第壱話
誰が為に


「赤は嫌いだ・・・」
少年はポツリと呟く。

少年の前には赤い海、赤い空。
そのお陰で、白い砂浜も赤く見える。

少年の横には、今まで人が着ていたかの様な形で存在する赤いプラグスーツ。

「赤は嫌いだ・・・」
少年はそのプラグスーツを見て、もう一度呟いた。

どれくらい、その場に座っていたのだろうか?
沖の方に見える巨大な綾波レイの顔が少し崩れ落ちた。
その反動で波が押し寄せてくる。

「津波になるかな?」
少年は暢気に呟いたが、その波は津波程、大きくなる事はなかった。
最後の力を振り絞る様に少年の元に辿り着く波。
その波は、少年の足へ辿り着く寸前で途絶えた。

「綾波の眼も赤かったな・・・」

その時、少年の眼の前に蒼白い光が揺らめいた。
「綾波?」
少年はその光がなんとなく綾波レイの様な気がして、そう問い掛ける。

力無く瞬く蒼白い光。
少年は確信した。

「もう身体を維持する事さえ、幻影を見せる力さえ残ってないんだね」
蒼白い光の元へ行き、慈しむ様にその光に覆い被さる少年。

「そう、僕が、赤が嫌いだって言ったから・・・」
少年と一緒になりたかった綾波レイは少年の願いを叶え、少年を赤い海から出した後も少年の側に居続けていたのだった。

「綾波の瞳の色は好きだよ」
その言葉に、青白い光は輝きを増す。

「綾波の瞳は澄んだ深紅の紅だったからね、この世界の赤みたいに濁ってない」

「でもね?綾波、僕は君を許せないんだ。だから僕に償ってくれるかい?」
蒼白い光は困惑しているように揺らめく。

「解ってる。君にはもう何の力も無い事は。だから僕が君に身体をあげる」
少年がそう言うと蒼白い光の周りに赤い海の一部か吸い寄せられるようにして、集まっていく。

赤い液体が人の形を取り、蒼い光に包まれていく。
徐々に形を成していく蒼白い光。
そして徐々に光が落ち着いていき、そこに現れたのは、在りし日の綾波レイであった。

ゆっくりと眼を開けるレイ。
その瞳はルビーの様に澄んだ深紅。

「・・・碇君」
レイが怖ず怖ずと紡いだ最初の言葉だった。

「綾波」
少年は全裸のレイを抱き締めた。

「・・・ごめんなさい」
レイは少年の背中に手を回しつつも、眼に涙を浮かべてそう言った。

レイには解っていた。
少年が既に壊れている事を。
そして少年を壊した原因の一つは紛れもなく自分である事を。

「償ってくれるんだね?」
コクリと頷くレイ。

少年が片手を挙げると、絞首台の様な物が浮かび上がり、そこにレイは両手を縛られ万歳をした形で吊り上げられる。
余りに非現実的な光景だが、レイはそれを受け入れていた。

「まずは、これだよ」
少年は6メートルも在ろうかという一本鞭を手にしていた。

ビュンッ!
ビシッ!

「うっ!」
鞭が風を切る音と共に肌を切り裂く音がし、同時にレイが呻く。
レイの背中には一本の赤い線が斜めに描き出された。
そこから徐々に染み出してくる赤い血。
雪の様に白いレイの肌に、それは鮮烈なオブジェとなる。

「ふふふ」
少年は笑みを浮かべると、再び鞭を振った。

ビュンッ!
ビシッ!

「ぐぅっ!」

ビュンッ!
ビシッ!

「がはっ!」

レイの胸やお尻に何本も鞭の跡がつき、そこから血が染み出している。
打たれる度に耐えているレイのくぐもった呻き声が漏れる。

数十発も鞭を浴びせ、レイの身体に真っ赤な線が無数に刻まれた頃、少年はレイに近付きその傷跡を優しく撫でる。

「綺麗だよ、綾波、君の瞳の様に紅い線が」
そう言って少年はレイの傷跡を優しく舐めた。

「あぅっ!」
痛みとむず痒さでレイは仰け反る。

少年の手が恥毛も生えていないレイの双丘をまさぐった。
「ぐぅっ!」
「濡れてるね」
レイは俯いて紅くなった。

少年が縄を引っ張るとレイの片足が足首から持ち上げられ、垂直に真っ直ぐ上に上がった所で固定される。
隠しようも無い程、露わにされた股間。

「光ってるよ」
そう言って少年は露わになった股間に指を這わした。

ズリュッ
「ぐはっ!」
少年はレイの股間に指を差し入れた。
股間に血が流れ落ちる。

「破けちゃったね」
レイは身体を作られた時に処女膜も再生されていたのだ。

「はぁはぁはぁ・・・」
レイは快感と痛みで息が上がっている。
しかし少年を見る眼は潤んでいた。

「はぁはぁ・・・い、碇く、んんっぐ」
レイの言葉を無視し、少年はレイの肛門にも指を入れた。

「んっはっぁぁぁ」
「綾波って淫乱だね」

しかし、それは少年のせいだった。
アンチATフィールドを纏わせ快感を与え続けているのだ。

レイは少年と一緒になりたいと言う魂の欲望がある。
少年から与えられるアンチATフィールドによる魂の接触は何者にも代え難い快感なのだ。

少年はレイに口付けた。
レイは貪る様に少年の唾液を啜る。

少年はレイの胸を潰れるぐらい握り締めた。
「ぐぅっ!」
それでもレイは少年の唇を啜り続ける。

立位でレイと繋がる少年。

「んぐっ・・・っはぁっ」
両手でレイのお尻を鷲掴みに掴んで支える。

少年が唇を離す。
二人の唇は唾液で繋がっていた。

少年の腰のグラインドが徐々に早まる。
レイは抱きつきたくても抱きつけない体勢のため少年の肩を噛む。

それには声もあげず、更に腰の動きを早くする少年。

「ぐぅっうっうっあぅっ」
レイの声にならない声が響き渡る。

少年の腰の動きが止まった。
汗ばんだ身体を抱き締める少年。
そんな少年にレイは身体を預けていた。

収縮するレイの股間の感触を、自らの性器で堪能する少年。

レイの髪は汗でベッタリと顔に張り付き、体中汗が噴き出していた。
傷に汗が滲みるが、それよりも強い脱力感に身体を動かす事が出来ない。

少年のレイへの責めは延々と続けられた。
快感と痛みを与える責め。

それは拷問だった。
少年は赤い海の知識からありとあらゆる責め道具を具現化した。

レイはそれら全てを使用され責め続けられたのだった。
中世の魔女裁判で使われた様な手枷、足枷に始まり三角木馬や怪しい二股の張り方。
ナチスがユダヤ人に使用した拷問具等、ありとあらゆる拷問具が使われた。
手足を引き千切られた事もあった。
体中、穴だらけにされた事もあった。
首だけしか残らない事もあった。

医療器具と思われるような開脚台や浣腸器、尿道カテーテルや手術器具等も使われた。
内臓まで抉り出され、何もかもさらけ出された。

時には首輪を付けられ、四肢を切り取られ犬の様に散歩もさせられた。
身体の苦痛と快感と共に魂の快感を与えられるレイ。

そして最後に少年は元の身体に戻したレイの膝枕で眠るのだった。


「ねぇ綾波?」
「・・・なに?」
少年を膝枕し、少年の髪を撫でていたレイ。

少年はレイを責め続ける事によりレイに対し何物にも代え難い愛情を育んでいた。
代りにレイは少年に隷属していった。
それは、ゲンドウに縋っていた時の様なものではなく、完全に少年のために存在すると言うもの。

そこにあるものは無償の愛。
何の見返りも求めない、ただ少年のためだけに、少年の望む事を。
それは狂愛とも呼べた。
お互いがお互いに抱いている物、それは表現こそ違え、全く同質の愛情であった。

「ゲンドウには抱かれていたんだよね?」
「・・・・・」
少年の問い掛けにレイは俯いている。

少年はじっとレイの返事を待った。
「・・・あれは命令」
「本当に?」
少年は意地悪く言うとレイの股間に指を入れる。

「うっ・・・」
「本当の事を言わないと酷いよ」
少年はレイのクリトリスをいつでも引き千切れる様に摘む。

「・・・あの身体は司令に作られたからっぐぅ!」
「じゃぁ今は僕に作られたから僕の言う事を聞いているの?」

「はぁはぁはぁ・・ち、違ぅぅっう」
「どう違うのかな?」

「・・・い、碇君と一緒に居たい・・・今はそれだけ・・・っぅん」
いつの間にか少年はレイの乳首も摘み上げていた。

そして膝枕のまま上を向くとレイの顔を引き寄せる。
「んむぅっん・・・」
少年はレイの唇を塞いだ。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ」
漸く唇とその他のところも解放されたレイは息も絶え絶えだった。

この質問はレイとの間で何度も繰り返されている。
有る意味、二人に取っては儀式となりつつある。
少年は、それを言葉に出し、レイを責める事により、レイを感じるのだった。
レイの方も、それを責められる事により当時ゲンドウと行っていた事に対する罪悪感を薄れさせる事が出来た。
それは決して無くなる事はなく、永遠に少年にその事で責められるであろう。
しかし、レイはその事により少年に必要とされていると感じる事が出来るのであった。

少年は優しくレイを抱き締め軽く愛撫する。
レイはこの一時が好きだった。
そしてこの後に行われる拷問に期待と戦慄を覚えるのだった。

まさに二人は倒錯の愛情で成り立っていた。



「ねぇ綾波?」
「・・・なに?」
レイはまた、いつもの質問かと思い胸を躍らせていた。
そして、優しく少年の髪を撫でるレイ。

「綾波にだけ償って貰うのは不公平だよね」
「・・・構わないわ」
レイには少年の言葉の意味が掴み取れなかった。

「僕は、この世界に独り取り残された事が贖罪だと思うんだ」
「・・・碇君は悪くないわ」
レイは少年が苦しむ事が何より辛かった。
レイにとって少年が少年自身を責める事は耐え難い辛さなのだ。
それならば自分にその矛先を向けてくれれば良い。

「でも、また綾波を責めて罪を重ねてしまった」
「・・・私が望んだ事だわ」

「何もしなかった僕が一番悪い事は解っているんだ。でもね、父さんやミサトさんやリツコさんやアスカやゼーレや皆、そう皆があの赤い海で平和で居るのって狡いと思わない?」
「・・・そうね」
レイは漸く少年が何を言いたいのか理解した。

そう、レイは自分が少年を苦しめていた一端であった事は理解している。
しかし、周りの誰も少年を助けなかった事も知っていた。
それより、自らの思いのために少年を率先して苦しめた者が多かった。

「綾波、今までありがとう」
「・・・いい」
レイは顔を紅く染める。
お礼を言われ慣れていないのだ。

少年は優しくレイを抱き締め軽く愛撫する。
レイの至高の一時だ。

「一緒に過去に行かないかい?」
「・・・過去?」
レイは首を捻った。
現実的に過去に戻るのは不可能なのだ。
いや、現在膨張を続けている宇宙を収縮させれば可能ではある。

しかしそれは、結果の後に原因が起こる時間軸となり記憶や実感さえも戻してしまう事になる。
つまり意味がないはずなのだ。

「本来時間を巻き戻すと僕自身の記憶も体感も戻ってしまい意味が無いんだけど、僕が力を使って戻すから僕の中では直線的な時間軸となるのさ」
つまり、少年が宇宙を含むこの空間自体を遡らせる事は少年の時間軸では今の延長となると言う事であった。

「・・・この世界はどうなるの?」
「どうにもならないよ、この世界の延長として存在する」
「・・・そう」
別にこの世界に少年が居ないのであればレイに未練はなかった。
例えそれが、赤い海に溶けている全生命を見捨てる事であっても、今のレイには大した事ではない。
むしろ少年を拒絶した世界なのだから滅んでしまえば良いとすら思っていた。

「嫌かい?」
「・・・碇君が思う通りにすればいい」

「綾波ならそう言ってくれると思っていたよ」
そう言って少年はニッコリと微笑んだ。
それは、レイが欲して止まなかった微笑み。
自ずとレイも微笑んでいた。
それは少年が欲して止まなかった微笑み。

二人は憎悪の対象を外に見出す事により、漸く微笑み合うことができた。
そして、ここに邪神が誕生してしまった。

内罰的であった少年がレイに向けた罰。
その事により育んだ愛情により少年は更なる内罰に蝕まれたのだ。
そして、それを解放するために新たな対象を作ってしまった。

少年の内罰はメビウスの輪のように止まるところを知らず周り続ける。

「そう、僕は全ての罪の象徴。そして僕を作った者達には贖罪を、そして二人で楽しく暮らそう」
少年は再びニッコリと微笑んだ。
レイもニッコリと微笑む。

「だから、綾波、その身体を一度捨ててくれる?」
「・・・構わないわ」

パシャン

LCLに返る綾波レイの身体。
そこに残る蒼白い光を少年は包み込み吸収する。

そのまま時間を戻すとレイも元に戻ってしまう。
そのため、少年はレイの魂を一時自分に融合させたのだ。

「綾波から貰った力を使わせて貰うよ」

そして世界は反転を始める。
反転している事を体感しているのは少年だけだ。

戻って行く世界。
少年は今まで辿って来た日常を逆回転で実感する。
最初はレイを責めている時間。
長い長い時間レイを責め続けていた事を少年は理解した。
そして漸く初号機の中へ戻る。
そこから約1年の時間を掛けて事象を反転させて行く。
魂が同化しているレイは初めて少年が何を体験してきたかを実感した。
それは結果が先に起こっているため、更に鮮烈に感じられ、後の原因を感じる事によりその意味を理解した。



少年が独りLCLの海から帰った時、カヲルとレイから力を継承していた。
それ故にレイには力が残っていなかったのだ。

カヲルは少年に力を渡す事により少年と同化してしまった。
カヲル自身も少年と共にあることを望んだためだ。
逆かもしれない。
カヲルが少年と同化したために少年に力が継承されたとも言える。

ではレイは何故同化しなかったか?
それは少年を心配する心が残ったのだ。
少年の行く末をせめて見守ろうと思いずっと少年と共に居たのだ。



少年はサードインパクトの1年前の姿、第二新東京市の預けられていた家に居る姿まで遡った。

「ぐっ!」
そこで時間の反転を止めた少年に苦痛が走る。
今まで後ろに向かって走って居た車が、急に前に走り出した様な物である。

「ぐぅぅぅぅぅうっ」
それを物理的に感じているのは少年だけだが、その事に力を使って制御していた少年には一身に苦痛が被さる事になった。

バタンと倒れ込んだシンジだったが、すぐさま起き上がる。

「ふぅ、一回減速して止めるぐらいの事をすればよかったな?」
先程までの苦しみ方が嘘のように清々しい顔をするシンジ。

「次ぎは綾波だな」
そう言うとシンジは家を後にした。

シンジが戻ったのは呼び出しの手紙が来る1週間程前だ。
部屋はシンジのために庭に建てられているプレハブの部屋。
多少、シンジが居なくても家の人間が気付く事はなかった。

そして第三新東京市の外れにある朽ち果てたマンション群にシンジは居た。
綾波レイが登校してくるのを待っているのだ。

階段を下りてくる蒼銀の髪。

シンジは通り道でレイを待ち伏せ、声を掛けた。
レイの護衛からは死角となる位置で。

「綾波レイ」
「・・・あなた誰?」
周りに無関心なレイもシンジには異質な物を感じ、問い掛けに答える。

(・・・この人、私と同じ感じがする)

「君にこれをあげる」
そう言うとシンジは蒼白い光をレイに差し出した。
それは、赤い世界に居たレイの心。
レイの魂は時間を戻す事により今の綾波レイとなっている。
少年は、このレイの心だけは自分の魂で囲みここまで持って来ていたのだ。

「・・・何?」
レイはそれを拒否する暇も無く、その蒼白い光はレイの身体に吸い込まれる様に入って行く。

「ぐっ・・・」
苦しそうな顔をするレイ。

倒れ込んで来たレイをシンジは抱き留めた。

「・・・碇君」
レイは潤んだ瞳でシンジを見上げる。

熱い口付けと抱擁でシンジはレイを包む。
「今はこれで我慢してね」

上気した顔でレイはコクリと頷いた。

「気分はどうだい綾波?」
「・・・問題ないわ」

「そう、じゃぁ僕が呼び出されるまで我慢していてね」
「・・・解ったわ」

「この世界は生命に満ちあふれているね」
「・・・そうね」
朽ち果てたマンション群に居てもシンジとレイにはそう感じられた。

「後、ここのリリスは取り込んでおいてくれるかな?それで綾波も力が使える」
「・・・了解」
レイはニッコリと微笑んだ。
シンジも微笑む。

そしてレイは学校へと向かった。
シンジと今まで一つになっていたため、シンジが何を考えているかは解っている。
レイはこれから起こる事が楽しく待ち遠しかった。

シンジは第二東京市へ戻った。



一方レイの方は大変な事になっていた。

大変な事とは、レイの定期検診でそれまでアボトーシスを起こしていて遺伝子的治療を行わなければならなかったレイの身体がアボトーシスを起こしていなかったためだ。

これをゲンドウは時が近付きレイの身体が安定したと結論付けた。
しかし、リツコには納得できなかったのである。

集中的な再検査を進言したが、時が迫っているため零号機の起動実験を優先させるようにゲンドウから言われた。
それはゲンドウが陰謀を巡らせるために早く準備を整えられないと困るからであった。

そしてゲンドウはシンジを呼び出す手紙を出す。
当日、初号機に乗せるために。

リツコは、ゲンドウの指示通り、起動実験前日には実験準備が整わせていた。
リツコから説明を受けるゲンドウ。
そしてその夜、ゲンドウはシナリオを作成する。

ゲンドウの思惑を余所にレイはターミナルドグマに来ていた。
シンジに言われた通りリリスを取り込むためだ。
明日、零号機の起動実験が行われる。
今のままなら、史実通り零号機は暴走するだろう。
それがゲンドウのシナリオだから。

第一中学の制服を脱ぎ、下着をも脱ぎさると、レイはリリスに吸い込まれていく。
「ただいま」
おかえりなさい・・・
この時のリリスは、まだ胸から上しかない。
リリスは下半身を生成するのではなく、そのまま収縮していき、元の綾波レイの姿となった。


翌日、色々な思惑の中、行われる零号機の起動実験。
ゲンドウの予定では、これでレイに楔をうちつけ重傷のレイをシンジを初号機に乗せる切り札とできるはずだった。

予定通り暴走する零号機。
緊急射出されるエントリープラグ。

ゲンドウも予定通り、救護班を遠ざけており、一番最初に打ち出され、落下したエントリープラグに辿り着いた。

今まさに緊急ハッチにゲンドウが手を掛け、その熱さに怯んだ時、ハッチが内側から吹き飛んできた。
ゲンドウは、吹き飛んできたハッチに吹き飛ばされた。

何が起こったのか解らず呆然とするゲンドウ。
エントリープラグから自力で出てきたレイは、そんなゲンドウを一瞥すると自力で救護班の元へと向かった。

今のレイが零号機の起動に失敗するはずはない。
この暴走が仕組まれた物である事をレイは確信したのだった。

吹き飛ばされ呆然としていたゲンドウもその後、救護班により病院へと連れて行かれる。
手の火傷と吹き飛んできたハッチによる打撲と骨折の為だ。
ゲンドウは肋に罅が入っていたのだった。

誰も幸せになれない未来が始まった。


続きを読む
戻る


新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。
拙著は当該作品を元に作成した代物です。
inserted by FC2 system