第弐話
開演


『本日12時30分、東海地方を中心とした、関東地方全域に特別非常事態宣言が発令されました。住民の方々は速やかに指定のシェルターに避難して下さい』

人一人居ない駅のホームでは無機質な機械的なアナウンスが流れている。
澄み渡った青空の上に、銀色に輝く戦闘機が一筋の白線を描いていた。

「ふふふ・・・」
不気味に笑う少年。

黒髪に黒い瞳。
どちらかと言うとひ弱な感じに見える中性的な少年だった。

そして少年は、あたかもそこに何かが現れる事を知っていたように一点を見つめている。
程なくアスファルトの上に、蜃気楼のように頼りなく立ち尽くす、中学校の制服らしい物を纏った蒼銀の髪に紅い瞳の少女が現れた。

「もうすぐだよ綾波・・・」
少年はその蜃気楼のような少女に向かって微笑む。
その少女も微笑むと陽炎のように消えて行った。

少年の周りには轟音と共に降り注ぐ瓦礫や、巨大な生物によって叩き落とされた戦闘機の残骸等。

しかし、少年はそんな物は歯牙にも掛けず歩いていた。

けたたましいブレーキ音を響かせ青いスポーツカーが少年の前にドリフトで滑り込んでくる。

「お待たせっ!!」

ドアが開き、サングラスをかけて黒いチャイナスーツを着た葛城ミサトが悪びれもせず顔を出す。
少年は一督すると、そのまま助手席に乗った。

少年の態度を怪訝に思うも、今は一刻を争うため、ミサトはギヤをバックに入れ、その場をスピンターンで離れる。
そこに巨大生物の足が踏締められる。
後、数秒、発進が遅れたなら踏みつぶされていただろう。

ミサトはそのままハイスピードで市街から抜け出した所で車を止め、双眼鏡で状況を伺っていた。

(航空部隊が引き揚げた、機甲部隊も?時間は?)
「まさか、N2地雷を使うつもり!!シンジ君伏せて!!」

そう叫ぶと同時にミサトは、シンジの上に覆い被さる。

辺り一帯を閃光で白一色に染め上げ、それに続いて地球が砕けたのではないかと思える轟音、最後に、1t以上もある車をいとも簡単に転がす爆風が二人に襲い掛かった。

「ぷっ」
少年は口に入った砂利を吐き出した。

「大丈夫だった?シンジ君」
「えぇお陰様で貴重な体験をさせて貰えました」
それは、遅れてきて悪びれもせず、暢気に戦場を観察していたためにN2爆雷に巻き込まれた事に対する嫌みだったがミサトはそんな事を歯牙にもかけなかった。

「それは結構、それじゃぁちょっち手伝ってくれるかな」
縦になっている車を戻す方が先決らしい。

「せぇ〜のっ!」

ミサトのかけ声と共に車を押し、車をなんとか元の体勢に戻す。

「葛城ミサトよ、ミサトでいいわ、改めて宜しく、碇シンジ君」
「・・・よろしく」
差し出された手を握りつぶしたい衝動に駆られたがなんとか押さえ、それだけを口にするシンジ。

「無口なのねぇ?もしかして照れてる?」
「待ち合わせ時間に遅れた癖に悪びれもせず、暢気に戦場を見学している人に呆れているだけですよ」

「ぐっ!」
フレンドリーなお姉さんを演出しようとしていたミサトの目論見が早くも瓦解した。

(これは最初っから印象悪くしてた見たいねぇ・・・あぁ車もベコベコ、一張羅もボロボロ良いとこなしだわぁ・・・はぁ)



その頃、発令所では指揮権の委譲劇が行われていた。

軍人達のN2地雷による効果がなかった事への落胆。
ゲンドウと冬月はほくそ笑みながら指揮権を受け取った。

「碇君、総司令部からの通達だよ。只今より本作戦の指揮権は君に移った。お手並み拝見させてもらおう」

「我々国連軍の所有兵器が目標に対し無効であった事は認めよう。だが碇君!! 君なら勝てるのかね?」

「そのためのNERVです」
右手で直したサングラスの奥の目は、不敵な自信に満ち溢れていた。

「UNもご退散か・・・どうする?碇」
「初号機を起動させる」

「パイロットが居ないぞ?」
「問題ない・・・たった今予備が届いた」
(息子を予備呼ばわりかユイ君が聞いたら何と言うかな・・・)

『発令所』で監視カメラからのシンジの様子を複雑な思いで見ていたゲンドウは、副司令―冬月コウゾウ―を、予め用意していた返答で沈黙させると、再びシンジの映像を見つめて、一人の世界に沈んでいった。



ジオフロント内の薄暗い廊下に二人の足音が響いていた。

あれ以来シンジとミサトが話した言葉はIDカードを持っているかの確認だけだった。

そしてミサトは道に迷っている。
その事をシンジに悟られないようにしているつもりだが、もう同じ所を4回目だった。
しかし、シンジはそんなことには突っ込まない。
無駄だと思っているのだった。

ようやく二人は目的のエレベータに到着した。

チンッ

二人がたどり着くと同時に、近未来的な造りに似つかわしくない到着音を響かせ、エレベーターの扉が開く。

エレベーターの中からは、白衣を着た金髪の女性が出てきた。

「あ、あらリツコ・・・」
「何やってたの葛城一尉。こっちは人手もなければ、時間もないのよ」
「ゴミン」
片手を顔の前に出して謝るミサト。

リツコの顔がシンジの方を向いた。
「この子が例の男の子ね」

値踏みするようにシンジを見るリツコ。

「そぉっ、マルドゥックの報告書によるサードチルドレン」
腕を組みながらミサトが言う。

「私は技術一課E計画担当博士の赤木リツコ、よろしく。リツコと呼んでもらって良いわよ」
リツコが言うと、今までファイルを読んでいるふりをしてきたシンジが答える。

「・・・よろしく」
(報告書通り内気そうな子ね・・・)

「い、いらっしゃいシンジ君、お父さんに会わせる前に見せたい物があるの・・・」
「・・・・・」
シンジは返事もせず、先に歩き出したリツコに付いて行った。



発令所では、その様子をモニタで見ていたゲンドウが行動を起こす。

「では後を頼む」
ゲンドウは、そう言って専用エレベータに乗り発令所を後にした。

「三年ぶりの対面か」

「副司令、目標が再び移動を開始しました」
「よし、総員第一種戦闘配置」
後を頼まれた冬月が、本来ゲンドウが発令する戦闘配置の命令を下す。



けたたましく鳴り響く警報。

『繰り返す。総員第一種戦闘配置。対地迎撃戦用意』

「ですって」
「コレは一大事ね」
起こるべくして起こっている状況にミサトとリツコは用意された反応を示す。

「で、初号機はどうなの?」
「B型装備のまま、現在冷却中」

「それホントに動くのぉ。まだ一度も動いた事無いんでしょ」
「起動確率は、0.000000001%。オーナインシステムとは、よく言ったものだわ」

「それって、動かないって事?」
「あら失礼ね、0ではなくってよ」

「数字の上ではね。まぁ、どの道、『動きませんでした』では、もう済まされないわ」
ミサトは真剣な面持ちで自ら道化と知らずに道化を演じる。
この言葉からもミサトは初号機を動かす事を前提にしている。
レイが重症なのも解っている。
シンジがサードチルドレンとして呼ばれた事も当然知っている。
つまり、シンジを乗せなければ「動きませんでした」と言う事になる。
全くこの後の【無理だ】と反論するのがポーズであることが伺えると言う物だ。

そうこうしているうちに3人はケイジについた。 「着いたわ。ここよ」

何故か真っ暗なケイジ。
人の気配が無いわけではない。

パチッ

何も反応を示さないシンジに業を煮やしリツコは、ケイジに明かりを灯した。

暗闇に慣れた目に光が突き刺さる。
目の前には初号機が・・・ある。

シンジはただじっと初号機を見つめていた。

リツコはそんなシンジを見て驚いているのだと判断し、目の前にあるものについて説明を始める。

「人の造り出した究極の汎用人型決戦兵器。人造人間エヴァンゲリオン。その初号機。建造は極秘裏に行われた。我々人類の最後の切り札よ。」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」

驚いているのか何の反応も示さないシンジに暫く静寂が続いた。

「久しぶりだな、シンジ」
こちらも業を煮やしゲンドウが声を発した。

ゲンドウの方を一瞥し興味を無くしたように初号機に眼を戻すシンジ。

何かが違う、そうミサトとリツコは感じていた。
しかし、ゲンドウは、ただシンジが怯えて驚いているだけど確信している。

宴が始まる。

「ふっ・・・出撃!」
ゲンドウの開演の合図が響いた。

その時密かにシンジがほくそ笑んだ事を確認する者は居なかった。

「出撃!?零号機は凍結中でしょ!?まさか、初号機を使うつもりっ!?」
ミサトが今更ながらな事を喚く。

「他に方法はないわ」
「だってパイロットがいないわよ?」

「さっき着いたわ」
「・・・マジなの?」
リツコもそれに乗り貴方も解っているはずよと言葉を続ける。

周りにいた全員がシンジに視線を向ける。
これ程作業員達が居るのに、何故先程は真っ暗だったのかと思うとシンジは笑いを堪えるのに一苦労だった。

「碇シンジ君。あなたが乗るのよ」

「待ってください司令!綾波レイでさえエヴァとシンクロするのに七ヶ月もかかったんです!今来たばかりのシンジ君にはとても無理です!」

「座っていればいいわ。それ以上は望みません」

ゲンドウが高圧的に進める。
「乗るなら早くしろ。でなければ帰れ!」

シンジはただ黙って時を待っている。


ゲンドウは最後の詰めに出た。
レイは自力で救護班の元に歩いて行ったが、重傷である事には変わりがない。

「冬月っレイを起こせ!」

『使えるのかね?』

「死んでいるわけではない」

「もういちど初号機のシステムをレイに書き換えて、再起動よ!」
ゲンドウのシナリオを理解し、書き換える必要もないのに命令を出すリツコ。
まだシンジのパーソナルデータなど取っていないから、もともとレイのものだったのだ。

そんな事は知らず慌てたミサトが扉に向かうシンジをせき止め説得を試みる。

「シンジ君それでいいの?何をしにここまで来たの?逃げちゃ駄目よ!シンジ君、お父さんから、何よりも自分からっ!」

「貴方、さっき僕には無理だって喚いてませんでした?」
そこで漸くシンジが口を開いた。

一瞬、口籠もるミサト。
その時、扉が開きストレッチャーに乗せられた重傷の綾波レイが入って来た。

「レイ、予備が使えなくなった。出撃だ」
「はい・・・くっ」

小さな呻き声を上げながら起きあがろうとするレイ。
それをじっと見ているシンジに対しゲンドウが追い打ちのつもりで声を掛ける。

「いつまでそこに居る!お前など必要ない!さっさと帰れ! 人類の存亡をかけた戦いに臆病者は不要だっ!!」

ゲンドウに侮蔑の眼差しを向けると、そのままシンジはレイの所に向かって歩き始めた。

「乗りなさいシンジ君!!シンジ君が乗らなければ、あの娘が乗る事になるのよ!恥ずかしくないのっ?!」

シンジがレイの乗るストレッチャーに辿り着いたその時ケイジが激しく振動する。

「ちっ、奴めここに気付いたか。」

ゲンドウは舌打ちした。
元々、ターミナルドグマにあるリリスを目標に来ているのに気が付いたも糞もない。

落ちてくる鉄骨、拘束具を引きちぎり、それを払う初号機の右手。

「そ、そんな有り得ないわ、エントリープラグも挿入していないのに・・・」
リツコは自分の理解範疇を超えた現象に驚愕している。

「守ったと言うの?シンジ君を・・・いける」
ミサトはその内容など気にせず、戦闘が行える事を勘のみで感じて歓喜していた。

その時、シンジはレイを抱きかかえていた。
「綾波、どうして怪我したままなの?」
「・・・あの頃を思い出せるから」
ポッと言う音がするようにレイの頬が紅く染まる。

シンジの腕の中に居るレイは至高の時を感じていた。

二人の会話は、誰にも聞かれていない。

「乗っても良いけど条件がある」
シンジはゲンドウの方に向かって言った。

「言って見ろ!」
ゲンドウは、どうせ大した事ではないだろうとタカを括っていた。

「まず、その葛城さんを乗せて、動かなかったら乗ってあげるよ」
「「「!?」」」

「シンジ君、エヴァを動かすには特別な資質を持った13〜15歳の子供じゃないと動かないのよ」
リツコが説明する。

「試したんですか?」
「・・・・・」
そう言われていただけで誰も試してはいなかった。

シンクロの真実を知るリツコやゲンドウは動かせる人間は解っていたからだ。

「いいわ!」
ミサトが声を出した。

「ミサト!」
「その代り、私が乗って動かなければ乗ってくれるのね」

「ええ、約束しますよ。動かなければね」
「司令!構いませんね」

ゲンドウも時間が惜しかった。
ここで無理矢理乗せても良かったが、ミサトがその気になっている。
動くわけはないため、さっさとそれを見せて乗せる方が本人の意志で乗る事になると打算を働かせた。



発令所では起動シーケンスが行われている。

「エントリープラグ挿入」
「プラグ固定終了」
「第一次接触開始」
「LCL注入」
リツコの指揮により発信準備が進んで行く。

『きぼじ悪い・・・』
「我慢なさいっ!作戦課長でしょっ!」
ミサトの声にリツコが突っ込んだ。

思わずシンジは吹き出しそうになる。

「主電源接続」
「全回路動力伝達」
「第2次コンタクト開始」
「思考形態は日本語を基礎原則としてフィックス!」
「A10神経接続異常なし」
「初期コンタクト全て異常なし」
「双方向回線開きます」

そこまで言って、オペレーターの報告が途切れていることに気付いた。

「どうしたの?マヤ、続けなさい」

呆然と目の前のモニタを見つめていたショートカットで黒髪の女性は、リツコの声に我に返った。

「あっはい、あの・・・」
「?」
「・・・シンクロ率・・・26.12%」
発令所は、今度は静まり返った。

「ハーモニクス、全て正常位置。暴走、ありません!」

「で、起動したんですか?」
シンジがリツコに問い掛ける。

「そ、そんな・・・有り得ないわ、コアの変換もプラグスーツも無しに・・・」
リツコは呆然としていた。

「オーナインシステムって嘘ですね」
「どう言う事かしら?」

「僕と、あの重傷の少女は動かせるから呼び出されたんじゃないんですか?」
確かにそうだ、シンジとレイは動かせる可能性がある、いやシンジとレイ以外では動かせないはずだった。

『リツコ?どうなの?』

リツコが困惑している中、ミサトから確認の通信が入る。

「あっえっと、その、起動はしたわ」

『本当?!じゃぁ動くのね?』
「えっええそうね」
ミサトは自分ではエヴァを動かせないため作戦指揮と言う役職に甘んじていたのだ。
動かせるとなれば、自分で使徒を倒せる。
ミサトは歓喜した。


「碇・・・これはシナリオにはないぞ」
「・・・・・」
流石のゲンドウもこの状況は予測できなかった。
しかし、今のミサトの姿を見れば、今更シンジに乗せ替える手段はなかった。

「ユイ君は誰にも優しかったからな、もしかしたら初号機は誰でも動くのじゃないかね?」
「・・・・・」
否定する事はできなかった。
試した事も考えた事もなかったからだ。

「しかし、まずいな、子供にしか動かせないと特例措置を施してきたのに」
「・・・この事は極秘とする、エヴァのパイロットは今まで通りだ」

(あくまでシナリオに拘るか・・・)
冬月はそんなゲンドウを冷めた目で見ていた。


『エヴァンゲリオン初号機!発進準備!!』
ゲンドウの困惑を余所にミサトの号令が通信回線を通じ響く。

『第一ロックボルト解除!』
『解除確認!アンビリカルブリッジ移動開始!』
『第2ロックボルト解除!』
『第一拘束具を除去!』
『同じく第2拘束具を除去!』
『1番から15番までの安全装置を解除!』
『内部電源充電完了!』
『外部電源用コンセント異常なし!』

「EVA初号機射出口へ!」
射出口へ移動していく初号機。

『5番ゲートスタンバイ!』

「進路クリア!オールグリーン!」
「発進準備完了!」

技術部最高責任者であるリツコの最終確認が出される。

『了解!』

NERV総司令であるゲンドウの方を向き確認するミサト。
『かまいませんね?』

「・・・も、もちろんだ。使徒を倒さぬ限り我々に未来は無い」

『エヴァンゲリオン初号機発進!!』
ミサトの勇ましい声と共に射出口固定台ごと地上に打ち上げられる初号機。

『くっ!』

その凄まじいスピードによるGの為にたまらずうめくミサト。
地上に出たエヴァンゲリオン初号機。
目の前に使徒の姿。その姿は地下のNERV発令所にも送られる。

激しい衝撃とともに、ミサトの体は地表へと押し出される。

『目標は、最終防衛ラインに侵入しました』

モニターに映る、第三新東京市街へと侵入する使徒の姿が見える。

『最終安全装置、解除!エヴァンゲリオン初号機、リフト・オフ!!』

ミサトの怒号とともにエヴァンゲリオン初号機は放たれた。

シンジは人知れず発令所を後にしてレイの居る病院へ向かった。

「綾波、行こうか」
「・・・ええ」

レイは制服に着替えていた。

レイから司令の命令だと言う事で、救護班を使い、戦闘区域に行くためだ。
ミサトでは使徒に勝てない事は解っている。

いくら戦闘技術があっても20%そこそこのシンクロ率では普段の2割の動きしかできないと言う事だからだ。
そしてミサトでは碇ユイは覚醒しない。

ミサトがシンクロしている理由。
それはミサトこそがゼロチルドレン、世界初のチルドレンであったからだ。

南極で起こったセカンドインパクト。
それはアンチATフィールドによりその周りの生命を全て赤い海にしてしまった。

では、何故ミサトだけが生き残れたのか?
脱出ポッド程度で守られるはずはなかった。

そう、ミサトこそ最初の使徒とのシンクロを実現したチルドレンなのである。
ゼロチルドレンと言う呼称は後に便宜上付けられた物でしかない。

そして、アダムの因子を多分に受けた、本来の適格者であったのだ。

故にミサトはどのエヴァにもシンクロできる。
但し、年を取り、感性に柔軟な物がなくなっているためシンクロ率は低い。
しかし、元々の子供っぽい精神構造から起動値には達するのだった。

試しもしなかったゲンドウ達にはそんな事は解らなかった。



救護班を動かし、戦闘区域に入ったところでシンジ達は思わぬ者を発見してしまった。

それは、気を失っている少女、鈴原ナツミだった。
救護班の人間達は、そんな少女を見捨てておけるはずはなかった。

すぐさま車に乗せ応急処置を施す。
まだ、瓦礫に潰される事はなく、単に気を失っているだけだった。

「別に助けるつもりはなかったんだけどね」
シンジはレイに微笑んだ。

レイはこれで少しでもシンジが優しい気持ちを取り戻してくれたなら良いと思っていた。
そう、シンジは未だ壊れたままなのだ。

今回、ミサトがエヴァに乗れる事が解った事により、いざと言う時、シンジが居なければミサトが乗ると言い出すだろう。

それはシンジに取って楽しい展開であった。



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新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。
拙著は当該作品を元に作成した代物です。
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