楔と首輪


「幸せは〜、歩いて来ない、だぁから歩いて逝くんだよ〜」

そっちの逝くじゃないのだが、能天気な歌を歌いながらマリは、怪しい道具により、塀の一部に隙間を作っていた。
ここは、シンジ達の家の塀である。
正面から入ってもよかったのだが、一応セキュリティーの確認と言うか、単なる趣味。

そもそもマリは、NERVの人間を馬鹿にしている。
何を取っても二流以下なのだ。
それで油断して、首輪を付けられたのだが、済んだ事は仕方ないとある意味前向きなマリであった。

その反面、事有る毎に、こうやってNERVの杜撰さを確認して、精神安定を行っていると言うことだ。
首輪にしても、いつか壊れるだろうと考えている。
彼女の生命力よりは、こんな電子機器の寿命の方が遥かに短いし、自分を縛り付けている人間などは、どうやっても自分より先に死ぬのだ。
長い人生の中に、そうやって自分を弄んだ人間もいたなとそのうち思い出になるぐらいにしか感じていなかった。

そうやって忍び込んだ庭で行われている事に、眼を輝かせる。

(うわ、楽しそう…あの娘、私より胸大きいかも…)

我知れずチェックのミニスカートの裾から手をいれるマリ。
くっと軽い絶頂を迎える事で我慢し、マリはそこに見える人影に向かって歩き足した。



月と星明かりしか存在しない、広い芝生の上を首輪を付け、リードを引かれる5匹の雌犬が居た。
風は、生暖かく、リードを引っ張っている者も、Tシャツに短パンと言うラフな格好の男の子であった。

雌犬達は、成長途中の裸体を晒す女子中学生達。
その肛門には、それぞれの頭髪と同じ色の尻尾を肛門から生やしている。
尻尾は、何故か下に垂れ下がるのではなく、上に向いており、性器を露にしていた。

後ろ足の太腿に着けられたベルトから伸びる糸が、大陰唇を挟んでいるクリップを引っ張り、月明かりが開かれた性器をヌメヌメと光らせている。
口には、口枷が着けられており、閉じられない口からは、涎を垂らしていたいた。

乳首にもクリップが取り付けられ、そこにぶら下げられた錘が、乳首を重力に任せ下に引っ張っている。
5匹とも汗を体中に噴出しており、月明かりにキラキラと光らせていた。
リードを引っ張っているのは、シンジであり、5匹の雌犬は、レイ、アスカ、マユミ、マナ、ヒカリである。
マヤは、本日赴任してきたマリの情報を話すために責められ、今は、自室で失神中であった。

「さぁ、ここから競争だよ。当然最後はお仕置きね。途中で尻尾が外れた者もお仕置きだよ」

5匹がシンジを切なそうな眼で見つめる。

「解ってるよ。当然1着は、ご褒美」

この言葉に5匹は困惑する。
お仕置きも捨て難いし、ご褒美はもっと捨て難い。
しかし、その内容が解らない。

お仕置きの方が確実かなぁと考えているのが2匹。
単純な競争なら勝ち目がないかもと諦めているのが1匹。
絶対1着をと息巻いているのが2匹である。

因みに、全員1リッター程グリセリン溶液を浣腸されており、全身の汗は、そのためであった。
尻尾は、普通のアナルプラグに付いているため、お腹に力を入れると抜けてしまい、中の物を吐き出してしまう。
今は、四つん這いで膝を付いているが、早く走るためには、膝を離す必要がある。

「解ってると思うけど、反則は、今晩一晩放置だからね」

その言葉にギクッとするものが数匹。
反則とは、力を使う事、四つん這いでなくなる事、他の邪魔をする事などだ。
他の邪魔とは、後ろから尻尾を抜くとかである。

「それじゃぁ位置に付いてぇ!用意!」

シンジの合図で、5匹が一列に並び、一斉に膝を上げる。
短距離走のクラウチングスタートのような格好である。
シンジの方からは、5匹のお尻とその下の性器が丸見えの状態だ。

なかなかスタート言わないシンジに5匹はお尻をモジモジとさせている。
後ろを振り向き抗議したいところだが、ここで後ろを振り向くのは命取りだ。
5匹は、ただ只管シンジの号令を待っていた。

「残念だけど、今日は、ここまでのようだね」

苦しいながらも5匹の雌犬達も気が付いていた。
しかし、シンジがゴーサインを出していたら、そのまま駆け出していただろう。
シンジが気付いている事も、この5匹は知っていたのだ。

「ごっめ〜ん。お楽しみの邪魔しちゃったかな」

そこに現れたのは、ヒカリと同じような髪型をした、赤い縁の眼鏡を掛けたマリであった。
5匹は、シンジを庇うように、しかし、何故か四つん這いのまま臨戦態勢を取る。
全裸で首輪までしており、肛門からは尻尾を生やしていても、護るべきものは護るのだ。

例え、浣腸1リッターがお腹の中に入っていても、戦闘中に排泄する事となったとしても彼女達は、シンジを護る。
血の盟約が無くとも彼女達は、そのスタンスを貫くだろう。
それが彼女達の誓い。

「うっわぁ〜、そんな格好で戦うつもり?」
「…貴女誰?」

クスクスと哂うマリに、誰何するのはレイ。
本来なら、ここに無断で入って来た時点で殲滅しても問題は無い。
だが、妖魔でも使徒でもなく、相手は死徒であるが故の誰何だ。

「そんな状態で戦闘する気?って危ない!ごめんなさいごめんなさい、私は真希波・マリ・イラストリアス、貴方達と同類よ!キャッ!」

マリが自己紹介を終えるまで、レイの氷の刃がマリを襲っていた。
レイにしてみれば、一刀両断で殲滅する事も出来たのだが、これは、迫る便意と、昼間の苛立ちが行わせた虐めであった。

「で、その真希波・マリ・イラストリアスさんが、不法侵入までして、何の御用でしょうか?」
「えと、NERVの赤木さんだっけ?彼女が貴方達に会いたいなら、家か学校に行けって」

「僕は、その会いたかった理由を聞いているのですが?」
「これから一緒に戦う事になるのだから、ご挨拶しようかなって。エヘ」

どことなく、ヒカリとマナを足して2で割ったような感じである。
だが、シンジは、警戒していた。
挨拶するなら、昼間会った時にもっと言葉が有ってしかるべきだ。

何故なら彼女は、シンジの事を知っていたのだから。
まるで狙いすましたように降り立ったシンジの学校。
しかも、シンジに接触までしている。

マリは、マリで失敗したなぁと考えていた。
マリ自身、シンジと敵対する気は無いし、支部長の命令を聞く気もさらさらない。
マリは、支部長と契約したのではなく、ちょっとした油断で爆破装置付き首輪を付けられてしまったために従っているに過ぎない。
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いくら死徒と言っても、流石に首から上を吹っ飛ばされると再生出来るか解らないし、再生するにしてもかなりな時間が必要だろうし、記憶も全て再生出来るとは限らない。
と言うか、そんな事試したくもない。

「えぇっと、私、疑われてる?」

両脇を、マナとマユミに抱えられ、抵抗すれば殺すぐらいの勢いでレイとアスカから睨まれている。
シンジの眼も友好的とは、思えない。

「拷問にでも掛ける?シンジ」
「取り敢えず、部屋に戻ろうか」

シンジの言葉に全員頷くと、マリを引き摺り、家の中へと移動を開始する。
全裸に尻尾まで付けた5人に囲まれている様は、かなりシュールであった。



シンジ達が部屋に戻ると、マリはシンジの前のソファーに座らされた。
レイ達は、浴室へと向かう。
我慢していた排泄を行い、汗を流して着替えるためだ。

「何か飲みますか?」

アスカの拷問と言う言葉とは、全く違う応対にマリは、少なからず困惑していた。
家の中に着くまで、怯えていた自分が、マリは、馬鹿らしくなる。

「えぇっと、じゃぁオレンジジュースを」

シンジは、それを聞くと立ち上がり、インターフォンで注文する。
レイ達の分を頼むのも忘れない。

「で、本当の目的は、何?」
「ほ、本当に今日は、挨拶に来ただけなんです」

「そう?じゃぁゆっくりしていって下さい」
「良いの?」

「僕は、構わないですよ。それに僕より皆の方が女の子同士だし、話が合うんじゃないかな?」

ニッコリと微笑むシンジに、マリはポッと頬を染めてしまう。
マリも死徒で在るが故に、レイやアスカと同じようにシンジの魂の輝きが見えている。

(まずいなぁ、本能が刺激されるぅ…)

だが、現状、マリは、本能に身を委ねる訳には行かなかった。
その首に付いているものが、シンジ達に迷惑を掛ける可能性がある。
そんな葛藤にモジモジしているマリを、シンジは、艶っぽいなぁなどと眺めているだけだった。

最近のシンジは、自分から話題を作ろうと言う努力をしない。
いつも誰かが居たため必要なかったのだ。
だから、現在もマリを見ているだけだ。
何か話が有るなら、相手から話掛けて来ると言うスタンスが自然と身に付いている。

程なくメイド姿の使用人が、飲み物を持って現れた。
シンジは、自分の分とマリの分をテーブルに持って来さすと、その他はそのままで良いと使用人を下がらせる。

そこへ、一番乗りのアスカが登場した。
濡れた髪にタオルを巻きつけ、際どい長さのバスローブ姿、何故か首輪は、付けたままだ。
風呂に入ったのだから、一度外してまた付け直したと言うことだろう。

「で、何の用だったわけだ?」

自分の好みの飲み物が有るのを見つけると、それをさも当然の用に取り、アスカは、シンジの隣に腰掛けた。

「挨拶に来ただけらしいよ?」
「ふぅ〜ん」

と言いつつ、アスカは、マリを見ながらシンジの腕に絡みつく。

「じゃぁ、質問を変えるぞ。貴様は、誰とどんな契約を交わしてここに来たのだ?」
「えっ?」

マリは、行き成りのアスカの設問に口篭る。

「答えられないか」
「いえ、えと私は、誰とも契約していないよ。ちょっとへましてこの首輪を付けられちゃって。てへ」

舌を出して、笑うマリ。
妙に、その仕種が似合っている。

「それで、従っていると?」
「だってこんなの何れ壊れるし、これを付けた奴だって精々後数十年って命でしょ?こんなのも偶には良いかなって」

「…退屈だったのね」
「あは、そんなところかな」

間に入って来たのは、レイである。
着ている物は、シンジのカッターシャツに、こちらも何故か首輪は付けたままだ。
白い下着を履いていて、カッターシャツの裾から覗くそれは、扇情的だ。
レイは、アスカと反対側でシンジの腕にしがみ付く。

続いてきたマユミは、シンジの足元に座り、シンジの脚に寄り添う。
マナとヒカリもシンジの足元で、シンジに寄り添っていた。
マユミは、薄いシースルーのキャミソールで、マナは長めのTシャツ、ヒカリは薄手のワンピース姿だ。
因みに皆、白を基調とした下着を着けていて、何故かやはり首輪も付けている。

「どうして従者にしないのだ?」
「あんな奴に、永遠に付き纏われると思うと鳥肌が立つから」

その言葉に、レイとアスカは、成る程と頷いた。
従者にすると、その者は、常に主と共に居ないと狂ってしまう。
マヤを見ていれば解るところだ。

「でも、そいつに自由にさせているんだろ?」
「被虐趣味なだけかな」

「…ここにも変態が居た」
「解らなくも無いがな」

やはり、純粋な死徒と言う事なのか、会話を行うのは、主にレイとアスカとなってしまう。
マユミ達は、結局14歳の中学生である事に変わりなく、経験値で言うと遥かに低い。
そんな所に全裸で尻尾と首輪を付けたマヤが、四つん這いで歩いて来た。

周りの者には、目もくれず、シンジの足元に来るとシンジを見上げる。
シンジは、マヤの頭を撫でてあげると、マヤは嬉しそうに微笑み、お尻を振った。
それを目の当たりにしたマリは、少し引き攣っている。

「マヤさん?マリさんが見てるよ」

シンジの言葉に振り返ったマヤは、そこに普通に服を着ているマリを見、一瞬固まる。

「い、いやぁ〜っ!」

マヤは、その場で出来る限り身体を小さくしているが、身を隠す事には役立っていない。
そんなマヤの頭を撫でながら、シンジは優しく呟いた。

「駄目だよ、マヤさん、何時ものようにしていて」
「は、はい」

シンジに言われると、恥ずかしいのだが、なんでも言う通りにしてしまう。
そんなマヤのお尻をマナとマユミが遊びだした。
恥ずかしさのあまり、マリの方を見る事が出来ないが、抗う事も出来ない。

「うわ、君って鬼畜だったんだね」
「鬼畜って…彼女が望んだ事だよ」

「ね?私もここに住んで良い?」
「構わないけど、その首輪は、面倒だね」

「あ、やっぱりそうだよね」
「取っちゃえば良いじゃん」

シンジの言葉にシュンと落ち込んだマリに、マナがなんでもない事のように言い放った。

「ちょ、ちょっと勇気が居るなぁ、無理に取っても復活出来るとは思うけど…」
「一瞬なら大丈夫じゃない?」

「マナ?どう言うこと?」
「だから、マユミかレイの力で首をスパッって切って、サクッとはずして、パカッとヒカリにくっつけて貰うの」

やけに擬音が多いマナの言葉に、皆、苦笑を漏らす。

「え?わ、私?」
「なんならマナちゃんの身体で練習してからでも良いよ」

そんな事が出来るのかとオドオドするヒカリに、マナは平然とそう言いのけた。

「そ、そんな…他人に練習台になってもらうなんて出来ないよ」
「じゃぁ、一発勝負でやってみる?」

「え?」
「真希波・マリ・イラストリアスさん?」

「は、はい」
「僕達に、命を預けてみる?」

マリは、シンジの微笑みに思わず頷いてしまっていた。
腕や、脚ぐらいなら自分達の力だけでも、元通りに治るのは解っているが痛いものは痛い。
それを、首を切り落とすと言うのに、頷いたマリにシンジの方が驚いてしまった。

「じゃぁ、早速脱いでみよう!」
「え?な、何故?」

「だって、血だらけになっちゃうよ?」
「あ、そ、そっか」

そう言いながら、スカートを下ろすマリも、やはりどこか壊れているのだろう。
タータンチェックのスカートとブラウスを脱いだマリは、黒いパンストに下着が透けている。
ブラジャーは、下とお揃いのようで、かなり大き目だ。

腰の細さが胸の大きさを強調していて、少し歪な感じさえする。
下着まで躊躇なく脱いだマリを、マナとマユミが拘束に掛かった。
全裸で両手、両足をX字に広げられ拘束されるマリ。

羞恥心は有るのか、全身紅潮しているのが解る。
胴体にもベルトをされ、それに鎖が繋がり、力が抜けても身体が動かないように固定された。
しかし、そんな格好で、ここの住人が放っておくわけがない。

案の定、拘束を行っていたマナがマリの大きな乳房を弄ぶ。
マユミもその細い腰からお尻に掛けて、嘗め回していた。
アスカが何時の間にか参戦し、マリの股間を前から弄くる。

「レイ、ヒカリ、マユミ」
「…はい」
「「はい」」

レイとヒカリは、元々シンジに引っ付いていたため、顔を少し上げて返事をしただけだ。
マユミは、返事をすると急いでシンジの下へと遣って来る。

「多分最初からヒカリが頭を持って痛みを和らげてあげる必要が有ると思う」

シンジの言葉にヒカリがコクリと頷いた。
以前のヒカリであれば、そんな状況なら気絶してしまうだろうが、今は、皆の救護役としてかなりグロテスクな傷も平気で見ている。

「マユミは、ヒカリが首を上げた時に代わりにあの首輪が入るように、皆の首輪を買った時に付いてきた奴から丁度良さそうな物を探して来て」
「畏まりました」

シンジの言葉を聞くとマユミは、すかさず自分の部屋へと物色しに行く。

「綾波は、出来るだけ薄く鋭利に彼女の首を切ってあげて」
「…問題ないわ」

「じゃぁ準備が出来るまで待っていようか」

ヒカリは、アスカが居なくなったのでシンジの隣を陣取っていた。
レイと二人でシンジの腕にしがみ付き、その手を自らの股間へ誘導している。
シンジの股の間では、マヤが、シンジの物を咥えていた。

「浣腸もしておいた方が良いだろう」
「え?」

「首を切られた時に、糞尿を垂れ流したら恥ずかしいだろ?」
「今、浣腸されるのも恥ずかしいけど…」

アスカは、マリの言葉を聞いているのか、楽しそうに浣腸の準備をしていた。
はっきりいってここの拘束具など、彼女達に取っては、なんの意味もない。
自らの力を使えば、ここにある拘束具などでは、拘束しているうちに入らない。

それでも彼女達が、そのまま拘束されているのは、シンジに愛撫されたいのが前提なのだが、マリはまだシンジに血を吸われた訳ではない。
つまり、自ら拘束から逃れる意思が無いと言うことだ。
マリにしてみてれば、敵対する意思が無いと言う示威行為でもあるのだろう。

本人の性癖も多分に含んでいるのは、確かだと思われるが、そこは定かでは無い。
マリは、マナに愛撫され、アスカに蹂躙され恍惚とした表情でシンジを見ていた。

(あぁ…駄目…私も…)

マリの眼には、シンジは光輝いて見えている。
遠くから双眼鏡で見るのとは違い、目の前で見れば今まで見たことも無い魂の輝きだ。

「あ、あのさ…き、君」
「ん?僕の事?」

マリの言葉にシンジが返すと、コクコクとマリは頷いていた。

「何?」
「ち、血を…吸ってくれないかな?処女じゃないけど…」

それは、血の契約の申し出。
単純に血を吸うだけなら、シンジの隷属となってしまう。

「血を吸うだけで良いの?」
「その後は、君次第」

そんな事を聞かずとも、シンジが血を吸ってしまえばマリには、本来、要求する事は出来なくなってしまう。
それでも、血を吸われる前に言う事が、彼女の誠意だったのだろう。

「…貴女の処女を奪った者は?」
「もう、この世には居ない。何百年も前の話」

「…血を吸わなかったの?」
「私は、今まで誰とも契約した事がない」

レイの質問に素直に答えるマリは、少し寂しそうであった。
死徒になったからと、死なない訳では無い。
それこそ、跡形も残らない程、灰にするか、首から上を消滅させるだけでも構わない。

木の杭や、銀の剣で心臓を突けばと言うのは、迷信に過ぎないが。
マリからすれば、捕まえてすぐ血の契約を行われなかった方が不思議であった。
シンジ達には、それだけの力が有る事は一目見て理解している。

そうなれば、そうなったで構わないかと言う、マリにはお気楽なところが多分にある。
永遠と言える生では、生半可な目標などすぐに達成してしまう。
その時その時で、楽しいと思える方向へ行く。

それが、マリが導き出した生き方だったのだ。
浣腸され、内臓の中身を他人の前に曝け出した肛門を、今は一心不乱にマヤが舌を潜り込ませている。
そんな中、マリは、未だシンジから顔を逸らさない。

マユミが、マリの首と同じ太さの筒を持って来て、準備は整った。
マナとアスカとマヤで蹂躙され、マリは、体中紅潮させている。
ヒカリは、かなり緊張している様子だ。

シンジは、マリに近付くと優しく口付けをした。

「本当に良いの?」

マリは、コクリと頷く。
赤い縁の眼鏡の奥の瞳は、嬉しそうに輝いている。
シンジは、そっとマリの首筋に唇を這わせると、徐に血を吸った。

「ぅぁあぁっ!」

絶叫と共に、体中に痙攣が走り、股間からは、潮を吹いている。
シンジは、自らの腕に傷を付け、その血傷口をマリに宛がう。
マリは、まるで薬物の中毒患者のように、その傷口に貪りつき、シンジの血を吸った。

「罪作りな男だな」
「全くです。こんな女垂らしになられるとは、思いもよりませんでした」

全裸で言われても何の説得力も無いが、アスカとマユミは、同時に溜息を吐いていた。

翌日、マリは、シンジ宅のベッドで寝息を立てていた。
マリが、快感に酔いしれていたため、事は、想いの他上手く運んだが、それでもやはり、首を切って繋げるなどと言うのは、かなりな負担であったのだろう。
ベッド脇には、一晩中付いていたヒカリが、マリの手を握り同じように寝息を立てている。

まず、首輪自体を首の上の方で固定し、ヒカリがその首を支えていた。
マユミの合図でレイが首輪の下に絶対零度の幕を張る。
身体と首が離れると、マユミが首の下に用意していた筒をあわせ、そこに首輪を滑らせる。

マユミが、首輪ごとその筒を退けると、ヒカリは、首を胴体に付け、治療を始める。
その間、十字に貼り付けられているとは言え、身体は弛緩するため、マナとアスカが身体を支えていた。
そもそもの生命力と、ヒカリの治癒能力で、今では、首に包帯が巻かれているが、粗、傷跡は完治している。



薄っすらと眼を開けていくマリ。
眩しいばかりの白が眼に飛び込んでくる。
身体の中に暖かい何かが流れ込んで来ているのを感じる。

その根源を探ると、それは、自分に繋がれている手であった。
その手の持ち主も、今は、ベッドに頭を擡げている。
マリは、その自分の肩のところに有る、長い髪を握られていない方の手で撫ぜた。

自分でも不思議な行動だった。
こんな風に人の頭を撫でたのは、何時以来だろう?
遠い記憶を呼び起こしても、自分がそんな事をした記憶は、ない。

また、撫でて貰った事も思い出せなかった。
そう言えば、昨夜、シンジは、皆の頭をかなり撫でていたなぁと思う。
羨ましかったのかな?と、ふと笑いが漏れた。

「あっ!私眠っちゃって…ごめんなさい」

ヒカリが眼を覚まし、眼を擦りながら謝っている。

「うぅん。有難う。ずっと付いててくれたの?」
「え?えぇ…」

ヒカリは、穏やかなマリの笑顔に、思わず顔を赤くしてしまった。
眼鏡を掛けていないからか、とても優しく見えたのだ。
マリは、ヒカリの態度に少し違和感を感じたが、特に気にしなかった。

「皆は?」
「多分、居間に居ると思います。もう大丈夫なんですか?」

「うん、何故かとっても気分が良いみたい」
「首は、大丈夫ですか?」

そう言われてマリは、自分の首に手を当てた。
包帯が巻かれているが、特に痛みを感じない。
ゆっくりと動かしてみるが、問題は無さそうであった。

いつも有った首輪が無いのは、少し物足りない気がしたが、気が軽くなったのも事実であった。

(あの男の楔も外れたか…)

そんなふうに感じてしまう自分が妙に可笑しい。
そう考えてヒカリを見るとチョーカーにも見えるような首輪をしている。
自分も欲しいなと想いながら、マリは、返事をした。

「うん、大丈夫みたい」
「良かった!じゃあ皆の所に行きますか?」

「そうしようかな」
「衣類は、こちらに入ってますから」

着替えようと身体を起こしたマリは、自分が全裸であることに漸く気がつく。
しかし、ここには、ヒカリしか居ないようなので隠す必要もないと簡単に結論付けた。

「私の服は?」
「あっ!それは、こちらに」

そう言ってヒカリが差し出した物は、クリーニングに掛けたのか全てビニールに包まれていた。
それを見て、マリは、本格的に違和感を感じた。

「私、どれくらい寝ていたの?」
「え?えぇっと1週間ぐらいです」

マリは、漸く、違和感の原因が解った。
解ったと共に、生理現象が発生する。

「お腹空いた」

マリの言葉にヒカリは、呆気に取られたが、暫くすると笑い出し、二人は、暫く笑い転げていた。



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新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。
拙著は当該作品を元に作成した代物です。
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