第拾伍話
人の為に


「Guten Morgen、ヒカリ!」
「あ、アスカ、おはよう」
やけに元気なアスカの挨拶にヒカリは少し驚きながら挨拶を返した。

ここ最近、アスカは悩んでいる様に感じていたのだ。
それが、悩みが解消されるどころか、かなり晴れ晴れとした感じであるのだ。

「何か良いことでもあったの?」
「う〜ん、良いことは無いわね、強いて言えば考えるのを止めて今を受け入れたって所かな?」

シンジの奴隷となる。
それはアスカに看過できるものでは、無かったのだが、何より命が惜しい。
性行為などで済むなら安い物だと割り切ったのだ。
割り切ってみると、他人に委ねるそれは心地よかった。
何も考えずに言われた事に従う。
快感を与えられる。
それは常に張詰めた物を持っていたアスカには甘美な世界だった。
そして抗えないならそれを楽しめば良いと言う結論に達したのである。

「そう、でも良かったわ」
「何が?」

「アスカ、最近悩んでたみたいだったから」
「まぁね、それよりヒカリ、彼氏とは最近上手く行ってるの?」
ニヤァ〜っと笑いながらヒカリの顔を下から覗き込むアスカ。

「べ、別にいつ通りよ」
ヒカリは何故か顔を赤らめる。

「そっ」
そう言ってアスカは楽しそうに学校への道を歩いて行った。

そんなアスカの後ろ姿を見てヒカリは何となく女っぽくなったアスカの雰囲気を首を傾げて見ていた。
「あっ!待ってよ、アスカァ」



「今日も皆さんに、転校生を紹介します。入って来なさい」
老教師がいつもの様に言う。

疎開で人が減る中、何故かここシンジ達のクラスには転入生が多い。
生徒達も最近は慣れて来たようだ。

「山岸マユミです」
教壇の前に立ったのは、黒髪と眼鏡がとても大人しそうな印象を作ってる女の子だった。

「キャッ!」
昼休み、大量の本を抱えて歩いていたマユミが誰かにぶつかり盛大に本をばらまいて倒れた。

「痛ってぇなぁ、何処見て歩いているんだよ!」
ぶつかられた方は、倒れもしていないのにマユミに罵声を浴びせている。

「す、すみません」
マユミは、ばらまいた本を四つん這いで集めながら謝った。

「すみませんじゃねぇだろ?」
「キャッ!」
ぶつかられた男はヘラヘラしながらマユミのスカートを足で盛大に捲り上げる。

四つん這いであったためお尻を突き出した形で下着を晒されるマユミ。
周りには昼休みであるため多数の生徒が居たがぶつかった相手はどうやら不良らしく、皆、遠目に見ているだけで誰も助けようとはしなかった。

マユミはそんな事より、大勢に下着を見られた事に顔を真っ赤にしている。

「ちょっとこっち来いよ、謝り方を教えてやるよ」
男はそう言うとマユミの腕を掴み立たせようとする。

「な、何をするんですか?!」
「別にここで素っ裸にして教えてやってもいいんだぜ」
男は下卑た笑いを浮かべながらマユミの腕を掴んでいる手に力を込めた。

「痛い!どうしてそんな事を・・・」
「男に女が謝る方法を教えてやるだけさ」
男の言っている事が全く理解できないマユミは恐怖に泣き出しそうな顔をしている。

そう言って強引に歩き出そうと振り向いた男は誰かにぶつかった。
「痛ってぇなぁ、何処見て歩いているんだよ!」
先程と同じセリフを言う男。

「僕は歩いていないよ」
「い、碇・・・」
シンジとレイは既にここ第一中学では有名人である。

不良達の間でも喧嘩の強さでは一目置かれているトウジに呼び出されたが、返り討ちにしたと言う噂が流れていた。
そして違う意味で目立っていたレイといつも一緒にいる。
学校では更に、マナ達とも一緒で、第一中学の美男美女グループとも言われていた。

しかし、この不良と言うか生徒達はシンジの実力は知らなかった。
故に外見で自分より弱いと判断した不良は強気に出る。

「お前には関係ない。怪我したくなかったらどけ!グワッ!」
シンジは不良の腹部に蹴りを入れる。
不意をつかれた不良は3メートル程吹っ飛び、腹部を押さえてのたうち回っていた。
シンジは別に構うつもりは無かったのだが、その傲慢な態度にNERVの人間が被り攻撃に出た。

「馬鹿だな、アイツ、シンジにあんな言い方して」
そう呟くのはムサシだった。

「命知らずっちゅう奴やな」
トウジも同意した。

「確かに僕には関係ないね、でもその偉そうな態度は気に入らないよ」
シンジはそう言うと不良の手を踏みつぶす。

「ギャーッ!」
更に転げ回る不良。

レイとマナとヒカリはその間に散らばった本を纏め、マユミに渡していた。
「あ、ありがとうございます」
「・・・いい」

「私、霧島マナ、こちらは綾波レイ、同じクラスだし、宜しくね」
明るいマナはマユミに自己紹介を兼ね、寡黙なレイの紹介もする。

「あたしは惣流=アスカ=ラングレーよ、まっ仲良くしましょ」
腰に手をあて、そう言うアスカ。

「私は委員長の洞木ヒカリよ、よろしく」
「は、はい、宜しくお願いします」
ペコリと頭を下げるマユミ。

「僕はケイタ、こっちはムサシとトウジ、よろしく」
その言葉に反応して片手を上げるムサシとトウジ。

「あっ、は、はい、宜しくお願いします」
またもペコリと頭を下げるマユミだった。

シンジ達は、皆で昼食を取った帰りだったのだ。
マナがアスカも一緒にと誘い、断る理由もなかったしヒカリも居たのでアスカも一緒に行ったのだ。

「彼女は僕のクラスメートだよ。覚えておいて」
シンジは、不良の腕を踏みながら釘を刺していた。

「解った?」
何度も頷く不良。

「行こうか」
「・・・ええ」
シンジとレイはその場を後にし、マユミも皆に連れられその場を後にした。

「あ、あの・・・」
教室に戻ったマユミはシンジにお礼を言おうと近付くが元来人と話すのが苦手なマユミはシンジの纏う雰囲気に更に気後れしている。

「何?」
「あ、さ、先程はあ、ありがとうございました」
マユミはそう言うと頭をペコリと下げる。

「別に君がお礼を言う事はないよ。僕に絡んできた来た不良を追い払っただけだから」
その言葉にレイが優しく微笑み、その笑顔にマユミは顔を紅くする。

そしてシンジとレイとアスカの携帯が鳴り響いた。
シンジは少し考えるとマナを呼び、何かを耳打ちする。

眼を見開くマナ。

そしてシンジ達は校門のところで待っていた黒い車に乗ってNERVに向かった。

響き渡る警報。



『目標の能力は不明のまま』
ミサトがいつものように喚いている。

『強羅絶対防衛線にまで引き付けて、通常火器と連携して、敵の能力に対してはその場での判断に委ねます』
全く、作戦を立てる気があるのだろうかと疑ってしまう。
しかも、敵の攻撃手段すら調査しないでいきなりエヴァを出撃させるのは何度目だろう。

使徒を待ちかまえるエヴァ3機。

『気をつけて下さい!敵を示す測定数値の幾つかがゼロを示しています!』

『どういう事よ!』
『つまりシンジ君達の前に居る敵は、実体であり実体でないと言うことよ』
マヤの報告にミサトが反応し、リツコが説明を加えた。



シェルターの中、ふらふらと夢遊病者のように立ち上がりその場を離れるマユミ。

「山岸さん?」
ヒカリが声を掛けたが気付かず部屋を出て行く。

ヒカリが後を追おうとしたが、それをマナが制した。
頷きあうヒカリとマナ。

そして、ムサシ、ケイタ、マナはマユミの後をつけた。

マユミは使徒とエヴァの見えるビルの屋上に出ている。

「マユミさん、何しているの?」
マナがマユミに声を掛ける。

振り返るマユミ。
「マナさん・・・」

「お願い、わたしを殺して!、お願いだから!」
「シンジの言った通りだな」
マユミの言葉にケイタが呟く。

「わかるの!わたしの中にあの怪物が居る、あの怪物の魂が宿ってるのよ!」
泣き崩れるマユミ。

「解ったわ」
マナがそう言うと、ムサシとケイタがマユミの足にロープを縛りつける。

「な、何を?!」
「お望み通り殺してあ・げ・る」
マナはニッコリとウィンクをする。

「何故、足を?」
「気にしないで」
マナがそう言うと縛り終えたケイタとムサシがマユミを屋上の端に担いで行った。

屋上の端に立たされるマユミ。
その足にはロープが結ばれている。
端から見るとバンジージャンプでもする様に見える。

屋上の端から下を見下ろし、目眩を覚えるマユミ。

「それじゃぁいってらっしゃぁい♪」
「きゃ〜っ!」
マナが心構えもさせないままマユミを突き飛ばした。

屋上から落ちるマユミ。
いきなり突き落とされたためマユミは頭から真っ逆さまに落ちて行く。

ガクンと途中で宙ぶらりんになるマユミ。
スカートが捲れ下半身丸出しだった。

「わざとでしょケイタ!」
「そんな事より早く助け上げに行こう」
マナの追求を誤魔化すようにケイタとムサシは走り出した。



『エリア内に新しい反応を確認!』

『確認しました、パターン青、使徒です!』

『まさかっ、新たな使徒!?』

『いえっ!、反応は現在の目標と同一座標上です!』

その発令所の遣り取りを聞いていたシンジ、レイ、アスカは使徒に攻撃を開始した。
シンジはマナにマユミの事を頼んでいたのだ。

レイとアスカには、その事を告げていた。
「マナに頼んでおいた」
と言う一言だったが、アスカもレイもそれで全てを理解していた。
そして、パターン青の報告でマナが上手くやった事を3人は確信したのだ。

『ちょ、ちょっと待ってあんた達!何勝手に動いてんのよ!』
ミサトが喚くが無視して使徒をタコ殴りにする3機。

弐号機の蹴りが使徒の内部にめり込み爆発する使徒。

『パターン青消滅。使徒消滅しました」
『エヴァは?』
『3機共健在!損傷軽微です』

安堵の息を漏らす発令所の中、ミサトだけは唇を噛み締めていた。



シャワーを浴び、帰ろうとしていたシンジ達の前にミサトが立ちはだかった。

「貴方達、待ちなさい!」
「なによ!何か用?」
シンジとレイは静かにミサトを睨み、アスカが対応した。

「どうして私の命令を聞かなかったの?!」
「あんた何か命令したの?!発令所で関係ない事喚いていただけじゃない!」

「待ちなさいって言ったでしょ!」
「そんなの、『どう言う事よ!』とか『新たな使徒?』とかの間に言ってた事なんて命令かどうか判断つくわけ無いでしょ!あんたこそ、喚いてばかりでまともな命令出してないじゃない!」

これはシンジとして楽しい誤算だった。
ミサトと対等に口で渡り合えるのはアスカぐらいかもしれない。

「ぐっ!貴方達はチルドレンなの!私の命令に従う義務があるのよ!」
「だからまともな命令なんて出してないじゃない!いい加減自分が呆然としてて命令出せずに使徒を倒されたからって八つ当たりするのは止めてよね!」

「だ、誰が八つ当たりですって!?」
「じゃぁ使徒を倒したのに、なんで喚いていただけのあんたにそんな事言われなきゃいけないのよ!大体最初に『判断に委ねる』って言ったのはあんたじゃない!」

「・・・無様ねミサト」
「リ、リツコォ〜」

「それより、貴方達に聞きたい事があるの、ちょっといいかしら?」
「僕達は使徒戦が終ったら1週間休暇のはずですが?」

「子供の駄々に付合ってる暇は無いのよ!うだうだ言ってないで質問に答えなさい!」
「ミサト!貴女は黙ってて!」
折角、捕まえたのに台無しにしようとしているミサトにリツコも切れかかっていた。

「30分でいいわ、お願いできないかしら?」
「お断りします。契約を反故にする気なら、僕もエヴァに乗るのは止めます」

「こんのくそ餓鬼ぃ〜」
「ミサト!」

「大体、僕らが何でそんな敵意剥き出しにされなきゃいけないんですか?納得できませんよ。以前にも同じ事で責められましたけど、今回はちゃんと『判断に委ねる』って言ってたじゃないですか」
「そうね、解ったわ。ごめんなさい引き留めて」
リツコはミサトを引き合いに出されたら交渉の余地はないと諦めた。

「それじゃ」
シンジはそう言って、その場を後にした。
レイはシンジの隣で、アスカもシンジ達の後に続いて去っていった。

「ちょっとリツコォ〜アスカだけでも引き留めればよかったんじゃない?」
そう言うミサトをキッと睨付けるリツコ。

その眼を見てミサトが冷や汗を流す。

「貴女のそう言う考えと態度が彼を頑なにしてるって解ってるの?!」
「な、なんで私が・・・」

「じゃぁ貴女は一体今、彼らに何をしていたの?!」
「そ、それは上官の命令を聞かないパイロットにお灸を据えに・・・」

「その上官様は、一体どんな命令をしてどの命令を聞かないって言っているのかしら」
「そ、それは待ちなさいって・・・」

「待たせてどうするつもりだったのかしら」
「そ、それは作戦を考えて・・・」

「じゃぁ最初に言った判断に委ねるって言うのは何時取り消したの?」
「そ、そりは・・・」

「ちょっとは頭を冷やして考えなさい!彼らは労われても叱責される言われは無かったわ!それを貴女は何を勘違いしてお灸を据えるなんて言っているの?!」

リツコにまで怒られミサトは唇を噛み締めるしかできなかった。



盛大にバンジージャンプを初体験したマユミは失禁してしまい、マナが家に連れ帰ってシャワーを浴びさせていた。
今はマナの服を着て、濡れた制服は洗濯している。

その時の状況をケイタがカメラに納めていた事は内緒だ。

マユミはマナの服で少し心許なさそうだった。
それはマユミが履いた事もないようなミニスカートにタンクトップと言う姿だったからだ。

「どう?まだ中に何か居る感じ?」
「い、いいえ、今はすっかり気分が良いです。ご迷惑を掛けて申し訳ありませんでした」
マユミはマナの淹れた紅茶を飲みながら言った。

「気にしないで、シンジ様に頼まれただけだし」
「シンジ様?」

「シンジの事だよ、マナはシンジにベタ惚れだからな」
「で、でも碇さんには彼女が居るんじゃ?」

「私は2号って所かな?アスカは3号?」
「えぇぇぇぇ!」

「マユミも助けたって事は4号にする気かもね」
「そ、そんな・・・」
マユミは顔を真っ赤にしている。

そこでチャイムが鳴った。
マナが喜び勇んで飛び出していく。

しかし、そこに居たのはヒカリとトウジだった。

「なぁんだヒカリかぁ」
「なぁんだって、シェルターから居なくなって戻って来なかったから心配してたのよ」

「ゴメンゴメン、ちょっとハプニングがあってね、まぁ上がって頂戴」

「あら?山岸さんも居たのね。よかった」
「え?」
マユミはヒカリの「よかった」と言うのが何を指すのか解らなかったのだ。

「だってシェルターから突然居なくなって戻って来なかったんだもの。心配したのよ」
「ご、ごめんなさい、その・・・」

「あっ別に怒ってるわけじゃないから、そんなに謝らなくても・・・」

「あ、ごめんなさい・・・」
ヒカリはそんなマユミに優しい眼差しを向けるのだった。

その時、再びチャイムが鳴り響く。

「今度こそシンジ様ぁ」
マナは、そう叫びながら玄関い飛び出して行った。

マナの期待通り、玄関にはシンジとレイ、そしてアスカが居た。
「いらっしゃい、お待ちしてました」

マナは頬を紅潮させてシンジ達を招き入れる。

「うん、ありがとう、上手くやってくれたみたいだね」
「はい♪」
マナはシンジに誉められて上機嫌だ。

「あらヒカリ、どうしたの?」
部屋に入ったアスカは、そこにヒカリが居たので一瞬驚いた。

「マナさん達がシェルターから居なくなったので心配で来てみたの」
「あぁ成る程ね」

マユミは入ってきたシンジをチラチラと見ている。

「山岸さん?記憶ある?」
「え?記憶って?」
いきなりのシンジの質問にマユミは狼狽えた。

「何故、第三に来たの?」
「それは、お父さんの仕事の都合で・・・」

「お父さんって何の仕事をしてるの?」
「それは・・・」
マユミは思い出せなかった。

「お父さんの顔、思い出せる?」
「え?」
それも思い出せなかった。

「第三に来る前は何処にいた?」
「それは第二に・・・」

「どんな家に住んでた?」
「えっと、それは・・・」
マユミはシンジの質問を何一つ思い出せなかった。

「シンジ、どういう事?」
アスカが怪訝な顔をして聞く。

「彼女はね、使徒の魂を宿すためだけに作られた存在なんだよ」
「そ、そんな・・・」
マユミが驚愕する。

ヒカリとトウジは、話しが全く見えないが、口を挟んでは行けないと思い、黙っていた。
マナ達は、ある程度状況を理解しているため黙っていた。

「山岸さん?この後、どうするつもりだった?引っ越す予定じゃない?」
「え?えぇ引っ越す予定です」

それは、事が終っても生きていたら行う行動としてインプリンティングされていた物だったのだ。

「何処に?」
「えっと・・・」

「もし、よければ、ここに住んでも構わないよ」
「シンジ!これ以上、女を囲うつもりなの?!」
アスカがそれに反応する。

「彼女は行く場所なんてないんだよ。引っ越すつもりでこの街を離れたところで処理される。いや、自分自身を処理するようにインプリティングされている」
「そんな・・・」
マナが、そのあまりの仕打ちに声を上げてしまった。

マユミは俯いている。
自我が崩壊しそうなのだ。
自分が解らなくなっている。

「わ、私は・・・一体・・・」
「君は僕のクローンなんだ」
「「「「「なんです(だ)って?!」」」」」

「でも、そんな事は関係ない。君はここに生を持っている。これから生きていけるんだ」
「わ、私は生きていても良いんでしょうか?」
マユミは既に眼からは涙が溢れていた。

レイが優しくマユミを抱き締める。
それに続くようにマナとヒカリも。

「君自身でここに残る意志を持つ事、そして生きる意味を見つける事。そうすれば、君に植え付けられた物は自然消滅する。この街を離れようとする意志に自分で打ち勝つんだ。それが第一歩だよ。その為にもここに住んだ方が良い。君の家には何もないからね」
「わ、私はここに住んで良いのでしょうか?」

「ここはシンジの家だよ、シンジが良いって言うんだから気にする必要は無いよ」
ケイタが優しく言った。

はっきり言って、シンジとレイ以外の人間は状況を把握した訳ではない。
しかし、行く場所がないと言う事に関しては、マナ、ムサシ、ケイタの3人は身に詰まされる思いなのだ。
そして、シンジのいつにない優しい行動に感動していると言うのもあった。

ヒカリとトウジは、はっきり言って蚊帳の外だ。
しかし、シンジ達が途轍もない物を背負っている事は前々から感じていたし、マナ達の事は少なからず聞いていた。
それも理解を超えた範疇だったのだが、大変だったことは感じていたのだ。
マユミもそんな自分達の理解を超えた所での経験をしているのだと思って口を挟まない様にしているのだ。

「あ、有り難うございます」
「ここに住む?」
シンジの言葉にマユミはコクリと頷いた。

「じゃぁまず、ここがどう言う所か知って貰わないとね。アスカ脱いで」
「え?あたし?」
ニヤリと笑ったシンジが言った言葉にアスカは素っ頓狂な声を上げた。

脱ぐのは構わない。
しかし、マユミもトウジもヒカリも居る。
一瞬戸惑ったが、自分を見るシンジの眼に、自分の立場を思い出した。

それに、ここに住むのなら遅かれ早かれ、知る事ではある。

「わ、解ったわよ。脱ぐからそんな眼で見ないで」
「アスカ?」
ヒカリはアスカの言葉に驚いた。

あのアスカがシンジが「脱いで」と言っただけで脱ぐと言うのだ。
そんなヒカリの思考が纏まらないうちにアスカは、ぱっぱと制服も下着も躊躇なく脱いでしまった。

その行動に眼をパチクリとさせているマユミ。
マナの言っていた4号と言う言葉がマユミの頭の中ではリフレインされていた。

「マナ、アスカを縛ってあげて」
シンジに言われ戸惑う事なくマナはアスカを縛り始める。

アスカも抵抗しない。
トウジはいつの間にかムサシとケイタに縛られていた。

トウジの前で脱ぎ始めるヒカリ。
マユミはそんな光景を白日夢を見るような思いで眺めていた。

「はい、マユミさん」
マナから手渡された物はバラ鞭。

「こ、これで何を?」
「アスカのお尻を叩いてあげて」
マナの言葉にアスカの方を見ると、そこには14歳とは思えないスタイルをした金髪の美人が、マユミの方にお尻を突き出し、足を開いた形で縛り上げられている。

自分の物も見たことがなかったのに、そこには女性器も肛門も露わに丸見えである。
そして、その女性器はテカテカと光っていた。

「アスカも待ち切れなくって、濡らしているし」
マナのその言葉に顔を真っ赤にするアスカ。

マナの指導の元、アスカに鞭を振るマユミ。
その顔は次第に真剣になって行った。



続きを読む
前を読む
戻る


新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。
拙著は当該作品を元に作成した代物です。
inserted by FC2 system