第弐拾六話
世界創造


カランと音がして扉が開いた所に立っていたのは、14歳の山岸マユミであった。
シンジは、終に来る時が来たかと感じていた。
マユミは、嬉々として若かりし自分のところへ水を持って注文を取りに行く。

「何になさいますか?」
「あ、あの…」

「???」
「その…あの…」

マユミは、思い出した。
そうであった。
あの頃、何か自分では無い意思に時々動かされ、自分でもその場所に居る事が理解出来ない事が度々あったのだ。

シンジに、自分を殺してくれと頼んだ時も、実際、どうやってあの場所に行ったのか、まるで解って居なかった。
きっと、この14歳のマユミは、体の中の使徒の魂が、シンジの魂をアダムと誤認し、ここへ導かれて来たのだろう。
いや、ここには、レイも居る。

地下のリリスは、紛い物だが、本来の使徒の大きさでは、この場所まで特定する事は、出来ない。
シェルターに入ったシンジとレイを、地下と言う感覚で彷徨い、地上で殲滅されているのだ。
だが、人間サイズであるが故、14歳のマユミは、ここまで導かれてしまったのだろう。

「取り敢えず、暖かいココアでも如何ですか?お薦めですよ?」
「あ、じゃぁそれを」

14歳のマユミは、その物腰の柔らかいマユミの微笑みに顔を赤くしていた。
自分では、着る事が戸惑われる大胆な服装に赤面したのかもしれない。

「どうするつもり?」
「さて、どういたしましょう?」

シンジは、こっそりと聞いたのだが、マユミは、何時ものようにニッコリと微笑むだけである。
シンジとしては、マユミのことだから必要なら何か頼んで来るだろうと、深く追求しなかった。

「…使徒の魂を、取り除く?」
「今、取り除いて大丈夫でしょうか?」

「…問題ないわ。追い出すだけだもの」
「では、お願い致します」

レイの提言には、あっさり乗ったため、ちょっとシンジは、面白くなかった。
少し唇を尖らせているとレイと目が合う。
レイは、くすりと笑うと、マユミの方へと向かった。



それは、ひどくあっさりとしたものだった。
レイが14歳のマユミの傍に近づいていくと、14歳のマユミは痙攣を起こし、そのまま体から何かが抜け出ていってしまった。
それと同時に、街中には警報が鳴り響く。

「どうするの?」
「仕方ありませんわ」

そう言うとマユミは、14歳のマユミの元へ行き衣服を脱ぎ始めた。
はらりと落ちるマユミのゴスロリチックな黒いミニスカート。
そこには、抜けるような白い肌に扇情的な黒いレースの下着。

ガーターベルトに吊られたストッキングを脱ぎ、下着さえも躊躇なく脱ぎ去る。
なんの躊躇いもなく、その場で全裸となったマユミは、14歳のマユミを抱きしめた。
淡い光に包まれ、その光がおさまった時には、14歳のマユミのみとなっていた。

「同化しちゃったの?」
「はい」

「…あの娘は?」
「私と同化して歓喜しております」

そう言って微笑むマユミ。

そして、マユミは14歳のマユミを演じ、この世界のシンジ達との別れを装った。



使徒は、順調に現れ、この世界のシンジ達が殲滅していった。
街は、零号機の自爆により半壊しており、地上に住む住人は殆ど疎開しており、NERVも最後の使徒を待っている状態だ。

「そろそろだね」
「どうなさるのです?」

「サードインパクトの力を利用させて貰うつもり」
「そう言うことですか」

「綾波」
「…何?」

「必ず向かえに行くから」
「…問題ないわ」

口調とは裏腹にレイは優しさを湛えた微笑でシンジを見ている。

「マユミもね」
「はい、私も心配しておりませんよ」

マユミもまた、シンジを見つめて微笑んでいた。

「あっ!マナさんとムサシさんは、どうされるのです?」
「どの道彼女達に今は、行ける場所は、ないよ。悪いけど事が終わるまでは、今の生活のままで居て貰う」

「そうですか…」
「後、一月もないよ」

「それもそうですね」
「…私達も外に出ると目立つわ」

「まぁ、彼女達の食料ぐらいの蓄えは有るから大丈夫だよ」
「では、皆で楽しむだけですね」

そう言って舌をペロッと出すマユミに、シンジもレイもまんざらでもない笑みを浮かべていた。



小高い丘の上にシンジ達は、立って居た。
あれから、喫茶店に篭り、今日、久しぶりに外へ出てきたのだ。
マユミの後ろには、マナとムサシが居る。
シンジ達の眼下には、戦闘服を身に纏った戦士達がNERVへ攻め込もうとしていた。

「綾波、頼んだよ」
「…えぇ、任せて」

そう言うとレイは、姿を消す。
消えたように見える速さでNERVの中に浸入して行ったのだ。
目指すのはリリスの抜け殻。
レイは、リリスの抜け殻に同化し、自らがリリスと成ってこの世界のレイを受け入れるつもりなのだ。
そうこうしているうちに眼下では、湖から出て来た赤いエヴァが戦闘を始めた。

「そろそろ、僕も行くよ。二人を頼んだよマユミ」
「はい、お任せ下さい」

マユミの後ろでは、目の前の状況についていけず、ポカンと口を開けたマナとムサシが立って居た。

「さぁ、安全なところに行きましょうか」

シンジもレイと同じように消え去った後に、マユミは振り返り、後ろの二人に声を掛ける。
二人は、コクコクと頷くのみであった。



「やはり、ここが一番落ち着きますねぇ」

シンジ達と別れたマユミは、元の喫茶店に戻っていた。
既に戦闘員達は、NERVに侵入しており、街には人っ子一人居ない状態であった。

「さぁ、終わりの時まで私達は楽しんでいましょう」

マユミは、そう言うとマナのスカートを捲りあげ、その白い布の上からマナのスリットは撫で始めた。
ここ数ヶ月、爛れた生活をしていたムサシは、それでもマナのそんな姿に勃起してしまう。
二人は、現実逃避のためか、マユミとの性行為に没頭していった。



「やぁ、シンジ君だったっけ?どうしたんだい?」

ミサトに送り出され、ベークライトに固められた初号機の前で膝を抱えて蹲っているこの世界のシンジに声を掛けたのは、あのシンジであった。

「貴方も、僕にエヴァに乗れと言いに来たのですか?」
「いや?僕は、君の体を貰いに来ただけだよ」

「え?」

この世界のシンジが顔を上げると、眩いばかりの光に包まれていた。
光が収まった時には、この世界のシンジのみがニヤリと笑って立っていた。

「さぁ、行こうか」

シンジが、声を掛けると初号機がエントリープラグを排出する。
シンジがそこに乗り込みエントリーを行うと初号機の眼に光が灯った。



初号機が外に出た時には、赤いエヴァが白い量産型エヴァに陵辱され、内臓まで食いちぎられている最中であった。
量産型エヴァは、初号機を見初めると空中へと初号機を拘束する。
地下では、ゲンドウとレイが対峙しているところであった。

「…さぁレイ。ATフィールドを解放するんだ。そして私をユイのところへ連れて行ってくれ」

全裸のレイの胸をゲンドウが掴む。
レイの片腕がボロッと落ちる。
ATフィールドを解放したために体を維持出来なくなってきたのだ。
ゲンドウの手は、ズブズブとレイの体に潜り、アダムが埋め込まれたその手をレイの子宮へと導いた。

と、その時、ゲンドウの手が切り離され、レイの腕がボコボコボコと再生する。

「れ、レイ!何故だ!」
「…私は、貴方じゃないもの」

「ま、待ってくれレイ!」
「…駄目、碇君が呼んでいる」

そう言うとレイは、浮かびあがりリリスの抜け殻へと吸い込まれて行く。

「レイ!」

ゲンドウの叫びが虚しく響く中、既にレイはリリスへと吸収されていた。

「…ただいま」
「おかえりなさい」

レイが吸収されると共に、リリスの抜け殻は、一気に再生した。
そのまま、その白い巨人は巨大化を始める。

「ターミナルドグマにATフィールド!」
「何!使徒か?!」
「いえ、人です!」
「いやぁ〜〜〜!」

騒いでる発令所を白い物がすり抜けて行った。



成層圏まで連れて行かれた初号機。
周りを白いエヴァが陣形を取っている。
その眼前に現れる巨大で真っ白なレイ。

「綾波、待ってたよ」
「…碇君」



この世界でのアダムとリリスの禁断の融合。
そして、サードインパクトを経たシンジとレイの融合は、本来起こされるサードインパクトのエネルギーに相乗効果も齎し、莫大なエネルギーとなった。
シンジは、それを利用し、全てがLCLとなった世界から新たな世界を創造する。

真新しい、LCLから2000年以前の情報を引き出し、セカンドインパクト前の世界を創りあげ、以前にレイ達と共に行った精神のみの逆行を果たすと、レイは、リリスへ、シンジは、アダムへと同化を果たした。

二度のサードインパクトを経験したシンジは、アダムの魂を取り込み、その体を人の大きさへと変化させる。
その姿は、銀髪紅眼の碇シンジそのものだが、この時代に彼の容姿に疑いを持つ者は存在しない。
シンジは、まだ発掘されていないジオフロントへ、リリスと同化しているはずのリリスの元へと急いだ。

これで、この世界には、アダムとリリスが存在しない、いや、発見される事はない。
即ちセカンドインパクトが起こらない、起こせない世界となったのである。

結局、シンジの出した結論は、セカンドインパクトを起こしてしまえば、どうしてもサードインパクトへと流れが出来てしまう。
そこに、介入してサードインパクトを阻止しても、それまで行われてしまった事は、後の行動が厄介であったのだ。

ゼーレや、ゲンドウは、サードインパクトにより全てが清算されると考えていたのであろう、後の事などなにも考えられていない。
仮にサードインパクトを阻止しようが、残されたチルドレンの未来は明るくない。
特に、レイが人の中でまともな生活を行うのは無理だろう。

かと言ってなまじゼーレと敵対してセカンドインパクトを阻止するのも骨が折れる。
そこで、シンジは元から絶つ事を考えた。
アダムとリリスが発見されなければ、例え裏死海文書が解読されようが、セカンドインパクトが起こされる事はない。

その為には、自分達が同化してしまい、人の中に紛れ込むのが一番手っ取り早いと考えたのである。
レイは、そもそもリリスなのだし、問題ない。
自分の力にも、アダムと同化出来ると何の疑いも持っていなかった。



2015年、東京の閑静な住宅街の一角にある少し大きめの図書館。
その中の読書用の机に、一人の少女が居た。
少々野暮ったい黒ぶちの眼鏡と口元にある黒子。
ストレートのロングヘアーに、見た目の年頃にしては大き目の胸とお尻。
そこに、日本人では有り得ない、銀髪紅眼の少女と少年が近寄って行く。

「マユミ?」

少年の声にパッと顔を上げた少女。
一瞬の驚愕の表情の後、そこには眩いばかりの笑顔があった。

「やっと来て下さいましたね」
「遅くなってごめん」

シンジがそう言った瞬間には、マユミがシンジに抱きついていた。
レイは、それを眼を細めて見ているが、怒っているわけではなかった。

シンジが、ここまでマユミとの接触が遅くなったのは理由があった。
簡単に言えば、この世界のマユミが、記憶を持ってなく幸せに暮らしているのなら、態々自分達と共に過ごす必要は無いのではないかと言う独りよがりな苦悩からである。
相変わらずシンジはシンジであったと言うことであった。

当然、背中を押したのは、レイであった。

「…約束は約束」

レイからすれば、逢ってみてから決めれば済むことだと言う話であった。
逢う前から、自分独りでどうしようと考えるのは、相手の意見を無視した一方的な押し付けだと言う意味である。

しかし、シンジには、もうひとつ問題があった。
アダムとリリスと同化したシンジとレイには、特に食事などを取る必要がない。
住むところすら必要ない。

少し人目から隠れるところ、例えばビルの屋上などで構わないのだ。
消費と言う言葉が二人には必要ない二人に取って、マユミと共に過ごす準備が必要だった。
住居を得るための戸籍の改竄や、職を得ることなど、MAGIを誤魔化して済む第三新東京市ではないのだ。

そんなことをしなくとも、あの時代は、セカンドインパクト孤児だと言えば、それで罷り通ったが、今は、そうはいかない。
そこで、シンジは、まず戸籍など存在しない先進国であるアメリカから始めることにした。

難民受け入れのスラム街から、IT関係のベンチャー企業になんとか潜り込み、市民権を得てある程度のお金を貯めて日本へ来たのである。
少しの軍資金が出来れば、それを大幅に増やすことはシンジ達には簡単であった。

所謂カンニングであるが、ネットワークに繋がっていればシンジにしてみれば情報は見放題なのである。
もっと言えば、電子情報の改竄も容易であったのだ。
しかし、ここまで来るのに15年の歳月を掛けていた。

2000年まで、シンジとレイは碇ユイとゲンドウの動きを見ていたのだ。
不思議とこの世界でも二人は結婚しており、やはりシンジと言う子供が産まれていた。
しかし、京都大学に形而上生物学などと言う学問は発足しておらず、冬月も居なかったが、シンジ達は得にその事については、あまり気に留めていなかった。

そして、シンジ達はアメリカ国籍を持って日本にやってきたのである。
これも自らの能力を使えば、簡単な事なのだが、マユミのために態々パスポートを作り、飛行機で来ていた。
今、シンジとレイは、バカンス旅行中となっているのである。



「で、マユミは何時から記憶が?」
「先程ですよ」

「へ?」
「先程、シンジさんを見た瞬間に全てが思い出されました」

「それって僕達が接触しなければ、記憶が戻らなかったって事?」
「かも知れません」

マユミの言葉にシンジは、ドンヨリと肩を落とす。
後ろには、暗雲が立ち込めているようだ。

シンジ達は、今は、シンジ達の泊まっているホテルに居る。
3人とも全裸であり、大人の容姿であったシンジとレイも、今はマユミと同年代の容姿となっている。
3人の息も荒く、汗だくであり、部屋には淫靡な臭いが充満していた。

因みにマユミは処女であった。
この世界では、マユミは虐められる事もなく平々凡々に過ごしていたらしい。
空想癖は、相変わらずであったが、それもこの年頃にある白馬の王子様待ち程度の可愛いものである。

「…もっと早く来れればよかったのだけど」
「それは問題では有りません。来てくれたのですから」

レイの言葉に返したマユミの言葉に、ほら見ろと言わんばかりにレイがシンジを見つめる。
この期に及んで、シンジは、やっぱり来るべきじゃなかったかもしれないなどと考えて暗くなっている事は、レイにはお見通しであった。

「解ったよ、僕の負け」
「…勝ち負けじゃないわ」

「はいはい、それで、マナ達はどうなったか解る?」
「少々お待ち下さい」

そう言うとマユミは、どこからともなく学生鞄大の本を広げる。

「へぇ〜、その力も健在なんだ」
「認識出来る事、それが全てです」

「そうだったね」

シンジの言葉にマユミは、ニッコリと微笑むと、本の上に掌を翳した。
暫く眼を閉じて集中していたマユミが眼を開ける。
シンジとレイは、マユミの言葉をじっと待っていた。

「今は、マナさん、ムサシさん、ケイタさんとも接点は御座いません。各々の社会で普通に中学生生活を満喫しておられるようです」
「そうなんだ。じゃぁ敢えて接触しなくても良いね。後、アスカは?」

「惣流アスカさんで御座いますか?少々お待ち下さい」

そう言って、先ほどと同じように集中するマユミ。
マユミが眼を開いた時に、先ほどとは違う剣呑なものをシンジは感じた。

「惣流アスカと言う存在は、現在御座いません」
「え?それってどう言うこと?」

マユミの言葉に眼を見開くレイと、困惑するシンジ。

「私には、何故今になってシンジさんがアスカさんを気になさるのか存じませんが、以前の記憶ですと、アスカさんは試験管ベビーとして生誕しておりましたが、ここでは、それが行われていないと言うことです」
「仕組まれた子供…だったと言うことか」

「他に確認したい人達は居ますか?」
「じゃぁミサトさんとか加持さんとか、トウジとケンスケなんかも気になるなぁ」

やはり、シンジとしては、最初に触れ合った人達が気になるのだろう。

「畏まりました」

マユミは、また先程と同じように集中する。 「葛城さんと加持さんは、遭遇してませんね。別々の人生を歩んでおられるようです。葛城さんは、ごく普通のOL、加持さんもごく普通の会社員と言うところですね」
「へぇ〜そうなんだ」

「因みに、赤木博士は、親子で次世代コンピュータの研究を行っているようです。あっ助手に伊吹さんがおられますね」
「…マッドはマッドのままなのね」

「鈴腹君と相田君も接点は御座いませんね。当然洞木さんとも。相田君は相変わらずミリタリーヲタクのようですが」
「なんで皆バラバラなんだろう」

「それはNERVがと言うかゲヒルン自体発足してないからです。あれで集められた子供達でしたから」
「まぁセカンドインパクトが起こってないのだから当然と言えば当然か」

「そうですね。私も父母共に健在ですし」
「マユミは、これからどうする?親子揃って平和に過ごしているなら僕達と一緒に居る必要もないんじゃない?」

「シンジさん、私が邪魔なんですか?」
「い、いや、そんな事は無いよ、でも、ご両親も健在だし、その…」

眼を潤ませるマユミにシンジはタジタジとなる。
ご丁寧にマユミは両手を胸の前で組み、シンジを上目使いで見ていた。
マユミの大き目の乳房と、その表情にシンジは、成す術もなく慌てている。

「うふ、冗談です」
「ま、マユミ〜」



結局、シンジ達は、マユミの近くに家を買う事となった。
そして、シンジとレイは、マユミの学校に編入する事にしたのである。

まず、最初に大人のシンジとレイが手続きを済ませ、日本に帰化する形を取ったのだ。
そして大人シンジと中学生レイ、または大人レイと中学生シンジと言う形で周りに認識させ、そのうち大人ヴァージョンは、聞かれれば今はアメリカに行っていると言う事にし、必要な時だけその形態を取る形としている。

マユミは、その為殆どをシンジ宅で過ごしていた。
家には転校してきたレイと仲良くなって始終一緒に居る仲と認識されている。
泊まるのもレイやシンジが大人ヴァージョンで家に連絡を取るので何の問題もなかった。

シンジとレイは帰国子女として学校では扱われている。
日本人では有り得ない、いや人として有り得ない髪の色と紅眼であるが、外人と言う事で周りは納得していた。
日本名は、碇シンジと綾波レイを堂々と使っている。
なんでその名前にしたの?と言われても、「親が決めたから」で済ましていた。

シンジの家には、マユミの部屋も用意されており、そこには例によって怪しい大人の玩具で一杯となっている。

「…流石ね」

とは、レイの言である。
因みにマユミは、あの日から股間の毛を剃っていた。

「この方がシンジ様が喜びますから」

とは、マユミの言であるが、当のシンジは、

「そ、そんな事ないよぉ…い、いや嫌いじゃないけどさ、だ、だけど…」

などと相変わらずの優柔不断さを発揮している。

「…碇君はロリコンだから」
「綾波ぃ〜」

「…事実よ。認めなさい」

レイに留めを刺され何も言えないシンジであった。
当然と言うか、防音設備完璧の地下室がシンジの家には備え付けられており、毎夜嬌声が発せられていた。

マユミも含め、シンジ達は既に中学校など行く必要が無い、大学院すら必要ないだろう。
それだけの知識を持っているし、今のマユミに人が解っている事で解らない事はない。
人の知らない事まで知っている3人である。

では、何故中学校に通うのかと言えば、暇だったからだ。
マユミは家庭の事情があるため、中学校を辞めるわけには行かない。
そこでシンジにも来て欲しいと誘い、優柔不断なシンジが断れるわけもなく、シンジが行くなら私もとレイが追従したのである。

しかし、中学校での勉強など必要ないシンジ達は、日夜、学生性生活を満喫していた。
事有ればマユミが挑発してくるためにレイも対抗し、行為がエスカレートしていっているためだ。
授業をサボリ、態々誰も居ない用具室などで、マユミ虐められっこ、シンジ、レイ、虐めっ子ごっこなどをして遊んでいたりする。

朝、マユミはシンジ宅へ二人を迎えに来る。
その時、シンジは、マユミに口付けし、お尻と胸を撫でなければいけなかった。
要求したのは当然マユミだが、やらないと

「もう私の体に飽きたのですね」

と涙ぐむのだ。
そして、レイも

「…私も」

とシンジの手をスカートの中や、胸に強制的に持っていく。

「あぁ、レイさんずるいです、私は服の上からなのにぃ」
「…問題ないわ」

とは、毎朝の遣り取りであった。

この世の神にも等しい3人は、東京の片隅で今日もエロ全開で過ごしていた。

「…これが碇君の望んだ世界?」
「うん、戦いもなく、家族が居る。そんな当たり前の世界さ。ちょっと人の道を踏み外してるけどね」

「…そう、良かったわね」
「これも綾波とマユミのお陰だよ」

「…も、問題ないわ」
「有難う」

シンジの言葉に耳朶まで赤くなったレイは、珍しくうろたえ、シンジに抱きつく事で誤魔化した。



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新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。
拙著は当該作品を元に作成した代物です。
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