第拾弐話
アスカ来日


「あ、あの・・・」
「なんや?」

休み時間になり、ヒカリはトウジの元へ来ると、怖ず怖ずと声を掛けた。
怪訝に顔を上げるトウジ。

「あ、綾波さん達、今日は放課後NERVに行かなければいけないらしくて、昼休みならって・・・」
「なんや、使えんやっちゃのぉ」
「でも警戒されても困るからそれで良い事にすれば?彼奴らだって早い方が喜ぶんじゃない?」

ヒカリに助け船を出したのは、ケンスケであった。
基本的に小心者であり、ヒカリに気を遣っているのだ。

「それもそやな。解った昼休みでかまへんわ。ちゃんと連れて来るんやで」

ヒカリはコクリと頷くだけで、そそくさとトウジ達の元を離れる。
実は、話すだけでも鳥肌が立つ程、気持ち悪かったのだ。
ヒカリの立ち去る後ろ姿を見てトウジ達は、鼻の下を伸ばしている。
昨日の事でも思いだしているのだろう。

「何故かハードディスクのデータが全部飛んじまったからなぁ。今日はしっかり撮るぞぉ」
「彼奴らの本命も綾波と山岸やろ。ヒカリのが無くなっても本人に解らんかったら大丈夫や」
「ああ、俺もそう思うよ」

ケンスケは、カメラやビデオの手入れを始める。
そんなケンスケをトウジは、呆れた顔をして見ていた。
しかし、実はトウジも昨夜はケンスケの家で何度もヒカリの映像を見直していたのだ。
その結果がヒカリに対する馴れ馴れしい態度だったのである。

「昼休みが潰れるっちゅう事は、早弁やな」

トウジは閃いたとばかりに、購買へと走って行った。



昼休みに昼食を食べる事もなく体育倉庫に集まる不良達。
彼らに取っては、かなり興奮するイベントであったのだ。

「俺、もう昨日何回抜いたか解らないよ」
「どっちで?」
「山岸」

「まぁ艶っぽいからなぁ」
「お、俺は綾波。あの無表情の人形みたいなのを歪められるのかと思うと・・・」
「変態だな」

「大体、彼奴ら生意気なんだよ」
「そうそう、なんとかのパイロットってのも怪しいもんだしな」
「もう壊れたから乗れないとか言ってるんだろ?最初からあったかどうかも解んないぜ」

「おっ来たようだぜ」
「キシシ、興奮して来たぜ」

好き勝手な事を言っていた不良達は、平静を装い、扉を開けて入ってくる人物を待ちわびて居た。



ガラガラッと言う音と共に、暗い室内に外の光が差し込んでくる。
逆光の影になって顔は解らないが、そこには3人の女史生徒と1人の男子生徒が立っている。
その中でも1人の女子生徒の髪が、外の光に照らされ光り輝いていた。

「良く来たな。そんな所に突っ立ってないで、まぁ入れよ」

リーダらしき男が、取り敢ず警戒させないためか、穏やかな口調で入室を促した。
しかし、その口元には下卑た笑いを浮かべている。
周りに居る男達も同じようにヘラヘラと笑っていた。
トウジやケンスケさえも、同じように笑っている。

レイ、マユミが先に進み、シンジとヒカリがそれに続く。
部屋の中央辺りまで進むと、シンジ達は周りを取り囲まれた。
既に入り口も閉められ、外からは開かないようにしている。

「とても謝ると言う雰囲気では有りませんねぇ」

マユミが眼鏡をクイッと右手の中指で押し上げ周りを見回しながら呟いた。
震えているヒカリの手をシンジは、しっかりと握っている。
来なくても良いと言ったのだが、ヒカリ自身が付いてくると言ったのだ。
既にヒカリは、レイ達を信じ切っているが、流石にこの状況は、恐怖の記憶を呼び起こすらしい。
それでも、気丈に付いて来ている辺り、大したものである。

「クック、謝るのはお前達なんだよ」

跳び箱の上に片膝を上げて座っているリーダらしき男がニヤニヤしながら言い放った。
周りの男達は、今か今かと襲い掛かるタイミングを計っている。

「どう言う意味でしょうか?」
「お前達が鈴原を除け者にしたんだろ?それってイジメじゃねぇか。俺達はイジメをしているお前達を制裁するのさ」

「成る程、それでどのような制裁なのでしょうか?」
「ふん、この状況で女がする事は決まってるだろ?男は、そうだな、1人3発ずつでも殴らせればいいや」

「解りました。確かにこの状況では、私達のする事は決まっていますね」

マユミは、そう言うとレイと顔を合わせコクリと頷く。
頷いたレイと共に、制服のリボンを解き始める二人。

「へぇ〜話が早いじゃねぇか」

「シンジ様、1人3発らしいですよ」
「えぇ〜?僕、そう言うの苦手だなぁ」
「・・・偶には、そう言う事もあるわ」

まるで世間話をしているようにシンジと話ながら制服を脱いで行く二人に、周りの人間も対処に戸惑っている。
そして、制服の下から出てきた二人の姿に、眼を見開いて驚いていた。

そこには、真っ白いエナメル調のビスチェに身を包んだレイと、真っ黒のエナメル調のビスチェにに身を包んだマユミが立っている。
どこから取り出したのか、二人はいつの間にか同色の膝まであるブーツと肘まで隠れる手袋をしている。

周りの人間が唖然としている間に、これもまた、どこから取り出したのかシャムシェル宜しく、二人は同色の二本の鞭を振り始めた。

「なっ!どういうつもりだ?!」

「この状況で私達がする事は一つ」
「・・・愚かなリリンに愛の鞭」

そう言うと共に、レイがニヤリと笑いながら縦横無尽に鞭を振い始めた。
ヒカリとシンジは、レイとマユミに挟まれる形でその場にいる。
レイとマユミは、シンジとヒカリに背を向ける形で、部屋中に鞭の嵐を吹き荒れさせていた。

叫声と共に逃げ惑う男達。
鞭の当った場所から服が裂け、血が滲み出ている。

「世界に満ちたる邪悪なる情欲よ、この愚者達に全ての感覚をその快楽に溺れさせ、自らの欲情を自らに滾らせよ」

意味不明な呪文のようなものをマユミが呟くと、それまで襲ってきていた鞭の激痛が快感になり始める男達。
鞭が打たれる度に悶え狂うむさ苦しい男達を、シンジとヒカリは汚物を見るような眼で見ていた。

既に、服はボロボロに千切れ、殆ど全裸の男達。
多量に鞭を受けて傷だらけであったはずの身体に、その痕跡は無い。
既に、身体に触れる物全てが快感に変わってしまう男達は、遂に、自分達で抱き合い、性行為を始めて行った。

トウジはケンスケの肛門を犯しながら、誰かに犯されている。
ケンスケは、肛門と口と手を駆使して、何人も相手をしており、自らも誰かの口に突っ込んでいる。
その情景を見詰めながら制服を再び着終えたレイとマユミは、シンジとヒカリと共にその場を後にする。

入り口を開け放ったまま。
シンジ達の行動に気付かず、貪り合う男達。
5時限目の開始と共に、彼らは発見され、その痴態を全校生徒に晒す事となった。



「僕には、男同士は気持ち悪いだけだね」
「・・・そう、良かったわ」

レイのその言葉は、現状で唯一の不安材料である、某銀髪紅眼の少年に対する牽制であった事は間違いないだろう。
この時のレイは、まだ知らない。
その、存在がこれから自分達に多大な影響を与えて来る事を。

「そう言えばシンジ様、1人3発ずつだったはずでは?」
「あの状況で接触したら、纏わり付かれそうだったじゃない」

「確かにそうですねぇ。洞木さんは、大丈夫でしたか?」
「え?えぇ、でも私もあまり見ていて気分の良い物では・・・」

「・・・女の方が良いのね」
「そ、そう言うわけじゃ・・・」

「レイ様も、そんなにイジメなくても宜しいじゃないですか」
「・・・そうね」

「今日も来られますよね?」
「は、はい、迷惑でなければ・・・」

「シンジ様も混じりますか?」
「洞木さんが望むなら僕は混じっても良いけど、まだ男は恐いんじゃないかな?」

「そうなのですか?」
「え、えぇ、その、恐いと言うか、なんと言うか・・・」

顔を真っ赤にするヒカリ。
実際、男は恐いだろうが、シンジに至っては恥ずかしさの方が先に出るのだ。
昨日の今日であるし、色々知られてしまった。
そして、昨夜の事も知っているだろう。
そう思い、ヒカリは顔から火が出る程、真っ赤になった。

「・・・急ぐ必要はないわ」
「それもそうですね。今日は皆で美味しい物でも食べましょう」

「・・・美味しい物。碇君?」
「あ、綾波ぃ・・・掻き回して遊んでない?」

話している内容は兎も角、3人は、和気藹々と教室に戻って行った。



「ヘロゥ!ミサト!元気してた?!」

停泊する一隻の空母から甲高い声が掛けられた。
横須賀港に停泊している空母オーバーザレインボーである。

「まあね!なたも背、伸びたんじゃない?!」
「そ!他の所もちゃあんと女らしくなってるわよ?!」

何も船の上と下とで大声の遣り取りをする必要も無いと思われるのだが、二人は再会を演じていた。
お互いに相手を賑やかな人間だと思っている。
黄色いワンピースを着た赤っぽい金色の髪に青い瞳をした腰に手を当てて見下ろしている少女。
エヴァンゲリオン弐号機専属パイロット、惣流=アスカ=ラングレーである。
そして応対しているのは、我らが作戦課長、葛城ミサト。

スカートが翻るのも気にせず、階段を駆け下りてくるアスカ。
ミサトの眼は、別な船から荷揚げされる大荷物の方を見ている。
そちらにはリツコが立ち会っていた。

「迎えはミサトだけなの?」

ボーッとしている間にアスカがすぐ近くまで来ていた。

「え?あぁ他の人は、ほら、あそこで弐号機の引き渡しに立ち会っているのよ」
「そうじゃなくて、ミサトの事だから他のチルドレンとか連れて来てると思ってたのよ」

「あっ、彼らは私の権限では勝手に動かせないから」
「勝手にって、ミサトって作戦課長なんでしょ?」

「そうだけど、もう使徒も来ないし、彼らのエヴァも無いし、貴女もきっと同じ待遇になると思うわよ」
「同じって?」

「普通に学校に行って、普通に生活して、偶に実験に参加するぐらいかしら」
「学校ってアタシ大学を卒業してるわよ?」

「あぁ日本じゃ義務教育って言ってね、ジュニアハイスクールまでは行かないといけないのよ」
「ふ〜ん、まぁ良いけどね」

世間話をしながら、ミサトの車に乗り込むアスカ。
ミサトは少し誤解している。
義務教育とは、教育を受ける義務があるのでは無く、教育を受けさせる義務があるのである。
受けさせるのは、当然保護者であり社会である。
義務を負っているのは本人では無いのだ。

ミサトの車がその場を離れた後から、黒服の護衛を二人従えた、長い銀髪に紅眼の少女が船を降りて来る。
風に靡く髪を片手で押さえ少女は辺りを見渡すと、荷物の方で指示を飛ばしている金髪の女性に眼を付け、そちらに向かって歩き出した。



「失礼、NERVの方かい?」
「え?えぇそうだけど貴女は?」

突然掛けられた声にリツコは、驚いて振返った。

「僕は、カヲル=渚=ローレンツ」
「貴女が?迎えの者が行ったはずですが・・・赤いジャケットの女性を見ませんでしたか?」

「その方なら多分、フロラインラングレーと共に既に去られましたね」
「ミサト・・・また書類を読んでなかったのね・・・」

目頭を押さえ蹲るリツコを少女は心配そうに見詰める。

「大丈夫ですか?体の調子が悪いのかい?」
「いえ、ごめんなさい。もう少しで受け渡しが終るので待っていて下さるかしら?私が一緒にNERVまで案内させて頂きます」

「それは、助かるねぇ」

少女は、一礼すると数歩後ろに下がり、リツコの方を微笑んで見ていた。
高めの少女らしいハミングが聞こえて来る。
それは、何故かベートーベンの第九であった。



「テーマパーク?」
「いいえ、テーマシティ、この第三新東京市そのものを商品にするんだよ」

NERV司令室で、ナオコとリツコにカヲルが対峙して話をしている。
その内容は、今後のNERVの活動方針であった。

使徒はもう来ない。
これはNERVが上げた報告であるが、国連は、はいそうですかとNERVを解体するわけには行かなかったのだ。
NERVが使徒が来るからと言っていた時は馬鹿にしていた連中も、いざ使徒が襲来したなら、今度はもう来ないと言っても信用しない。
来たらどうするんだと、解体を認めないのである。

しかし、エヴァ自体維持するだけでもかなりな金額が必要になる。
金を出す段になると、そういう輩ほど途端に渋り出す。

そこに声を上げたのがローレンツ財団であった。
ゼーレの本拠地は悉く破壊したが、その親族までは手を掛けていない。
ローレンツ家は、当然と言えば当然であるのだが莫大な資産を持っている財団であったのだ。
そして、長であるキール=ローレンツが死去した今、財団の顔としての代表は、カヲル=渚=ローレンツであった。

そして持ちかけた話が、国連での負担金を減らし尚且つエヴァを維持できる施設の確保。
それが、第三新東京市の商品化であったのだ。
数々のオーバーテクノロジーを持つNERV。
使徒迎撃をテーマとしたテーマシティの建設。
近隣に空港を作り、世界的なテーマシティとし、その経済効果と宣伝効果による資金援助者の確保。

万国博覧会を通年で行おうと言うのに等しい案であったが、それを成し得る材料がNERVには有った。
未知の生命体、使徒の情報。
エヴァの技術とMAGIの技術。
世界的遺産としてもおかしくない自然遺産か過去文明遺産であるジオフロント。
既に数々のオーバーテクノロジーを以て建設されている使徒迎撃設備。

カヲルのプランにはMAGIを使った疑似エントリーシステムも提唱されている。
これは、LCLを媒体とせず、インターフェースセットだけでシンクロしているようにMAGIに情報を送り、仮想空間で疑似戦闘を行うと言うものである。
リツコもその話を聞いて、MAGIなら出来ると考えていた。

これを、疑似戦闘体験設備として目玉商品とすると言うものである。
この技術は後々、色々な分野で注目されるだろう。
何の操作も無く考えただけで動かせるのである。
宇宙空間での遠隔操作や、人間が入り込めない海底や火口内での作業。
物作りや、思考を具現化して表現するなど色々な応用が予測される。

「でも、誰が運営するのかしら?」
「そのために僕が自ら来たのさ。僕が監査役として、後数人経営陣を派遣する予定だよ」

「漸く私も解放されるのかしら」
「それは早計と言うものだよ。研究機関としてのNERVは、貴女の管轄だよ。ゼーレを滅ぼした責任は取って貰わないとね」

「そう、貴女は私に復讐するつもりなのかしら?」
「そんな気は毛頭ないよ。今のローレンツ財団を生き残らせる手段としてNERVを取り込むのが有益だっただけさ」

ニッコリと微笑むカヲルの言葉を全て信用する訳には行かないが、ナオコは当面敵対する事はないだろうと腹を括った。
ナオコもリツコも、マユミ達から警告が無い以上、今すぐどうなると言う事は無いと言う安心感もあったのである。



「そう来ましたか」

お茶を出しながらマユミが呟く。
久しぶりにシンジの部屋にリツコとナオコがやって来ていた。
用件は勿論、カヲルの事である。

「貴女でも解らなかったの?」
「はい、彼女は今後の世界を導く者の1人ですから」

「他には誰が居るの?」
「それも不明です。新たな力が産まれる可能性も有りますし」

「罠かしら?」
「かも知れません。しかし、現状では彼女の案は既に国連の決定事項ではないのですか?」

「そうね。彼女が来る事は正式に国連からの通達にあったし、正式な文書も彼女は持って来ていたわ」
「NERVを維持するには、斬新ではありますが理に適った案である事も事実です」

「はぁあ、折角これから悠々自適な生活を目論んでいたのに、まだまだ解放してくれないみたいね」

ナオコは、本当に意気消沈と言う感じで溜息を吐く。
ここに居る者に取っても現状では、あまり明るい話題では無い。

「明日、セカンドチルドレンと共々顔合わせを行うからNERVに来て頂戴」
「「はい」」

「・・・私達にまだ遣る事があるの?」
「カヲルさんの話では、折角のチルドレンだから使わない手は無いらしいわよ」

リツコの答えにレイは、怪訝な顔をする。
カヲルが女性体で存在している事はマユミから聞いていたが、今更関わってくるとは思っていなかったと言うのが実状である。

「世界を導く少女か・・・なんかジャンヌ・ダルクみたいだね」
「近い物がありますね。彼女もそのカリスマ性で崩壊しかけたローレンツ家を復興し始めています」

「・・・碇君」
「兎に角、会ってみない事には、どうしようも無いんじゃない?」
「・・・そうね」

シンジの言葉にコクンと頷くレイ。

「貴女も明日一緒にいらっしゃい」
「はい?」

話に加われず、皆とは離れてソファーに腰掛けていたヒカリがナオコに唐突に声を掛けられて驚いて返事をした。

「学校での事は聞いているわ。この子達と一緒じゃないとまだ不安でしょ?」
「は、はい・・・あ、あの・・・宜しいんですか?」

話を聞いているを言われ顔を真っ赤にするヒカリ。
しかし、これは願ってもない話である。
未だ、レイ達が居ない学校に行くのは、恐いのだ。

「総司令代理が言っているんだから大丈夫だよ。ところで、彼女の案では結局エヴァやチルドレンはどうなるのですか?」

「弐号機は展示品名目で維持運営、チルドレンは疑似エントリーシステムのデモンストレーター兼インストラクターよ」
「インストラクター?」

「そう、これから早急に疑似エントリーシステムを作り上げるわ。それはLCLを媒体としないインターフェースヘッドセットだけのシンクロシステムよ」
「そんな事が出来るんですか?」

「MAGIを使ってヴァーチャル空間でのシンクロになるわ。貴方達のシンクロ時のデータを元にMAGIに疑似させるのよ」
「成る程、それでインストラクターって言うのは?」

「それを、一般人が体験できるようにするの。その際のインストラクターって事」
「はぁ・・・何か出来るとは思えないのですが・・・」

「それはシステムが出来上がってみないと、何とも言えないわね」

リツコはシンジに曖昧な苦笑を以て答えた。



「・・・どう言う事?」

あられもない姿でヒカリが寝ている横でレイが呟いた。
マユミと二人でヒカリの身体を弄んだ後だ。

全裸の上に俯せでスヤスヤと寝息を立てているヒカリは、その全身が汗ばんでおり、満足そうな顔をしている。

「ここではなんですから」

同じく全裸のマユミは、レイにそう言うと、レイもコクリと頷き、二人でその部屋を後にした。
部屋から出るとソファーにシンジが寛いでいる。
全裸の二人を見ても狼狽える事がないシンジ。

「どう?」
「安らかに眠って居られます」

全裸のままシンジを挟むように座るレイとマユミ。
レイは、そのままシンジの顔を自分の方に向けるとシンジの唇を貪った。

「元々、フィフスチルドレンは、彼女の遺伝子を元に製作されたようです」
「じゃぁ元々は、女性だったんだ?」

シンジのベルトを外しながら話すマユミにシンジも普通に受答えしている。
既にその手はレイの胸と股間を弄んでいた。

「アダムと言う言葉に男性体を意識したのでしょう。うっ」

シンジの上に跨りながら話を続けるマユミ。
その股間には既にシンジの逸物を呑み込んでいる。

「・・・それはフライングだわ」
「くはっ!」

レイの言葉と共に、シンジの股間からもう一本の生殖器が生え、マユミの肛門を貫いた。
シンジの上で仰け反り痙攣するマユミ。

「・・・失敗。喜ばしただけ」

不満気に口を尖らせるレイ。
そんなレイの頭を優しく包み込み、シンジがレイの唇を塞ぐと、今までの不機嫌が嘘のようにレイはシンジの口内に舌を蹂躙させる。

ヌチャッと言う音と共にマユミをシンジから引き離すと、今度はレイがシンジに跨った。

「んぐっ」

自ら両方の穴にシンジを呑み込むレイ。

レイとマユミはヒカリとの行為により、既に肉体的には充分な満足感を得ていた。
つまり、女性同士では味わえない圧迫感だけを今求めたのである。
それはシンジ達に取っては他愛ない事。
食前酒のような物である。

そして、徐々にレイの股間はシンジと融合していく。
マユミを抱いているシンジの腕もマユミに融合していく。

3人はお互いに溶け合い、重なり合い、一つになる満足感を得る。
その序でに明日からの行動についても確認を行いあっていた。



翌日、シンジ達はヒカリを伴いNERVへとやって来ていた。
ヒカリはレイ達の見た事が無い服装に顔を赤くしたり青くしたり、朝から一騒動であった。
ヒカリも制服では何なのでレイから服を借りている。
因みにマユミの服はメイド調の物が多かったからだ。
ヒカリは比較的大人し目のジーンズとTシャツにカーディガンと言うラフな恰好に落ち着いた。

リツコから指示されていた部屋、ブリーフィングルームに入ると、朝だと言うのに珍しくミサトが先に来て待っている。
その傍らには、黄色いワンピースを纏ったアスカが居た。

シンジ達はミサトを一瞥すると、少し離れた位置に座ろうとする。

「ちょっと、貴女誰?ここに部外者は入れないのよ」

見知らぬ顔をミサトが咎める。

「彼女は洞木ヒカリさん。ナオコさんに今日は一緒に来るように言われたんです」
「総司令代理から?」

「そもそもカードが無ければここに入る事は出来ませんよ?」
「・・・相変わらず無能ね」

「なんですってぇ!」

マユミとレイの突っ込みに、今まさに掴みかかろうとするミサトをアスカが服を引っ張り止める。

「何すんのよ!アスカ」
「あれ誰よ」

「あれが、ファーストとサードとフォース。もう一人は知らないわ」
「ふ〜ん、なんであんな恰好してるの?」

「知らないわよ!趣味じゃないの?」

勢いを削がれたミサトは、ドカッと元の席に座り、腕を組むとフンと鼻で息をする。
そこに司令専用エレベータで上がってくる4人。

「皆、揃っているようね」

ナオコが周りを見渡し溜息を吐きながら言った。
それは、明らかに敵対していますと言う表情のミサトと、その座っている位置にである。

ナオコと共に上がって来たのは、冬月とリツコ、それにカヲルであった。
優しげな微笑みを浮かべシンジ達を見詰めるカヲル。
下から睨付けるようなレイ。
何か苛々しているアスカ。
機嫌の悪いミサト。
ヒカリは、この緊迫した空間に場違いな自分を感じているのかオロオロとしている。

相変わらず我関せずなシンジとマユミ。
いや、ヒカリにだけは気を遣っている様子である。
ナオコは、「冬月、後を頼む」と言い、立ち去りたかった。



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新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。
拙著は当該作品を元に作成した代物です。
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