのを確認すると歩き始めた。

「ちょ、ちょっと!どう言うことよ!」
「惣流君、静かにしたまえ」

流石に教師に制されるては、喚いては居られない。

「はい、皆さんは勉強を続けましょう」

教師が、そう言うと突っ込み辛く、皆、渋々と椅子に座って行く。

シンジ達は、訳も解らずレイに付いて行くと、校門を出たところで黒塗りのリムジンが扉を開けて待っていた。
レイが何も言わず乗るため、シンジも戸惑いながらも後に続く。
マナとマユミも同じように後に続いた。
リムジンの中は広く、シンジとレイが隣合わせで座り、向かい合ってマナとマユミが座った。

「広い車ですね」
「私、リムジンって始めて乗った」

そう言いながら、二人は段々と顔が紅潮してくる。
この体勢から昨夜の事が思い出されて来たのだ。
徐々に息遣いまで荒くなってくるマナとマユミにシンジが心配そうに話し掛ける。

「二人共、大丈夫?」
「は、はい、大丈夫です」
「うん」

「…碇君に見て貰いたくなったのね」
「え?」

「…構わないわ。着くまで見て貰えば?」
「な、何を?」

これは、シンジの隷属となった副作用であった。
シンジに見られていると考えただけで身体が火照ってしまう。
シンジに触られると全身が性感帯になる。
逆に、シンジ以外の者に触られても感じない身体となっていた。

これが、死徒となった女性の強みでもあった。
妖魔は、女性であれば、まず犯す。
その時に人に対して強烈な媚薬となる体液を出すのだが、死徒となった女性にそれは効かないと言う事である。

「そ、そんな…、こんな場所で…む、無理です」

マユミは、スカートをぎゅっと握り締め、耐えている様子だ。

「し、シンジ君」

マナは上目遣いでシンジを見ると、足をゆっくりと広げる。
短いマナのスカートでは、それだけで股間を隠す白い下着が覗いた。
既にその下着には、染みが広がっている。

「ま、マナさんずるいです…」
「はぁ、はぁ…」

マユミの声も聞こえないかのようにマナの顔は紅潮し、息遣いが荒くなっていた。
マユミは、耐え切れなくなったのか、ゆっくりとスカートを捲り上げる。
その時、レイはニヤリと笑うとシンジに抱き付き唇にキスをした。

「「あっ!!」」

マナとマユミが意表を突かれたとばかりに唇を噛み締める。
レイの唇が、シンジの唇から離れた時、マユミが行動に出た。

「し、シンジさん。マユミを見て下さい」

マユミは、シンジの前で四つん這いになり、スカートを捲り上げ、下着をも太腿まで下ろした。
昨夜と同じように、自ら両手で広げるそこは、ヒクヒクと何かを期待しているように見える。
シンジは、マユミのお尻を撫で、その隙間に指を這わすと、二つの穴に指を挿入する。

「あっぁぁ!」
「し、シンジ君、私も!」

マユミの声にマナは、マユミの横に並び、マユミと同じようにお尻をシンジに向け下着を下ろした。
シンジは、もう一方の手でマナのお尻も撫で、マユミと同じように指を挿入する。

「うっぅぅん」

昨夜、処女を失ったとは思えない程の乱れっぷりである。
シンジは、人差し指を肛門に、中指を膣に、薬指をクリトリスに当て二人を愛撫した。
車がNERVに着くまでに、マナとマユミは3回程逝かされることとなってしまった。

レイは、時折、強引に何度かシンジの唇を奪い、シンジにずっと抱きついていた。



薄暗く、やけに広く天井の高い部屋。
宗教団体でもないのに、天井にはセフィロトの樹が描かれている。
部屋のほぼ中央に位置する机に、髭を生やし、サングラスを掛けた男が机に肘を着いて、両手を顔の前に組んで座っている。
その横には、ロマンスグレーの紳士が直立していた。

「…久しぶりだな、シンジ」
「う、うん」

シンジ達4人は、その男の机の前3メートル程離れた位置で並んで立っていた。
この男は、碇ゲンドウ。
妖魔迎撃特務機関NERVの総司令であり、シンジの父親である。
その多忙さのため、殆ど家には帰っていない故の言葉であった。

「…リリ、いやレイ。望みは叶えたのか?」
「…えぇ、契約は守るわ」

「…その二人は?」
「…碇君を護る者達」

「…戦力は揃ったと思って構わないのか?」
「…私一人で充分」

「…シンジ、お前達は対妖魔迎撃部隊に強制徴兵された。拒否は認めん」
「なんだよそれ」

「…冬月、後を頼む」
「全く、面倒なことばかり押し付けおって」

横に居たロマンスグレーの紳士が、嫌そうに言ったが、シンジ達の方を向き話始めた。

「私は冬月コウゾウ、ここの副司令を任されている。君達は、これから特務機関NERVの対妖魔迎撃部隊に入隊してもらうことになる」
「なんだよそれ」

俯き、ボソリと呟くシンジ。
冬月はシンジの言葉が聞こえていたが、聞き流し話を進めた。

「入隊と言っても、君達はあくまで、対妖魔の戦闘要員で、便宜的に部隊と言っているだけで軍隊に入るわけではないのだよ」
「なんだよそれ!」

シンジの怒声が響き渡る。
流石に冬月も今度は話を進める訳には行かなかった。

「し、シンジ君、落ち着いて聞いてくれないか」
「ふざけんな!」

シンジの髪の毛が逆立ち、目は紅く輝いている。

「い、碇」
「…レイ、シンジを抑えろ」

「…それは契約にないわ」
「…何!」

ニヤリと笑っているレイを見てゲンドウは悟った。
この魔性の女は、契約を守るとは言ったが自分を守る気は無いようだ。
ゲンドウは、自分の机の裏に付いてる緊急用のボタンを押す。

瞬間、シンジ達とゲンドウの間に透明な障壁が出来上がる。
しかし、シンジの力はその障壁など無いようにゲンドウ達に届いた。
吹き飛ばされる冬月とゲンドウ。

「…ば、馬鹿な」
「碇、お前の遣り方はいつも強引過ぎると言っているだろ」

壁に激突しながらも、なんとか立ち上がる二人。
シンジは、ハァハァと荒い息をしている。

「…これがお前の力か」
「…碇君は、まだ力を使っていない。未だ抑えてる状態よ」

レイの言う通り、シンジは、まだ力を発動していなかった。
怒りに震える自分を抑えている状態であり、今のは溢れ出した力の一端だったのである。

「わ、解った、シンジ君。今日のところは、帰って皆と話し合ってくれないかね」
「話し合う事なんてありませんよ」

「い、いや、待ってくれ。私達には君達が必要なんだ」
「僕には、貴方達は必要じゃない。寧ろ邪魔だ!」

「い、いや、わ、悪かった。この話は無かった事にしてくれ賜え」
「…冬月?」

漸くシンジの髪の毛がもとの場所へと落ち着くが、まだ色は変化したままだ。

「じゃぁ帰って構いませんね?」
「あ、あぁ呼び出してすまなかったね」

シンジ達は、踵を返し、その場を後にしようとする。

「…シンジ。お前には失望した」
「僕は、とっくに貴方に失望していますよ」

シンジは振り返りもせずに、そう言い放つとその場を後にした。

「碇、息子に見放されると流石に堪えるか」
「…ふん、レイは協力すると言っています」

「レイだけで大丈夫なのか?」
「…レイが危険になれば、勝手に助けるでしょう」

シンジの溢れ出した力で散乱した室内で、二人は、その時は気付かなかった。
レイの携帯が、その散乱した物に埋もれていることを。



正面の壁が全てスクリーンとなっており、至るところに立体映像で色々な情報が映し出されている。
ここは、NERVの誇る第一発令所であった。
多数のオペレーター達が自分の前の端末を忙しそうに操作している。

色々な情報が大声で飛び交う中、その最上段に三人のオペレータと白衣を着た女性が居た。
更に、その後ろの司令席が上がって来ると、そこに先ほどの碇ゲンドウと冬月コウゾウが居た。

「赤木君、状況はどうかね」
「はい、現在NERVの迎撃部隊で侵攻を抑えていますが、厳しい状況です」

「葛城君は?」
「前線で、試作品の対妖魔ランチャーを撃つ機会を狙っています」

冬月の問いに答えている金髪の女性は、NERV技術部長である赤木リツコであった。
生態コンピュータであるMAGIの開発者、赤木ナオコの娘であり、MAGIの第一人者とも言え対妖魔兵器の開発も手掛ける有能な人間である。

「葛城さん!敵生態まで約500メートルです!」

前線に居る葛城と呼ばれる人間に情報を渡している眼鏡のオペレータは、日向マコト。
彼は作戦部の人間であった。

『リツコ!もう少し射程の長い武器は作れないの?』
「ごめんなさい。今はこれが限界なの」

前線に出ている彼女は、葛城ミサト。
NERV作戦部の作戦課長であった。

本来なら作戦課が前線に出る事は無い。
彼女は、リツコの作り上げた対妖魔兵器の完成度を確認するために自ら試作品である対妖魔ランチャーを無理やりに持ち出したのだ。

これまでは火炎放射器などで退かせるのが精一杯であった。
それが漸く殲滅出来る兵器が完成したのだ。

ミサトとリツコは大学時代からの旧友である。
そのため、作戦途中でも名前で呼び合う事が多い。

『それと、新しい戦力ってのは、どうなったの?』
「それは…」

返事をする代わりにリツコは、背後の壇上を見上げた。
そこには、サングラスを掛け、髭を生やしたゲンドウがいつものもポーズで座っており、その傍らにいつものように冬月が立っている。

「…レイを呼び出せ」
「はい!しかし、綾波レイは司令室に居る様子ですが…」

「…何!冬月?」
「解った、多分、携帯を置いて行ったのだろうな。見てくる」

その遣り取りを見てリツコは、新しい戦力とやらの確保に失敗したことを悟った。

「ミサト、新しい戦力は宛てにならないみたい」
『まぁ最初っから宛てにしてないけどね。ほんじゃまぁリツコの腕を信用して行って来るわ』

「貴女も一応女なんだから、外しても深追いしないように」
『一応は余計よ!』

「葛城さん!7時の方向に民間人です!」
『なんですって!』

ミサトは最前線に居る。
もう少し後方であれば、他の人員に保護させる事も出来た。
しかし、殆ど単独でここまで来ているミサトの回りには援護する人員すら皆無だ。

『民間人隔離システムは、どうなってるの!』
「作動してます!いや、非常用の通路が一つ開けられています!そこから入ったと思われます!」

『くっ!命知らずの馬鹿な民間人に構ってられないわ』
「ミサト!一人はアスカよ!」

『なんですってぇ!』

リツコの前の童顔の女性オペレータ、伊吹マヤの前のディスプレィに民間人の顔と経歴が即座に映し出されていた。

[鈴原トウジ 1第三新東京市立第一中学2-A]
[相田ケンスケ 第三新東京市立第一中学2-A]
[惣流アスカ 第三新東京市立第一中学2-A]
[洞木ヒカリ 第三新東京市立第一中学2-A]

その情報は、すかさずミサトへも送られている。
ミサトはアスカと仲が良いと言うわけでは無いが、たまたまNERVの式典で少し話をした程度だ。
それでも顔見知りと全くの見知らぬ他人とは、かなり心情が変わる。

「葛城さん!敵生態まで300を切りました!」
『ちっ!こんな時に!』

ミサトが後方を確認すると、怯える少女を庇うように立っているギプスの少年と、カメラを必死で覗き込んでいる少年とアスカが見えた。

(リツコ…信じてるわよ)

ミサトは、敵を仕留めてから保護することにした。
照準を合わす事に集中する。
幸い、敵は他の攻撃の方に集中しており、こちらには気がついていない。

(死ね!)

ミサトは、照準が合った瞬間に引鉄を引いた。
しかし、ロケットランチャーは初速が遅い。
弾道が目に見える程なのだ。
妖魔は、それに気付くと素早く避けた。

(ちっミスった!)

ミサトは、次の弾を装填しようとしたが、それより早く妖魔が突進してきた。
弾を装填していないロケットランチャーでミサトは、応戦する。

「貴方達!早く逃げなさい!」

敵が目の前に居るのに後ろを向いたのは致命的だった。
妖魔は、ミサトの手足に触手を絡ませ高々と掲げる。
ミサトが捕らえられたため、周りの銃弾も止んだ。

ミサトはアスカ達の方を向いて貼り付けにされた状態だ。
妖魔の触手は、ミサトのミニスカートを捲り上げ、黒い下着を露にしている。
ケンスケは、それを凄い凄いと言いながらカメラで撮っている。

(あんの馬鹿!)

「アスカ!早く逃げなさい!」

目の前の光景に呆然としていたアスカが、自分の名前を呼ばれ我に返る。

「あ、アンタ!そんな事してる場合じゃないでしょ!逃げるわよ!」
「ま、待って!もう少し!」

ケンスケのカメラの先では、既にミサトの衣服は引き千切られ、豊満な胸も露に触手が巻き付いていた。

「こ、こんの、ドスケベ!」
「あほんだら!死んでまうやろ!」

アスカとトウジに殴られ、名残惜しそうにその場を離れようとするケンスケ。
トウジはケンスケを蹴りながら走りだした。
しかし、ヒカリは腰が抜けて動けなかった。

「ヒカリ!」
「駄目、立てない。アスカ、先に逃げて」

「そんな事出来る訳ないでしょ!捉まって!」
「アスカ!」

その時、妖魔の触手がアスカを捉えた。
ヒカリから引き摺られるように遠のいていくアスカ。
そこには既に殆ど全裸にされながらも、抵抗しているミサトが居た。

ヒカリの声に振り返るトウジとケンスケ。
トウジは、ヒカリの元へと走る。
ケンスケは、またカメラを構えていた。

「委員長、ワイに負ぶさるんや!」
「鈴原!アスカが!」

振り返るとアスカも無残に制服を引き裂かれ、下着が露となっている。
流石に気丈なアスカは、抵抗を続けていたが四肢を拘束された状態では、下着を剥ぎ取られるのも時間の問題であった。
既にミサトの股間には、二本の触手が潜り込んでおり、口にも突っ込まれている。

ミサトの顔は紅潮し、性的快感を呼び起こされている様子だ。
体中に触手が巻きつけられており、ネトネトとした粘液がミサトの体中にこびり付いていた。
妖魔は、更にアスカの下着の中へも触手を潜り込ませて来た。

「やめなさいよ!この変態!こんな事して只で済むと思ってんの!」

まだ口だけでも抵抗出来るだけ大したものであろう。
大の字に固定されたアスカの下着の中に入り込んだ触手のために、ブラジャーが千切れて乳首まで露となる。
最早、パンティも時間の問題であった。

その時、突然、妖魔の力が抜け、アスカとミサトは地面に落とされた。
ミサトは幸いとばかりに、挿入された触手を自ら引き抜くと、妖魔の方を見る。
そこには首から上が無い妖魔が横たわっていた。

「アスカ!大丈夫!」

ミサトが声を掛けたが、アスカはうつ伏せになったまま動かない。
NERV職員が駆け寄り、ミサトとアスカに毛布を掛けた。
待機していたのか、すぐに救急車が来て、ミサトとアスカは、それに乗せられた。
何故か倒れているケンスケも乗せられ、トウジとヒカリも随行する。

ミサトは救急車の窓から、こちらを見ている中学生の男の子と女の子三人の姿を見つけた。

(他にも入っていた子供達が居たなんて…)

ミサトは、振り返るとキッとトウジ達を睨みつけた。
システムの杜撰さに腹を立て、その八つ当たり気味に救急車が病院に着くまで説教が行われた。

「結果的に助ける事になっちゃったね」
「…誰に助けられたかも解ってないわ」

シンジとレイが走り去る救急車を見ながら話している。
実際、妖魔を倒したのはマユミであった。
何の案内もないままNERVを出て来たため、どこかの非常口から出てしまったらしい。

外に出るとそこは戦闘状態であり、どうしようかと思案していると、ミサトが捕らわれるのが見えた。
暫く見ていたが、気が付くとマユミが力を放っていたのだ。

「殺されちゃうと、仕返し出来ませんから」

ニッコリと微笑みながら言うそれが、マユミの本心がどうかは、シンジ達には解らなかった。



「結局、あれはなんだったの?」
「宛てに出来なかった新戦力よ」

ミサトは病室で点滴を受けていた。
その横で白衣のリツコがパイプ椅子に座りカルテを見ている。
幸いだったのは射精されていない事だった。
射精されると、脳が汚染されて廃人と化してしまうのである。

アスカは、挿入もされていなかったため、軽く検査を受けて帰らされた。
アスカ達四人は、親が引き取りに来ていた。
アスカを引き取りに来たのは父親である。

四人の親達は、冬月が自ら注意を行った。
それは、シンジに対する虐待の代償も兼ねていた。
今更なのだが、少しでもシンジの心象をよくしようと言う冬月の計らいである。
アスカの父は、降格を言い渡され、その他の親達もNERVとの契約を一方的に破棄された。

「で、どんな武器よ?あのランチャーが最新兵器だったのじゃないの?」
「武器…と言うより力ね」

「どう言う事?」
「あれを行ったのは、生身のヒトよ」

「どうやったって言うのよ!」
「さぁ、計器には何も反応していない。司令にも詮索するなと言われたわ」

「人だったら、私の部下になるんじゃないの?!」
「解らないわ。副司令も、まだ契約もしていないと言っていたから」

「何それ?ふっかけて来てるってこと?」
「いいえ、どうも拒否されたようよ」

「あんな簡単に妖魔を倒す力を持っていて拒否するって、どう言う事よ!」
「さぁね、詳しい事は何も聞かされてないわ。どうしても知りたいなら司令に直接聞くのね」

「うっ、それはちっと…」
「じゃぁ、諦めなさい。もし契約できたなら嫌でも知る事になるわ」

「あぁぁ、アタシに任してくれたら、強制的に引っ張って来てあげるのに?そう言えば強制徴兵はどうしたの?」
「それが拒否されたらしいわ」

「って、そんな事が許されるの?!」
「だから私も詳しい事は知らないって言ってるでしょ?」

流石にリツコも嫌気が指してきたのか、ミサトを睨みつける。
流石のミサトもこれには、小さくなっていた。



翌朝、シンジ達のクラスは騒がしかった。
顔に痣を作り、得意気に妖魔について話すケンスケが居たためだ。
NERVでも、親にもコッテリ絞られたのだが、懲りていない。
勿論、見た事を口外するなと言われているのだが、ケンスケの口は止まらない。

教室の端では、ヒカリが項垂れており、アスカはケンスケに苦虫を噛み潰したような顔をしているが、それでも騒ぎ立てることは無かった。
アスカは、被害者でもあり、父親もあまり強く怒れなかったのだ。
しかし、シンジの虐待については、ちゃんと謝るようにと言い聞かせていた。

他の三人は、こっぴどく怒られ、そのためにケンスケとトウジは、顔に痣を作っている。
多分、殴られたのだろう。
ケンスケの撮ったビデオは、NERVに没収された。

それを聞いたアスカは、少しホッとしていた。
ケンスケが持ったままであれば、あの自分の殆ど裸に近い状態を公開されていたことだろう。
しかし、ヒカリは兎も角、他の三人はシンジに謝る事について抵抗があった。

自分達の事は棚に上げ、親の権力をかさに着やがってと言うところである。
だが、親達は必死であった。
この街で、NERVに逆らっては、やって行けないのだ。

因みにムサシとケイタも顔を腫らしている。
冬月が、諜報部から上がって来た報告から、この二人の親にも連絡を入れたのだ。

既に契約は切られているが、まず、子供達から謝らせ、近いうちに取り入ろうと考えているのだ。
早くしないと、今までの分が他の業者に行ってしまうため、親達も必死であった。
逆にマナとマユミに付いては、シンジと一緒に住むように計らわれた。

特別な子供達なのでNERVの方で保護すると言う名目である。
近いうちにマナとマユミは、引っ越すようにと親から告げられた。
マナの家は、政略結婚みたいなものと考えたのか、親から率先して勧められた。

マユミの家は、親は反対だったようだが、NERVから言われたため一応マユミに伝えた。
嫌だったら断るからと、マユミの親は心配そうにしていたが、こちらはマユミが説得した形となった。
そして少しばかりの着替えを持って、マナもマユミも昨日から既に泊り込んでいる。
どちらも週末に荷物を運び込むそうだ。

ガラッと扉が開き、シンジ達が教室に入って来た。
自分達が反省したならいざ知らず、親から強制された謝罪と言うのは、反抗心を芽生えさせる。
ヒカリ以外の、トウジ、ケンスケ、ムサシ、ケイタ、そしてアスカはシンジを睨みつけていた。

窓の外は、薄暗く、雨が降っていた。



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新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。
拙著は当該作品を元に作成した代物です。
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