第拾伍話
仮想空間の虜達


薄暗い廃屋。
嘗て、遊技場であったその場所は、少々街外れと言う事もあり、今は取り壊しを待つのみとなっている。
ボーリングのレーンや卓球台、ビリヤードや古くて放棄されたアーケードゲーム類。
崩れた壁から差し込む昼の光が、そのビリヤード台の上で俯せにお尻を突き出している女子高生を照らしていた。
手は後ろ手で縛られ、顔を台の上に抑え付けられた形で膝を立てお尻だけを突き出している。
最近の高校生らしい短いスカートは、その役目を果たせず白い布がすっぽりと包んでいるお尻を丸見えにしている。
常夏の気候のここ、第三新東京市の制服では上は半袖のブラウスが多い。
既にそのブラウスは捲り上げられ、その下にある白いブラジャーさえも捲り上げられて、小振りな乳房が露わになっていた。

膝を肩幅以上に開かれ、固定されているその少女の顔は、その端正な顔立ちを既に涙でぐちゃぐちゃにし、ショートヘアの髪も顔に纏わり付いている。
少女の乳房やお尻には、数人の男達が下卑た笑いを浮かべながら撫で回す手が蠢いている。

「も、もう許して!」
「ふん!私に逆らったらどうなるか、その躰に刻み込みなさい!」

「に、二度と逆らいませんから!」
「まだ、始まったばかりよ。お楽しみはこれから」

ふふんと鼻で笑い、その少女に高圧的な態度で接している少女。
真っ赤なレザーのホットパンツに同じく真っ赤なレザーのベスト。
真っ赤な下着が所々覗いているが、見せるための物なのであろう。
全体的にかなり露出の高い恰好である。
そして、その髪は金髪、瞳は碧眼。
16歳になった惣流=アスカ=ラングレーであった。

アスカの言葉に周りの男達は色めき立つ。
クイッとアスカが顎を上げて合図すると、台の上の少女のお尻を撫でていた男が無造作にその白い布をずり下げた。

「ひっ!」と言う言葉と共に男達の眼に晒される丸いお尻。
その取らされている恰好から、肛門もその下の亀裂すらうっすらと開き、淡いピンク色の肉片を覗かせている。

日本人離れしたその長い足を惜しげもなく晒け出し、近くのソファーにドカッと座り込むアスカ。
その右手にはバーボンの瓶を持ち、クイックイッとストレートで飲みながら台上の少女をニヤリと笑いながらアスカは、その陵辱される姿を観賞していた。



あれから2年の月日が流れていた。
カヲルの危惧していたゼーレの残存組織の襲撃も無く、もうすぐ空港が開港する。
その影には、戦略自衛隊が第三新東京市を警護していたと言う事がある。
変革したNERVは、保安部が無くなり、それらは全て国連軍配下である戦略自衛隊に委ねたのだ。
この事により、レベルは兎も角、数と武装だけは凄まじい物となり、下手なテロなどは未然に防がれていたのである。

当初2−Aの生徒を被験者に疑似シンクロシステムの一般開放を行い、現在では第三新東京市で疑似シンクロシステムを経験した事が無い人間は皆無となっていた。
結局リツコは、最初にテストパターンを送り出し、個人個人にあったレベルのA10神経接続とする事により過度の性感刺激を回避する事に成功したのだ。

疑似シンクロシステムの目処が立ってからは早かった。
LCLを挿入しないのでエントリープラグ程の設備は必要ない。
インターフェースヘッドセットと、疑似シンクロ用のエントリーシステムが急ピッチで量産され第三新東京市には、疑似エントリーシステム用のビルが立った。
その収容人数は、1万人。
カラオケボックスのように2人〜30人ぐらいまで入れる部屋が、約600。
20階建てのそのビルは、現在稼働しているのは1つだが、空港の開港と会わせて10程稼働する予定で建設中である。

2年間の間シンジ達は、カヲルを補佐し中学卒業と共にカヲルの指揮する外交機関を手伝うようになっていた。
ミサトとアスカは、弐号機に拘り、弐号機から離れる部署を拒否していたため、アトラクション部門のエヴァ展示場勤務である。
実際、作戦課はミサトとアスカしか存在せず、組織上はアトラクション部門の一つの課でしかなかった。
その業務は、過去の戦歴の紹介と疑似エントリーシステムのプレゼンテーション。

二人しか居ないと言いつつも、作戦課に与えられた部屋は結構広く、また事務処理など皆無となったためミサトの周りにはビールの空き缶の他は綺麗な物であった。
作戦課室が広いのは、そこにアスカの疑似エントリー用プラグが有るからである。
LCLを必要としないそれは、円筒形では無く球形をしており、内部は全面スクリーンであった。
街に有る物とは違い、アスカ用に色々とチューニングされた物である。

シンジ達が中学を卒業後、外交機関の正式な職員と成ったのに対してアスカは高校生になった。
大学を卒業しているアスカであるが、済し崩しに同居しているミサトが勝手に手続きを行ったのだ。

曰く「ティーンエイジはハイスクールで恋愛よ!」だそうだが、その入学に際してはかなり強引に押し込んだのである。

「普通に入学試験を受けて貰えれば何も問題ありませんが?」
「エヴァのパイロットなんだから無試験で入学させなさい!」
「それとこれとは話が違います」
「大体アスカは大学を卒業しているのよ!学力は問題ないでしょ!」
「大学を卒業しているなら、高校に通う必要は無いじゃないですか」
「あんた、高校生活は勉強だけしてれば良いと思ってるの?!」
「勉強以外なら高校に通わなくても出来ますよ」
「屁理屈ばっかり言ってんじゃないわよ!」

と言うような遣り取りの後、銃で脅して入学を許可させたのだ。
結局、この事が問題となり、ミサトは銃の携行を禁止され階級も下げられた。
アスカは当然、行きたくないと言ったのだが、そこまでして勝ち取った入学をミサトは反故にするわけには行かず、逆切れして強引に入学させたのである。

行く必要もなく行く気もないアスカは、その時間を遊びに費やすように成った。
結局、学校には全く行かず、不良達と連みアルコールとドラッグを煽る日々と成ったのである。
アスカの行動もNERV内では問題となり、アスカ自身も現在ではシンジ達と比べれば、かなり低い待遇となっていた。
元々、ヒカリと友達に成れなかった事からアスカは第一中学でも色々と暴力事件を起こしており、それは減給と言う懲罰として与えられていた。
主にシンジ達に突っ掛るのだが、相手にされず他の生徒や、街の人間に八つ当たりと言うパターンである。
当然アスカは何もかも気に入らず悪循環を繰り返している。

ミサトはミサトで、主に勤務中の飲酒により階級を下げられている。
極めつけはアスカの入学事件で、銃と一緒に尉官階級まで取り上げられたのである。
従ってミサトの今の階級は曹長であった。
ミサトの住居は幹部用の住居なのだが、辛うじて作戦課長と言う肩書きで住居の立ち退きは免れていた。

アスカとミサトが落ちぶれていく中、シンジ達は望みもしない昇進が続き、今ではカヲルの無くては成らないパートナーとしてNERV内では認知されている。
当然アスカとミサトだけは認めていない。
しかし、この二人はエヴァから離れる事が出来なかった。

アスカは実は優秀でも何でも無かったのだ。
大学の卒業も本人の努力と思っているが、裏からNERV権限で卒業させたのである。
惣流=キョウコ=ツェッペリンと言う天才科学者の娘であったために、同年代の他人よりは頭が切れた方であろうし、真面目に英才教育を受ければそれなりの事は出来だであろう。
しかし、エヴァのパイロットとしての過酷な訓練と両立するには周りの環境は整っていなかった。
NERVドイツ支部としてもそんな事に労力と資金を費やす気は毛頭なく、最も簡単な方法でアスカの自尊心だけを上げさせたのだ。
従って今現在では14歳で大学を卒業出来る程の学力は、実は無かったのである。

本人が天才とは努力しなくても何でもこなせる物と思っているため大した努力はしていない。
それに対して都合良く望み通りに飛び級出来たため、本人は自らの能力を疑っていない。

だから、すぐ他人に「あんた馬鹿ぁ〜」とか言うのだ。
天才や秀才であれば、そんな事は言わない。
少なくとも相手がどう考えてそう言う発言をしたのかを推測する能力ぐらい持っていただろう。

ミサトも同様である。
何か一つの免罪符で、何をしても「仕方ないのよ」で済ましてしまう。
こちらもとても日本の最高学府を出た思考とは思えない。
これもゼーレに仕組まれた学歴であったのだ。

ミサトとアスカ。
優秀な科学者を親に持ちながら、その本来の素質を歪められて育った似た者同士であったのかも知れない。

そんなアスカは鬱憤を晴らすために、よく疑似シンクロしていた。
疑似シンクロシステムは、MAGIが造り出した仮想空間にて使徒やエヴァと戦闘を行う。
使徒については、シンジ達からの情報提供により第3から第16までの使徒が用意されていた。
エヴァは当初、零号機、初号機、弐号機、参号機、四号機が選べたがアスカの我儘で弐号機だけはアスカ専用となった。
それに合わせて、NERV内でデザインを募集し、今では多種多様なエヴァが存在している。

因みに仮想空間と言えど、使徒に単独で勝てるのは、シンジ、レイ、マユミだけである。
アスカは未だにATフィールドを展開出来ないでいた。

前史に於いてアスカがATフィールドを展開出来るようになったのは、シンジとのタンデム搭乗が大きい意味を持っていたのだ。
これにより、アスカはATフィールドの展開方法をシンクロ状態で体験出来たのである。
しかし、この時間軸でシンジとのタンデム搭乗は行われていない。
元々ATフィールドは拒絶する心では無く「誰もが持っている心の壁」なのである。
それを、躰から切り離した所で展開するには、自らの心の壁を認知する必要があったのだ。
しかし、虚栄で飾られたアスカの心で、自らの本当の心の壁を認める事は不可能であった。

アスカは、シンジ達の疑似シンクロシステムに自分と違う設定をしているのだろうとリツコに詰め寄った事がある。
それは、ヒカリもATフィールドを展開出来たからだ。
その時、リツコに「シンジ達に聞けば良い」と言われたのだが、アスカのプライドはそれを許さなかった。
そして、第三新東京市に疑似シンクロシステムが公開された時に、一般の中に微弱だがATフィールドを張れる人間が何人か出てきたのだ。

これがアスカの逆鱗に触れた。
アスカは、そう言う一般人のエヴァを見付けると勝負を挑むようになっていった。
いくら盾を使えても、訓練されたエヴァの戦闘員であるアスカにエヴァで勝てる一般人は、そうそう居ない。
そして、負けたら自分の部下になれと言うのだ。
それを拒否したり、部下になっても逆らう人間をアスカは、不良達に襲わせたり犯させたりしていたのである。

アスカがATフィールドを展開出来る人間を部下にしたがるのには理由があった。
空港が完成し開港したなら、疑似シンクロシステムによる世界的規模の競技会が計画されていたのだ。
詳細は未だ決まっていないが、数人でチームを組んで対抗戦を行うと言う概略は決まっていた。
人数や勝敗の付け方が未だ協議中なのである。
しかし、そうなるとATフィールドが張れるシンジ達に対して今のアスカでは勝ち目が無い。
アスカは、エヴァでシンジ達を叩きのめし、自らがエースパイロットと周りに認めさせたかったのである。



「いやぁ〜っ!」

パンツを下げられ、お尻を無造作に男達に開かれた少女は悲鳴を上げる。
そんな悲鳴を歯牙にも掛けず男達は、そこに開いた穴に無造作に指を入れ始める。

「痛いっ!止めてぇ〜!」
「なんだ?もしかして処女か?」

肛門にも、膣にも何本もの指を挿入され泣き喚く少女。
男達は無造作に挿入した指を掻き回し、穴を広げる。

「くっくっく、まず綺麗にしようぜ」
「あっ熱いっ!止めてぇ〜!」

男は少女の股間でライターを灯す。
少女の恥毛は見る見るうちに縮れ、タンパク質の焦げる臭いが充満した。
何の前触れも無く少女の肛門に挿入される浣腸器。

「ほら、暴れると怪我するぜ。一生垂れ流しになりたいのか?」

その言葉に動きを封じられ、嗚咽を漏らしながらもジッと耐えるしかなくなる少女。
冷たい液体が直腸に注がれる感じが気持ち悪い。
何回も挿入されるそれは、直腸を超え腸にまで達し大腸を回って行くのが感じられる。
その間も乳首や性器への陵辱は止む事は無い。

「い、いや、もう止めて・・・」

ただ苦しいだけの責めに嗚咽を漏らしながらも許しを請う少女。
既に羞恥は薄れ、苦痛から逃れる事に意識は集中している。

「トイレに、トイレに行かせて下さい」

少女の懇願など聞こえないかのように、陵辱を続ける男達。
下腹部への刺激を続けられ、最早便意は最高潮となっていた。

「駄目!出ちゃう!いや〜っ!」

少女の叫び声と共に、勢いよく肛門から液体が飛び出す。
最初は透明な液体が徐々に茶色くなっていき、一旦途切れると茶色い固形物が出てきた。
それは、少女の股間に用意されたバケツの中へと収められていく。
その中に入る音すら少女には恥ずかしさを増長させる物であった。

「解った?アタシに逆らうとどうなるのか?」

少女の髪を掴み顔を上げさせるアスカ。
その間も少女のお尻は、注ぎ込まれた液体に混じった汚物が肛門から流れ出している。
少女は涙でグシャグシャになった顔を力無く何度も頷かせるしかなかった。

「も、もう許して下さい」
「駄目よ。今日は皆の慰み者になるの。それが貴女の罰。次はもっと酷い事をしてあげるわ。今日は皆を精々喜ばしてあげるのね。それで今日は許してあげるわ」

「ぅぅっ・・・」
「解ったの?!」

「は、はぃ」

少女は屈服した。
その言葉に満足そうにニヤリとした笑みを浮かべるアスカ。
こうして奴隷化した少女をアスカは何人か抱えている。
そして、男達にはそう言う少女を飴として与えていたのだ。

しかし、アスカは知らない。
ATフィールドが張れる一般人と言うのは、精神的に自律していない人間達だと言う事を。

やはり、疑似シンクロシステムに於いても一番成果を上げられるのは13才から15才の少年少女であった。
それより年が下だと、シンクロは問題ないのだが、エヴァを上手く操れない。
運動能力に関する所が未だ未発達なのであろう。
そして、年齢が高くなるとA10神経に掛る刺激を性感として感じてしまうために強制的にフィードバックを下げるしかないのだ。
その中で微妙なバランスの心を持った人間だけがATフィールドの展開まで漕ぎ付く事が出来るのである。



「くっくっく、アスカもまだまだだね」

室内に設置された100インチの大型モニターを見ながらシンジが呟く。
アスカの行動は監視カメラでいつも監視されていたのだ。

ここはカヲルの執務室。
かなり広いその部屋には、シンジ達の執務机もあるが中央にはゆったりと腰掛けられる応接セットがある。
そして、その前方には天井から吊された大型モニターがあり、皆で見る事が出来るようになっているのだ。

その傍らでは途中から興奮し、ソファーの上で交わりを始めたカヲルとヒカリが居る。
ヒカリは、画面に映る少女と同じようにお尻を突き出し、スカートを捲られ、下着を下ろされた状態で両方の穴にカヲルの物を埋め込まれよがり声を上げていた。
マユミは羨ましそうにモニターとソファーの上を交互に見ている。

「綾波」
「・・・何?」

無表情でモニターを見ていたレイにシンジは声を掛けた。
ちょっとした悪戯を思いついたのだ。
いままでモニターを注視していた紅い瞳がシンジを真っ直ぐに見る。 「脱いで」

レイはコクリと頷くと、淡々と上着を脱ぎスカートを脱ぎ、そして下着も全て躊躇することなく脱ぎ去った。
床に無造作に脱ぎ捨てられているレイの衣服。
普段身に付けている真っ白なレザー地の上に黒いシースルーの下着が重なっている。

その傍らに立つ姿は、透けて見えそうな程白い肌。
下部は丸く張りのある大き過ぎない胸。
その先にある乳凛と乳首はピンク。
内臓が入っていると信じられない程括れたウェスト。
しかし、女性特有の膨らみをもつなだらかな曲線を描く腰。
恥毛は無く、一筋の割れ目だけがそこに浮かび上がる。
太腿から真っ直ぐ伸びた足は足首の所でキュッと引き締まっている。

シンジの前で胸や股間を隠す事もなく立っているレイ。
暫しシンジはその美しさに見惚れていた。

「綾波は、排泄なんてしたことないだろ?」
「・・・面倒だもの」

そう、レイは食べた物を自分の躰の中でLCLに戻し排泄など行った事は無かったのである。
LCLは元々リリスの体液である。
水槽の中に漂っていたレイ達はLCLにより栄養を摂取していたが、当然排泄される物もLCLだった。
羊水の中に居る胎児が、羊水を呑み込み羊水を排泄するような物である。
レイがカロリーブロックと水だけの食生活で、痩せているとはいえそれなりの肉体を保っていたのはこのためであったのだ。
今現在、SS機関を持つレイは、栄養の摂取すら必要ないのだが、そこはシンジと一緒に行う事として楽しみの一つであるので食事は行う。
だが、排泄は面倒なので躰の中でLCLに戻していたのだ。

「疑似体験させてあげるよ」
「・・・疑似体験?」

その会話の間もレイは、全裸のままシンジの前に立っていた。

「マユミ、腸詰めのウィンナーを用意してくれる?」
「畏まりました」

シンジの意図を理解したマユミは、ニッコリと微笑み会釈すると部屋を後にした。
それを確認するとシンジは、レイの腕を引っ張り自分の前に来させる。
目の前のテーブルに手を付いた形でレイはシンジにお尻を向けさせられた。
シンジの目の前には、程よく肉付いたレイのお尻。

「マユミが戻ってくるまで、少し解しておこうね」
「あふっ」

そう言うとシンジはレイの股間に顔を埋めた。



「どう?」
「・・・お腹が痛かったのが無くなる解放感はある。でも・・・」
「でも?」
「・・・見られたくないと思った。そう、これが恥ずかしいと言う事ね」

シンジと話しながら頬を染めるレイ。

シンジ達は、既にレイと一体となっている。
あの後、マユミが用意したウィンナーをレイの肛門から挿入し、レイに自力で排泄をさせた。
それを羨ましそうに見ているマユミに、レイは同じ事をしてマユミを悦ばして逝かせた。
マユミの場合、まん繰り返しに固定され、シンジとレイに散々玩具にされたのだが、いつもの事であった。

この2年間で、すっかりカヲルとの関係も出来上がり、レイ達は新たなステージを迎えようとしている。
毎日のように一つになる5人は、既に確固たる信頼関係が結ばれていた。
カヲルは内に秘める淫魔がインキュバス(男性体)である事が解った。
それ故の両性具有であったようだ。
因みにマユミはサキュバス(女性体)である。

そのためなのかカヲルはヒカリと対になる事が多い。
ヒカリは、カヲルに秘書として雇われている。
ヒカリも正式なNERV職員となったと言うわけである。
高校へは行っていない。
現在、シンジ達に教わりながら通信制で学業を行っていた。

結局ヒカリはカヲルに魅入られて男に興味を示さなくなってしまったのである。
それを餌に時々レイとマユミに責められ、逝かされる事も屡々であったが、シンジとは肉体的性交渉は行われていない。
この中に居てヒカリだけは、未だ融合から解除しても人なのである。

それは、融合から解除する時に、レイ達の助力があるからであった。
自ら意識して人外と成ることを許容したシンジとは違い、ヒカリは人である自分しか意識出来ない。
故に躰の隅々まで自分を意識する事が出来ないのだ。
人は自分で心臓が動いたり、腸の躍動を意識したりしていないからである。
そこをレイ達が補うため、無理に人外とはしないのだ。

そのため、ヒカリのために融合から解除した時は乳酸菌を取るようにしている。
腸内の菌まで再生出来ないためだ。
ヒカリ以外の者達はそれでも問題ないのだが、ヒカリは最初の頃、かなり便秘に悩まされたのだ。
腸内の雑菌が全て存在しなくなってしまうかららしいと気が付いたのはマユミであった。
逆に口内の雑菌も居なくなるため、虫歯を気にする必要がなくなったと言う利点もあった。

未だ雀斑が消えないが、少し大人っぽくなったヒカリは、シンジ達の住居に於いてマユミと家事を行う事が多い。

お陰で、シンジとレイ、そしてカヲルは美味しい食事には不自由しない生活を行っていた。
某、作戦課長宅とは雲泥の食生活である。
因みに、某、作戦課長宅で調理器具が使われた事は無い。
アスカが自分が汚した訳でもないリビングなど掃除しないため、そこで食事をする気にはなれないためもっぱら外食なのである。
ミサトは出来合の物かインスタント物しか家では食べない。

これも二人が荒んでいる大きな原因の一つであるだろう。

「そう言えば、アスカが疑似シンクロの仲間をやたら作ろうとしているね」
「多分、競技会に向けてだろうね」
「僕達は、そんな物に出る気は無いんだけどなぁ」

シンジ達には、アスカの仮想敵が自分達である事は解っていた。

「デモンストレーションはして貰う事になるよ?」
「それこそアスカにやらせれば良いんじゃない?」
「彼女はATフィールドを張れないからねぇ」

「それより、空港が出来ると怪しい人間も入り込み易くなるんじゃない?僕はそっちの方が心配だよ」
「それに付きまして、最近、元ゼーレの残党の動きが活発になってきています」

カヲルとシンジの話に割り込んで来たのは、マユミである。
今は、レイの中に皆居るのだが、レイはシンジを膝枕しており、カヲルはヒカリを膝枕している。
レイとカヲルが向き合った形で、話をしているのが、カヲルとシンジだったのである。
因みに何故かマユミはシンジの足をマッサージしていたりする。
精神体の状態でマッサージが必要なのかと思うのだが、それがマユミのスタイルらしい。

「どういう風に?」
「どうやら私やカヲル様と同様な者に、残っていた使徒の細胞を植え付けた、言うなればハイブリッド淫魔の製造に成功したようです。偶然だったようですが」

「それはまた厄介だねぇ」
「はい、ただ使徒の細胞は既にアボートシスを起こしていますので、植え付けられた者達は必然的に短命となっております」

「また非人道的な事を・・・」
「それらを戦闘員として送り込んでくるつもりのようです」

「NERVで対抗出来るの?」
「今のままでは無理です。私達でも油断していると危険です」

「能力は?」
「淫魔の覚醒と、物理的な身体能力の向上。それとATフィールドです」

「狙いは?」
「エヴァ弐号機」

「NERVとしては弐号機でATフィールドを中和して殲滅するしかないか」
「・・・弐号機パイロットはATフィールドを張れないわ」

レイの突っ込みに「そうだったね」とレイの髪を撫でるシンジ。
その心地良さにレイは眼を細める。

「総数は?」
「現在のところ5人です」

「どうする?カヲル君」
「放っておこうかなぁ」

カヲルの言葉にその場に居た全員が驚愕した。
が、それも一瞬で、すぐにカヲルの本来の目的を思い出した。
カヲルの思念が伝わったと言っても良い。

「大丈夫なの?」
「実は、弐号機も、もう殆ど素体の維持が行えていなくてね」

「その事をアスカは?」
「勿論気付いていないさ。シンクロ実験はコアとのみだし、エヴァは拘束したままだからね」

「でもフィードバックがあるんじゃないの?」
「彼女も、ギリギリのところなんだよ。もうフィードバックもあまり感じない程にね」

「そのハイブリッド淫魔の人達はなぜゼーレに従っているの?」
「元々人体実験用に集められた人達なので、覚醒前に頭にチップを埋め込まれています」

「チップ?」
「はい、外部操作により激痛を発生させる物で、最悪爆破も行えます」

「孫悟空の頭の輪のような物?」
「もっと酷いと言えるでしょう。それに反発して見せしめとなった者も居るようです」

「なるようにしか成らないか」

シンジの言葉は、この場に居る者全員の言葉を代表するものだった。

実際ゼーレの残党である老人達は延命のための試作として人体実験を繰り返していたのだ。
カヲルのインキュバスの力は、女性に対し有効なのだが、男性に対しては屈服心を植え付ける。
それは本能的な物なのであろう。
女性に対する魅力として、男性の本能の奥底で敗北感を味わうのだ。

それは女性体であるカヲルにとり、カリスマと呼ばれるに相応しい能力となっていた。
男性は平伏し、女性は羨望の眼を向けるのだ。
一般的に、男性に人気のある女性は同姓から疎まれ易いが、カヲルはこの能力で男女ともに惹き付けた。

しかし、既に精力が衰え、生にしか執着のない老人達には効かなかったと言う事である。
老人建は、もう既に若い者にそんな事は負けているのは解り切っっている事だから、その屈服感は今更の物であったのだ。

そして、カヲルとは懐を分ち、自らの延命のための努力を行っていたと言う訳である。
その中で偶然造られたハイブリッド淫魔達。
老人達は淫魔が覚醒したとは思っていない。
彼らにそれを感じ取る能力は、既になかったからである。
単に使徒の能力を持った人間が出来たと思っていたのだ。

そんな彼らが考える事は、出来上がった兵士を使い昔の権力を取り戻す事。
NERVの科学力は、老人達にとっても価値の高い物であったのだ。
それを使えば延命に高い確率で利用出来ると考えていた。

人類補完計画が頓挫した現在、彼らは有りとあらゆる手段を欲していた。
使徒と融合すれば永遠の命が手に入るのではないかと誰かが言ったための人体実験だった。
それ程、彼らはアダムの体組織を神聖視していたとも言える。



第三新東京市の環境は、二人の淫魔の影響でかなり乱れていたのだが、そんな事はここに居る者達には関係ない。
アスカの行き過ぎた性的虐待も、この影響をかなり受けているのだが知った事ではない。
その影響の現れ方は、その人間の心の問題であるからだ。
健全な心を持っている人間には、それは性行為の時激しくなる程度なのである。
現にNERV内は、カップルで溢れていた。

ナオコは冬月と大人の関係を持っている。
リツコと言う娘が居るナオコは、特に結婚を迫っている訳ではない。
それも一つの男性操作術として割り切った肉体関係のみであった。

リツコはと言うと、マヤではなくマコトとそう言う関係になっていた。
マヤはシゲルとである。
お互い手近なところで済ませたと言う感があるが、忙しい4人にすれば当然の帰結だったのかも知れない。
これは酒の席の勢いと言うものだったらしいが、マユミが介入したらしい。
マユミ達の影響を色濃く受けているリツコとマヤが欲求不満で爆発しそうになっていたからだ。

従ってこちらも恋愛関係と言うよりは、ドライな肉体関係だ。
ミサトは当然加持と引っ付いており、それがアスカの火に油を注いでいるのは言うまでもない。

しかし、ここ第三新東京市には不健全な人間が集まっているようであった。
婦女暴行事件など日常茶飯事であり、公にならない学生の性的虐待は止まるところを知らない。
疑似シンクロによる賭けバトルなどは最たる物で、それにより輪姦される少女の数は鰻登りとなっているが、個人間の取引としてNERVは関与しない。
そのグループの筆頭がアスカであったりするのだが、当然他のグループも居る。

全身黒いレザーのぴっちりしたホットパンツにベストの男ばかりの集団。
そこには、その昔ジャージと呼ばれた少年、鈴原トウジとミリタリーヲタクと呼ばれた相田ケンスケが居た。
彼らはゲイ集団として認知されている。
彼らもまた、賭けバトルの常連であった。
通称HG軍団と呼ばれる彼らは、有る意味アスカより悪辣であった。

狙う相手も違うのだが、アスカが従属を求めるのに対し、彼らは金品を求める。
相手が女性であれば、その身体を売らせたり、卑猥なビデオを撮影し、それを売り捌いたりして払わせる。
ゲイのため、自分達で犯したりは、しないらしい。
相手が男性であれば、借金させてでも払わせると言う有る意味チンピラに近い集団であった。
こちらは相手を犯す事もあるらしい。
当然ながら賭けバトルも汚い手で勝つ。

風俗店も乱立しており、そのサービスの過激さは日本全土に知れ渡っている程である。
常夏となっている第三新東京市では、露出度の高い女性で溢れており、ナンパの為だけに県外から訪れる人間も多かった。
ナンパ率もさることながら、その後の行為にまで行き着く確率が高くその内容も過激だからである。
聞くところによると、この街の性行為を経験した事のある女性は、99.89%の確率でアブノーマル行為を経験した事があるらしい。
最初が輪姦や強姦と言うケースも多い。

正しくソドムと呼ぶに相応しい街。
ここでシンジ達の戦いの第二幕が開けようとしていた。



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新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。
拙著は当該作品を元に作成した代物です。
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