第伍話
雨と鞭


使徒と対峙するミサト。
烏賊のような海老のような姿を立たせた使徒に向かってミサトはパレットガンを構えた。

『ATフィールドを中和しつつ一斉射を行うわ』
そう言うとミサトは使徒に向かってパレットガンを発砲した。

ATフィールドが完璧に中和されているかは、疑問だがパレットガンの弾は破裂し粉塵となる。

『くっ煙で前が見えない。リツコ!ATフィールドは中和されている?』
「使徒はATフィールドを張っていないわ」
ミサトの通信に対しリツコが冷静に答えた。

その時、使徒の周りに纏われた粉塵の中から光る物が初号機に迫る。
ミサトは咄嗟にそれを避けたが、パレットガンが真っ二つに引き裂かれた。

シンジはその様子を見て
(鞭の二刀流もいいな・・・)
等と考えてニタニタしていた。

そんなシンジを見てレイは
(・・・きっと今晩は鞭)
とシンジの考えを正確に把握し身体をブルッと震わせていた。

『日向君!新しいパレットガンを出して!』
「はい!」
ミサトは効き目のないパレットガンでの攻撃をまだ続ける気のようだ。

マコトが出したパレットガンを取りに初号機が走る。
しかし、使徒はその初号機の足に鞭を絡ませ上空へと投げ飛ばした。

『ぎゃぁ〜〜〜〜っ!』
使徒の鞭が絡んだ足の焼け付く様な痛さと、投げ飛ばされた事によりミサトが絶叫する。

「エヴァ、アンビリカブルケーブル切断、内部電源に切り替わりました!」
「活動限界まで、あと4分53秒」
マヤとマコトが報告する。

その時、発令所内にブザーが鳴り響いた。

「何?」
リツコの声と共に、ブザーの発生原因である初号機の手元がクローズアップされる。

山の斜面に叩き付けられたミサトは意識が朦朧としていた。
初号機の中でもエラー音が鳴り響く。
ミサトは周りを見渡すと初号機の手の隙間に人影が映った。

『なんでこんな所に民間人が?・・・』
朦朧とした頭でミサトは呟く。

「シンジ君のクラスメートです」
データベースから二人の身元がすぐさま映し出されマヤが報告する。

そこで初号機に使徒が迫り、鞭を振ってきた。
条件反射的に手で掴もうとするミサト。

初号機の手が使徒の鞭を掴んだ。
『ぐっ!』
手が焼ける様に熱い。

シンジは
(手が自由だと受け止められるのか、やっぱり縛ろう・・・)
等と考えてまたもニヤニヤしている。

レイは
(・・・きっと手を使えないようにされるわ)
とやはりシンジの考えを正確に読んでいた。

『EVAを現行モードでホールド。2人をエントリープラグの中へ収容します!』

「越権行為よ、葛城一尉。許可の無い民間人をエントリープラグには入れられないわ」

『私が許可します』

プラグが半分射出され、外部スピーカからミサトの叫び声が響いた。

『そこの二人、乗って』

『はぁべっぴんさんやぁ〜っなんや、こらぁ?水やないか!』
『カメラ、カメラ』

発令所ではエントリープラグの中に入った鼻の下を伸ばした二人の少年の姿が映し出されていた。

「シンクロ率低下、パルス乱れてます」
マヤが悲鳴の様な報告をあげる。

「異物を二つも入れたら当然ね」
リツコの言葉を受け入れて的確な判断を下す者はこの場に居なかった。

『これより一旦、後退します。日向君、収容口を開けて!』

「無理ね」
リツコが呟いた。

そしてミサトは使徒を蹴り上げる。
斜面を転がり落ちる使徒。
その隙にミサトは後退しようとしたが、シンクロ率が低下し起動値ギリギリまで下がっているため動きが緩慢な事に気が付く。

『ちっエヴァがうまく動かないのでこのまま使徒殲滅に切り替えます』
ミサトはそう通信を入れるとプログレッシブナイフを装備する。

斜面を利用し、転がる様に使徒に迫る初号機。
使徒の鞭が一直線に伸びて来て初号機の腹部を貫いた。

『ぐぅっ!』
ミサトの青くなる顔と呻き声にトウジとケンスケも青くなる。

その時一瞬シンジの瞳が紅く輝いた。
使徒の動きが一瞬止まる。
その隙を逃さずミサトは使徒のコアにナイフを突き刺した。

「エヴァ活動限界まで後10秒!」
「9・8・7・6・5・4・3」
「パターン青消滅。使徒沈黙しました」
シゲルの報告が活動限界まで後2秒と言う処で行われた。

「「「ふぅ〜」」」
オペレータ3人が汗を拭う。

「初号機並びにパイロットの回収!急いで!」
リツコが気を緩めたオペレータ達にきつく指示を出した。


ミサトはエントリープラグの中で延々とトウジとケンスケに説教をしていた。
救護班が駆けつけミサトを担架に乗せ、運ぶ時もミサトは二人に向かって叫んでいた。

ミサトから漸く解放されたとホッと息を吐く二人だったが、程なく黒服に連れていかれ今度は延々と黒服&リツコに説教されるのだった。



「・・・何故助けたの?」
帰り道レイはシンジに尋ねた。

「まだミサトさんと初号機を失うわけには行かないからさ」
「・・・そう」
レイもそれ以上突っ込もうとはしなかった。

そしてシンジの腕に絡み付いて歩いて行くのだった。

その夜、期待通りにシンジはレイを吊していた。

「この格好は、初めての時みたいだね」
「・・・そうね」

レイは両手を縛られ天井から吊されている。
制服は着たままだ。

シンジは・・・
烏賊のような被り物をし、両手に一本鞭を持っていた。

その姿にレイも溜息が出る。

ビュンッ

「うっ!」
しかし、鞭の痛さに変わりは無かった。

シンジは両手の鞭を縦横無尽に振り落とす。

「あぅっぐっ」
レイの服が鞭で切り裂かれ、下着が切れ目から露わになる。

未だ相変わらずレイの下着は色気のないバーゲン製品の様な無地の白い物だった。
それが、更に妖しさを醸し出す。

ビュンッ
「ぐぅっ」

ビュンッ
「ぅっ」

ビュンッ
「あぅっ」

シンジは鞭だけでレイの衣服を剥ぐつもりのようだ。
既にレイの服はボロボロになり、下着も所々引き裂かれている。

ブラジャーの前は引き裂かれ、既に何度も乳首を打たれている。
敏感な所を打たれる度にレイは普段は出さないであろう悲鳴を上げた。

内臓が入っているのかと疑ってしまう様に細いウェストをくねらせレイは悶える。

初めての時の様にシンジはレイの片足を垂直に吊り上げる。
立ったまま片足だけ垂直に上げた姿勢だ。

「ふふ、ビチョビチョだね」
レイの股間は下着がビチョビチョになり、そのクレパスを露わにしている。

レイは恥毛が未だ生えていない。
体質から生えないのかもしれない。

濡れた下着に見えるクレパスは、下着の役目を果たさないぐらい鮮明に映し出していた。
なんとか、恥部を覆っている下着もボロボロの布きれとなっており、そこにあるからそれが下着だったと解る程度だ。

レイのお腹を撫で、臍の辺りからゆっくりと腰に手を回し、そこから足の付け根に指を這わす。
肝心な所を避けて通る指先に焦らされ腰をくねらすレイ。

そんなレイの反応に満悦し下着の上からクレパスを撫でるシンジ。
レイのくぐもった声が漏れる。

ボロボロになった下着をシンジは引き剥がす。
まだ、肩からは制服の着れ端が残っており、スカートもボロボロになりながらその存在を主張している。

何故レイがこれ程シンジの責めに甘んじているのか。
理由は二つあった。

一つは、レイを対象に責めていないと何時爆発してしまうか解らなかった事。
そしてもう一つが本当の理由である。

それはシンジのレイに対する責めは愛情のATフィールドが纏われているからだった。

シンジが責める度にレイの魂にそのATフィールドが染みこんでくる。
身体の苦痛に相反して魂は快楽に溺れるのだった。

そして、その後の愛撫は文字通り身体も魂も快楽に溺れさせられる。
通常の人間の行為とは逸脱した快感が、そこには、あるのだった。

シンジはシンジでそれを受け入れるレイの愛情のATフィールドに包まれるのだ。
結果、お互いの行為はどんどんエスカレートして行く。

しかし、今はシンジも自制していた。
赤い世界で行った様に、ここでレイの身体を何回も作り直す事は時間的に無理があるからだ。
実は、身体の構成にはかなりの時間が掛かる。
それは、時間感覚もなく、身体の元になるLCLが潤沢にある赤い世界だから出来た事で、ここで同じ事を行うと日常生活に支障が出てしまうのだった。

シンジは既に愛撫に切り替えていた。

レイの股間に這わし、二つの穴に挿入し交互にピストン運動や回転運動を行う指先。
それは、どこまでもレイの体内を感じようとするかの様にレイの中で蠢いていた。
同時に余っている指で陰核も撫で回す。

胸やお尻や背中や体中の至る所を撫で、揉む手。
時には優しく撫で、時には乱暴に揉み上げ、時には触れるか触れないかの距離で這わす。

身体中を這わす唇。
レイの身体の表面でシンジの唇が触れた事が無い所は無かった。
身体の中でさえ舌が届くところであれば、シンジが舐めた事が無い所は無い。

出来るだけ密着させようと重なる身体。
汗で滑る身体を更に汗まみれにするように擦りつけ合う二人。

唇を吸う唇。
舌を絡ませお互いがそこで溶け合う様に絡めあう。

レイもそんなシンジに貪りついていた。
自由になる箇所で出来るだけシンジを引き寄せようとするレイ。
時にはシンジに噛みつき、時には顎で、足でシンジを固定しようとした。

激しく求め合う二人。
既にレイの身体も性行為に慣れてきており、身体の反応も見た目の年には合わない物を持っていた。

規則的に動くシンジの腰。
それを出来るだけ深く受け入れようとするレイ。

シンジの動きが一層激しくなり、レイの身体も力が入る。

シンジの熱い体液を子宮で感じた時、レイの身体は一気に仰け反った。
暫しの痙攣の後、放心するレイ。

レイの体内の収縮を感じ、余韻に浸るシンジ。
お互い離れる契機が無いまま気の済むまで求め合うのだった。

最近のレイは妖艶だとNERVでは噂されるようになっており、学校ではフェロモンを撒き散らしていると言っても過言ではなかった。

身体全身を性感帯とし、魂までも快感を感じる二人の行為。
そこにはタブー等、存在しないし、人類の誰も成し得ていない満足感が存在した。

レイはシンジがする事は何でも無条件に受け入れ、シンジはそんなレイを丸ごと包み込んでいる。
そして行為が終り、二人で眠りに付く時にはお互いがお互いを包み込むのだ。


性行為を行って居ない時、二人は穏やかな時間を過ごしている。

主に引っ付いては居るが、レイは本を読み、シンジは音楽を聴いていた。
レイの家に居るため、シンジは前のウォークマンタイプではなく、普通のコンポを買い込んでいた。

静かに流れる、クラシック。
その中で二人は寄り添い、寛ぐのだった。



「あれから三日かぁ」
未だ腫れが引かない顔でトウジが呟いている。

「俺らがこってり絞られてからか?」
それにケンスケが応えていた。

「あぁせや。あのべっぴんさん大丈夫やったんやろか」
「碇か綾波に聞けば解るんじゃないか?」

「なんでや?」
「あの時、警報の鳴る前に二人は黒塗りの車で学校を出て行ってたんだよ」

「なんやそれ?」
「俺はてっきりパイロットだと思ったんだけど、単なるNERVの要人だっただけみたいだな」

「さよか、ほな、あの二人に聞いたら、なんぞ解るかも知れん言うわけか」
「そう言う事」

「せやけど、わい綾波は苦手やさかいな、転校生に聞いてみるわ」
「あぁなんか最近色っぽくなっちゃって余計に話しかけ難くなっちゃったよな綾波」

ケンスケが話し終る前にトウジは席を立ってシンジの元に行っていた。

「転校生!ちょっと話があるんや」
シンジが怪訝な顔をした。

今回トウジに責められる様な事はなにもない。
なんか突っ掛って来るなら、ズタズタにしてやろうと、見据えた。

レイも同じ考えでトウジを睨み付けている。
「何?」

二人の視線にトウジは怯んだ。
「い、いや、邪魔して悪かったな、そんな恐い顔で睨まんといてくれ。あのロボットのパイロットの事をちょっと聞きたかっただけや」

「ミサトさんの事?」
シンジは突っ掛って来るのでは無いと解り、少し表情が穏やかになる。

レイは既に興味を失った様で手元の本に眼を移した。

「あっあぁ、ミサトはん言うんか?こないだの戦闘の時、病院に行ったみたいやったからどないなったかな思て」

「多分、もう退院してると思うよ、僕達は呼ばれないとNERVには行かないから詳しい事は知らないけど」
「さよか、邪魔して悪かったな」
トウジはそう言ってシンジの元を去ろうとした。

「良ければ家に行ってみるかい?」
何故そんな事を言ったのかシンジにも解らなかった。

「家知ってるんか?」
「あっうん一応、見舞いって事で案内してあげようか?」
「ほんまか?恩にきるわ」
トウジはそう言って喜び勇んで自分の席に戻って行った。

「・・・何を考えているの?」
「うん?あんまり考えてなかった」
シンジはそう言って頭を掻いて笑っている。

「・・・そう」
少し小首を傾げたがレイもそれ以上追求しなかった。



雨の中、シンジとレイは相合い傘で、トウジとケンスケは各々の傘をさしミサトに家に向かった。

シンジとレイはピッタリとくっついており、結構大き目の傘ではあったが一つなのにどちらも濡れない。
そんな二人をトウジとケンスケは羨ましそうに見ながら付いて行くのだった。

”葛城ミサト”と書かれたネームプレートの前にシンジとレイ、その後ろにトウジとケンスケが居た。

「居なかったらごめんね」
シンジはそう言うとインターフォンを押した。

「は〜い、ちょっち待ってねぇ」
中から声がするとドタドタと言う音と共に扉が開く。

「あら?シンジ君とレイじゃない?どうしたの?」
ミサトが珍客だとばかりに笑顔を振りまいた。

「あ・・・あの・・」
「碇君と同じクラスの相田と鈴原と申します。その節はとんだご迷惑をお掛けしました」
トウジがビシッとして頭を下げ、ケンスケもそれに続く。

「あら?貴方達は・・・シェルターを抜け出した子達ね」
ミサトはジト目で二人を見た。

「まぁいいわ、もう二度としないでね」
「は、はい、それは勿論です!今日は、お見舞いにやって参りました」
トウジはミサトの言葉に強く怒っていないと感じ、スラスラと話し出す。

「お見舞い?」
「はい!あの後、病院に担ぎ込まれた様だったので、その後、大事はなかったかと」
直立不動でトウジは話す。
そんなトウジをケンスケは尊敬の眼差しで見ていたが、ラフなスタイルのミサトの方に眼が釘付けで鼻の下を伸ばしていた。

「それでシンジ君達に連れて来て貰ったってわけね、私はもう全然平気。ぴんぴんしているわ。そうだ!良かったらうちで御飯食べていかない?」
「ほんまでっか?!」
その言葉にシンジとレイは青ざめたが、トウジとケンスケは嬉々としている。

「本当よん!偶には大勢で御飯食べたいから、私がご馳走してあげるわよん」
「あっ僕達は家に、もう御飯の用意がしてあるので、これで失礼します。君達は食べさせ て貰うといいよ」
シンジは回避行動に出た。

「あっら〜んシンちゃん何遠慮してるのかなぁ?」
ミサトが獲物を狙う眼で見ている。

「・・・今日、食べないと腐る物がありますので」
レイがピシッと拒否した。
レイもあのカレーは二度と食べたくなかったのだ。

(綾波ぃありがとう)
シンジは心の中でレイに盛大にお礼を言っている。

「そう?じゃぁしかたないわね。貴方達は?」
「「勿論頂きます!」」
見事なユニゾンだった。

当然だが、それから3日間、二人は学校には出てこなかった。


シンジとレイは帰り道、ホッと安堵の息を漏らしていた。

「危なかったね」
「・・・あれは毒、使徒も殲滅できるわ」
酷い言われようである。
しかし、レイを再起不能にするのだから強ち間違ってもいないだろう。

雨の中二人は、ゆっくりと帰路につくのだった。

その夜はミサトの料理を食べずに済んだ幸せに包まれながら二人は重なり合い、感じあった。

「今日ほど、美味しい料理が幸せだと思った日はないよ」
「・・・そうね」

二人は幸せに包まれて眠りにつくのだった。



司令室ではゲンドウ、冬月、リツコの3人が密談している。

「先の使徒戦では、葛城一尉の独断により、エントリープラグに民間人を搭乗させるも辛くも使徒は殲滅しました」

二人が何も言ってこないのを見計らいリツコは報告を続ける。

「葛城一尉のシンクロ率は現在30%代後半、40%代も期待できる数値になっております」

「碇、まずくないか?」
「・・・委員会には現在使徒殲滅の序盤であるため色々な可能性を模索していると報告しておいた」

「それで老人達が納得すればいいがな」
冬月が皮肉を言う。

「・・・零号機の起動実験は何時になる」
「既にベークライトは取り除き、明日実施する予定です」
リツコが嫌々ながらも報告した。

明日の零号機起動実験では、リツコが乗る事になっているのだ。
ミサトで起動が成功しているため、反対する職員はマヤだけだった。

嫌々ながらも、リツコはもし起動に成功したならシンクロを自分自身で経験できるため科学者としての好奇心では実験を心待ちにする気持ちもあった。

しかし、自分に戦闘が出来るとは思えない。
起動に成功したら、何度かは戦闘に出る事になるだろう。
そこにリツコのジレンマがあった。

「・・・ファーストとサードの様子はどうだ」
「戦闘時は発令所にて見学、特に目立った動きはありませんでした」

ゲンドウの先を促すような視線に日常の報告もしろと言う事だとリツコは感じ報告を続ける。

「学校では、特に目立った動きはなく、常に二人で行動している様です」
「レイの部屋には元々監視カメラの類はなかったため、二人の私生活を知る術は現在ありません」
ゲンドウはレイの様子を監視者に見せたくは無かったためにレイの部屋に監視装置の類は付けていなかったのだった。

「付けてもレイに壊されるだけだろうな」
冬月が起こりえる事実を述べる。

今まさに、監視装置を付けろと言いかけていたゲンドウは言葉を飲み込んだ。

「ガードの方からは夜な夜な性行為をしているような声は聞こえて来ると報告が上がっております」
「若いな」
冬月が無粋な突っ込みを入れた。

それを聞いたゲンドウは忌々しそうな顔をしていた。
レイは、ゲンドウの人形だったのだ。
少なくともゲンドウはそう思っていた。
しかし、零号機の起動実験の後からレイはゲンドウへの嫌悪感を露わにしていた。

自分の失策を悔いる事なく、ゲンドウはシンジを妬むのだった。

「・・・解った。赤木博士、明日の準備が終ったらもう一度報告に来い」
ゲンドウの言葉にリツコは顔を綻ばせ返事をする。

「はい、了解致しました」

「・・・以上だ。下がれ」
「はい、失礼します」
明日の実験に備えてか、シンジとレイの報告に触発されたのか、それはゲンドウからリツコへの夜の誘いだったのだ。

リツコは嬉々として司令室を後にした。


「しかし、赤木君と葛城一尉でエヴァを運用する事になるとはな」
冬月がリツコが去った後、ボソリと呟いた。

「・・・今のうちだけです。そのうちシンジに乗らざるを得ない状況を作ります」
ゲンドウはニヤリと唇を吊り上げる。

この男のこの自信は一体どこからくるのかと冬月は訝しんでいた。



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新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。
拙著は当該作品を元に作成した代物です。
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